ラブライブ!サンシャイン!! Aqoursの戦国太平記   作:截流

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どうも、截流です!!

皆さん長らくお待たせしました!!更新再開となりました!!

千歌ちゃんたちAqoursの本格的な活躍がこれから始まる・・・!



それでは第二章、開幕です!!!


第二章 1563 成長する少女たち
6話 成長と暗雲


北条氏康、氏政父子との面会を成功させて正式に北条家の客将となってから時間が過ぎ、時は永禄6年(1563)12月の終わり頃、千歌たちは氏政のもとで武術や内政、その他様々な事を学んでそれぞれ着実に成長を重ねていた。

 

「はあ、はあ・・・。やっと上手く乗れるようになったよぉ〜・・・!」

 

小田原城の一角で息を切らしていたのはルビィだった。

 

「やったねルビィちゃん!!遂にルビィちゃんも乗馬が出来るようになったずらー!!」

 

「OH!エクセレント!!お疲れ様ルビィ!」

 

「全く、馬に乗れるまでに1年近くもかかるなんて黒澤家の娘として情けないですわ!」

 

「まあまあダイヤ、せっかくルビィちゃんが乗馬できるようになったんだから褒めてあげてもいいんじゃないかな。」

 

鞠莉はルビィに付きっきりで乗馬を指導しており、ダイヤと花丸は常にそれを見守っていたのだ。果南は玉縄城で綱成から運動神経を見込まれて武術や戦術を教わっていたのだが、無事に全て終わらせて、小田原城に戻ってきたところだった。

 

「しかしまさか鞠莉どのが馬術の名手だとは思わなかったな。それに教えるのも実に上手いな。」

 

「ええ!乗馬は趣味でやってたからこんなの簡単よ!」

 

と氏政の賛辞に対して鞠莉はドヤ顔で応えた。

 

「そうか、もしよければ我が北条家の騎馬隊に入ってくれないか?鞠莉どのが入ってくれれば武田の騎馬隊に勝てる…と言うのは言い過ぎかもしれんが練度を大きく上げる事ができるだろう。」

 

「え!私が騎馬隊に?センキュー!ありがとう氏政さん!」

 

と鞠莉は氏政にハグをしようとするが、

 

「はいはい、氏政さんが困ってるからやめようねー。」

 

と果南に止められていた。

 

「でもみんなすごいなぁ、ここしばらくで見違えるくらい成長してるんだもん。」

 

と言ったのはAqoursのリーダーである千歌だった。

 

「そう?千歌ちゃんも十分すごいと思うよ、氏政さんの馬廻の1人として頑張ってるじゃん。」

 

と曜が千歌の肩を叩いて言うが、

 

「私はみんなみたいにすごい技術とか身に付けたいの!曜ちゃんは梶原さんとか康英さんに色々教えてもらって水軍大将見習いになってたし、花丸ちゃんは幻庵さんのところで色々教わってたみたいだし、ダイヤちゃんなんか偉い人たちと一緒に働いてるみたいだし!なんていう人たちだったか忘れちゃったけど。」

 

「評定衆ですわ!」

 

千歌は他のメンバーが様々なところで自分の才能や技能を伸ばしているのを羨ましがっていた。そしてすかさずダイヤがツッコミを入れる。

 

「評定衆って何?」

 

と千歌が首を傾げると、

 

「北条家は内政に関して何かを決める時は月に二回行われる会議で話し合って決めますの。その会議を行っているのが評定衆ですわ!」

 

とダイヤが評定衆について説明した。

 

「北条家は政策や訴訟では当主の独断でどうするかを決めるのではなく、家臣達とも話し合って決めるんだ。これこそが北条家の結束の固さの秘訣だ。」

 

と氏政は頷いた。

 

「へぇ~・・・。でも私は難しいことは分からないから出来そうにないな~。」

 

と千歌はため息をついた。

 

「まあまあ千歌どの。お祖父様が残した五箇条の遺訓にもあるように人には誰にでも捨てる所はなく、活躍できる所は何かしら一つは持ってるものなんだ。焦らずとも千歌どのが活躍できる時はくるさ。」

 

と氏政が千歌を励ました。

 

「そういえば氏政さん。善子ちゃんと梨子ちゃんはどこに行ってるんですか?」

 

と曜は梨子と善子がどこに行っているのかをたずねた。

 

