黒円卓第一位の武者修行   作:刹那

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今回は若干長めにしました。超展開をなかなか多めにしたので......


第五幕

 

 

「なかったことにするだと.....貴様っ!神にでもなったつもりか!?」

『そうだね、すごく取り返しのつかない能力だよ。だって油断すると、世界そのものをなかったことにできちゃうからね。』

「なんだと......」

 

ザミエルは憤怒していた。自分の放つ炎は黄金の光、我はそれに永劫燃やされ続けたい。それを何処の馬の骨とも知らん小僧に無理やりなかったことにされたのだ。

 

『おっと勘違いしないでおくれ、僕は悪くない。だって君らの上司が勝手に僕をここへ引っ張ってきて戦わせたんだから、抵抗するのは当たり前でしょ?』

「戯言をいうな小僧!」

 

球磨川の放った言い訳を消し飛ばすように、ザミエルは叫んだ。

 

『おや?なんかお姉さん余裕がなくなってきたね。まるで.....愛しの恋人がいなくなった今時の女の子みたいに。』

「っ!貴様!私の忠を侮辱するなぁ!」

 

パパパパパン!!

 

ザミエルはシュナイザーを召喚して一斉に発砲した。全弾球磨川の体に当たった。

 

『......人間は無意味に生まれて、無関係に生きて、無価値に死ぬ。世界には目標なんてなくて、人生に目的なんてない。』

 

だが球磨川は被弾しながらも不自然な動きをしながら、一歩一歩ザミエルへと近づく。

 

(何だこの小僧、急に変なプレッシャーを放つようになった。まるで.....ありとあらゆる負の力を放出しているような......)

 

ザミエルの額から、玉のような汗がにじみ出てきた。そう、彼は最凶最悪の過負荷。彼は常敗者ゆえにありとあらゆるありと弱点を知っており、過負荷を持つ者の声を聞く、姿を見た者は心が折れるのだ。

 

『君たちのいう忠義や騎士道ってやらも、結局は無意味だ。だって君のその後ろ盾そのものがなくなったらほら、何もできないだろ?』

「黙れぇぇぇぇ!!!」

 

ゴオッ!

 

球磨川の挑発に激怒して飛びたしたのはザミエルではなく、何とシュライバーだった。

 

「私は負けない!私は不死身だっ!無意味なんかじゃないっ!」

 

許せない、誰よりも早く黄金に忠誠をした自分を無意味と勝手に決めつけたこいつを許していいはずがない。

 

「僕は誰よりも早くハイドリヒ卿に忠誠をはらった英雄(エインフェリア)なんだぁぁぁぁっ!劣等ごときが、知った風な口をきくなぁぁぁあああ!!」

『大嘘憑き(オールフィクション)君たち.....』

「オオオォォォォォォォォォッ!!!」

「舐めるなよ王の前で踊るためだけにいる道化風情が!」

「お前を見ていると、カール・クラフトを思い出す。」

 

 

ドゴォォォォッ!!

 

 

球磨川が大嘘憑きを発動しようとした瞬間、シュライバーの咆哮が球磨川を砕き、ザミエルから再び大量のパンツァーファウストが放たれ。マキナの拳がほおを掠った。

 

『くっ、あいつら少しは手加減しろ.....」

 

ドクン_

 

『!?』

 

やられた傷を大嘘憑きでなかったことにしようとしたら、三騎士から先ほどとは比べ物にならない重圧を感じた。

 

「ああ 私は願う どうか遠くへ 死神よどうか遠くへ行ってほしい

 

私はまだ老いていない まだ生に溢れているのだからどうかお願い 触らないで

 

美しく繊細な者よ 恐れることはない 手を伸ばせ 我は汝の友であり 奪うために来たのではないのだから 」

「彼ほど真実に誓いを守った者はなく

 

彼ほど誠実に契約を守った者もなく

 

彼ほど純粋に人を愛した者はいない

 

だが彼ほど総べての誓いと総べての契約総べての愛を裏切った者もまたいない

 

汝ら それが理解できるか

 

我を焦がすこの炎が 総べての穢れと総べての不浄を祓い清める

 

祓いを及ぼし穢れを流し熔かし解放して尊きものへ

 

至高の黄金として輝かせよう 」

「死よ 死の幕引きこそ唯一の救い

 

この 毒に穢れ 蝕まれた心臓が動きを止め 忌まわしき 毒も 傷も 跡形もなく消え去るように

 

この開いた傷口 癒えぬ病巣を見るがいい

滴り落ちる血の雫を 全身に巡る呪詛の毒を 武器を執れ 剣を突き刺せ 深く 深く 柄まで通れと 」

 

 

 

 

