ラブライブ!サンシャイン!! Aqoursの戦国太平記   作:截流

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どうも、截流です!

最近はモチベーションが少しずつ回復して来てるので筆の進み具合がグレートなことになってますよ!

もっと感想を送ってくださればさらにモチベーションが上がるかも!?(調子に乗る文字書きのクズ)

今回はいよいよ氏規の父親であるあの人物と北条家の重臣たちが登場します!

それではどうぞお楽しみください!!


3話 獅子たちの小田原評定

千歌たちが氏規の勧めで韮山城に滞在し始めてから数日経った頃、物語の舞台は氏規の父、北条氏康と氏規の長兄である氏政の居城である小田原城に移る。

 

その小田原城の廊下を2人の若者が歩いていた。

 

「全く、今は上杉政虎(謙信)の関東侵攻で荒らされた各地の城下の復興で忙しいっつーのになんで俺たちを呼んだんだか・・・。」

 

「ぼやくな氏邦。あれから1年も経てばそれなりに目処は立ってるだろう。父上と兄上のもとに氏規から書状が届けられたのは知っているだろう?」

 

「ああ、『未来の日の本から来た女子』の事だろ?氏規の奴もホラを吹くならマシなのを吹けって思うがな。」

 

廊下を歩きながら話している若者は、ぶっきらぼうな口調で話しているのが、氏康の四男である北条氏邦である。そしてもう1人が氏邦の兄である北条氏照である。2人は父氏康と兄氏政から千歌たちについての話をするために氏照の居城である滝山城と氏邦の居城の鉢形城に書状を送って招集をかけたのだ。

 

「私も俄かには信じがたいが、あの氏規が嘘をつくとは思えない。私たちはその話が本当か否かを確かめる為にここに来ているのだからな。」

 

「そうだな。」

 

そうこう話してるうちに小田原城の広間に着き、2人は襖を開けて広間に入っていった。

 

広間の上座には兄の氏政が座っていた。

 

「やあ氏照、氏邦。久しぶりだな!わざわざ来てくれてありがとう。息災にしていたか?」

 

「おう、兄貴も元気そうだな。」

 

「兄上もお変わりなく。父上は?」

 

氏照はこの場にいない氏康がどこにいるのかを氏政に聞いた。

 

「父上もそろそろ来るはずなのだが・・・。」

 

氏政がそう言うと同時に、

 

「おお、三人とも揃っておるな。ささ、叔父上、こちらへどうぞ。」

 

「ほほ、すまんの氏康。又甥たちもまた一回り雄々しくなったのう。」

 

と、三人の父である氏康が入ってきた。氏政に家督を譲って隠居しているとはいえ彼はまだ権力の大部分を握っており、実質的な北条家の最高権力者として君臨していた。

 

氏康とともに入ってきた老人は氏康の叔父であり北条家の長老である、北条幻庵であった。北条家の開祖である北条早雲こと伊勢盛時の末っ子で、武蔵の小机城を守っている。

 

「ふむ、全員揃ったところで話を始めようか。」

 

「待ってください父上。氏規は呼ばないのですか?」

 

氏政はこの場に氏規がいない理由を父にたずねた。

 

「氏規を呼ばなかったのはこの書状の真偽を第三者の客観的な目で見極めるためだ。氏規は件の娘たちと既に接触しておるから好意的な立場を取るであろうからな。」

 

「なるほど。」

 

「とりあえず氏照と氏邦にはまだ氏規の書状を見せてなかったな。これがそうだ。」

 

氏康は氏規から届けられた書状を氏照と氏邦に渡した。そして氏照は氏規の書状を読んでみせた。

 

「なになに・・・。

 

『この度、沼津の近くで狼藉を働いていた野盗を捕まえるために内浦を散策していたら野盗に追われていた娘たちを保護しました。その娘らは『未来からやってきた』と言っておりました。とりあえず身寄りがないというので城に連れて帰る途中に野盗の群れの残党に囲まれ窮していたところ、その娘のうちの1人の千歌という娘が『らじかせ』なる未知なるからくりにて野盗どもを気絶させ難を逃れた次第でございます。』

 

か・・・。」

 

「氏規の奴も不甲斐ねえな。『白備え』の康勝どのと一緒にいながら女子の手を借りるなんてよ。」

 