「ああ、善子どのは風魔の里に行っていて、梨子どのは江戸城に行ってるんだ。」

 

「そっか、梨子ちゃんは東京に住んでたもんね。ていうか善子ちゃんが風魔の里ってどういうこと?」

 

と曜が氏政の答えに目を丸くしていた。

 

「ああ、それは・・・。」

 

と氏政が言うと、

 

「戻ってきましたぞ。」

 

どこからともなく声が聞こえたと思ったら氏政の後ろに1人の男が立っていた。口から牙を生やしており、身長が2メートル近くある大男だった。

 

「おお小太郎、戻ってきたのか。」

 

「うむ、前に連れてった娘を戻しに来た。」

 

そう言うと小太郎の後ろから、

 

「堕天使ヨハネ、小田原城に再臨よ!」

 

と言いながら出てきた。

 

「おお、善子ちゃん久しぶり!」

 

「なんかあまり変わってないような・・・。」

 

と果南が言うと、

 

「こやつには忍びとしての才能は皆無だったが、どうしても『悪魔の技を教わりたい』だのと駄々をこねるものだから我が風魔党の戦術を叩き込んでやったら物覚えが良いのか真綿が水を吸うように我が教えをモノにしていきよったわ。」

 

と小太郎が答えた。

 

「当然よ!ヨハネは賢いんだから!」

 

と胸をふんぞり返しながら善子が言った。

 

「そういえば善子ちゃん頭よかったよね・・・。」

 

とそれを聞いたルビィが呟いた。

 

「あれでいつものやつがなければ善子ちゃんも充分すごい人だと思えるんだけどね・・・。」

 

と、花丸もルビィの言葉に相槌を打つ。

 

 

「そういえば梨子ちゃんはいつ戻ってくるんですか?」

 

と千歌が梨子について氏政にたずねた。

 

「うむ、直勝や綱景が言うにはそろそろ小田原に帰すと言っていたからそろそろ戻ってくる頃合だと思うぞ。」

 

「そっか~、梨子ちゃん早く戻ってこないかなぁ。」

 

氏政の返答を聞いた千歌は東の空を見上げ、江戸にいる友人に思いを馳せた。

 

 

 

 

一方江戸城では…。

 

「ふう、これで今月分の税収の書類は終わりっと・・・。」

 

「お疲れ様でした。しかし梨子どのは物覚えが良く仕事が早くて助かりますね。あ、あとの分は私たちが片付けてしまいますので休んでてください。」

 

梨子はその月の税収に関する書類の整理をしており、ちょうどひと段落ついたようであった。そんな彼女を労っているのは江戸城の城代の1人にして、北条家の最高幹部である『北条家三家老』の一画を担う遠山綱景であった。

 

彼は江戸城の内政の最高責任者でもあるので、梨子に内政のいろはを教えていた。綱景の丁寧な指導や梨子の飲み込みの良さもあって、彼女は期待の新人官吏として江戸城内で少しずつ頭角を現しつつあった。

 

「そんな、綱景さんが働いてるのに休むわけにはいきませんよ。私もまだまだ平気なのでお手伝いします!」

 

と梨子が書類の整理を再開しようとすると、

 

「梨子どの、勤勉で熱心に働くのはいいことだが休む事も大事だぞ。綱景どのも休憩したらどうだ?」

 

と肩を叩いたのは綱景と同じく江戸城代で、北条家最強の戦闘部隊である『北条五色備え』のうちの一つである青備えの大将を務める富永直勝だった。

 

「あ、直勝さん。」

 

「直勝どのの言う事にも一理ありますね。今日のところはこれで手打ちにして休みましょうか。」

 

綱景がそう言うと3人は屋敷の縁側に座った。

 

「梨子どの、休もうと言った手前申し訳ないのですが、是非とも未来の江戸の話を聞かせてくれませんか?」

 

と、綱景は梨子に未来の江戸、東京についての話を求めた。

 

「うむ、俺も江戸城代としてその話は実に興味深い。頼めるか?」

 

直勝も興味津々だった。

 

「分かりました。私たちが生まれた時代の江戸は東京って名前に変わっていて…。」

 

梨子は東京についていろいろ話した。東京が日本の中心になっていて、各地からいろんなものやたくさんの人が集まっている事、外国からもたくさん人が来ている事、そして内浦に来る前に住んでいた秋葉原のこと・・・。彼女自身もびっくりするほどたくさんの事を話していた