「ああ 恐れるな怖がるな 誰も汝を傷つけない 我が腕の中で愛しい者よ 永劫安らかに眠るがいい !」

「すでに神々の黄昏は始まったゆえに

我はこの荘厳なるヴァルハラを燃やし尽くす者となる !」

「さあ 騎士達よ

罪人に その苦悩もろとも止めを刺せば 至高の光はおのずから その上に照り輝いて降りるだろう 」

 

 

 

「「「創造 (Briah)!!!」」」

 

 

 

三騎士の地獄の世界が、今開かれようとしている。

 

「死世界・凶獣変生 (Niflheimr Fenriswolf)」

「焦熱世界・激痛の剣

(Muspellzheimr Lævateinn)」

「人世界・終焉変生 (Midgardr Volsunga Saga)」

 

ここに、修羅道三大地獄が展開された。

 

 

 

 

 

 

 

 

『これは.....』

「喜べ、お前の挑発のおかげで発破がきれたよ。これが私たちの全力だ。」

 

いつの間にかザミエルのポニーテールは外れており、ロングヘアーになっていた。

 

「Voruber, ach, voruber!」

 

グシャッ!

 

『ぐぉっ!』

 

そしてシュライバーも先程とは次元の違う速度で疾走しており、球磨川の脇腹を握り千切った。

 

『なんてね。』

 

ドゴォォッ!

 

だが球磨川の余裕な表情は崩れなかった。シュライバーの足元から現れた大量の螺子がシュライバーを貫こうとする。

 

『そして大嘘憑き(オールフィクション)聖遺物の守りをなかったことにした。』

 

そして球磨川が一つの法則をなかったことにした。これによって三騎士、そしておそらくラインハルトも強靭な鎧がなくなった。だが

 

「End' in Wonne, du ewig Geschlecht !!」

 

ビュオッ!

 

シュライバーの最速の疾走に影響はなかった。私に触れるな、触るな、近寄るな劣等。その渇望故にいかなる攻撃も必ずよけれる。

 

『うるさいワンコは螺子ふせるまでだよ。』

 

ドギュッ!

 

しかし球磨川はそんなことは承知だ。いかに早く動こうが、退路ぐらいは限定出来る。ゆえに球磨川はシュライバーの疾走する先の360度全てに牢獄のごとく螺子を飛ばした。

 

『お散歩の時間は終わりだよワンコ。さっさとチワワのように大人しくしとけ。』

 

だが.....

 

「 Und ruhre mich nicht an! Und ruhre mich nicht an!」

 

グシャッ!

 

『な.....こいつ正気か?』

 

だがその時、信じられない現象が起こった。確かに球磨川の放った螺子はシュライバーの身体を貫いた。血だって流れた。聖遺物の守りはなかったことになっているのだから。だが、貫かれた傷は自然と回復したのだ。まるで大嘘憑きでなかったことにされたように。

 

「Gib deine Hand, du schon und zart Gebild!」

『っ!ちぃっ!』

 

球磨川は確かに知っていた。シュライバーは触れられただけで砕ける乙女の存在だと。ザミエルは黄金に焦がれる純粋な乙女だと。マキナは唯一無二の終焉をめざすものだと。だが、シュライバーが信じられないほどの魂を食らっていることは知らなかった。彼が喰らった魂の総数は185731人。彼はそれを燃料とし、さらには理性が飛んで触られている事実しら自覚していないため、彼の世界が崩れることはなかった。

 

『こんなやつどうやって倒せっていうんだよ.....』

 

球磨川はそう言って空中へジャンプしてシュライバーから一時避難した。

 

「戯けが!誰が逃すと言った!?貴様なんぞ影を残さず蒸発させてくれるわ!」

 

ゴオオオオオオオオオ!!

 

『グッ....ガアアアアアァァァァァ!!!』

 

逃げ場のない焦熱世界、元から逃げ場がないゆえ絶対必中の世界。無論、球磨川だけでなくシュライバー・マキナを巻き込んで。聖遺物の守りがなくなっても、シュライバーは回復し、マキナはこの程度じゃ終わらない。だが、爆発がなかったことにされたゆえに多少の威力は下がったが、球磨川の魂を燃やすほどの威力は十分あった。

 

ドサッ!

 

『.....』

 

ザッ

 

「.....小僧、一つ聞きたい。なぜお前のあの能力で俺たちや世界、ハイドリヒをなかったことにしない?」

 

黒焦げになった球磨川を見下ろしながら、マキナは彼に聞いた。

 

『....大嘘憑きなんたてただの手品だ。その程度じゃ安心院さんには勝てないんだ。』

「だとしてもだ。せめて手足の一二本をなかったことにはしないのか?攻めに使おうとは思はないのか?」

『あんた無口に見えて意外と喋る時はとことん喋るな(笑)』

 

球磨川はマキナをそう冷やかしたが、マキナには全く応えなかった。恐らく球磨川にとって三騎士の中でマキナが一番相性が最悪といえよう。精神攻撃は通じないし、マキナの鉄拳を食らったら球磨川の歴史は幕を引かれ、死をなかったことにはできないゆえに。

 

「......まあいいや。さっきも言ったろ?結局のところ大嘘憑きは手品にすぎない。逆に言えば、その手品に頼ってまで君たちを倒さないといけない程度の僕じゃ、安心院さんには勝てないんだよ.....」

「成る程、下らんな。」

 

ドゴォォォォッ!!

