Love Live! ~lie life~   作:RRBER

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第4話

ゴールデンウィークも今日で終わり、明日から平日に戻る。普段の生活リズムが休みで狂わされると、人によっては中々戻せなくなり憂鬱になりがちだ。

 

 

俺の場合は今までの方が狂っていたからこれくらいのリズムの方が本来体にはいい。

 

 

休みの使い方は十人十色。学生目線で言えば勉強や部活、バイトに明け暮れるだろう。俺は有意義に仕事に充てる事が出来た。

 

 

だが、1つ疑問にあることは・・・

 

 

「この肉じゃがウチが作るより美味しいわ~。今度作り方教えて。」

 

 

今、俺の目の前には東條がいることだ。

鍵の騒動があったその日から毎晩一緒に食事をしている。

 

 

「・・・東條、何時でも来ても構わない言ったが、毎晩は来過ぎじゃないのか。」

 

 

今日のおかずは俺が用意した肉じゃがとサラダ、そして東條が持ってきた鮭のムニエル、味付けは特にしていなかった為、俺が作ったタルタルソースが食卓に並んでいる。

東條はムニエルにソースを掛けながら言った。

 

 

「そう?咲雷君がいつでもって言たからウチはウチの意思でここに来るんやで。それにウチだって流石に手ぶらでは来いひんし、休みやからええやん。」

 

 

「はぁ。まぁ君の手料理も食べられることだし、そう言うことにしとくか。」

 

 

「ふふっ。ウチの料理は美味しい?」

 

 

「あぁ旨いよ。昨日もこのくだりやったぞ。」

 

 

「いいの。女の子は褒められると嬉しいもん。咲雷君は勉強は理解しても女心は理解してへんな~。」

 

 

「なら君はもう少し勉強頑張らないとな。」

 

 

「ひどっ!?ウチそんな成績悪くないで!」

 

 

「どうだかな。」

 

 

「む~っ。じゃあ定期テスト勝負しいひん?」

 

 

「勝負?」

 

 

「そうや。ほんでテストの点数が低かった方が高かった方の言うことを聞くってのはどう?」

 

 

「賭けか。だが賭けになるのか?」

 

 

「自信ありなんやな~。」

 

 

「事実を言ってるまでだ。」

 

 

「でもウチは負けへんで!じゃあ決まりや。」

 

 

そう言って俺たちは食べ終えた食器を片付け始める。3日間一緒に食っていたから、俺が洗い東条が拭く、と決めたわけでもなく自然とこの流れになっていた。

 

 

「ほなウチはそろそろ帰るね。今日もご馳走様。」

 

 

片付けも終わり、だいたい9時頃東条は家に帰る。

 

 

「また明日学校でな。」

 

 

東條も最初は遠慮しがちだったが、今はだいぶここに慣れてきたなと思った。

 

 

こうして色々あったゴールデンウィークが終わり、学校が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!海斗!おっはよー!」

 

 

教室に入ろうとした際、後ろから荒波が挨拶してきた。

 

 

「あぁ、おはよう。今日は遅刻じゃなさそうだな。」

 

 

「まっ、まぁ流石にそろそろ不味いなぁと。」

 

 

遠い目をしながら荒波は答えた。俺はそのまま教室に入り自分の席に着こうとする。

 

 

「おはよう。咲雷君、荒波君。」

 

 

「おはよう東條。」

 

 

東條は俺より早く学院に来ていた。

 

 

「希ちゃん、エリーチカ、おっはよー!」

 

 

「荒波君!その呼び名は恥ずかしいからやめて!」

 

 

俺は東條の前の席に見知らぬ女生徒が目に入った。

 

 

「あなたが咲雷君ね。」

 

 

「そうだが、君は?」

 

 

「私は絢瀬絵里。よろしくね。」

 

 

「あぁ、こちらこそよろしく。」

 

 

そういえば絢瀬は俺が編入した日休みだったな。・・・容姿を見たところハーフもしくはクウォーターか。

 

 

「どうした海斗?絵里ちゃんの顔見つめっ!・・・いや、見惚れてたな!」

 

 

「えっ!?」

 

 

その一言に絢瀬は顔を少し赤くして戸惑っていた。

 

 

「残念だが見惚れてはいない。日本に金髪碧眼は珍しいなと思っただけだ。」

 

 

「そっ、そう・・・。」

 

 

絢瀬は俺に対しあからさまな態度をとる。まぁ誰だって物珍しく見られていたらいい気はしない。

 

 

「見ていたのは事実だから、気に障ったなら謝るよ。すまない。」

 

 

「いや!?別にそんなんじゃないわよ!?」

 

 

絢瀬は謝られたことの対し戸惑っていた。

 

 

「咲雷君!あんまりえりちを虐めんといて!」

 

 

東條が唐突に言う。そして隣のアホが調子に乗り言う。

 

 

「おらっ!海斗!俺のえりちをいじめんといて!」

 

 

「いつ私が荒波君のになったのよ!?」

 

 

「えっ!?なってないの?」

 

 

・・・ホームルームが始まる前の賑やかさってこんなになるものなのか?