「待て氏邦。氏規は9人の娘を康勝とたったの2人で守っていたのだ。守るものがなければ2人でも楽に勝てるが、9人を守りながら2人で10人を相手取るのは至難の技だ。むしろ1人で野盗を気絶させた千歌という娘の胆力を見るべきだぞ。」

 

氏規を笑う氏邦を氏康がたしなめた。

 

「しかし、ここに書いてある『らじかせ』というのはなんなのでしょうか?」

 

氏照は氏規の書状に書かれていたラジカセについて疑問を感じた。

 

「ああ、後ろの方に書いてあったが、どうやらそれは音楽を奏でるという箱らしいぞ。」

 

先に書状を読んでいた氏政は氏照にラジカセがどんな物かを教えた。

 

「音楽を奏でる箱?」

 

「氏規がいうには、箱の表面を押すことで音楽が奏でられるらしくて笛も鼓も琴もいらないという優れものらしい。そしてさらに音の大きさも変えられるようで、耳元で囁くような小さい音から雷のような轟音まで、変幻自在で、千歌という娘はその『らじかせ』から轟音を流して賊を気絶させたというぞ。」

 

「笛が必要ない、というのは釈然としませんが確かに面白いからくりですな。確かにこの時代には笛も鼓も琴もなくひとりでに音楽を奏でる道具は存在しませんね。」

 

「確かにそんな珍妙なからくりを持ってるんならそいつらは本当に未来の日の本から来たみてえだな。」

 

氏照と氏邦が千歌たちが未来人だと認めようとしたところ、

 

「まだまだ甘いな又甥たちよ。」

 

さっきまで黙って聞いていた幻庵が会話に入ってきた。

 

「な、まだまだ甘いというのはどういうことでしょうか大叔父上?」

 

氏政が幻庵に聞き返した。

 

「確かにそのらじかせというからくりはワシらの知らぬ未知のからくりであるのは分かったが、ひょっとしたら南蛮から取り寄せたものかもしれぬとは思わんか?南蛮からも未知なるものがこの日の本に入ってきておるからの。」

 

「なるほど、大叔父上の言うことも最もですね・・・。」

 

氏政は幻庵の言葉に感心して頷いた。

 

(確かに大叔父上の言うことは最もだが・・・。)

 

(あれは笛が必要無いって言われて若干ムキになっていらっしゃるな・・・。)

 

(大叔父上も氏照兄貴と同じで笛を嗜んでる上に自分で笛を作るほどだからなぁ・・・。)

 

氏照と氏邦は幻庵が笛が必要無いと言われてムキになってるな、と思っていた。

 

「確かに叔父上のおっしゃることも最もですが、もう一つ氏規から書状とともに送られたものがあります。」

 

氏康はそう言うと懐から一枚の紙を取り出した。

 

「はて?それはなんじゃ氏康よ。」

 

「それは『写真』ではないですか!無いと思ってたら父上が持ってたのですか!」

 

「なあ兄貴、親父が持ってる『写真』ってのはなんだ?ただの紙じゃないのか?」

 

氏邦は氏政の口から出てきた写真というものについて質問した。

 

「『写真』と言うのは『真を写す』と書いて写真と読むそうだ。どういうものなのかは見た方が早いだろう。私もこれを見た時は本当に驚いたからな。父上、それを早くみんなに見せてください。」

 

「そう急くな氏政。確かに氏政の言う通り、これを見れば叔父上も氏照と氏邦も驚くぞ。」

 

そう言って氏康は写真を表向きにして幻庵や氏政たち兄弟の前に置いた。

 

「なっ・・・、これは!?」

 

「おいおいどういう事だ!?氏規が紙の中にいるぞ!!」

 

「いや、これは絵じゃな。だが絵であるとは思えないほど氏規の顔が正確に描かれておる・・・。まるで氏規とその周りの風景をそのままこの紙に写したような・・・。」

 

写真を見た3人は大いに驚いた。

 

「氏規の書状には『この写真という紙は『かめら』という人や風景をそのまま写し取るからくりで作られる。』と書いてある。かの雪舟のような絵師でもここまで正確に風景を書き写すことは出来まい。」

 

氏康は写真を見ながらそう言って頷いた。

 

「確かにこれは凄いのお。目で見たものをそのまま写して一枚の紙に収めてしまうとは、我らより遥かに先の時代を生きる者はとてつもない技術を持っておるのじゃなあ・・・。」

