問題・以下の問に答えなさい
「女性は( )を迎えることで第二次性徴期になり、特有の体つきになり始める」
姫路瑞樹の答え
「初潮」
教師のコメント
正解です。
吉井明久の答え
「明日」
教師のコメント
ずいぶんと急な話ですね。
土屋康太の答え
「初潮と呼ばれる、生まれて初めての生理。医学用語では、生理のことを月経、初潮のことを初経という。初潮年齢は体重と密接な関係があり、体重が43㎏に達する頃に初潮を迎える者が多い為、その訪れつ年齢には個人差がある。二本では平均12歳。また、体重の他にも初潮年齢は人種、気候、社会的環境、栄養状態などに影響される」
教師のコメント
詳しすぎです。
黒乃創の答え
「初経──と見せかけて発情期?」
先生のコメント
見せかけないでください。それとなぜ疑問系なのでしょうか。いや、間違ってますけど。
「ったく、朝から余計なエネルギー使わされたぜ」
鉄ちゃんからの死の宣告(補習室送り)で精神的疲労した肉体をほぐしつつ自分の指定されたクラスに向かう。
「しっかし、さすがは A クラス。施設がスゴすぎんだろ」
途中、ヤバいくらいに凄い施設を誇る A クラスの施設にが目に付いた。
クラス全員がシステムデスクとリクライニングシートに、飲み放題のドリンクバーとコーヒーサーバー、果てには御茶請けも食べ放題ときている。
おいおい、いつからここは学校からネットカフェになったんだよ。普通に生活できるぞ。
そんな豪勢な A クラスを後にして B C D と過ぎていき、新校舎から旧校舎に移って E クラスを抜け、 F クラスを目指す。
それにともなってクラスのスケールがどんどんと下がっていき、ついに自分のクラスについた。
が、
「ここって……本当に教室なの……か?」
その設備のひどさに入るのを躊躇ってしまう。
真っ二つに割れてしまっているクラス表。
所々罅どころか穴が開いてしまっている廊下側の窓。
その廊下に至っては E クラスを抜け出からギシギシ鳴り始める始末。
あの化け狐……経費削減でここまでやりやがるとは。
「……はぁ、とりあえず入るか。中はもう少しマシかもしれん──というのはなかったみたいだ。つーかやっぱり男子ばっかだな」
意を決して教室のドアを開けると、さらに施設が最悪なのが目に飛び込んできた。
床は前時代の寺子屋かよとツッコむレベルの畳敷き。
若干カビ臭い。
勉強するのも机ではなく卓袱台。
しかもボロボロ。
そんで椅子の代わりに座布団ときている。
窓もやはり穴が空いていて、春先故か隙間風が寒い。
はっきり言ってここは学校の教室と呼べない。読んだら全国の高校の教室に失礼だわ。
そんでもってクラスの面子の殆どが野郎ばっか。
いつの時代も勉強しないのは野郎だけか。
こんなクラスで一年過ごすのかよ。
頼まれたとは言えこんなクラスとは思ってなかった俺は少しげんなりしつつ教室に入る。
「さっさと席につきやがれ、この蛆虫が」
教室に入るなり、教壇の上に立っているツンツンとした赤髪の大馬鹿から手厚い歓迎を受けた。割と普通に立っている俺だが、その内心は深く傷ついた。
「家………帰るわ。途中ホームセンターによって殺虫剤を全身に浴びて出直してくるわ」
「え? あっ、ち、違うっ! 悪い! お前じゃねぇ。明久と間違えただけだ……」
「首吊るわ。遺書には『クラスメイトの大馬鹿からキモいんだよこの蛆虫、マジで死ねよと言われて悲しかったです。クラスの議題にしてください』と、残しておくわ」