 

 

「時にさ~海斗、お前勉強できるか?」

 

 

「ちょっと!?無視しないでよ!」

 

 

「なんだ藪から棒に。おそらく少なくともお前よりは出来るだろう。」

 

 

「まぁ荒波君じゃね~。」

 

 

「ちょ!?これでも俺は努力してんのよ!?」

 

 

「ちなみに今までの成績はどうだったんだ?」

 

 

「赤点4つを基本ベースに、それk」

 

 

「もういい。言ってて悲しくなるだろう。」

 

 

「言わせたのお前だろう!」

 

 

「ほ~ら、荒波君!ホームルーム始められないわよ。」

 

 

いつの間にか先生が来ていた。それだけ話に夢中になったんだな。

 

 

そして全員席に着きホームルームが始まる。

 

 

「はい。みんなおはよう。休みは楽しかった?」

 

 

「はい沙希ちゃ~ん。彼氏できた~?」

 

 

「来週から定期テストがあります。みんな学生の本分は勉強なので頑張って乗り切ろう!」

 

 

先生は荒波の声をスルーした。休み前は『先生』を付けなさいと言っていたがそれすらもツッコまない。

 

 

「沙希ちゃ~ん・・・生徒をシカトってのはいかがなものかと思うんですが~?」

 

 

「ふふっ・・・荒波君、言っていいことと悪いことが、あるわよ?」

 

 

『っ!?』

 

 

その瞬間、先生の眼が鋭くなりクラス全体の空気が固まった。

 

 

今回は荒波が悪い。

女性はその話に関してかなりデリケートになる、先生にとって触れられたくない話題だったのだろう。そしてこの空気はホームルーム中続き、クラス全員は二度とこの話はしないことを心に誓った。

 

 

 

 

 

ようやくホームルームが終わり、クラスの張りつめた空気は解かれ各々安堵する。

 

 

「いや~沙希ちゃんかなり怒ってたね。」

 

 

荒波の嘆きに東條と綾瀬が答える。

 

 

「それはあなたのせいよ。」

 

 

「そうやで、荒波君デリカシーなさすぎや。」

 

 

「お前が先生の地雷を踏んだんだろう、だから堪忍袋の緒が切れた。ようは自業自得だ。」

 

 

俺も付け加えるようにして言う。

 

 

「まっ、まぁ俺も流石に不味いと思ったから、これからは自重するよ。」

 

 

懲りてないように見える言いぐさだな。

 

 

そんなことを話していた横から先生が近づいて来た。

 

 

「東條さん。この鍵って東條さんの?」

 

 

そう言って先生は鍵を東條に渡す。その鍵はまさしく東條の鍵だ。

 

 

「はい!その鍵ウチのです!先生、何処にあったんですか!?」

 

 

「東條さんあの時鍵を探してたでしょ?それで気になったから職員室に戻って他の先生に聞いてみたら、理科室に落ちていたらしいの。」

 

 

理科室。その日の4時限目は理科の実験理科室での授業だった。そして東條は日直でもあって実験器具の片づけを頼まれて、おそらくその時に落としたのだろう。

 

 

「そっか~。よかったわ。」

 

 

「今度は気をつけてね。じゃあ私は職員室に戻るわね。」

 

 

そう言って先生は教室を出た。

 

 

「よかったな東條。そういえばまだ鍵変えてなかったな。」

 

 

「うん。テスト終わって落ち着いてからにしようかなって思ってね。」

 

 

「希?鍵がどうしたの?」

 

 

「しかも何で海斗がそのことを知ってんだよ?」

 

 

絢瀬や荒波はこのことは知らない。しかし東條は絢瀬には言ってなかったんだな。

 

 

「あっ・・・えっと。」

 

 

「話もいいがそろそろ授業が始まるぞ。」

 

 

そう言った直後、先生が入ってくる。

 

 

「おーい、授業始めるぞ。席付け。」

 

 

授業が始まる。話は昼休みになるだろう。

 