 

幻庵も、ここまでのものを見せられては千歌たちが未来からやってきたことを認めざるを得なかった。

 

「しかしこの写真というのはいいなあ・・・。『かめら』があれば梅の姿を何枚も写して収められるんだがなあ・・・。あ、あと国王丸の姿も収めなくてはな!」

 

氏政は写真を見て目を輝かせながら自分の世界に入っていた。

 

「あーあー、また兄貴の奥方さま熱が始まりやがったか・・・。」

 

「国王丸が生まれてからはさらに拍車が掛かってるからなあ・・・。」

 

((ほんと、こういう気の抜けた部分が無ければもう少しは箔がつくと思うんだがなあ・・・。))

 

氏照と氏邦はそんな兄の様子を見て呆れかえっていた。

 

「わしも瑞穂を・・・。ってそうではなくてお前たち、茶番はそこまでにしてこれから本題に移るぞ。」

 

(((父上も私(兄上)(兄貴)のこと言えないような・・・。)))

 

氏政たち三兄弟は氏康の態度を見て釈然としない様子だったが、いつもの厳格な雰囲気に戻った父を見て背筋を正して氏康の話に耳を傾けた。

 

「氏規の書状には、ただ未来から小娘たちがやってきたこととそれを証明するための文が書かれていたわけではない。まだ続きがあるのだ。」

 

「続き、ですか。」

 

「そうだ。氏政、読んでみせい。」

 

氏康は氏政に書状を読むように促した。

 

「はっ。

 

『そして何故この書状を小田原に送ったのかというと、この娘たちを食客として北条家に留め置き、彼の者たちが元の時代に戻るための方法を探すことに協力したいので、当主である兄上と父上の正式な認可を仰ぎたいと思った故にございます。』

 

と、書かれている。私は彼女たちに協力してやりたいと思うが、お前たちはどう思う?」

 

氏政は弟たちの意見を仰いだ。

 

「まあ、その女子たちを食客として留め置くのは問題ないかと。」

 

「ああ、俺も悪くはねえと思う。その辺で野垂れ死なれても寝覚めが悪いし、何より民のために戦う北条家の信条に反するからな。」

 

氏照と氏邦は賛成した。

 

「大叔父上は?」

 

「わしは当主殿の意見を尊重するぞい。」

 

「父上は?」

 

氏政は最後に父の意見を仰ぐが・・・、

 

「うむ、わしもその点には同意しよう。だが、ただ認めるだけでは面白くない・・・。そうは思わぬか?」

 

「面白くない、と言いますと?」

 

氏政は父の意図が読めずに聞き返す。

 

「彼の者たちを試すのだ。この小田原城に招いて、わしとお前と謁見させるのだ。いや、それだけではない。氏照や氏邦、そして綱成ら五色備えや三家老、そしてその他重臣連中を集めようではないか。」

 

「な・・・!」

 

「本気か親父!?」

 

「何故そこまで!?」

 

氏政たちは父の提案に驚きを隠せなかった。

 

「よく考えてみよお前たち。普通なら右も左も分からぬ場所に放り出されて、尚且つ野盗に追われれば気が動転して何人かは捕まるだろう。だがこの女子たちは全員欠けることなく逃げ延び、さらには野盗の群れを退けたのだ、無論只者ではなかろう。」

 

「ほうほう、確かに氏康の言う通りじゃのう。」

 

「そこで、わしら一門や重臣たちの前であやつらの器を見極めるのよ。そして器があると見えれば、食客としてではなく客将として北条家に招こうぞ。」

 

「なるほど・・・。では、もし器がないと判断したときは如何に・・・。」

 

「まあ、その時は普通に食客として留め置くさ。あとは未来の日の本の話も聞いてみたいのう。」

 

「それでは、氏規にその旨を書状で伝えましょう。」

 

「うむ、任せたぞ氏政。それと、さっきから外で聞いているのは分かってるぞお主ら。いい加減に入ってきたらどうだ。」

 

氏康が襖の方を見ながらそう言うと襖が勢いよく開き、

 

「なんだ氏康!分かってたのなら初めから俺たちも加えてくれても良かったのにお前も人が悪いな!!ガハハハ!」

 

豪快な笑い声をあげながら入ってきたのは氏康の義弟にして、『北条五色備え』のうちの1つにして、常勝軍団との呼び声も高い『黄備え』の大将である『地黄八幡』こと、北条綱成であった。

