ラブライブ!サンシャイン!! Aqoursの戦国太平記   作:截流

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どうも、截流です!

最近は若虎の方に力を注いでいたので停滞気味になってしまっていましたが、ぼちぼち更新を再開していきます!

あとUA数が3000を突破しました!ありがとうございます!!


それではどうぞお楽しみください!!


15話 老将の回顧 疾き雲

「幻庵おじいちゃーん!遊びに来たずらよ~!!」

 

「ぴぎ・・・。幻庵さん、お久しぶりです・・・!」

 

「おお、久しぶりじゃのう花丸どのにルビィどの。」

 

氏政が敗戦から立ち直り、再び精力的な活動を始めてから1年近く経った頃、千歌たちは小田原城の城下にある久野という土地にある北条家の長老、北条幻庵の屋敷に来ていた。

 

「ほっほ・・・。千歌どの達と会うのは氏康と当主殿との謁見の時以来かのう。」

 

「はい、妹のルビィと花丸さんがお世話になっております。」

 

ダイヤは幻庵にお辞儀をした。花丸はAqoursが北条家に身を置いてから国府台での合戦が始まるまでの1年にわたる修業期間を幻庵のもとで過ごしていたのだ。ちなみにルビィは花丸に誘われてよく幻庵の屋敷に出入りしていたので幻庵に対して人見知りを発動しなかったのである。

 

「ささ、こんな所で立ち話もなんじゃから上がってくだされ。」

 

『お邪魔しまーす!』

 

千歌たちは幻庵に促されて屋敷に上がった。

 

 

 

 

 

「さて、それで今日はどのような用事でこんな老いぼれのところにまで足を運んでくださったのかな?」

 

千歌たちを客間に通して座った幻庵は千歌たちに用件を聞いた。

 

「えっと・・・。何しに来たんだっけ?」

 

「千歌ちゃん!?北条家のことを聞きに来たんでしょ!?」

 

「ああ、そうだった!えへへ、幻庵さんに出してもらったお菓子がおいしくてうっかり忘れちゃった・・・。」

 

「まったくもう・・・。」

 

千歌の様子に梨子がため息をつく。

 

「でも確かにおいしいよねこれ。」

 

「『ういろう』だっけ。なんかようかんみたいな見た目だけどお餅みたいな感じの食感だよね。」

 

曜と果南がういろうを食べながらそう言った。

 

「ほほほ、気に入ってもらえて何よりじゃ。花丸どのも美味しそうに食べておったからのぉ。」

 

「ずら丸はこっちに来てからも食べてばっかりね。」

 

「むぅ、美味しいからつい食べちゃうんだもん。善子ちゃんも食べてみるずら!」

 

そう言って善子の言葉に頬を膨らませた花丸は善子の口にういろうを突っ込んだ。

 

「堕天使たる私がそんなもn・・・むぐ!?・・・美味しいじゃない。」

 

「ほらね♪」

 

「Aqoursの面々はみな仲が良いのう。仲が良いのはよいことじゃ、ほほほ。」

 

千歌たちの様子を見て幻庵はからからと笑う。

 

「あ、そう言えば私たち北条家について聞きに来たんです!」

 

千歌が思い出したように幻庵に話を切り出した。

 

「ほう、当家についてのう。」

 

「はい!今こうやって私たちは北条家にいるわけだけどあまり氏政さんたちのいるこの家のこととか全然知らなくて、それを聞きたくて来たんです!」

 

「幻庵さんが初代の北条早雲さん・・・いえ、伊勢新九郎盛時さんの息子さんと聞いたのでこうして聞きに来ました。何とぞ私たちに北条家の成り立ちなどをお教えしていただけませんか?」

 

ダイヤがそう言って頭を下げたのに続いて千歌たちも頭を下げた。

 

「なるほど・・・。確かにお主たちは今は北条家の食客にして家臣でもある。この北条家について知ってもらうにはいい機会かもしれんの。」

 

「本当ですか!?」

 

「うむ。ではお主たちに北条家が如何にしてこの地に興ったかを教えて進ぜよう。かなり話が長くなるかもしれんから楽な姿勢で聞いてくれて構わんぞい。」

 

