Love Live! ~lie life~   作:RRBER

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第12話

次の日の昼休み、師走は昼食を取ろうとしている海斗を呼ぶ。

 

 

「海斗、ミーティングするからちょっといいか?」

 

 

昨日話していた海斗・師走・望の3人でダンスをする為のミーティングを今から行うらしい。

 

 

「別の構わないが。」

 

 

「オーケー。んじゃ望を連れてきますかね~。あっ、ミーティングしながら飯食うから弁当持って来いよ。」

 

 

師走は言うと先に教室を出る。

 

 

「絢瀬、俺と荒波は用があるから昼は東條と2人で食っててくれ。」

 

 

海斗は近くにいた絵里に伝える。

 

 

「そうなの?わかったわ。希に言っておくわね。」

 

 

「よろしく。」

 

 

海斗はそう言って、師走と一緒に望のいる1年の教室へ向かった。

 

 

 

 

 

1年の教室に着き師走はクラスを覗こうとすると、丁度よく近くにことりがいたので声をかけた。

 

 

「ヤッホーことりちゃん。」

 

 

ことりは呼ばれた方を向く。

 

 

「あつ、チーフと海斗先輩こんにちは。1年の教室まで来てどうしたんですか?」

 

 

ことりは珍しく思い尋ねた。

 

 

「ここではチーフじゃなくて先輩ね。望に用があるんだがアイツ今いる?」

 

 

師走はことりに訂正させ、そして質問に答えた。

 

 

「すいません師走先輩。ちょっと待っててください。」

 

 

ことりは言い直した後、教室を見渡し友達と話している望を見つけ呼びに行く。

 

 

「態々呼び名を言い直させる必要があるのか?」

 

 

海斗は師走に聞く。

 

 

「流石に外だと『チーフ』って恥ずかしいだろ?」

 

 

「お前はそんなことを気にするんだな。」

 

 

「ほっとけ。」

 

 

2人が話していると、奥では望はことりから師走と海斗が来ていることを聞き、足早に向かう。

 

 

「遅くなりました。それで場所は目星ついたんですか?」

 

 

師走は望には集まる場所ついて考えていたらしいが、肝心の場所については2人に話していないようだ。

 

 

「あぁ、屋上がいいかなって考えてる。そこなら練習も出来るし丁度いいだろ?」

 

 

師走は自信満々に言う。

 

 

「確かに練習するならそこでもいいが、ミーティングだけなら俺らか夏木の教室でいいんじゃないのか?」

 

 

「そしたら望が気まずくなるか他の1年が気まずくなるだろ。」

 

 

「師走先輩にしてはよく考えていますね。」

 

 

「うるさい、にしては余計だ。時間は限られてんだからサッサと行くぞ。」

 

 

師走は先に屋上へ向かう。そんな師走の姿を見て海斗は溜息をし、望は苦笑いをする。

 

 

2人が師走を追い屋上に向かう途中に、望は海斗に尋ねた。

 

 

「そう言えば咲雷先輩はどうして師走先輩と一緒にいるんですか?」

 

 

「さあな。俺自身が知りたい。」

 

 

海斗が即答する。

 

 

「はぁ?」

 

 

望は海斗の言葉に驚く。

 

 

「言葉通りだ。初めて見た時から変な奴だと思って関わらないようにしようと考えてたが、あいつから話しかけてきて・・・後は成り行きだな。」

 

 

海斗は諦めた様子で言う。

 

 

「成り行きって。俺が言うのもなんですけど、師走先輩と一緒にいるの疲れません?」

 

 

望は師走に対して毒を吐いた。

 

 

「そりゃ疲れるさ、やること何でも俺を巻き込むからな。」

 

 

海斗は呆れながら肯定するかのように言う。

 

 

「確かにそうですね。だとしたら先輩って意外と物好きなんですね。」

 

 

「物好きか・・・そうかもしれないな。」

 

 

海斗は師走のような人間と関わったことがないため新鮮に感じたのだろうと自分に納得させ軽く笑っていた。

 

 

「だが学校でもお前もアイツと関わろうとしてるんだ、人の事を言えないぞ。」

 

 

「そうですね。でも俺の場合は慣れてますから平気ですよ。」

 

 

望も半分諦めたように笑いながら答えた。

 

 

「お前の場合は物好きと言うよりもお人好しに近いな。」

 

 

「・・・否定できないのが悔しいです。」

 

 

そう言って望は溜息をする。

 

 

2人が話をしているうちに屋上に着く、この学校では屋上を閉鎖しないらしい。

 

 

海斗はドアを開ける、そこには寝そべっている師走がいた。時間はそれほど経ってないが待つ事は出来ないのか?