「違うって言ってんだろうが! さらっと罪を重くしてんじゃねぇよっ!」
人を蛆虫呼ばわりする人間が何を言うか。
でもいいんだ。どうせ俺は蛆虫なのだから。でも、もう少しオブラートに包んで言って欲しかった。俺は日本海溝よりも深く傷ついた。
この恨み、払さでおくべきか。
「そんでもって報復としてはその大馬鹿の家に松茸と称して大量のマジックマッシュルームを着払いの速達で送りつけるわ」
「止めろよ? マジで止めろよ? そんな事をした日には俺の家は速攻で病院送りどころじゃない被害になるぞ! 家の母さん本気で松茸と勘違いして調理するからな! しかも着払いだと余計にたちが悪いわ! あぁもう! 悪かったよ! 俺が悪かった! マジでごめん!」
「だったら最初から言わなければよかっただろうが」
割と本気で謝られたため弄るの止める。
それでもちょっぴり傷ついているのは内緒だ。
「っの野郎……」
「で、わざわざお前が俺に頭下げてまで頼んできたからこのクラスになってやったのに、感謝の一言も無いのか?」
「すっげー遺憾たっぷりだが、ありがとな、お前がこのクラスに来てくれて嬉しいぜ」
やだ真顔で言われると凄くキモイ。
「いやちょっと……男にそんなことを言われるのは……あんまり嬉しくない。つーかキモイ」
「お前が言えって言ったんだろうがっ!」
「いやいや、お前だって『嬉しいぜ』なんて野郎からいわれたら気持ち悪がるだろが」
このいきなり人を馬鹿にしてきたのはこいつの名は坂本雄二。身長が俺より拳一つ分ほど高く、赤いツンツンとした髪が特徴だ。昔なんか不良に目覚めたらしく悪鬼羅刹なんて中二な二つ名を持つほどの喧嘩の腕を持っている。そんでもって無敵の馬鹿……いや大馬鹿だ。しかし、小学校の時は神童と呼ばれるくらいに頭がよかったらしい。少なくとも今はそんな事があったなどと微塵にも思わせないほどに馬鹿オーラが全開となってしまっているが。
雄二との出会いは一年の時で、知り合って色々あり、今では悪友と呼べる仲だ。悪友と言えばもう一人いるんだが、後にしとくか。
んでもって俺がこのクラスにいるのも雄二から頼まれたから。
なんでも「野望のために力を貸して欲しい」とのこと。
まあ去年馬鹿やって結構楽しかったこともあり、了承したのだ。
鉄ちゃんにも言ったように、こいつなら二年生でもなにかやらかすだろうし、どうせなら自分もその中にいたいじゃん。
「てゆーか、なんでお前教壇なんかに立ってるんだ?」
先ほどから雄二が教壇にたっているのか疑問に思う俺はそこのところ聞き出す。
なんか深い意味でもあるのか?
「ん? あぁ、先生が来るまでここにいようと思ってただけだ。これでもクラス代表だからな」
理由はあるみたいだが、とりあえず単なる馬鹿みたいだった。
「なる程。なんとかは高いところが好きというのは間違いじゃ無いみたいだな」
「馬鹿だって遠回しに言いたいのか? クラス代表だって言ってんだろうが。喧嘩なら言い値で買うぞコラ」
クラス代表。これも文月学園の特有な制度である。
組み分け試験の点数で、そのクラスの委員長的な存在が決められるのだ。
つまり、このクラスにおいて雄二が一番頭が良いことになる。
と言っても阿呆クラスの長なのでクラス全体から見ると五十歩百歩。
無論、俺を例外としてだ。ちなみに俺は組み分け試験のテストは全部白紙で出してやったぜ、どやっ!
