Love Live! ~lie life~   作:RRBER

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第3話

そこで東條は話し終える。

 

 

「なるほどな・・・。」

 

 

俺はそう言いコーヒーに口をつける。

 

 

「東條、不動産の名前か電話番号知ってるか?」

 

 

「・・・うん。知っとるよ。名前は○×不動産、電話番号はスマホなんやけど・・・。」

 

 

「名前だけでも十分だ。そうだったな、充電器は・・・機種はなんだ?」

 

 

「ウチのはiph○neやで。」

 

 

「なら俺と同じだな。ほら、コンセントは後ろにある。」

 

 

先ほど買った充電器を後ろの棚から取り出し、渡す。

 

 

「ありがとう。」

 

 

東條は充電器を受け取りコンセントに繋げる。俺は一度寝室に行き、机の上にあるノートパソコンを持ってリビングに戻る。電源を入れ先ほど聞いた不動産を検索する。

 

 

「・・・ちっ、まぁでもゴールデンウィークは通常通りしてるな。」

 

 

「咲雷君何しとんの?」

 

 

「君から聞いた不動産がもし仲介会社だったら合鍵を持ってることはないからな。」

 

 

「えっ。そうなの!?」

 

 

「あぁ、だがそうじゃなかったから事情を話せば鍵を開けてもらえるが。」

 

 

「よかった。ほな雨降ってるけどはよ行こう!」

 

 

帰れる兆しが見えたからか、東条はせかす。

 

 

「話は最後まで聞け、残念ながら今日の営業時間が過ぎてるから無理だ。早くて明日の朝10時だ。」

 

 

「そっ・・・そんな・・・・。」

 

 

「明日になれば帰れるんだからそんなに悔やむな。」

 

 

「・・・うん。そうやね。明日?・・・ってことは。」

 

 

「そう、君は今日ここに泊まることになった。」

 

 

「っ!?」

 

 

その瞬間、東條の顔が見る見るうちに赤くなっていった。

 

 

それもその筈だ。女が男の家に泊まることはそれ相応の関係を築く可能性がある。あくまで可能性だ。

 

 

「東條があまりにも嫌なら、今からでもホテルなり漫喫なり行って俺は家を離れるぞ。」

 

 

「そこまでせんでええよ!?ウチも少し意識しすぎたし。」

 

 

「俺も配慮が足りなかった。すまない。」

 

 

「でも・・・」

 

 

 

 

 

「ウチ、襲われるん?」

 

 

 

 

 

・・・こいつはいきなり何言い出すんだ。

 

 

「・・・前言撤回。東條、謝るなら今のうちだぞ。返答によっては・・・。」

 

 

「・・・ごめんなさい。」

 

 

そう言うが顔は僅かに笑っていた。

 

 

「はぁ、あまり調子に乗るなよ。」

 

 

東條がアホなことを言い出すとは、一応俺は信頼されているのであろうと思う。

 

 

 

 

 

だが、1つ疑問になったので聞いてみた。

 

 

「なぁ東條、1ついいか?」

 

 

「ん?何かあったんか?」

 

 

「何故両親に心配させたくないんだ?」

 

 

「・・・せやね、言葉通りの意味や。親の転勤が多かったって言うたやろ?年に多い時で5回転校することもあったんよ。

両親共働きでいつも大変なのに、そんな中ウチが我儘なんか言って2人の負担になったり心配させることなんて。ウチは迷惑かけとうない。」

 

 

東條は感情を押し殺すように俺に話した。

 

 

「君の考え方は、自分の気持ちに嘘を付き続けて何も言わなければ両親は幸せだ。そういうことなんだろう?」

 

 

「嘘って・・・ウチは嘘付いてない!」

 

 

「だったら何で涙を流してるんだ。」

 

 

「えっ!?」

 

 

東條は自分が泣いていることに気づかたかった。

 

 

「・・・負担だったり迷惑だったり、そんなこと君の両親は君に甘えないよう言ったのか?」

 

 

「・・・それは、言ってないけど。」

 

 

「当たり前だ。はっきり言って東條が今までしてたことは少しだけズレがあったんだ。

甘えてこない子供なんて親からしてみれば、何も話してくれないと心配になるんだよ。」

 

 

「だったら!ウチは言いたいこと言って甘えればよかったんか?