 

 

「2人とも遅いぞ!」

 

 

師走は寝そべったまま顔だけこちら向けて言う。

 

 

「そんなことはいいからさっさと起きろ。ミーティングするんだろう。」

 

 

「はいはい。わかってるわそんなこと。」

 

 

師走は海斗に言われ起き上がり、話し始める。

 

 

「まずは・・・。」

 

 

海斗と望は師走を含め円になるように座る。

 

 

「グループ名でも決めるか。じゃあ3人の頭文字をとって、『SAN(サン)』な。」

 

 

「・・・先輩、そんな適当じゃなくてもう少しちゃんと考えましょうよ。」

 

 

「適当じゃないさ。最初は5人のつもりで『SATAN(サタン)』にしようとして考えてな。でも断られちゃって。」

 

 

師走は弁当箱を開けながら望に話す。

 

 

「残りの2人は東條と絢瀬のことだろう。」

 

 

海斗はそう言って弁当を開ける。

 

 

「あぁ。てか海斗ならわかるか。」

 

 

「その場にいたからな。」

 

 

「そりゃそうだな。」

 

 

「あの~その2人ってどんな人ですか?」

 

 

望は2人に質問する。

 

 

「2人は俺らのクラスメイトで女生徒だ。」

 

 

海斗が簡単に説明する。

 

 

「因みに俺らはいつも一緒に昼飯食ってるよ~。」

 

 

師走がそれに付け足す。

 

 

「へぇ~師走先輩が女の子と昼飯ね~。」

 

 

「んだよその言い方。俺が女の子と飯食ってるのがそんなに珍しいか?」

 

 

「えぇ。だって先輩いつも調子乗るから嫌がられるだろうと思いましてね。」

 

 

「別に嫌がられてないわ!みんな優しくしてくれるからな。・・・あかん。なんだか泣きたくなってきた。」

 

 

「自分で言っといて泣かないでくださいよ。」

 

 

いつの間にか雑談になってしまっていた。そんな中海斗が話を戻す。

 

 

「おい。そんなことはいいから話を進めるぞ。」

 

 

「おっ。悪りぃ悪りぃ。じゃあ曲はどうする?やっぱオリジナルにするか?」

 

 

「その曲は誰が作るんだ?」

 

 

「ダンスなら教えられるんですが、曲は無理ですね。」

 

 

海斗が質問で返し、望は出来ないと言う。

 

 

「海斗は作れないのか。」

 

 

「荒波、俺を何だと思ってるんだ。」

 

 

「何でも出来るスーパー人間?」

 

 

「お前はアホか、俺でも出来ることと出来ないことがある。」

 

 

「ほう、例えば?」

 

 

師走は海斗に聞く。望も興味があるように頷く。

 

 

「俺は楽器に触れたことないから曲は作れない。あと、詩の方は感情豊かじゃなきゃ書かないだろう。情報処理なら出来る方に分類できるがこの状況では意味がない。」

 

 

「お前が楽器触ったことないなんて意外だな、まあ詩の理由は言葉通りみたいだな。望も作れないし、適当に曲を選んどくわ。まあ少なくてもパソコンには強そうに見えるよな。」

 

 

師走は食べ終えた弁当箱を仕舞い、スマホを取り出して曲を探す。

 

 

「そう言えば、夏木がダンスを教えられると言ったが誰かに教わってるのか?」

 

 

師走の言葉をスルーし、海斗はふと思い出したかのように望に聞く。

 

 

