黒円卓第一位の武者修行   作:刹那

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投稿が遅くなってすみませんでした。仕事の合間にちょくちょくやってたのですが、あまり長く書くことのできなかったことを深くお詫び申し上げます。


第三幕

「七つ星神器、旅人!(ガリバー)」

 

植木がそう叫ぶと、すべての地面にマス目が発生した。そして0.5秒後に.....

 

「.....なるほど、私を閉じ込めるつもりか。」

 

ラインハルトの足元のマス目からちょうど彼を閉じ込めるほどの箱が出てきた。

 

(まずラインハルトの動きを止める!そっから『アレ』をブチ込めばさすがのあいつにも決定打に.....)

 

植木はそう考えた。だが.....

 

シュッ!

 

「だが、遅い。」

「な!?」

 

ラインハルトは一瞬にして植木の前に現れた。

 

「0.5秒などと無駄に決めるな。私の足を引こうなら、時間ごと止めるんだな。」

 

ラインハルトはそういうと、パチン!と指を鳴らした。

 

「第十 SS装甲師団(フルンツベルク)」

「!」

 

すると、ラインハルトの背後から、約100発のパンツァーファウストが出てきた。

 

(マズイ!ライカ.....)

 

ズドォォズドォォォォ!!

 

「グォォォォォ!!」

 

植木はパンツァーファウストよけきれなかった。吸血鬼の夜が植木の生命力を秒刻みに吸い、植木の体力が減っているからだ。

 

「第三十六 SS擲弾兵師団(ディルレワンガー)」

 

だがラインハルトは休ませなかった。彼の声と同時に植木の地面から髑髏達が現れ、銃剣を植木に突き刺そうとした。

 

「くっおおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

植木はかつてないほど咆哮し、脱力感を吹き飛ばした。そしてその場から跳躍した。

 

「九つ星神器、花鳥風月!(セイクー)」

 

そしてそのまま青色の翼の神器を発動させた。その速さは、ライカとは比べ物にならないほどのスピードである。植木はその速さを生かし、ラインハルトに接近した。

 

「ランマァ!!」

 

植木はラインハルトの首を狙って振り下ろした。明らかに油断して、反応できてない。『とった』植木はそう確信した。

 

「こちらがな。」

「!」

 

だが刹那、耳と魂同時にラインハルトのそのセリフが植木に響き渡った。そして、まるで時間軸を逆にさせられた感覚に見舞われる。

 

「接触を恐れる。接触を忌む。我が愛とは背後に広がる轢殺の轍

ただ忘れさせてほしいと切に願う。総てを置き去り、呪わしき記憶は狂乱の檻へ

我はただ最速の殺意でありたい――貪りし凶獣 」

 

ドクン_

 

右目を失い、血を流し狂い苦しんでいる小さな美少年の姿がラインハルトと重なって見えた。

 

「皆、滅びるがいい――

死世界・凶獣変生

Niflheimr Fenriswolf」

 

ドスッ!

 

「ガッ....ハッ」

 

相手よりも必ず早くなり、必ず避けれる最速能力、後手を先手に変えるあり得ない異能。今のラインハルトは絶対何者よりも早くなった。故に、決定打を取れたはずの植木の腹にラインハルトの聖槍が突き刺さった。

 

「私をここまで出させるとは流石はカールの使者だな。さあ、これからどうする?」

「あ.....ぁ」

 

ラインハルトの無茶振りに言い返せるほどの余裕は今の植木にはなかった。

 

(熱い!熱い熱い熱い熱い熱い!!!槍が熱い!!!)

 

これは聖槍の神罰。聖槍が認めたもの以外に触れることは許されない。勝手に触れたるものには魂ごと焼かれる罰が与えられる。

 

「もはや打つ手なしか?残念だ、卿はもっとあがくと思ったのだがな。」

「っ......」

 

植木は無気力に槍に垂らされていた。薔薇の夜にどんどん力を奪われ、聖槍の神罰を体内から受けたのだから当然である。

 

「お.....ぉ」

 

プル.....プル.....

 

「......無様な、だが美しいな。たとえ無力と解ってでも最後まであがくか。」

 

植木は震え、血を口から垂らしながらもラインハルトの目の前向かって手を挙げている。

 

「安心するがいい、卿の世界の者達は我がレギオンにして愛してやる。卿は楽に眠るがいい。」

「......」

「卿の魂、実に甘美だ。このまま我が地獄(ヴェルトール)に落ち、仲間がくるのを待つがいい。案ずるな、すぐに会える。」

 

ラインハルトは優しい口調で植木の耳の近くで言った。これは彼なりの賛美であろう。植木は彼を楽しませたのだから。

 

「.......誰が」

「む.....」

 

だが.....

 

「誰が.....諦めて.....仲間を見捨てるって言った?.....地獄に落ちるのはお前だラインハルト!十つ星神器、魔王!(まおう)」

「.....!」

 

誰よりも最高の正義感を求め、貫き通してきた植木が、戦神の愛を認めるわけがなかった。手がラインハルトの顔と重なると、そこから最後の神器を発動させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オォォォォォォ......

 

 

 

 

 

_見事

 

 

 

 

 

 

 

「「......」」

 

 

ラインハルトと植木は向き合っていた。植木から放たれた魔王は中年くらいの男性の姿をし、そのままラインハルトの直撃した。その力の元は『自身の信念に対する思いの力』言わば信仰力である。その威力はコロシアムの4分の1を吹き飛ばし、地平線の彼方までラインハルトを吹き飛ばすほどだった。しかし、ラインハルトを倒すほどの威力はなく、ラインハルトは再び不条理な速度で植木の元まで帰ってきた。

 

「......ああ、素晴らしい。まさか私が油断した瞬間に切り札を出したのは予想外だった。」

「......」

「卿はとことん私を魅了してくれたな。褒美だ、受け取るがいい。」

 

ズドォッ!

 

聖槍の先から、破壊の黄金光が放たれた。それは何物に対しても的を外さず、何者よりも絶対速く、如何なる物すべてを破壊する光だった。

 

(すまないみんな......俺、正義を貫いてみんなを守れなかった.....)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだったかな、獣殿?」

「素晴らしい、実に優雅な時間を過ごした。」

 

メルクリウスとラインハルトは、粉々になったコロシアムの真ん中で背中合わせで語り合っていた。

 

「あの少年だったら心配はいらない。私がしっかり元の世界に戻し、ここでの記憶も破壊した。」

「そうか。そういえば卿は何故あの少年を私と対峙させたのだ?卿のことだ、理由がない訳がない。」

 

ラインハルトが聞くと、メルクリウスはクスッと笑って答えた。

 

「何、大した理由ではない。あの少年のレベル2という能力が何と無く私の永劫回帰と似てると思ったからだ。そして獣殿と対峙したらどうなるかと思った、たったそれだけの理由だ。」

「ふっ、大したどころか、陳腐な理由だ。」

「フッ」

「フフ......」

 

 

 

 

 

 

 

「「ハハ、ハハハハハハッ!ハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

双首領の笑い声がコロシアムの異界すべてに響き渡り、笑い声が終わると同時に、この戦いの幕は引かれた。

 

 

 

 

 

 




次回は休み期間を利用して、みなさんが楽しくご覧できるよう頑張りたいと思います。
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