やはり俺の福引旅行はまちがっている。 特別編 作:EPIPHANEIA
さて今回は、pixivでとある作者様が企画された『俺ガイルマイナーカップリング大会!』というのに参加して、その時に即興で書いたSSです。
一応、八幡×折本かおりのSSになります。
宜しかったら、是非閲覧お願い申し上げます。
高校生になって初めて出逢った時のお互いの第一印象は、最悪だったように見える。
そりゃそうだよね。私も『彼女』も『彼』の事を馬鹿にしていたし。
しかし、『彼』の友人(?)から『彼』の事で怒られて、そして『彼女』がクリスマスやバレンタインデーのイベントで『彼』と再会してから、『彼女』の『彼』に対する評価は180度変わっていた。
『彼女』はことある事に、『彼』の話をしていた。『アイツ、今頃どうしてるのかな?』とか『アイツに逢いたい』とか、春休み入るまで毎日話していたような気がする。『彼女』は中学時代フッたはずの『彼』に、恋をしていたのだ。
そして、『彼女』と『彼』の運命は、春休みで大きく変わっていった。『彼女』が家族旅行で行った先に、『彼』も偶然同じ場所に旅行していたのだ。旅行2日目の夜、電話で『彼女』から聞いた時は本当に驚いた。
『彼女』は本来の2泊3日の予定を3泊4日にしてまで『彼』にアタックして、その結果『彼女』と『彼』は付き合う事になった。
これで話がハッピーエンドで終われば良いのだが、むしろ付き合ってからが『彼女』と『彼』の騒動、そして私の『災難』の始まりだった。
…………今回は私―――仲町千佳が、『彼女』―――折本かおりと『彼』―――比企谷八幡……このバカップルのとある騒動の始まりを、レポートしたいと思います。
~×月○○日 AM9:00頃~
かおり「おはようございまーす、姐さん。」
八幡「おはようございます、店長。」
店長「おはよう、かおり、八幡君。相変わらずのラブラブっぷりね。」
かおり「いやいや、こんなのまだまだ序の口ですよー。ねっ、比企谷?」
八幡「いや、やめろよ……。これから仕事なんだから、程々にしねぇと……。」
店長「八幡君の言う通りよ、かおり。千佳も凄く睨んでるし。」
千佳「い、いえ!!私はそんなつもりは……。」
かおり「何焦ってんの、千佳。ウケる!」
千佳「か、かおり!!」
店長「はい、そこまで。早く自分の持ち場について、仕事に取りかかりなさい。バカップルさん。」
かおり「はーい、分かりました。姐さん。」
八幡「は、はい。すんません。……悪いな、仲町さん。」
千佳「う、ううん。こっちこそゴメンね。」
比企谷君は旅行後、私とかおりがバイトしているカフェに私達と一緒に働く事になった。かおりが『男手が欲しい』と言っていた店長に、比企谷君を推薦したからだ。
比企谷君の働きぶりは、店長曰く『とても高校生とは思えない』と言っているくらいの活躍ぶりだ。仕事を覚えるのも早いし臨機応変で柔軟な対応ぶりも、店長だけでなくお客さんや私達バイト仲間の評価も凄く高い。最近では、比企谷君目当てでくるお客さんも出てきたぐらいだ。
何故彼目当てのお客さんが来ているかと言うと、彼はバイトの時眼鏡をしていて、眼鏡をかければあの変な目もなくなって、普通の好青年に見えるのだ。因みにその眼鏡は、かおりとの初デートの時に買ったらしい。
……まあ、そんなこんなで、エリートボッチと自称していた彼が意外とこういう客商売に適性があるとは、働きはじめた頃には想像も出来なかった。そのお客さん達に対して、かおりが嫉妬しているのも見ていて面白いし。
例えば―――
客A『あの、比企谷さん……。今日バイト終わったら、私達と遊びに行きませんか?』
八幡『あ、いや、それは……。』
客B『いいじゃないですかー。比企谷さん、凄くカッコいいしー。』
八幡『いや、別に俺はカッコ良くなんか……。』
かおり『あーあー、ごめんなさいねー!!ウチのダーリンが何かやらかしましたかー!?』
また、ある日には―――
客C『ねえ、坊や。今日お姉さん達とデートしない?』
八幡『ぼ、僕とですか!?』
客D『誘ってるのは私達だから、お金は心配しなくていいわよ。だから……ね♪』
かおり「あれー、ダーリン?ダーリンの大好きな小さい女の子達がダーリンを呼んでるんだけどー!?」
……こんな感じで、老若問わず比企谷君は女性のお客様から絶大な人気を獲得していた。店長も『八幡君のお陰で女性のお客様が増えたし、売上も上がった』って喜んでるし。
しかし、その裏でかおりは比企谷君にホッペをツネーしたり、足でゲシゲシと蹴ったりと、その嫉妬は半端無い状態だった。(勿論、お客さんの前じゃやらないけど。)最近では、『姐さん、比企谷と同じシフトで入らせて!!』と店長に頼んで、比企谷君のいる日は、必ずかおりも一緒に入っている。
でも今日は、不思議な事にかおりも比企谷君も自ら、『今日は厨房でお願いします。』と頼んで、厨房で仕事をしていた。何でだろう?もうすぐ私達3人上がろうとしている時間で、お客さんの入りが落ち着いたので、そっと厨房に耳を傾けていると、
かおり「……ねえ、本当に来るの?」
八幡「……間違いなく来るはずだ。昨日、小町にバレちまったからな……。」
かおり「……マジで!?これまでバレなかったのが逆にウケるんだけど!!」
八幡「……いや、ウケねーよ。まさか、お店の制服を見られるとは思わなかった……。」
かおり「でも、小町ちゃんにバレたって事は……。」
八幡「……多分、な。」
えっ?何、何?今の会話?私、凄く気になるんですけど!?