『はい!』

 

「まずわしの父上、北条早雲は今では北条家と名乗ってる都合でそう呼ばれておるが、ご存命の間は北条姓を名乗ってはおらんかったのじゃ。」

 

「じゃあ、なんて名乗ってたんですか?」

 

最初に質問したのは梨子だった。

 

「わが父の名は伊勢新九郎盛時。ダイヤどのが言っておった通りの名じゃ。」

 

「お姉ちゃん凄い・・・!」

 

「この程度の知識、当然のことですわ!伊勢新九郎さんは一時期沼津に拠点を構えていたのですから。」

 

ダイヤはドヤ顔で言った。

 

「左様。もともと伊勢家は京の将軍家に仕える家柄であったが、その分家筋であった父上は応仁の大乱の後に姉が嫁いでいた駿河の今川家に身を寄せたのじゃ。しかし今川の当主であった義忠公が討ち死になされ、嫡男であった氏親公、その当時は竜王丸と名乗っておったのだが、まだ幼く誰が今川家を支えるかでもめておったのじゃ。」

 

「確かに子供が跡を継ぐとしたら色々大変だもんね。」

 

曜がうへーといった風に呟いた。

 

「その時は義忠公の従弟の小鹿範満が今川家を牛耳ようとしておったのじゃが、父上が氏親公が元服するまでの間は範満が代理を務めるべし、という案を出したのじゃ。何とかそれでその場はそれで収まったのじゃが、氏親公が元服された後も範満は当主の座を渡そうとしないので父上は氏親公の兵を借りて範満を攻め滅ぼしたのじゃ。そして、その功績により氏親公より沼津の興国寺城を賜ったのじゃ。」

 

「新九郎さんって頭が回る人だったんだね。」

 

「そしてそれから数年経った時に父上は出家し『早雲庵宗瑞』と名乗ったのじゃ。そして明応2年(1493年)に伊豆で弟と継母を殺して悪政を行なっていた堀越公方、足利茶々丸を攻め滅ぼし伊豆一国を丸ごと手に入れたのじゃ。ちなみにわしはこの年に生まれたんじゃ。そして伊豆を手に入れた三年後にこの小田原城を攻め取ったのじゃ。」

 

「小田原城って結構攻めづらい城だったんでしょ?よく新九郎さんはそんな城を落とせたわよね。」

 

「うむ、善子どのの言う通り当時はまだ二の丸が無かったとはいえ今と同じく難攻不落であったのじゃが、父上は城主であった大森藤頼に贈り物を贈ったりして油断させ、『鹿たちが箱根山に逃げ込んだので追い戻すために勢子(狩人)達を入れたい』と手紙を送り、勢子に扮した兵士を送り込み、藤頼がいない隙に奇襲を仕掛けてこの城を奪い取ったのじゃ。」

 

『へえ~。』

 

「そして父上は今からちょうど50年前に亡くなるまでの間、相模を統一するための戦に尽力なさったのじゃ。」

 

「あら?そう言えばまだ北条って言葉が出てきてないデース。」

 

「ほんとだ。鞠莉さんの言う通りまだ北条って言葉が出てきてないですね。」

 

「わしらが北条と名を改めたのは兄上が父上の後を継いでからじゃからのう。」

 

「ど、どうして苗字を変えたんですか?そのまま伊勢さんのままでもよかったんじゃ・・・。」

 

ルビィがおずおずと幻庵にたずねた。

 

「いい質問じゃのうルビィどの。この時わしらは関東の者たちから『他国の逆徒』、つまりよそ者の国盗人として忌み嫌われてたのじゃが、それが関東制覇という父上の野望を成し遂げるには不都合だったので、兄上はかつて鎌倉の幕府を治めていた執権の北条家の姓を、朝廷に頼み込んで名乗ることにしたんじゃ。」

 

「力こそが全ての戦国乱世においても大義名分は必要ですのね。」

 

