黒円卓第一位の武者修行   作:刹那

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今回はなかなかの強敵を相手にさせました。


第四幕

 

 

 

ラインハルトと植木が戦ってから約5時間後、例の闘技場の世界にて。

 

「さて獣殿、次の刺客を用意したが、連続して戦ってみるかね?」

「......もうか、早いな。」

 

不意に背後に現れてそういったメルクリウスに、流石のラインハルトも彼の仕事の速さに驚いた。幾ら何でも速すぎである。

 

「ああ、ちなみに今回からは聖遺物の守りも元に戻っているよ、安心して欲しい。」

「ふむ、そうか。わかった早速呼ぶがいい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

 

 

コオォォッ!

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

「来たか.....」

 

上空から、ラインハルトの目の前へと何かが流星の如く落ちて来た。

 

『おいおい、生徒会室で少し休憩ってことで仮眠とってたら、いつの間にかコロシアムみたいなところにワープって.....これはどんなバトル漫画な展開だよ。』

 

落ち来てそう言ったのは、黒い服.....いや、学ランをつけた童顔で少し小柄の少年だった。

 

(また少年か.....しかしあの植木というものとは全く別の雰囲気を持ってる。何というか、カールと似てるな。)

『ねえ、そこの金髪軍服の人。僕が何でこんな状況か教えてくれないかい?』

 

学ランの少年はラインハルトに対して何の違和感も持たずにそう聞いた。

 

「私はラインハルト・ハイドリヒ。卿の名はなんだ?」

『ラインハルト?わあ、確か歴史上の人物じゃないか!てことは、ここはもしかして霊界?地獄とかそこらへんかな?」

(そしてこの少年、何やら話し方に違和感を感じるな....本音を隠してるのか?)

 

ラインハルトは少年に対してそう違和感を感じた。すると少年は、コホンと一呼吸をいれて言った。

 

『失礼ラインハルトさん、ちょっとあまりの展開に興奮してしまった。では僕の自己紹介といこうか。僕は週刊少年ジャンプから転校して来た球磨川禊。よろしくね。」

「そうか、相分かった。では早速始めようか。」

 

バッ!

 

ラインハルトは球磨川のツッコミどころだらけの自己紹介をサラッと流して、聖槍を構えて突撃した。

 

『シカトするなよ。』

 

ドギュッ!

 

対して球磨川はそう言ってラインハルトに向かって腕を振ると同時に、何にもない空間から無数の巨大な螺子が四方八方に飛び出て来た。

 

『人のボケに対してツッコミを入れないのは失礼じゃないか。』

「すまんな、そのような様式美は知らんのでな。」

 

ガギィィィ!!

 

結果は二人ともクリーンヒットは無し。球磨川はとっさに聖槍を躱し、ラインハルトは目の前の螺子全てを薙ぎ払った。

 

『人に向かって槍だなんて危ないなぁ、銃刀法違反じゃないのそれ?』

「知らんな、ここでは私が法だ。」

 

ラインハルトは球磨川の冷やかしに対してそう答えると、創造を発動した。

 

「創造ー至高天・黄金冠す第五宇宙!」

 

 

オォォォォォォ......

 

 

再びこの世界は修羅地獄の城が展開されてしまった。

 

『洋式のお城を見るのは、絵本以来だよ。それにいかにも魔王様が居ますよみたいな城なんて。それに.....」

「「「......」」」

『軍服つけた騎士をみるなんて始めてだよ。」

 

球磨川の目の前には、無表情で義手をつけた黒髪の男性マキナ、顔半分がやけどを負った赤髪の女性ザミエル、片目を失い血を流した白髪で長髪の少年シュライバーがいた。

 

「マキナ、ザミエル、シュライバー。加減無用だ、楽しませろ。」

「「ヤヴォール!」」

「.....」

 

ラインハルトは三人に向かってそういうと、ザミエル、シュライバーは声を揃えてそう答えが、マキナだけは無反応だった。

 

『三対一だなんて卑怯だな〜、これはあれかな?週刊少年ジャンプ風に例えるなら、敵に囲まれて絶体絶命の大ピンチ!どうする禊ちゃん!?って感じかな?まあ安心院さんに勝つための手掛かりが見つかるかもしれないし、頑張るか。』

 

球磨川はそう言って両手から螺子を出して、三騎士を迎え撃つ体制をとった。

 

 

 

 

 

ビュッ!

 

 

 

「Zarfall' in Staub deine stolze Burg!!」

 

先に動いたのは最速の白騎士、シュライバーだった。彼....いや彼女は呪いの呪詛を叫びながら球磨川へと接近した。

 

『お前女か男がわかり辛いんだよ。』

 

球磨川はそう言って、ラインハルトを迎え撃ったと同じように大量の螺子でシュライバーへと攻撃した。

 

 

ビュッ!