そうやないやろ!言えば何か変わったんか!?転校がなくなったんか!?そないな適当なことをウチの両親知らんくせに言うなや。」

 

 

東條は泣きながら怒鳴る。だが俺は止めない。

 

 

「たしかに君の両親のことは知らない。でも転校が本気で嫌だったら両親に話すことぐらいはできる。だが君は自分に嘘をついて変えようとしなかった・・・。転校を受け入れたから言わなかったんだろう。」

 

 

「でも、ウチは・・・!」

 

 

 

 

パチンッ

 

 

 

 

 

俺は東條にデコピンをした。

 

 

「っ!?」

 

 

東條は驚いて目を丸くした。

 

 

「何故自分を犠牲にしなくちゃいけないんだ。子供が親に甘えたり親が子供を心配したりするのは至極当然のことだ。

俺らは16.7でまだまだガキだ。今よりも小さいガキが親に心配させまいとか迷惑かけまいとか勘違いも甚だしい。親から見れば自分の我が子は大人になっても子供として見るんだよ。」

 

 

東條は何も言わず話を聞く。

 

 

「俺らは一人前じゃないんだ。だったらもう少しだけ親に甘えてみないか?多分君は両親にあまり電話しないんじゃないか?」

 

 

東條は図星を付かれたように身体がビクッっと反応するも、頷いた。

 

 

「電話越しなら普段話せないことも話す事が出来る。だけど全部話せなんて言わないさ、ほんの一歩を踏み出すのが大切だ。

東條、もう少しだけ素直にならないか?」

 

 

すると、東条は顔を上げて尋ねる。

 

 

「ウチ・・・、今からでも甘えていいの?」

 

 

「もちろん。甘えることに早い遅いなんてものはない。甘えたい時に甘えるんだ。」

 

 

俺はそう言って東條の隣に行き、頭の上に手を乗せ優しく撫でる。

 

 

「今までよくがんばったな。」

 

 

「!・・・あっ。・・・っ。」

 

 

滝のように涙を流す東條。そしてそのまま俺の方へもたれ掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泣き疲れたのか、東條はそのまま眠りに就くことになった。

 

 

「・・・軽いな。ちゃんと食べてるのか?」

 

 

俺はそんな事に疑問を抱いたが、そのまま東條を抱きかかえ寝室まで運び俺のベッドに寝かせた。

 

 

「今はゆっくり休め。」

 

 

そう言って寝室を出る。リビングに戻りソファーに寝ようとするが、俺は今日の事を考えてた。

 

 

「俺には両親はいないから、親の心配だか迷惑だかを東條にそう言っても説得力がまるでない。まぁむこうは知らないから別にいいか。」

 

 

今日は早めに寝るつもりでいたが、眼が冴えてしまっている。

 

 

「・・・時間潰しに軽く仕事でもするか。」

 

 

起き上がり、テーブルに置きっぱなしのノートパソコンを取り、立ち上げ仕事を始める。

 

 

しかし、今日は本当にらしくなかった。それよりか人に優しくなんてした事がなかった。

 

 

仕事では自分にも部下にも厳しいが、プライベートすら仕事に充てていたから人間関係なんてないに等しい。

客観的に見て、俺は他人と上手くコミュニケーションが取れないことになる。

 

 

なら今回のように1人の女の子に対してはどうなんだ?年が近いとかそんなたやすい話じゃない。

 

 

見てられなかったからか?まさか使命感に駆けられたのか・・・?

 

 

「・・・はぁ。こんな考えじゃ答えは出てこなさそうだな。それより矛盾が多すぎて意味がわからない。」

 

 

以前ここに来る際アレックスに『学んで来い。』と言われたから、時間を掛けて答えを出すか・・・。

 

 

俺は考えを投げ出し、パソコンを閉じようとする。案の定、そのページは真っ白に近い。

 

 

「0時か・・・普段なら早いがもう寝るか。」

 

 

明日の朝食の準備もある為、寝ることにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は眼覚め時計を見る。

 

 

「6時過ぎか。」

 

 

俺は時間を確認した後洗面台で顔を洗い、そして朝食の準備に取り掛かる。

 

 

「苦手なものは知らないから無難なものでいいか。」

 

 

 

 

 

時間は7時前。

 

 

簡単なメニューにした為後は目玉焼きを焼くだけで暇していた俺は、テレビでニュースを見ていた。

 

 

「そろそろ東條を起こすか。」

 

 

東條のいる寝室に向かう。ドアの前に立ち、ノックする。

 

 

「東條。起きてるか?」

 

 

しかし返事はない。・・・俺は溜息を吐きドアを開ける。

 

 

「入るぞ。」

 

 

やはり東條は寝ていた。奥まで進みカーテンを開け日差しを部屋に入れる。すると東條は布団の中に潜る。

 

 

「東條、朝だぞ。起きろ。朝食出来たから早くしろ。」

 

 

そのかけ声に徐々に顔を布団から出し、目を擦りながら起き上がる。

 

 

「ふわぁ~~~っ。おはよう・・・。」

 

 

「あぁ、おはよう。ぐっすり眠れたか。」

 

 

「うん。・・・ん?さっ、咲雷君!?」

 

 

「ようやく目が覚めたようだな。バスルームの場所覚えているな?そこで顔洗って来い。」

 

 

俺はそう言ってタオルを渡す。

 

 

「ありがとぅ。」

 

 

まぁ寝顔を見られたと思われてるだろうから、何も言わずに部屋を出る。

 

 

 

 

 

目玉焼きが出来、準備し終えるころに東條はリビングに来た。顔は先ほどよりは赤くはないか。

 

 

「ん?どうした?こっちに来て座れ。」

 