「その通り、兄上が氏康に残した五つの遺訓にも『義を守っての滅亡と義を捨てての繁栄は天地ほどの違いがある。故に大義を重んじて生きよ。』と記してあるからのう。何事も節度を守ることが大切なのじゃ。」

 

「あの、幻庵さん。一つ聞いてもいいですか?」

 

幻庵が語り終わったあと、千歌が幻庵に話を切り出す。

 

「なんじゃ千歌どの。」

 

「初代の早雲さん・・・じゃなくて新九郎さんはどんな人だったの?」

 

千歌がたずねたのは初代、北条早雲がどのような人物であったのかだった。

 

「あ、私もそれ気になってた!」

 

「どんな人だったんですか幻庵さん?」

 

曜や梨子、そして他のメンバーたちも流れに乗るように幻庵にたずねる。

 

「・・・そうじゃのう。わしが物心ついた頃にはすでに70歳に差し掛かるほどじゃったが、老いてなお盛んといった感じじゃったのう。70歳を超えても背筋はまっすぐで、歯もひとつ抜ける事なく壮健であったのう。」

 

「Seventy!?ダイヤがこの時代は50歳が平均寿命って言ってたけど、それを考えてみるとすごい長生きだったのね!」

 

「お人柄はどのような感じだったのですか!?」

 

ダイヤが食い気味にたずねてきた。

 

「父上は武勇に優れてるだけでなく、京の文化にも通じる文武両道のお方だったのう。そして何より父上は民を重んじておった。」

 

「民・・・、お百姓さんや商人さんたちの事?」

 

「うむ、その通り。北条の民を重んじる家風は父上が始まりであっても過言ではないのじゃ。」

 

首を傾げた果南に幻庵は優しく答える。

 

「父上は応仁の大乱を通して、醜い権力闘争やそれが原因で起きた戦乱に巻き込まれた民を見て心を痛めておられた。そして常に『京の都は腐っておる、なればこそわしが関東の地に武士と民が平穏に暮らせる国を作り上げよう。』と兄上たちやわしに語って聞かせてくださった。」

 

「早雲さんって優しい人だったんずらね~。」

 

「優しいだけではないぞ。それを成し遂げるためならば時としては鬼となった。先ほど話した伊豆討ち入りは幕府からの密命もあったのだが、何より父上は親兄弟を殺し、傍若無人な振る舞いで民を苦しめる茶々丸に激しい怒りを抱いていたからこそ攻め入り、6年にわたる歳月をかけて茶々丸を追い詰めて討ち取ったのだ。」

 

「幕府からの密命?」

 

「当時幕府で擁立された将軍は茶々丸の腹違いの弟で、母と弟を茶々丸に殺されたので、伊豆を平定すると同時に母と弟の仇を討ってくれという密命が父上に来ていたのだ。」

 

「そうだったんだ・・・。」

 

「伊豆を平定してからの父上は伊豆の民を癒す事に尽力する事に全力を注いだのじゃ。その頃は伊豆では疫病が流行っておっての、父上は京から大量に薬を仕入れて無償で民に配ったのじゃ。」

 

「でもこの頃の薬ってとても貴重だったんじゃ?」

 

「うむ、じゃが父上には外郎という薬売りの知り合いがおって、その協力もあってなんとか病に苦しむ民を救う事ができたのじゃ。」

 

「外郎?なんかこのお菓子と名前が一緒だね。」

 

千歌が首をかしげると、

 

「その菓子の『ういろう』は外郎家の当主が代々薬の口直しとして薬と一緒に出していたものが人気だったので菓子として単体で食すようになったものなんじゃよ。あと、その時の外郎家の当主、宇野藤右衛門定治どのは父上の招きでこの小田原に居を据えるようになったのじゃ。」

 

「そういえば小太郎さんがたまに薬売りの格好をしてたのはそういう事だったのね。」

 

「そうそう、善子どのの言うように小太郎も外郎どのに縁があってたまに薬を売り歩きながら各地で情報を集めて回ってるのじゃ。」

 

「色んな人に慕われてるんだね、早雲さん。」

 

「その人にあったらもっと色んな話を聞けるかも!」

 