 

 

『!?』

「Gib deine Hand, du schon und zart Gebild!」

 

 

ザシュッ!

 

 

『ガッ!』

 

だがシュライバーは唐突に加速して全ての螺子を被弾せず躱した。そして球磨川へと接近し、彼の肩を噛み砕いた。

 

『加速能力.....か?』

「ご名答。」

『!』

 

声のする方を見上げると、いつの間にか城への階段の頂きにたっていたザミエルがいた。その背後には、大量のパンツァーファウストがあった。

 

「ファイアー!」

『くっ!』

 

ズドォォォォ!!

 

上空遥か数kmからのパンツァーファウスト。素早く動けない球磨川にとっては直撃しかできなかった。

 

「フン、脆いな。しかし腑に落ちない。カール・クラフトは何故あんな雑魚をハイドリヒ卿の相手に....」

『甘えよ。』

「!?」

 

ガスガスッ!

 

爆煙が晴れ、現れた球磨川がそう言った後、ザミエルの足元から数本の細長い螺子が伸びてきた。

 

『煙がモクモクして相手の生死がわからない状況になったら、だいたいは生きてるなんてよくある展開だろ?それともジャンプは読まない派だった?』

「......戯けが。」

『!』

 

バキイィィィ!

 

だがザミエルの体を貫くことはなかった。螺子はザミエルの体に当たった瞬間、先端から全て亀裂が入り、砕けていった。

 

「聖遺物が身体と同化すれば物理面と魂面両方で破壊しないと通じん!覚えておけ小僧!」

『へぇ.....』

 

球磨川はポカンとした表情でザミエルを見上げていると.....

 

「よそ見してていいのか?」

『っ!』

 

背後から重力のこもった声が聞こえた。振り返ると、マキナが鉄拳を振り上げていた。

 

ブンッ!

 

『づぁっ!』

 

ゴシャァァァッ!!

 

球磨川は咄嗟にマキナの鉄拳を躱したが、そこにあった階段は粉々に砕け散った。

 

『めだかちゃんばり.....いや、それ以上だ。』

「Bin Freund und komme nicht zu strafen!」

 

ドゴォッ!

 

『な!ぐあぁっ!』

 

球磨川がマキナの破壊力に呆然している隙に、背後からシュライバーの突進をモロに受けた。だがその時、ザミエルはある異変に気づいた。

 

(そういえばさっき、シュライバーに肩を奪われたはずなのに、なぜ元に戻っている?シュライバー同様大量の燃料でも持っているのか?いや、そんな様子はない。だったら回復系の能力でも.....まあいい、だったらそんな隙を与えずに燃やし尽くすまでだ!)

 

ザミエルはそう決めると、自分の頭上に巨大な魔方陣を展開した。

 

『っ!まず.....』

「燃え尽きよぉ!」

 

 

ドガァァァァァァッ!!

 

 

ザミエルの砲弾は絶対必中。たとえ逃げようとしても、目標を捉えるまで永遠に広がり続ける爆心地。むろん、球磨川に逃れる術は持っていない。

 

バキパキ.....

 

そのままザミエルの砲弾は闘技場すべてに広がり、球磨川を丸呑みしていった。

 

「終わったか.....あっけない戦いだ。」

「Auf Wiederséh´n」

 

マキナもシュライバーも、彼はもう終わったとそう悟り、その言葉を彼へ捧げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『終わり?』

「「「!」」」

 

 

 

 

 

 

だが、燃え広がる爆心地の中で、彼のその声が三騎士全員に聞こえた。

 

『生憎だが、まだそのセリフは早いと僕は思うけど?』

「馬鹿な.....」

 

次第に爆発はおさまり、その中から無傷の球磨川がニヤッと笑いながら颯爽と歩いて出てきた。

 

「貴様!どうやって私の砲を防いだ!答えろ!」

『大嘘憑き(オールフィクション)世界から爆発をなかったことにした。』

「何だと.....」

 

ザミエルは驚きを隠せなかった。大嘘憑き(オールフィクション)万象あらゆるものをなかったことにする神憑りの大技。彼はそれを所持してた。

 

「ならば、シュライバーから負った傷や私のパンツァーも.....」

『そう、簡単なことだ。僕の負った傷、死をなかったことにした。』

 

ザミエルの問いに球磨川は両手を広げて余裕のある微笑みを崩さずにそう答えた。

 

「万障なかったことにする異能....カールよ、今度は前回とは比べ物にならないものを呼んだな。」

 

城の玉座から彼らを見下ろすラインハルトは、クスッと笑いながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 




最弱VS最強。個人的にもこの戦いは興味がつきません。
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