「教わるって言うより独学ですよ。母がトレーナーをしていて小さい頃仕事場に連れてってもらった時に母がかっこよく見えましてね。」

 

 

望は懐かしむように話す。

 

 

「なるほどな。じゃあ将来はマイケル・○ャクソンみたくエンターテイナーか?」

 

 

「どうですかね。俺レベルじゃあ誰かのバックダンサーも難しいと思うんで、1つの選択肢として考えてる程度ですよ。でも現実は厳しいですから安定を求めますけどね。」

 

 

「へぇ~望もちゃんと将来の事考えてんだな。」

 

 

師走が探しながら関心する。

 

 

「そりゃ早いに越したことないですからね。もってことは師走先輩も考えてるんですか?」

 

 

「まあな。俺は卒業したらヨーロッパに行って修行だ。」

 

 

「なら最低限行く国の言葉を覚えないとな。」

 

 

「わかってるわ。だから海斗、とりあえずフランス語を教えてくれ。」

 

 

師走は両手を合わせて頭を下げる。

 

 

「取り敢えずってなんだ。だったらせめて英語ぐらいは話せるようになれ。」

 

 

「そこも含めてよろしくって言ってんのよ。」

 

 

「なら少しは自分で努力しろ。」

 

 

海斗はそう吐き捨て弁当箱を仕舞う。

 

 

俺もアレックスに必要だと言われ覚えたことを懐かしんでいた。

 

 

・・・アレックスが出てきたことにより海斗は1つの疑問を思い出し2人に聞いてみた。

 

 

「なあ、スクールアイドルって知ってるか?」

 

 

「ん?ああ知ってるぜ。最近流行ってるらしいからな。」

 

 

「この辺だとUTX学園のスクールアイドルが有名ですかね。」

 

 

2人もそれなりに知っているみたいだ。

 

 

「この学校にもいるんですか?」

 

 

望が2人に聞く。

 

 

「いや、いない。」

 

 

海斗が知らないと答える前に、師走はいつになく冷たく言い放つ。師走が言いたくなさそうにしている為、海斗は以前話していたダンス部のことと関係がありそうだと考え何も言わなかった。

 

 

「それよりも、アイドルの話とか一番無縁そうな海斗が興味持つなんて珍しいな。」

 

 

「別に興味持ったわけじゃない。知り合いが言ってたが興味がわかなず調べる気にもならなかっただけだ。」

 

 

「だが聞くってことは興味あるってことじゃん。」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

ちょうど昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。同時に次の授業の予鈴でもある。

 

 

「ヤベッ!もうこんな時間かよ!練習してねぇじゃん!」

 

 

「まあまあ、練習って言っても最初は柔軟を主にやりますから焦らなくていいですよ。」

 

 

焦る師走に望はフォローを入れる。

 

 

「取り敢えず、荒波は曲を決めて、夏木は練習メニューを考えるってことでいいか?」

 

 

海斗はそう言ってまとめる。

 

 

「了解です。」

 

 

「ああ、わかった。てかまとめるのはリーダーの務めだろう!」

 

 

師走は自分がリーダーだと言い張るような口ぶりだ。

 

 

「いつリーダーになったのかは知らないが、リーダーならそれ相応の態度で示せ。」

 

 

「では先輩、時間ないので先行きますね。」

 

 

時間がかかりそうだと思い望は2人に言い屋上を後にする。

 

 

2人は後を追う様に屋上を出る。

 

 

本日のミーティングはただ飯を食って殆ど駄弁って終わった。

 

 

 

 

 

昼休みの屋上にて。ダンスユニットを組んだ海斗・師走・望の3人は練習に励んでいる。

 

 

「師走先輩!そのステップ足が逆だと次に繋げ辛いと昨日も言われましたよね?何遍言ったらわかるんですか。」

 

 

「悪い悪い、なんか変な癖がついちゃってるみたいでさ。」

 

 

「言い訳はいいから続けてください。咲雷先輩はもう少し丁寧にお願いします、雑さが目立ちます。」

 

 

「ああ、気を付ける。」

 

 

「おい望!何で俺と海斗に態度の差があるんだよ。」

 

 

「それは容量悪ければ自然と厳しくなりますよ。」

 