曜と千歌がそう言うも、

 

「ああ、先代の外郎どのの定治どのはもう既に亡くなっており今では息子の家治どのが家督を継いでおるから定治どのに話を聞く事はできんのじゃ。」

 

「そうなんだ、なんか残念だなぁ。」

 

「仕方ないわよ千歌ちゃん。新九郎さんの頃の人なんだから少なくとも幻庵さんよりは年上なのよ。」

 

「そうだよね~・・・。」

 

残念がる千歌を梨子がなだめる。

 

「さて、話を戻すが父上は民を病から救っただけでなく、民を苦しめていた重税を改めたのもその功績の一つなのじゃ。」

 

「税?」

 

「左様、世間一般では年貢は五公五民か六公四民、つまり収穫を10とするとそのうち5か6を税として納めるのじゃが、それでは民の暮らしが苦しくなってしまうと言って父上は四公六民、つまり税収を減らしたのじゃよ。」

 

「なるほど…。でもそれでは資金繰りが大変なのではありませんか?」

 

ダイヤは幻庵に税収を減らした分はどのように補うのかをたずねた。

 

「うむ、税を減らしたからには確実に北条家の元に入ってもらわねば困るのじゃ。普通ならば家臣や配下の国衆達に回収させ、そこから蔵に入れるのじゃが、わしらはそれを無くして直接北条家の蔵に納めさせておるのじゃ。」

 

「北条家ってけっこう領地が広いし人も多いよね?本当にそんなことできるのかな・・・?」

 

「ふふふ、確かに果南どのの言うことにも一理あるのう。じゃがそのためにこの書物に押されてる印判があるのじゃよ。お主らは氏政のもとで働いておるから見たことあるであろう?」

 

そう言って幻庵は一枚の書状を見せた。

 

「あ、この最後にあるやつですよね!なんか書いてあるのは分かるんだけどなんて読むのかは分からないんですよね…。」

 

その印判を見て、千歌は苦笑いした。

 

「これは虎の印判と言って『禄壽應穏(ろくじゅおうおん)』と書いてあるのじゃ。」

 

幻庵は紙に『禄壽應穏』と書いて千歌達に見せた。

 

「どういう意味なんですか?」

 

曜が首を傾げてたずねると、

 

「禄というのは財産のことじゃ。そして壽(寿)とは命、要は『民の財産と命は我ら北条家が守ってみせる。』という意味が込められておる。」

 

「ワオ!エクセレント!!本当に北条家のみんなは領地に住む人達の事を大切に思ってるのね!」

 

「その通り。そしてこれは先々代の当主であるわしの兄上の遺志がこの印判に込められておるのじゃ。そしてこの印判を用いることが出来るのは当主のみで当主を騙った書状を出せないようにするという役割もあるのじゃ。」

 

「こうして聞いてみると北条家って凄い民衆想いの大名だったのね・・・。」

 

「なんていうかすごく優しい感じがするね・・・って、んん?」

 

幻庵の話を聞いてしみじみと呟いた千歌は突如縁側の方に視線を移した。

 

「千歌ちゃん、どうしたの?」

 

「なんかあっちの影から誰かがこっちを見てるみたいなんだけど・・・。」

 

千歌が指さした先に、柱の影から千歌たちや幻庵を覗き見ている人の影があった。

 

「あ、三郎く~ん!そっちで何やってるずら?」

 

なんと花丸が覗き見ている人物に声を掛けた。

 

「おお、なんじゃ。三郎も来ておったのか。三郎よ、そんなとこから見ておらんでこっちに来なさい。」

 

「は、はい幻庵大叔父上!」

 

柱の影から出てきたのは顔立ちの整った美少年だった。見た感じだと千歌たちよりも年下に見える。

 

「花丸ちゃん、この人のこと知ってるの?」

 

曜が花丸に少年のことを聞くと、

 

「三郎君は氏政さんたちの弟さんずら。小さい頃はお寺に入ってたんだけどつい最近になって戻って来たずら。オラが幻庵さんのところで修行してた時、たまに一緒に遊んでたりしてたんだ。」