 

「氏康どのが何やら面白そうな話をしていると聞いて綱成について来たらなかなか面白い事になってるみたいだな氏康どの!」

 

「全く・・・。こうなるのが分かってるのならわざわざ盗み聞きをせずとも良かったのでは・・・?」

 

「まあまあ直勝どの、たまにはこういうのも悪くはございますまい。しかし『未来からやってきた9人の女子たち』とは実に興味深いですな。」

 

綱成に続いて入ってきたのは、『赤備え』の大将の北条綱高、次に『青備え』の大将の富永直勝、そして最後に『黒備え』の大将の多目元忠である。どれも歴戦を潜り抜けた北条軍の精鋭たちである。

 

「ほうほう、五色備えが一堂に会するのを見るのは久しぶりじゃのう。しばらく前の松山城攻めの時以来かのう?」

 

五色備えはそれぞれ最前線の要衝の城に配置されているのでなかなか5人揃うことはないのだ。だから幻庵は揃って見るのは久しぶりと言ったのだ。

 

「いえ、幻庵どの。此度は康勝がおりませぬぞ。」

 

「そういえば康勝どのは今、氏規さまの韮山城に詰めてると聞きましたな。今いないのは韮山にて用事があって忙しいとか。」

 

直勝が思い出したかのように言った。

 

「なるほど、それに氏康さまたちの話を合わせれば康勝どのがここにいない理由も辻褄が合いますな。」

 

直勝の話と、仲間たちと一緒に盗み聞いた氏康達の話を合わせて結論を導いたのは元忠であった。彼は氏康の参謀も務めており、五色備えの中では一番頭の頭が切れる男である。

 

「全く、いい歳して盗み聞きなんぞしおって•••。まあ、話は聞いた通りだ。これより韮山から氏規と康勝と康英を伴って未来から来た女子たちをこの小田原に呼び寄せ謁見を行なう。分かっておるだろうがお主らも出席してもらうぞ。」

 

「おいおい氏康、俺たちの仲だろう。そんな水臭いこと言わずとも俺たちは全員出るつもりだったぞ!」

 

「全員出るつもりだったんですか・・・。」

 

氏政が呆れたように言う。

 

「当たり前だろう!その様な面白そうな者たちが来てるというのに見ないでおけるか!」

 

「は、はぁ・・・。」

 

綱成の熱気に氏政は気圧される。

 

「とりあえず五色備えを集める手間は省けた。あとは三家老の者たちを集めれば•••。」

 

三家老とは五色備えを軍団における最高幹部とするなら、内政における最高幹部にあたる五色備えの上位に位置する重臣である。

 

「ああ氏康。憲秀どの達なら既にいるぞ?」

 

「は?」

 

「いや、あっちの方に。」

 

綱成が指差した先の襖を氏康が開けると、

 

「綱成どの!なぜバラすのだ!」

 

「だから私はやめようと・・・。」

 

「綱成どのが調略はできても隠し事が苦手なのは憲秀どのも綱景どのも分かっていただろうに!」

 

下から筆頭家老の松田憲秀、直勝の同僚で江戸城の城代である遠山綱景、そして初代早雲の頃から仕えてきた家柄である大道寺政繁の3人がだるま崩しのように崩れてきた。

 

「全くお前達もか・・・。となると風魔も来てるのではないか?」

 

氏康がため息をつきながら言うと、天井の板が開いて

 

「うむ、呼ばれたから来たぞ。」

 

天井裏から1人の忍びが降りてきた。この忍びこそ、北条家に仕える忍び集団、『風魔党』の首領である風魔小太郎その人である。

 

「お前ら揃いも揃って盗み聞き好きすぎるだろう!!氏政たちは叔父上と一緒に下がれ!そして綱成たちはそこに座れ!今から説教だ!!」

 

綱成を中心とした康勝を除いた五色備えのメンバーと、三家老たちは広間の上座の前に正座させられて説教される羽目になった。その説教はかれこれ二時間ほど続いたという・・・。

 

 

 

 

そして物語の舞台は再び韮山城に移る。氏康たち北条家の当主と重鎮たちの話題の中心となっていた千歌たちは何をしているのかというと・・・。

 

「うあー!!もう無理ー!足痺れたよおー!!」

 

