狩人がダンジョンで狩るのは間違っているだろうか   作:狸親父ぽんのすけ

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どうも、狸親父です、はい。
最後に投稿してから一ヶ月近く経ちまして、漸く続きを投稿しました。
ここまで遅れた理由、もとい言い訳が無いことも無いのですが、それについては、ぐだぐだと見る人を不快にさせてしまうと思ったので、書くのはやめにします、というかこれは全部狸親父の怠慢、惰性が原因ですし……。
この作品を読んでくれた方、評価をしてくれた方、コメントを寄越してくれた方、お気に入りに入れてくれた方、本当に申し訳ありませんでした。
では、今回も最後まで読んでくださるととても嬉しいです。


第一話:本当の目覚め

意識が暗転してしまってからどの位経ったのかは分からないけど、私は仰向けには倒れてはおらず、何かにもたれ掛かった状態で座っている、という事は目を開けずしても分かった。

取り合えず目を開けて周囲の状況確認を……ッ?

 

「んぅっ……」

 

急に真っ暗闇から差し込んで来た日の光が私の瞼を覆い尽くす、しかし、私は掌を顔の前まで持ってくることで、瞼の上から網膜ごと灼きつくさんとする光を遮った。

要するにとても眩しい、驚いた。

 

それからしばらくしてようやく、私の目が差し込んでくる光に慣れてきたようだ、少しずつではあるが、瞼を上げ、自分の周りがどうなっているか確認していく。

 

まず目の前に木がある、次に左右、木と木、次に後ろ……は、私がもたれ掛かっている

木、上は木々の葉っぱと木漏れ日、だが、木漏れ日が全て私の方へ向いているのはどういうことだ、凄く眩しい。

……ふと【禁域の森】と【ヤーナムの影】が脳裏を掠める。

 

……私は本当に悪夢から解放されたのだろうか、だが、確かにゲールマンは言っていた。

 

「私の望んだ、悪夢の無い世界……」

 

いや、しかし、私が囚われていた悪夢では、こんな眩しいまでの木漏れ日はなかった。

 

「はは、本当に、悪夢の無い、世界?」

 

自然と歓喜の言葉が口から漏れ出してくる、我ながら自分勝手な喉はくつくつと、笑い始めて、言葉を紡いだ。

 

「くはははっ!あぁはははは!」

「漸く、漸くだぁははは、ひひっ」

「あぁ、悪夢から覚めたところで何をするかなんて決めてなんていなかったけれど」

「これから、これからなんだ、これからがある」

「はひひ、ふふっ」

 

こんなに笑ったのは、初めてかもしれない、あぁ、こうも清々しい気持ちになったのは初めてだ。

 

散々笑い転げてどの位経った?いや、そこまで経ってはないか、木漏れ日は仰向けに寝ている私の方に差し込んでいるままだ。

 

「ははぁ、あぁ、まずはこの森から出ないと、ふふ、それからかな」

 

両手を地面に突いて立ち上がろうとして、ふと視界の隅に小さい木箱を見つけた。

 

「……これは、【保管庫】、というより保管箱?」

 

蓋にされた留め金だとか、金具、形が悪夢でお世話になった保管庫ととても似ていた。

ただ違うのは丈夫そうな革のベルトが付いている、これなら持ち運びできるだろう。

試しに持ち上げてみると、この箱の中には何も入っていないのか異常な程軽かった、

いや、入っている入っていない以前に、この箱自体の重さすら感じなかった。

 

取り合えず中身も見てみる、

留め金等を外し、蓋を開けるが、そこには何も無かった、底すらも。

 

「って、いつも通りですね、これ」

 

箱の中に手を突っ込み、何かを掴んでそのまま手を引っ込めて何かを握った掌を開き、取り出した物を確認する。

 

「……【水銀弾】」

 

片方の先端だけが尖った円錐状の、鈍い光沢を放つ金属、文字通り水銀と僅かばかりの私の血液で固められた弾丸ではあるが、ただ獣狩りの銃を撃つためだけの物ではない。

他にも私が使い続けてきた武器も入っている。

 

「決して平穏な世界ではない、か」

「はは、私は平穏ばかりを求めることなどしないよ、ゲールマン」

「傭兵になってみるのも悪くはないか」

「っくく、あぁ、これからなんだからな」

 

私は喉を鳴らしながら水銀弾を保管庫に突っ込んで蓋を閉じ、留め金をはめようとして、錆一つ無い金具部分に自分の顔が映り込み、ふと映りこんでいる随分と幼い顔を見て―――

 

「ん?」

「あれ?」

「私、何で、何か、若くなって……」

「えぇ……」

 

……これでは武器をまともに扱えないじゃない。

ただ今来ている異邦の装束はサイズが合っているようなのだけれど。

 

ガサガサッ

 

「―――!」

 

何かが此方に近づいてくる。足音……人、か?それとも人型?