 

「目の前の苦難を本気で乗り越える気もないくせに、ほざくな。勝利への信念が足りん。感じられん。」

 

マキナは球磨川の答えに対して、そう一言返し、幕引きの一撃を放った。

 

「終わりだ。」

「Auf Wiederséh´n」

 

赤騎士も白騎士も、今度こそ終わりだと、安らかに眠れと唄い、球磨川を送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『また、勝てなかった。』

 

堕ちてゆくなか、球磨川はいつもの口癖を自嘲気味に呟いた。『球磨川禊は絶対に勝てない』彼は生まれながら、その呪いがかかっている。

 

『信念が足りないって言われた時正直ぐさっときたな。ていうか戦ってる途中、正直安心院さんより強くね?って思ってしまったよ。』

 

球磨川は苦笑いしながらそう言った。だが笑い終わった瞬間、唇をかみ、ほおに涙が伝った。

 

「けど、勝ちたかった.....勝ちたかった勝ちたかった勝ちたかった勝ちたかった!どんなにきたないてを使っても!セコくても!あのチートトリオを壁や地面に螺子伏せて!あの顔を歪ましてやりたかった!......けど、勝てなかった。」

 

 

球磨川は今にも消えそうな声でそう言い残して、そのまま目を静かに閉じ様とした。

 

 

 

 

 

 

ー諦めないで。

 

 

「!」

 

ーまだ終わってない.....目の前の困難から逃げないで.....

 

「安心院さん.....いや、違う。」

 

突如暗闇から現れた金髪の少女、彼女の笑顔はとても暖かくて、どこか安心感があった。

 

「けど、僕にはもう戦う力が.....」

 

だが球磨川にはもう打つ手がなかった。幕引きの鉄拳を直に受け、大嘘憑きも、螺子伏せる力も砕かれてしまった。

 

ー大丈夫だよ、私、ちゃんとあなたを包むから.....あなたは一人じゃない。ねえ、そうでしょ?一人ぼっちじゃても握れないよ。

 

「........ふふ、そうだね。美少女に応援されて、頑張らない男は終わってる。それに、ヒロインに応援されてから逆転劇、これはもう王道されてる。だから.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『僕の戦いは、これからだ!』

 

 

 

 

ーそうだよ

 

 

 

 

 

 

ー私がみんなを抱きしめるから.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに、奇跡の喜劇が起こる。

 

 

 

 

 

 

ドギャァァァン!!

 

 

 

 

「馬鹿な.....!」

 

「ギィィィグゥゥゥ!!」

 

「っ!」

 

信じられないことが起こった。一撃必殺のマキナの拳を受けたと思った刹那、気がつけば三騎士はどこからか現れた螺子によって地面に貼り付けにされて居た。

 

ザッ!

 

『大嘘憑き(オールフィクション)僕の死を、そしてこの世界から時間をなかったことにした。これで僕たちみぃぃんなの速度差がなくなった。よかったね。』

「何故だ!?その力は、マキナによって粉砕されたはずじゃ!?」

 

地面から顔を上げ、ザミエルは聞いた。なぜ跡形もなく消えた能力が再び使えるのかと。

 

『え?ああ、ごめん。言い間違えた。本当はこれ。』

 

すると、球磨川の両手から大きな先の尖ってないプラス螺子が出てきた。

 

『安心大嘘憑き(エイプリルフィクション)効果は大嘘憑きと同じだけど、なかったことにした現実が三分後にもとに戻る。ある意味で取り返しのつくようになったよ。ま、これもあの娘のおかげだけど.......』

「安心大嘘憑き(エイプリルフィクション)だと......」

『つまり、あと三分で時間が再び動き出すと同時に、僕は某ウルトラの戦士みたいに消滅するってことさ。』

 

奇跡と共に弱体化、だが形勢逆転。このチャンスを逃すわけにはいかない.....が制限時間残り三分以下。果たして球磨川は三騎士をたおせるのか?そして.....

 

「マキナの一撃から蘇生か.....まさか女神.....何のつもりだ?」

 

ラインハルトを倒すことまで到達出来るのか?

 

 

 

 




本当は勉強しないといけない時期なんですけどね......勉強や筋トレと両立してなんとか更新します!
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