 

「そりゃないぜ望ちゃ~ん。ほら、俺って褒められると伸びるタイプだし。」

 

 

「じゃあ褒められるまで厳しくいきましょう。」

 

 

望はイラつきながら師走に言う。すると急に海斗の動きが止まった。

 

 

「・・・雨か。」

 

 

『えっ?』

 

 

2人も海斗に続いて止まる。

 

 

「雨?まだ降ってねーじゃん。」

 

 

師走がそう言った直後、鼻先に雨が当たり次第に降り始める。

 

 

「これじゃ仕方ないので今日はこれで終わりますか。」

 

 

望の言葉に2人は頷き屋上から出る。

 

 

「また雨かよ、勘弁してほしいぜ。」

 

 

「梅雨だから仕方ないだろ。」

 

 

今は6月下旬。この時期は梅雨になり晴れる日が少ない、だが今日は久しぶり晴れ3人は練習していた。

 

 

「そうですよ先輩。それに学園祭は2か月以上も先なんですから。」

 

 

音ノ木坂の学園祭は9月に行われる。

 

 

「まあそうだけどよ~。」

 

 

階段を降りていると廊下から絵里と希が出てくる。

 

 

「あっ、咲雷君、荒波君。次は移動教室やで。」

 

 

希が2人に言う。そういえば次の授業は美術だったかと海斗は思い出す。

 

 

「夏木、俺らは先に行く。」

 

 

「じゃあ望また店でな。」

 

 

海斗と師走は望に一言かけて教室に向かう。

 

 

 

 

 

望は1人で自分の教室へ帰る。丁度そこにはことりがいて望を迎え入れた。

 

 

「望君おかえり~。今日もお疲れさま。」

 

 

「ことりか、そんな動いてないからお疲れって程じゃないよ。あれ?2人は一緒じゃないの?」

 

 

「さっき先生に次の授業の準備をお願いされたんだ。」

 

 

「そうなんだ。」

 

 

望はそう言ってことりの隣の自分の席に座る。

 

 

「ふふっ。」

 

 

「どうしたんだ?急に笑ったりして。」

 

 

ニコニコと笑うことりに望は聞いてみた。

 

 

「だって望君最近凄く楽しそうなんだもん。ことりも何だか嬉しくて。」

 

 

「楽しそう?その言い方じゃ俺が最近楽しそうじゃなく聞こえるぞ。」

 

 

「そうじゃなくて、笑ってる顔あんまりしなくなったからことり達といるの楽しくないのかなって思って・・・。」

 

 

「えっ。」

 

 

望はその言葉に心が痛んだ。確かに最近色々あったが、ことりがそう思っているという事は多分2人も思っているだろう。

 

 

「ことり、先輩たちといるのは楽しいが、俺は4人でいる時が一番楽しいぞ。確かにこの間まで忙しくて笑わなくなったと思うが、最近落ち着いたから心配しなくていいよ。」

 

 

「本当ぅ?」

 

 

ことりが今にも泣くそうな顔をし弱弱しく言う。

 

 

「本当だよ。でも嫌な思いをさせてごめん。」

 

 

望はことりの頭に手を置き優しく撫でる。

 

 

「あっ。」

 

 

ことりは最初驚いたが次第に嬉しくなり暖かく感じた。

 

 

「あーっ!ことりちゃん望君に頭撫でられてる!いいな~穂乃果もしてほしいよ~。」

 

 

「のっ、望っ!教室で何をしているのですか!はっ、はっ・・・破廉恥です!」

 

 

「穂乃果、海未、お帰り。手伝いお疲れさま。」

 

 

望はことりを撫でるのを止め、戻ってきた2人を労った。

 

 

望とことりの幼馴染である高坂穂乃果と園田海未。2人の紹介はまた近いうちに・・・。

 

 

「ことり、みんなが集まればこんなに賑やかになるんだ。楽しくないなんてあり得ないよ。」

 

 

「うんっ!ことりもそう思う!」

 

 

ことりは望に笑顔で言う。望にはその笑顔がとても眩しかった。

 

 

 

 

 

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