それに今、『小町』って名前が出たんだけど、もしかして女の人?かおりも比企谷君も知っているみたいだけど……。
店長「千佳ー。今、お客様案内したから、おしぼりとお冷、お願いねー。8人ねー。」
千佳「あっ、はーい。分かりましたー。」
いけない、いけない。今は仕事中だから、集中しないと。
そんな事を思いながら、私は8人分のおしぼりとお冷を用意して、お客さんのところにいきました。
千佳「いらっしゃいませー……っ!?」ビクッ
そのお客さん達のところにいった瞬間、私は恐怖というか何かを感じて戦慄しました。
雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『………………』
そこには、いかにも『私達こそ本物のトップカースト』と言わんばかりの、8人の美少女軍団が物凄い険しい顔をしながら、席に座っていたのでした。
~PM5:00前~
男性客A「お、おい、あの子達、メッチャ可愛くねぇか?」ヒソヒソ
男性客B「ま、まあ確かに可愛いけど……。何かすげえ恐い顔してるよな……。何も喋らないし……。」ヒソヒソ
男性客C「そうだよな。もっと普通の雰囲気だったら、ナンパしてたかもしれないのに……。」ヒソヒソ
男性客D「あの子も可哀想に……。あんな雰囲気に近づかなくちゃいけないなんて……。」ヒソヒソ
…………そこでヒソヒソ話をしているお兄さん達。しっかりと聞こえているから!!
でも、確かにあのお兄さん達の言う通り、近付きがたい雰囲気というかオーラを出している。こんなお客さん達、春休みの時に来たあのお客さん達(白い髪の男とシスター服の女の子と幼い女の子、その隣の席にいた5人組の親子(?))以来だ。
しかも良く見ると、何人かは何処かで見たことあるような顔をしている。黒髪ロングのお姉さんとお団子頭の女の子とショートボブのお姉さん、あの親子(?)の母親達に何処と無く似ているし、青髪のポニーテールの子もあの幼い青髪の女の子になんとなく似ているような気がする。もしかして、あの親子(?)の関係者とか……?
千佳「ご、ご注文がお決りになりましたら、お伺い致します。失礼します。」
そう言いながら、席を離れようとした時だった。
雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『――――比企谷君(ヒッキー)(先輩)(比企谷)(おにいちゃん)(八幡)。』
千佳「っ!?」ビクッ
後ろを振り向い瞬間、彼女達の口から一斉に比企谷君の名前が出てきた。
雪乃「比企谷君が部活をサボってこのお店で働いているとお伺いしたので来たのですが、どこにいるのですか?ついでにいえば、折本さんなのだけれど。」
いろは「先輩ったら折本先輩と付き合ってから、奉仕部も生徒会の手伝いもほとんどやらなくなっちゃったんですよねー。」
結衣「かおりん、本当にズルいし!ヒッキーを独り占めしちゃって!!」
小町「このお店でかおりさんと一緒に働いているのは、昨日制服を見つけた時点でバレてるんです。小町や沙希さん達を奉仕部に入部させた理由も分かりましたよ。」
沙希「全くいい迷惑だよ。アタシも予備校とかで忙しいのに。それに折本も卑怯だよ。」
めぐり「そーだよねー。かおりちゃん、後から参加しておいしい所を全部取っちゃって、私達から比企谷君を奪っちゃったもんねー。」
留美「私達は八幡を奪い返しに来た。かおりの魔の手から救う為に。」
陽乃「さあ、早くお姉さん達に教えてよ。比企谷君と折本ちゃん、いるんでしょ?ねえ?」
千佳「ひっ!!」ガクブル
な、何!?この人達!?もしかして、かおりと比企谷君の関係者!?しかも、目のハイライトが全員消えてるんですけど!?これが俗に言う『ヤンデレ』ってやつなの!?メッチャ寒気がしたのだけれど!?