まあこのままだと雄二が俺に拳をあげてくるのが目に見えているので、とりあえず落ち着かせる。真実と共に。
「安心しろ。少なくとも鉄ちゃんにはお前大馬鹿で通じたから」
「嘘だろ?!」
ところが残念、嘘じゃぁないんだなこれが。
雄二は地味にへこたれているが真実は変わらない。
「まあ確かに雄二のテストの点数はお世辞であっても良いとは言えないからなぁ。というか、頭よかったらここのクラスに居ないだろ」
「お世辞でも言えないのかよ! まあ確かにそうだが、くそっ、まさか鉄人からそんな風に見られているとは思わなかったぜ」
俺も鉄ちゃんから言われたけど、去年俺らのやったこと思い出せよ。絶対そんなこと言えなくなるから。
それはそうと、俺の席どこ? 黒板を見るも席順を書いている紙などは貼っていられてない。
「それで雄二よ、このクラスって席決まってんの?」
「いんや、自由席だぜ」
雄二は親指で教室の後ろを指差し「好きなところに座れよ」と言ってきた。
おぉ、まさかの席すら決められてないとは。さすがは学園最低クラス。
とりあえず適当に場所を探すか。
「さーてと、どこにすっかね~?」
「創……か?」
「ん?」
誰かに声をかけられた気がする。
その声の主に心当たりがあるため振り向くと、そこにはあいつがいた。
「秀吉か。おっはー」
「うむ。おはようなのじゃ。というか創よ、その挨拶はちと古くないか?」
「うん。言ってて俺もそう思った」
やはり声の主は秀吉だったようだ。
もう一度説明しておこう。
木下秀吉。
見た目は女の子そのものの男。世間からは第三の性別秀吉とまで言われている。
部活動は演劇部に所属していて声帯模写などお金が取れるレベルで上手い。
しかし部活動に熱を入れるあまり、このクラスになるくらい頭が足りなくなってしまっている。
そして、絶賛なぜかこんな俺なんかに恋している子なのだ。
「創……もしよかったら、隣に座らないかの?」
「秀吉の隣か? まあいいか。んじゃ、お邪魔するぜ」
「う、うむ」
特に場所に希望が無かったので秀吉に促されるまま、俺は隣の卓袱台のところに腰を下ろす。
うっわ、この座布団綿少なっ! 本当に最悪な環境だな。
「それにしても、どうして創も F クラスなのじゃ? 創ならば、A クラス間違いないじゃろうに」
「あぁ、鉄ちゃんにも同じ事言われたよ」
「西村先生にも言われておったのか。して、理由を聞いても?」
「別に。雄二に来てくれって頼まれたのが主な理由だが、ただ去年と同じ面子で馬鹿やるのも悪くないと思っただけさ」
「それに」と話を一端区切った俺は秀吉の頭に手を乗せ、
「秀吉と一緒のクラスで勉強したかったってのあるな」
まるでどっかの博士みたいにわしゃわしゃと撫でまくる。
うーむ。やっぱりサラサラだ。キューティクルってやつなのか? はっ! し、しまった!
あらかた撫で回して気が付く。こんなに撫で回しては秀吉のサラサラヘヤーがワイルドヘヤーになってしまうではないか。クロちゃんガッテム!
「ぬぉおわぁッ?! おお、お主はいきなりなな、何を言い出すのじゃ…」
いきなり撫で回されたことに驚いた秀吉は面白い叫び声を上げ、顔を真っ赤にしながらうつむいている。
うっほ、めっちゃ可愛いんですけど、これ。しかもワイルドヘヤーとあいまってギャップが凄い。クロちゃんナイス!
「ははは、まあなんだ。まーた一年よろしくな、秀吉」
「う、うむ。よろしく頼む」
秀吉との挨拶も終わり先生を待つだけとなり、カバンから取り出した適当な雑誌を読む。
ふむふむ。おっ、この雑誌によると今週はモテ期到来みたいだな。
そのあたりを詳しく読もうとすると唐突に教室のドアが勢いよく開け放たれ、一人のバカがやってきた。
「すみません! ちょっと遅れてしまいました!」
「さっさと席につきやがれ、この蛆虫がっ!」
「ちょっぴり遅刻しただけでこの仕打ち?!」
俺と同じ洗礼を受けたバカが酷く傷ついた顔をしてこちらに向かってきた。
そのバカに対して俺は軽く片腕を上げ挨拶する。
「よぉっ、さすがはバカの日本代表だな。みんなの予想違わずのクラスになるなんて」
「は、創? なんで君がこの糞みたいなクラスにいるのさ! そそそ、それと僕はバカの日本代表なんかじゃないよ! よくて県代表クラスだよ!」
