ダンジョンに復讐しに行くのは間違っているだろうか 作:Груша
「いやだ!なんでなんでこんなことになってるんだよ…そうだ、誰かっ!誰かいませんかっ!」
彼の周りには凄惨な光景が広がっていた。燃え盛る木々、崩れ落ちた家屋、そしてついさっきまではヒトであったはずのモノとそれらを中心に広がっていく赤く紅く緋く朱い血の沼…そんな中に彼の声だけが響いた。
そんな彼に向かって瀕死の男が話すことすら辛そうに話しかけた。
「る、るくす、か…?」
「父さん!生きてたんだね、よかった、ってすごい怪我…早く治療しないと…ちょっと待ってて!」
ルクスの父アキレアの傷はとても深く、生きているのが奇跡と言えるほどだった。アキレア自身もそれを理解しており、だからこそアルスに最期の言葉を伝えようとした。
「い、いいんだ、ルクス。私はもう助からない…そんなことよりお前に伝えなければいけないことがある。」
「そんなことってなんて…死にそうなのになに言ってるんだよ!父さん。」
「いいから、よく聞け!ルクス、お前以外にもうこの里に生存者はいない。だから、お前は"オラリオ"に向かえ。あそこには私とカトレアが昔入っていたファミリアがある。ゼウス・ファミリアというところだ。あそこならば私とカトレアの子であることを伝えれば入れてもらえるだろう」
「やめてよ、父さん!まるで…まるでこれで最期みたいじゃないか!」
「ああ、そうだ。私はもう死ぬ。ここまで生きていたのが不思議なくらいだ。ルクス、お前にこれを渡しておく。」
「!これって父さんがいつも大切に持ってたペンダント…」
「そうだ。これがお前が死にそうになったときになったときに、守ってくれるだろう。ルクス、最期に言わせてくれ。私はお前のことをよく叱ったりもしたが、お前は私とカトレアの一番の宝物だったよ。どうか、どうかお前のこれからの人生に幸があらんことを……」
「父さん?父さん!待ってよ…行かないで。僕を、僕を独りにしないでよ!うぅ…ああ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ルクス以外もう生きているモノがない中で、ルクスの叫びだけが周りへと広がっていった。
「なんでだよ!僕達がこんな目に遭わなければいけないんだよ!絶対に復讐してやる!何を使っても…たとえ自分の命が尽きようとも必ず必ず必ずかならずカナラズっ、父さんや母さん、里のみんなを殺したやつらをコロシテやる!死んでいる方がましと思うまで苦しめて苦しめてそして殺してやる!だから、みんな待っていてくれ!僕がやつらを地獄に叩き落としてやるから!ふふふ、あははははははは!!!」
真夜中の空にルクスの悲痛な叫びが響き渡った。
そして、ここから家族を、友を、仲間を、全てを失った者の