 

綱景や直勝はどの話も熱心に、そして好奇心に溢れる子供のようにキラキラ目を輝かせながら梨子の話を聞いていた。

 

「・・・これが私が知ってる東京の話です。でもほんのちょっとでしかないんですけどね。」

 

梨子は話の締めにそう言うと、

 

「いや、それだけの事が聞けただけで俺たちは満足さ。」

 

「その通り、江戸城代として江戸の開発を任せられた身としては江戸がそれほどの発展を遂げていたという事を聞けただけで感無量です。」

 

と、綱景と直勝は満足げに返した。

 

「私からも一つ聞きたいんですが、どうして綱景さんと直勝さんはそこまで江戸の開発に熱心なんですか?何か思い入れがあるとか・・・。」

 

梨子は綱景と直勝に熱心に江戸の開発に勤める理由を聞いた。

 

「何故にですか・・・。それが私の生きがいからですかね。」

 

「生きがい、ですか?」

 

「ええ、私は氏康さまのお父上である氏綱さまから直勝どのと共にこの城を任されました。『直勝は江戸の兵を率いて江戸を守り、直勝はこの江戸の地を民のために豊かにせよ。』とね。あ、ちなみに私の名前の綱の字も氏綱さまからいただいたんですよ。」

 

「そうなんですか。名前も貰ってるんですね。」

 

と梨子が驚くと、

 

「武士にとって主から名前をいただくというのは名誉な事だからな。この家中で名前に綱の字が入ってたら氏綱さまから、康の字が入ってたら氏康さま、そして政の字が入ってたら氏政さまからいただいてるものだと考えていいな。」

 

と直勝が梨子に解説した。

 

「じゃあ康勝さんや康英さんは氏康さんからもらったという事ですね?」

 

「ご名答。あの2人も氏康さまからの信頼が厚いからな。」

 

「ああ、話が逸れてしまいましたね。私がなぜ江戸の開発に心血を注いでるのかですが、それは父上に江戸の大地をこの城から見せてもらったからなんですよ。」

 

と綱景は脱線しかかっていた話を戻した。

 

「お父さんにですか?」

 

「ええ、その時の景色に心を奪われましてな。それ以来、辺り一面真っ平らに広がる湿原、それが黄金色に輝く稲穂の海になれば、あるいはここら一帯を全て街にする事が出来ればどれほど多くの民が豊かになるのだろうか、と若い頃によく夢想したものです。」

 

「綱景さんは本当にこの地域の人達の事を考えてるんですね。」

 

「ええ、だからこそこの江戸を発展させて小田原をも超える関東一の、いや東国一の町に仕上げたいと日々研鑽しているのです。まあ、もう私もあまり若くはありませんがね。」

 

と綱景は自らの夢を語った後、苦笑いをした。事実、彼の年齢はもう50歳を過ぎており、人間五十年と言われたこの時代ではもういつ死んでもおかしくは無い年齢だった。

 

「綱景どのの情熱はすごいからな。なんせわざわざ京から有名な連歌師を呼んで連歌の会を催したくらいだからな。」

 

「今でいうと浦の星女学院にμ’s・・・は解散しちゃってるからプロになってるA-RISEを呼んでライブをやってもらうようなものなのかな…。」

 

と梨子は呟いた。

 

「そういえば梨子どの。そろそろ年の暮れが近づいていますがどのように過ごすつもりですかな?」

 

と綱景は梨子に年末はどのように過ごすのかを聞いた。

 

「私ですか?特に予定はありませんが・・・。あ、でも最近千歌ちゃん達と会ってないなぁ。」

 

「だったら一旦小田原に戻る気はないか?」

 

「え?いいんですか?」

 

「ええ、氏康さまと氏政さまから各地に散っていたAqoursの方々が最近小田原城に戻ってきているので梨子どのも一旦小田原に戻してやってはどうだ、とお達しが来ましてね。」

 

「それにお主はここのところたくさん働いてくれているから休みも兼ねて年の暮れと年初めは仲間と共に過ごすがいいだろう。」

 

綱景と直勝の提案に梨子は、

 

「お二人ともありがとうございます・・・!」

 

と頭を下げた。

 

「いえいえ、礼には及びませんよ。」

 