「いや明久よ。それでも大概な馬鹿じゃと思うのじゃが?」
「秀吉から真実をつきつけられたッ!」
秀吉からの真実に更なる追撃を受けるバカ。
そのバカの名前は吉井明久。
こいつの約九割がバカでできており、残りをゲームとエロで補い、さらに表面を優しさでコーティングしたようなやつだ。
はっきり言ってバカ。もうどうしようもないくらいにバカ。どのくらいかと言えば、このバカの姉が学校の制服と偽って差し出してきたセーラー服を何も疑わずに着用して登校するぐらいにバカなのだ。そして生活能力も低く、三度の飯よりゲームを優先させるバカ。酷いときには三食塩水で一週間生活していたくらいだ。さらにこいつにはどうしようとないバカの称号を学園から受けているが、それはその時に話すか。
そんでもう一人の悪友とはこいつのことで、去年よく雄二と明久、そして俺の三人でやんちゃしたもんだぜ。
「なんであれ、明久もこれから一年よろしくな」
「うん! 創に秀吉、二人ともこれから一年よろしくね」
「うむ。よろしく頼むぞ、明久」
「ところで、僕の席ってどこ?」
「あぁ、自由席だってさ」
「席すら決められてないの?!」
席が決められてなかったことに驚く明久も適当な場所に腰を下ろし、それと同時に先生が入ってきた。
「えー、今日からこの F クラスの担当になります。福原です。皆さんこれから一年間よろしくお願いします」
おや、担任は福ちゃんか。良い先生だけど、どこか無関心なところがある先生だよなぁ。まあ俺は好きだけど。
「それでは先ずは自己紹介から始めましょう。廊下側の生徒からお願いします」
「はい。須川亮です。よろしくお願いします」
次々に自己紹介をしていき、とある奴の番となる。
「……土屋康太。趣味は盗さ───何でもない。特技は盗ち────とくにない。一年間よろしく」
明らかに隠し切れてない趣味や特技を暴露しているこいつの名は土屋康太。
こいつも俺の友人だ。
出会いは雄二の時とほぼ同時期で、いろいろとおもしろい奴。
明久と違ってこいつはほぼ十割をエロで構築されている。
趣味は盗撮、特技は盗聴とバレたら只じゃすまない事にだだならぬ関心を持っている。
そんで得意教科は保健体育と筋金入りのエロリスト。本人は違うと否定するけど、まあ無理だわ。
ムッツリな性格もあり、知る人からは彼はムッツリーニと呼ばれている。
何故知る人からなのかというと、未だにこいつが豚箱に放り込まれてない事が理由だ。
つまり、まだ殆どバレてない。
そういや、次に自己紹介する奴もおもしろいぜ。
「島田美波です。特技は────明久を折檻する事は誰にも負けないわ」
「そんなの特技にしないでよ!」
「みんな、これから一年間よろしくね!」
「まさかの無視?!」
明久の必死なツッコミも虚しく自己紹介が終わる。
明久を折檻するのが特技と言ったこの子の名前は島田美波。
ここのクラスでは珍しく女子生徒。
その実体はドイツからの留学生で、日本語があまり得意でないため F クラスとなってしまっている。問題文は日本語だからなぁ。
けど、日本語が絡まない教科だと普通に解ける頭の持ち主だ。
明久を折檻するのが特技なのは恋心の表れで、若干間違ったアプローチをしてしまっている。好き故に傷つけてしまう。要はツンデレの行き過ぎたバージョンだな。端から見る分は面白いため基本的俺は放置している。
はてさて、彼女の恋が届く日が来るのだろうか。
そんな感じで自己紹介は進んでいき、ついに俺たち三人の番となる。
「黒乃創。まあ別によろしくしても、しなくてもいい。これから一年馬鹿やって楽しもうな!」
俺が自己紹介をし、
「吉井明久です。皆さん気軽にダーリンって読んでください」
『『『ダーリィィインッ!!』』』
「───ごめんなさい。嘘です。普通に名前で読んでください」
明久がクラス全員から野太い声でダーリンと呼ばれて吐き気を催し、
「坂本雄二だ。これからよろしく頼むぜ」
雄二を最後に自己紹介が終わった───かに思われた。
「あの、遅れて、すいま、せん………」
『えっ?』
野郎全員の間抜けな声が出た。
唐突に開け放たれる教室のドア。
そこから、一人の少女が入ってきたのだ。