「千歌さん!はしたないですわよ!氏規さんのお父上と謁見するにあたって礼儀作法を身につけるのは大事なのですよ!旅館の娘なら接客する時に正座するでしょうに・・・。」

 

「確かにするっちゃするけどあんなに長く座らないし、そもそもそういうのはだいたいお母さんかお姉ちゃんたちがやってるから私はそんなに正座しないもん!!」

 

千歌たちは、氏康との謁見に備えてダイヤの指導のもと、礼儀作法の勉強をしていたのだが、ご覧の有様である。

 

「まあまあ、千歌ちゃんもだいぶ出来てきてるからその辺にしてあげても・・・。」

 

「いいえ!甘やかしてはダメですわ梨子さん!今度会うのは大名ですのよ!?しかも2、3国も保有している大大名とその重臣たち、今でいうなら規模こそは狭いけど総理大臣クラスの方と会うのなら礼儀作法は徹底して身につけなければ!!もし無作法をしたらどうなることか・・・!」

 

良家の娘であるダイヤは梨子に礼儀作法を身に着けることの意義などを必死に説くが、

 

「でもさーダイヤ、あの氏規さんのお父さんだからそこまで細かいことは気にしないんじゃない?氏規さんはそのへんどうなのか知ってますよね?」

 

三年生組の中でも暴走しがちなダイヤと鞠莉のストッパー役である果南がダイヤと梨子の間に割って入る。

 

「ええ、父上は厳格な方ではありますが、そこまで格式ばったお方でもないですから礼儀作法もほどほどで大丈夫かと思いますよ。」

 

氏規は氏康の人柄を千歌たちに教えた。

 

「ほらー!氏規さんもこう言ってるじゃん!私たちは私たちらしくするのが一番だよ!」

 

「イエス!千歌ちゃんの言う通り!!私たちのアイデンティティーをプッシュするのが一番よ!ほんとダイヤってば頭が硬度10なんだから。」

 

「誰が硬度10ですって!?」

 

「まあまあ、ダイヤさん落ち着くずら。人間何事もありのままで臨むのが一番ずら。ね、ルビィちゃん。」

 

「ま、マルちゃんの言う通りだよお姉ちゃん。私たちらしくが一番だと思うよ・・・!」

 

「はあ・・・。そこまで言うなら仕方ありませんわね・・・。」

 

韮山城で和気あいあいとして過ごしていたAqoursだったが、

 

「氏規さま!」

 

「来ましたか、康勝殿!」

 

「ええ、御屋形さま、そして御本城さまの連署の入った書状です!」

 

小田原から届いた書状が新たな局面へと彼女たちを導く。

 

「御屋形さまって誰だっけ?」

 

「氏規さんのお兄さんの氏政さんだよ!」

 

御屋形さまが誰の事を指しているのかを梨子が教える。

 

「それで、なんて書いてあるんですか?」

 

「ああ、この前に送った書状の返事ですよ。なになに・・・。」

 

氏規が書状を読んでいるのを千歌たちはかたずをのんで見守る。

 

「それで、返事はなんて・・・?」

 

梨子が氏規にたずねると、

 

「兄上と父上からの呼び出しですね。この書状がつき次第、私と康勝どの、康英どのは未来の日の本から来た女子たちを伴って小田原に出仕せよ。と書かれてますね。」

 

遂に氏康、氏政父子からの呼び出しが掛かった。

 

「それで小田原にはいつ出発するんですか?」

 

「そうですね。明日の朝には出発したいですね。」

 

「結構急なんですね。」

 

「ええ、というわけで今日は早めに休んでください。」

 

「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」

 

 

 

遂に関東の覇者である『相模の獅子』、北条氏康とその息子である『若獅子』、北条氏政との謁見が正式に決まった千歌たち!

 

果たして謁見は無事に成功するのか!歴史の歯車が少しづつ乱れ行く中、それは神だけが知っている・・・。




いかがでしたでしょうか?

3話目にしていよいよ相模の獅子、北条氏康と愉快な北条家の幹部たちが登場しました。果たして千歌ちゃんたちは曲者強者揃いのメンバーを相手に無事に謁見することが出来るのか!!

次回はAqoursと伊豆衆による楽しい楽しい小田原珍道中です。乞うご期待です!

あと読み切りについてですが、読み切りはあと2話続いて全部で5話構成になります。


それでは次回もお楽しみください!!

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