店長「どうしたの、千佳?お客さん達と話し込んで。」
千佳「あっ、て、店長!!」
そんな時、救いの女神、いや、店長が私とお客さん達のところにやって来た。やっぱりここぞと言う時は頼りになります、店長!流石、かおりから『姐さん』って呼ばれてるぐらいです!!私も『姉貴』と呼ばせてもらいますよ!!
千佳「あ、あの、店長。あの2人は……。」
店長「ああ、もうとっくに上がっちゃって、早々に帰ったわよ。」
千佳「…………はい?」
雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『…………えっ?』
店長「貴女達が話し込んでいる間に、そーっと裏口からね。デートに行くとか行ってたし、今頃ラブラブデート中じゃないかしら?」
かおりと比企谷君は、私がこんな目に遭っている間、早々にデートに行っていた。って言うか、アイツらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!いつのまに逃げたのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
陽乃「こ、こうしちゃいられないわ!!私達も早く比企谷君達の後を追わなくちゃ!!」
雪乃「えっ、ええ!!」
留美「う、うん!!」
結衣・いろは・めぐり・沙希・小町『は、はい!!』
タッタッタッタッタッ…………‼
そうして、あのお客さん達は嵐のように去っていった。
千佳「な、何だったんでしょうか……?あの人達……?」
店長「さあ……?まあ、『命短し恋せよ乙女』とも言うし、彼女達も八幡君に惚れてるんじゃないの?かおりと同じようにね。」
千佳「ハッ……アッハッハッハッハッ…………。」
そ、そう言う事なのね……。天然の女誑しでスケコマシ――――何処の青○月○さんや結○リ○さんですか…………。
こうして、私はかおりと比企谷君のバカップル、そして『あの8人の美少女達』の騒動にたびたび巻き込まれる事になったのだ。
いろんな事がありすぎて何を話したら良いか分からないけど、そのせいで私の進路―――かおりと比企谷君と一緒に北海道大学に進学することまで決まってしまった。(海浜総合高校が始まって以来の快挙らしい。)
『あの8人の美少女達』の何人かが、私達を追っかけて北海道大学に進学した人達もいたり、更には私以外の全員が知りあいのバスガイドの姉妹が巻き込まれたりと、大学生になってからも、私の周りの環境は騒動ばかりだった。
そんな数年にも及ぶ騒動に決着が着いたのは、かおりと比企谷君の結婚式だった。
かおり「皆さん、今日は来てくれて本当にありがとうございます。私、折本―――ううん、比企谷かおりはこれから一生、比企谷と――――八幡と添い遂げます!!」
八幡「親父、かーちゃん、今まで本当にありがとう。折本―――いいや、かおりのお義父さん、お義母さん、俺はこれからもずっとかおりを愛し続けます!!」
私はこの挨拶を聞いて、思わず嬉し泣きをしてしまった。私だけじゃない。バイトでお世話になった店長、北海道で知り合ったバスガイドの姉妹、比企谷君やかおりのご両親をはじめ、みんなが泣いていた。
因みに『あの8人の美少女達』も何故か出席していて、ずっと泣いてばっかだった。(間違いなく悔し涙であった。全員が『悔しい』とか言ってたし。)そんなに悔し涙を流すぐらいだったら出席しないほうがいいのに……。
そして、チャペルでのかおりのブーケトスで、私がブーケを受け取った時に、あのバカップルはこうのたまった。
かおり「見て見て、八幡!!千佳が私のブーケを受け取ったんだけど!!ウケる!!」
八幡「千佳も早く運命の人を見つけろよー!!俺とかおりみたいになー!!」
な、な、な、な、何言ってくれてるの、アンタら!!アンタらの騒動の後始末やフォローを頑張ったせいで、私は彼氏を作る暇なんて無かったんだからね!!
そんなバカップルに対して、私はこう叫んだ。
千佳「うるさぁぁぁぁぁぁい!!!!地獄に落ちろ、バカップル!!!!」
―――仲町千佳の災難 ~地獄に落ちろ、バカップル~――― おしまい
以上、八折カップリングSSでした。
今回はいつもの『福引旅行』シリーズと違い、(と言ってもベースになったのはそのシリーズですがw)とある作者様の企画された『俺ガイルマイナーカップリング大会!』に、息抜きやリハビリも兼ねて参加してみようと思い、書いてみました。
……って言うよりも、八折のはずなのに、第三者の仲町さんが主人公なんで、正直イチャイチャがあんまり書けて無いですよね……(泣)
こんな物書く暇があったら、早く『福引旅行』の続き書けよって思う人も、きっといると思いますよ……(自虐)
今回の話は、かおりルートのアフターストーリーみたいな解釈で良いかなと思います。
かおりと八幡、そして北海道の戦いで敗北した8人のヒロイン達の新たなる騒動に巻き込まれる仲町さん……本当に可哀想ですね(他人事)
次回は、『福引旅行』の第19話を投稿する予定です。もうすぐ投稿する予定なので、暫しお待ちくださいませ。
最後までこの拙文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。これからも宜しくお願い申し上げます。