 

と三郎のことを紹介した。

 

「ルビィも三郎くんとは少し仲良しなんだ・・・。」

 

「うむ、花丸どのの言う通り三郎も氏康の息子なのじゃ。じゃが母親は氏政から氏規たちとは違うから我ら北条家の菩提寺に預けておったのじゃ。三郎も花丸どのの御友人たちに挨拶しなさい。」

 

幻庵も三郎の肩を叩きながら彼のことを千歌たちに話した。

 

「は、初めまして。北条三郎といいます・・・。」

 

三郎はおずおずと頭を下げながら自己紹介した。すると千歌は三郎の手を取って

 

「よろしくね、三郎くん!そうだ、三郎くんも私たちの歌を聞かない?」

 

と目を輝かせながら言った。

 

「歌・・・ですか?」

 

「うん、オラたちが『スクールアイドル』っていう歌を歌ったり踊ったりしていろんな人たちを楽しませたりすることをしてるって前に話したよね?」

 

「ルビィと花丸ちゃんは千歌さんたちに誘われて始めたんだ!」

 

「そういえばそう言ってましたね・・・。僕も聞いてみたいです。花丸さんやルビィさん、そして二人の御友人たちが一緒に歌っている歌を・・・!」

 

三郎は頬を紅潮させながら言った。よほど興味があるのだろう。

 

「よーし!そうと決まったらさっそく準備しよう!」

 

「でも千歌ちゃん、ラジカセは氏政さんの屋敷に置きっぱなしだよ!」

 

「あー!!そうだった!!」

 

「心配しなくていいよ、あたしがひとっ走りして取ってくるからさ。」

 

「ありがとう果南ちゃ~ん・・・!」

 

千歌たちは三郎に歌を披露するため慌ただしく準備していた。

 

 

「幻庵大叔父上・・・。」

 

「どうした三郎?」

 

三郎は千歌たちの方を見ながら幻庵に声を掛けた。

 

「僕も花丸さんやルビィさんみたいに、氏政兄上たちと一緒に歩んでいけるでしょうか・・・?」

 

三郎は氏政たちとは違い、側室から生まれたので正室から生まれた氏政たちに対して引け目を感じていた。

 

「なるほど・・・。お主はそれを悩んでおったのか。じゃがそれは杞憂じゃ。わしも兄上たちとは母親は違っておったがその絆は生涯揺らぐことはなかった。よいか三郎、わしら北条の一族はそのような些末なことで兄弟を軽んじたりはせんのじゃ。氏政や氏照、氏邦に氏規もお前が元服し、共に戦場に出ること・・・、そして共に北条を盛り立てることを楽しみにしておる。じゃからお主は胸を張って、彼女たちの様に自分らしく生きなさい。」

 

「はい、ありがとうございます。大叔父上・・・。」

 

木々の葉も赤や黄に色づく秋が訪れ、千歌たちは平穏な日々を過ごしていたが・・・。

 

 

 

小田原城の氏康の屋敷にて・・・。

 

「なに?それはまことか小太郎・・・。」

 

「はっ、間違いありません。」

 

「・・・引き続き甲斐の動向を調べよ。」

 

「御意にございます、御本城さま。」

 

そう言って氏康の前から小太郎はふっと姿を消した。

 

「まさか信玄め、よもやそこまでするとは・・・。」

 

氏康はこぶしを握り締め、西の空を見据えながら呟く。

 

 

 

その平穏は少しづつ崩れ去ろうとしていた・・・。




いかがでしたでしょうか?


今回は北条家とはどういう家なのか、そして初代の早雲や氏康の父である氏綱について軽く触れました。


今回で第二章は終了し、次回は二章に登場した人物の紹介をしてから、次々回で第三章に突入していきたいと思っています!

第三章は最初から最後までクライマックスな展開ですので、お楽しみに!

そして今回も読者の方が書いてくださったAqoursのメンバーの武者姿のイラストを掲載させていただきます!


花丸ちゃん:
【挿絵表示】


ルビィちゃん:
【挿絵表示】



それでは次回もまたお楽しみください!!

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