……人ではないな、人型、敵か、だがこの匂いは……獣ではないな、全部で三匹。

 

私は木箱を開け、さっさと今の自分でも使える武器を取り出す。

 

「【スローイングナイフ】、こいつで充分かな」

 

まぁ、これをまともな武器として扱ったことは無いのだけれど。

そんな余計な思考をしながら、スローイングナイフを四本、二本は左右の手に、残りの二本は予備として、ズボンのベルトの間に挟んでおく。

 

「―――来た」

 

「ギィィ?」

「ギッ?」

 

茂みを掻き分けて出てきたのは二匹、双方今の狩人と同程度の身長であったが、明らかに狩人とは違う点があった、薄緑の肌と、尖った大きな耳、人と比べれば幾分か長い犬歯。

 

不幸にも狩人の前に出てきた彼らは、狩人を見つけ、近隣の村に住んでいる人間たちとは違う服装にほんの少しだけ戸惑うが、自分たちの身長と同程度、つまりは子供、しかも女ときた、薄緑の彼らは、幾ら目の前の女が武装しているとはいえ、この状況が自分たちが有利であることが分かった、数の利的な意味で。

 

先頭にいる薄緑Aは、自分のすぐ後ろに付いてきていた薄緑Bの尖った耳に耳打ちする。

まぁ正確には、ギィギィと鳴きながらジェスチャーして伝えているだけだが。

 

そして、耳打ち?をされた薄緑Bは薄緑Aを置いて後方へ下がってしまった、数の利を捨ててまで何かの作戦を実行している薄緑Aであったが、目の前の女を一匹でどうにかできると思ったのだろうか。

 

 

とりあえず薄緑Aは、石を削るか叩き割るかで作ったであろう、原始的でお粗末なお手製石のナイフを持った右手を振り上げ、女を威嚇しようとして、思考停止した。

 

それもそのはず、女は、自分のすぐ目の前に急接近してきたのだから。

 

「キィッ!?」

 

あまりにも突然の出来事に、妙に甲高く短い悲鳴を上げながら、振り上げた石ナイフを全力で振り下ろす。

が、女は体を後ろに倒して地面を蹴るだけで、するりと石ナイフの間合いから逃れられてしまう。

 

「あぁ、やっぱり遅すぎるな」

 

ぼそっ、と、女が呟いたのを見て、何故か薄緑Aは異常なまでの恐怖を感じていた。

そして女に対して恐怖を抱いてすぐ、薄緑Aは再び思考停止した。

 

女の二度目の急接近、だが、今回はそれだけではなかった、女は、手に握っているナイフを、一瞬の内に薄緑Aの首筋に置くように滑り込ませたのだった。

 

「キィイィッ!!?」

 

先程より大きく長い悲鳴。

首筋に走る僅かな痛み、恐慌状態にでも陥ったのだろうか、薄緑Aはナイフを我武者羅に振り回した。

薄緑Aは恐慌状態でありながらも、しかし思考能力は取り戻していたようで、

これで女は回避する為に後ろへ下がる、その間に、ほんの少しでいい、発狂寸前の精神を鎮めなければ……!

と、考え、必死でナイフを振り回して―――

 

だが、現実は非情かな、狩人は薄緑Aがナイフを振り回す為に、右腕を振り上げたその一瞬、狩人は少し斜め前に体を傾け、先程のように地面を蹴り、薄緑Aの後ろへ回り込み、振り向きざまに薄緑Aの背中を斬りつけた。

【スローイングナイフ】のノコギリのようなギザギザの刃が、薄緑の皮ごと肉を深く抉り引き裂く。

 

「ギイィッ!?」

 

今度感じたのは、明確な痛み、灼けるような背中の激痛に、薄緑Aは堪らず再び悲鳴を上げた。

そして、自分の背後を取られた事を理解し咄嗟に後ろを振り向いて、再び自分との距離を開けて立っている女を酷くぼやけている視界に捕らえる。

 

「やはり筋力……それに動体視力も少し、いや、かなり落ちたな」

 

また何かを呟く女、しかし薄緑Aにはその声はもう聞こえてはいなかった。

ぼやける視界、自信の背中を伝う生暖かい何かと、全身を蝕むような激痛。

薄緑Aは何故自分が立ち続けているのか、と疑問すら抱いていた。

ふと、薄緑Aの視界の端に先程耳打ちをしたもう一匹の薄緑Bの姿が映る、僅かに残っている意識の中、「逃げろ」と伝えようとして、最早声を出すことも出来ない事に気付き、

完全に意識を失った。

 

 

 

 

 




はい、最後まで読んで頂き感謝感激雨あられな狸親父もとい怠慢惰性親父です、ってこれただのニートのおっさんに……。
と、それは置いといて、今回は早速戦闘ですね、そして三人称的な何か、でしたが、ごちゃごちゃしてよくわからん、ということがあれば、コメント、もしくは低評価に入れてくだされば、改稿や一人称に変えてみます。
それでは、これからも頑張る所存でありますので、よろしくお願いします!
因みに啓蒙は評価を頂くと増える仕組みにしました!
現在の啓蒙は17、ちょっと大聖堂の灯りからヘムウィックの墓地街に行ってきます。
不定期更新のタグ追加しました(6/24)
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