 

「うん・・・。」

 

 

・・・まだ恥ずかしいみたいだ。

 

 

「どこにでもある普通の和食で悪いが我慢してくれ。」

 

 

「えっ!?準備されてるだけでも嬉しいのに、我慢だなんて思っとらんよ。」

 

 

東條はニッコリと笑う。

 

 

「そうか。じゃあ冷めないうちに食べるか。」

 

 

「うん!いただきます!」

 

 

 

 

 

食べ終えた俺らはこの町のことや学院の話をし時間をつぶした。

 

 

「・・・そろそろ時間だな。」

 

 

「もうそんな時間なんや。ありがとね咲雷君、色々迷惑掛けて。」

 

 

「気にするな。さて、俺も着替えるか。」

 

 

「ん?咲雷君もお出かけなん?」

 

 

「俺も一緒に行くからそのための着替えだ。」

 

 

「そっ、そこまでせんでいいよ!」

 

 

「そのくらい最後まで見届けさせてくれ。」

 

 

「ふふっ。心配し過ぎやで。」

 

 

「ふん。なら心配させないようにしてくれ。」

 

 

「その言い方は酷ない?」

 

 

「どうだろうな。悪いが少し待っててくれ、着替えてくる。」

 

 

「うん。わかった~。」

 

 

着替えを済ませリビングに戻る。

 

 

「~~♪」

 

 

「何鼻歌なんか歌ってるんだ?」

 

 

「ん?ん~何でもない。ほな行こか。」

 

 

「何でもないって・・・まぁ、いいか。」

 

 

やっと家に帰れるのだから嬉しいんだろう。

 

 

 

 

 

その後家を出て不動産に行き、事情を説明し合鍵を借りた。

 

 

「東條、このまま家に帰る前にスペア作っておくか。」

 

 

「それもそうやね。」

 

 

「あと今後の事を考えるなら鍵を変えた方がいい。」

 

 

「・・・やっぱりそうなのかな。」

 

 

「何処で落としたかわからない以上、誰かに拾われて悪用され兼ねない。ただ変えるのであれば管理人と話をしなきゃならないから管理人が退院するまでこの休みは外出を控えるべきだ。」

 

 

「そうやね。気を付ける。」

 

 

「俺も近くにいるから何かあったらすぐに言ってくれ。」

 

 

「うん!頼りにしてる。」

 

 

「じゃあ行くか。」

 

 

そう言って鍵屋に向かいスペアキーを作ってもらう。鍵の種類はディンプルキーであった為時間が掛かると思ったが、掛かった時間が20分程と意外と早く作ってもらえた。

 

 

帰る前に不動産に戻り合鍵を返し、そして東条の家へ帰ろうとする。

 

 

「東條、一度家に戻っていいか?」

 

 

「忘れ物でもしたん?」

 

 

「昨日、東條が買った食材を取りに。流石に荷物になるからな。」

 

 

そう言って俺は自分の家へ取りに戻る。予めまとめておいたから時間はそう掛からない。

 

 

「ほら。」

 

 

「ありがとう。」

 

 

「後はもう大丈夫だな?」

 

 

「うん。おかげで助かったわ。」

 

 

「あぁ。じゃあ休み明けの学校でな。」

 

 

俺は家に入ろうとすると、東條が。

 

 

「・・・あのっ!咲雷君!」

 

 

「なんだ?」

 

 

「えっと・・・、また、来てもいい?」

 

 

深い意味は多分ないと思うが、無難に言うか。

 

 

「あぁ、いつでも構わない。」

 

 

「!。ありがとう。あっ!そうだ、まだ連絡先聞いてないやん。」

 

 

「そういえばそうだったな。」

 

 

俺はスマホを出しお互い連絡先を交換する。

 

 

「よし、これでオーケーやね。ほな咲雷君、本当にありがとね。また連絡するよ。」

 

 

「あぁ。早いがゆっくり身体を休めろよ。」

 

 

「うん。じゃあね。」

 

 

東條は足早にマンションの中に行く。俺も戻るとするか。

 

 

後は東條一人でもどうにかなるだろう、何かあったら誰かを頼ればいいしな・・・。

 

 

アレックスに定期報告しとくか。

生活は憂鬱と言ったが、俺は俺なりに楽しんでみる事にすると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウチは足早に家に入る。流石に『また、来ていい?』はアカンて、恥ずかしすぎるやろ。

 

 

でも、そう言いたかった。その言葉通りウチは思ったし居心地が良かった。

 

 

咲雷君と話してて楽しかったし、異性で初めてちゃんとウチを見てくれた。

 

 

友達って咲雷君が先に言ってくれたから、ウチは心開けたと思う。

それと同時にウチは『咲雷海斗』という人を知りたいと思った。

 

 

「ちょっと優しくされただけで・・・ウチは咲雷君の事、好きになったんかな?」

 

 

・・・そしたらウチは単純やな。

 

 

そう言ってウチは笑った。

 

 

 

 

 

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