「おや丁度良いですね。瑞樹さん。自己紹介をお願いします」
「あっ、はい。姫路瑞樹といいます。よろしくお願いします………」
「み、瑞樹さん?」
少女が頭を下げたところで、とある馬鹿が勢いよく席を立った。
「よ、吉井君?」
明久が驚きの声を上げるのと同時に少女も上げ、見つめ合う二人。
なにこのラブコメてき展開。
突然の事すぎてみんなが驚愕──『うぉおおおおおおおおっ! 女子だぁぁぁぁぁああ』─してないわ。
むさ苦しい教室に女の子が増えた事によりアホ達が雄叫び声を上げる。
そんな中、
「な、なんで姫路さんがここにいるの?」
クラスの誰かが驚きの声を上げる。
そう、彼の言葉が一番持つべき当たり前の感想なのだ。
少女の名前は姫路瑞樹。
ピンク色のくせのかかったロングヘヤーでほわんとした雰囲気を持つ娘だ。
容姿端麗成績優秀の二つを兼ね備え、まさに非の打ち所がないと言うもんだ。
故に、なんでこんなアホクラスにいるのか説明がつかない。
「そ、その……」
緊張した雰囲気を持ちながら姫路が口を開く。
「振り分け試験の最中、高熱を出してしまいまして……」
その話を聞いた全員が『あぁ、納得』といった顔をして頷いた。
つまりは、試験の最中に試験を最後まで受けられず、結果としてこの掃き溜めに送り込まれることになったのだと。ここの学園は何を思ってか風邪引いたらそれは個人の責任だとか言って追試なんてもんが存在しないしな。
さて、そんな殊勝な理由を聞いた我が F クラスの野郎どもだが、次々と言い訳の声が上がる。
『そう言えば、俺も熱(問題)が出たせいで F クラスに』
『あぁ。科学だろ? アレは難しかったな』
『俺は妹が事故にあったと聞いて心配で実力が発揮できなくて……くそっ!』
『黙れ一人っ子。寧ろテメェが糞だわ』
『前の晩、彼女が寝かせてくれなくて』
『おいおい、いくら好きでも徹夜してエロゲすんなよ』
揃いも揃ってアホばっかり。よくもまあここまでの言い訳ができるもんだ。
「で、ではっ、一年間よろしくお願いしますっ!」
言う無いのや姫路は逃げるように明久と雄二の隣の空いている卓袱台に着いた。
着いたそうそう『き、緊張しましたぁ~………』と息を吐き卓袱台に突っ伏したのを観る限り、この先このアホクラスで大丈夫かちょっと心配になる。
まっ、なんとかなるか。明久もいることだし。
完全に他人任せだが、席が近いので構わんだろう。明久だって美少女の為になることなら絶対に首は縦にしか振らんだろうし。
それから自己紹介も終えて今後の授業日程などを話していく福ちゃん。
そして最後に、
「それから設備に関して何か問題あった場合は──」
教室設備に関しての連絡が来た。
さすがにこのままってわけはないよな。
しかし、福ちゃんからでた言葉は予想を遙かに越えたものであった。
「──各自でどうにかしてください」
「そこまで経費削減してたのしいですかッ?!」
あまりのことに思わずツッコんでしまう。
だけど、まさか自分たちでどうにかしろって嘘だろ?
俺を皮きりに他のみんなもいろいろ設備にいろいろ言うも、
「先生ー、俺の座布団の綿が少ないんですけど?」
「我慢してください」
「先生ー、窓に穴あいてて隙間風が寒いです」
「後でビニール袋を申請しておきましょう」
「先生ー、卓袱台の脚が折れたんですけど?」
「体を傾けてノートをとってください」
「さすがにそれは無理だよ!」
とりつく島がない。
さすがに卓袱台に関しては明久は木工ボンドを渡してもらっていた。
お前の卓袱台の脚が折れたのかよ。
「えー、他に設備に関しては──」
バキャッ! バラバラバラ………サァ────
副ちゃんが言いかけたところで教卓が崩壊した。
先生の前にあるのは教卓ではなく今や粗大ゴミの山。
『…………………………………………』
沈黙が教室内を包み込む。
「──代わりの教卓を持ってきますので、それまで皆さんは自習をしていてください」
そう告げると福ちゃんは足早に教室から出て行った。
この現状に隣の秀吉も『こ、これほどまでか……』などと口にしている。
改めて思う。
このクラスは酷すぎる。
「………雄二、創、ちょっといい?」
先生がいなくなって直ぐ、明久に声をかけられた。
二段構えって事で