 

 

 

 

「ねぇ希、そろそろ聞いてもいい?」

 

 

昼休みに入り、俺と東條の近くに絢瀬と荒波が集まり昼食にする。絢瀬は聞きたくて落ち着きがない。

 

 

「ええよ。えっと休み入る前に日に、ウチ鍵を無くしたんや。」

 

 

「なっ!?」

 

 

「あらら、そうだったんだ。でも希ちゃん見つかってよかったね~。」

 

 

荒波の反応は当たり前だ。鍵を無くしたのであれば、親か誰か他の人を待てば解決する。

 

 

「絢瀬は東條が一人暮らしなのを知ってるんだな。」

 

 

「えぇ。」

 

 

やはり絢瀬は知っていたか。東條が頼ろうとした相手だから互いの事はある程度知っているとは思っていた。

 

 

「なっ!?マジかよ!?確かその日は雨が降ってたよな!?」

 

 

「そう。ウチは雨に濡れて・・・」

 

 

東條は全てではないが2人にその時のことを話した。

 

 

 

 

 

「まさか海斗ん家が希ちゃんの真向かいだなんて羨ましすぎる・・・毎朝登校デートじゃん!」

 

 

「何が毎朝デートだ。ん?絢瀬、どうしたんだ?」

 

 

絢瀬は体を震わせ、勢いよく立ち上がり俺に向かってこう言った。

 

 

「あなた!希に手を出してないでしょうね!」

 

 

その一言に周りのクラスメイトがこっちを見た。これじゃいい見世物だな。

 

 

「絢瀬、とりあえず落ち着け。それと周りに迷惑かけるな。」

 

 

「落ち着いていられないわよ!希っ!あなた咲雷君に何か弱み握られてない!?」

 

 

「えっ、えりち落ち着いて、みんなが見てるから。」

 

 

絢瀬はようやくみんなの注目になっているのに気づいた。そして次第に顔が赤くなり着席する。

 

 

「・・・・・・」

 

 

「えりち、落ち着いた。」

 

 

「・・・えぇ。ごめんなさい、取り乱したわ。」

 

 

「まぁ俺もそのことには疑問を持ったよ。それでどうなのよ、もう付き合ってんの?」

 

 

「付き合ってない東條とはただの友達だ。それにその日は飯を一緒に食っただけだ。」

 

 

「そうそう、それだけや。」

 

 

俺はその時の東條の淋しい顔をしていたことに気付かなかった。

 

 

「・・・そう。」

 

 

「ふーん。まぁそう言う事にしときますか。」

 

 

キーン コーン カーン コーン

 

 

丁度チャイムが鳴り各々片づけ始め授業の準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、ウチとえりちは帰る途中に喫茶店に寄った。

 

 

「ねぇ希、聞いてもいい?」

 

 

「ん?どうしたんえりち?」

 

 

「・・・希は咲雷君の事どう思ってるの?」

 

 

「咲雷君?んー助けてもらった恩人やし、いいお友達や。」

 

 

そう、友達・・・ウチは嘘は付いてへん。

 

 

「咲雷君のこと、好きなんじゃない?。」

 

 

「何でそう思うん?」

 

 

「あなたが咲雷君を見てる時の顔、いつもと違って希がそんな顔したのを初めてみたのよ。・・・所謂乙女の顔ね。」

 

 

ウチ顔に出てたんやね。今後は気を付けなきゃいけないな。

 

 

「乙女の顔って、咲雷君は友達やで?」

 

 

「・・・はぁ。今はそういうことでいいわ。でも彼何かあるのよね。」

 

 

「何かあるって?えりち、咲雷君に一目惚れでもしたん?」

 

 

「そうじゃないわよ。咲雷君なんか近寄りがたいって言うか人を寄せ付けないて言うか。」

 

 

「えりち・・・それ人の事言える?えりちだって去年そうだったやん。」

 

 

「っ!?私の事はいいの!」

 

 

「まぁでも初めて見たときはそうだったけど、今はだいぶ話しやすいで?」

 

 

「それは希が咲雷君を信用してるからじゃないの?」

 

 

「ふふっ、そうかもね。」

 

 

 

 

 

えりちには隠して悪いけど、ウチは咲雷君の事が好きやし信用も信頼もしてる。

 

 

でもウチはまだ彼にその思いは伝えない、今の関係も好きやから。

 

 

ウチは彼の事を知らなすぎる。彼の事をもっと知りたい。

 

 

今の思いはそれだけや。

 

 

 

 

 

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