「うむ、ならばなるべく早くに仲間に元気な顔を見せてやるといい。」

 

「はい!!」

 

 

そして梨子はその日のうちに簡単な身支度を済ませ、綱景から2、3人のお供をつけられて小田原に向かっていった。

 

「じゃあ綱景さん、直勝さん。行ってきますね。」

 

梨子が馬上から2人に手を振ると、

 

「そう急がずともいいですよ。ゆっくりと休んで来てください。」

 

「氏康さまと氏政さま、そしてAqoursの面々によろしくな。」

 

と2人も手を振って梨子を送り出した。梨子の姿が見えなくなった頃、1人の僧が2人の元に走ってきた。

 

「はあ、はあ・・・、綱景さま!直勝さま・・・!!大変でございます!」

 

「あなたは確か法恩寺の住職の・・・。」

 

「そんなに息を切らせてどうしたのだ?」

 

2人は江戸城の近くにある法恩寺の住職の尋常でない様子を見て、只事ではない事を察知した。

 

「実はお二方のお耳に入れたい事が・・・!」

 

 

 

 

 

 

そして小田原城では・・・。

 

「梨子ちゃーん!会いたかったよ〜!!」

 

「ちょっ、千歌ちゃん苦しいよ・・・。」

 

梨子が小田原城に戻ってくるや否や、千歌が思いっきり抱きついてきた。

 

「おーい千歌ちゃん、それ以上は梨子ちゃんがまずいことになっちゃうぞー。」

 

曜が果南と2人がかりで千歌を無理やり梨子から引き剥がした。

 

「ありがとう2人とも・・・。」

 

「ははは、しばらく前まで皆離ればなれだったというのに実に仲睦まじいな。」

 

そう言って現れたのは氏康だった。

 

「父上。いらしてたのですか。」

 

「うむ、9人ともそれぞれ氏政とわしが課した修行を見事にこなし、我が北条家の客将として相応しくなって戻ってきたようだな。」

 

氏康が千歌達を見回しながら満足げに頷きながら千歌達を労うと、

 

「氏康さん!私たちはいつになったら戦いに出られますか!?」

 

千歌が目を輝かせながら興奮気味に氏康にたずねた。一応この年には武田軍と共に武蔵における上杉謙信の拠点の一つである松山城の攻略戦があったが、千歌達はまだまだ修行中だったので参加していなかったのだ。

 

「うむ、そうだな・・・。早くても来年の春頃には太田資正の岩付城を攻略しようと思っておるからその時がお主らの初陣となるであろうな。」

 

と氏康が言うと、

 

「本当ですか!?よーし、頑張るぞー!!」

 

と千歌が気合いを入れて叫ぶと、

 

「御本城さま!お屋形さま!!一大事でございます!!」

 

と1人の伝令が氏康と氏政の元に走りこんできた。

 

「む、どうしたというのだ?」

 

「息を整えてでいいから何があったのか教えてくれ。」

 

氏政にそう言われた伝令が呼吸を整えてから、2人に用件を伝える。

 

「江戸城代の遠山綱景さまと富永直勝さまより火急の報せでございます・・・!」

 

「えっ・・・!?」

 

伝令の言葉に梨子は驚いて目を剥いた。

 

「綱景と直勝からだと?一体何があったのだ。里見が攻めてきたのか?」

 

と氏康が伝令にそう言うと伝令は首を横に振り、

 

「同じく江戸城代の太田康資様とその御兄弟、郎党が揃って謀反を起こしました・・・!!」

 

「何!?新六郎が謀反だと!?」

 

「馬鹿な!康資どのが!?」

 

氏康も氏政も動揺を見せた。その報せがよほど衝撃的だったのだろう。

 

 

北条家の永禄6年の年末は、先ほどの和やかな雰囲気とは打って変わって不穏なものになろうとしていた・・・。




いかがでしたでしょうか?


ラブライブ!サンシャイン!!のアニメが放送開始と言うことでこちらもそれに便乗する形で再開しました!

新章が開幕して早々にいきなり不安なことになってますがまあ気にしないでください!

次回から遂に北条家とその宿敵ともいえる勢力と繰り広げられた戦いに千歌ちゃんたちが身を投じていきます。果たして最初の壁を超えることは出来るのか?



それでは次回もまたお楽しみください!!
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