Dクラス(憑依)「起訴」財団「出来ません」 作:ねこです89
最近また沼にはまったので初投稿です。
______、 すいません
マイクのノイズの音、雑音、集められた100人を超える老若男女
その老若男女たちは、全員が全員、オレンジ色の作業服を着て金属製の折りたたみ椅子に座っていた。
ここは、何処だ?
自分の存在を認識する。ここは一体?
部屋を見渡せばそこは真白なコンクリートのような壁で四方を囲まれた部屋だった。
周囲には特殊部隊を思わせるスーツを着た軍人が、
それも1人ではなく数人、5人ほどだろうか。
そして折りたたみ式の机にマイクを握った眼鏡をかけた如何にも博士といったような男性がマイクテストを行っている。
誘拐? それにしても大人数だと思う。というよりマズイ。
テロか何かに巻き込まれてしまったのだろうか?
何故、こんな事に巻き込まれたのだろうか。自分は昨日、社宅の自室で寝ていたはずだ。
結構な作業だったから疲れていた。
夢か何かだろうか?
______すいません、皆さん、静かにお願いします。
自分の他にも騒つく人達がいた。
明らかに日本人ではない人種の人々がそこには居た。
アメリカ人、フランス人、イタリア人、オランダ人、その他諸々…
まるで人種のサラダボールのようであった。
皆、辺りを見渡し不安げで、ざわついていた。
______すいません、皆さん、こちらを向いて……、落ち着いて そうしてくれないと…
博士のような人物は何度も彼らに静かにしてくれというウマを伝えていたが、怒りのボルテージが最高潮となったようで自分たちに向けて大声で___
「うるさい! どうか全員黙れ!」
「クズども!」
___と、罵声した。
その覇気に怖じけずいたのかはたまたビックリしたのかは分からないがここで一度騒々しさは息を潜めた。
「エヘン。皆さんこちらを見ていただければ…、このオリエンテーションを始めることができます。」
「僕は下級研究員助手のドクター___」
ドクターといった博士風の男性の自己紹介を遮るようにまた全員騒ぎ出した、ここは何処だ!や何を言っている!などと皆、騒ぎ立てている。
ドクターという言葉から連想するにここは病院かそれとも研究所か、そのどちらかだろうか?
自分としても「ここは悪の秘密結社ではないのか?」という感想しか持てない。
そのほかの感想と言ったら任天堂で有名なゾンビゲームの黒幕のイメージだ。
そう考えていたとき、自分の話を聞かない者共に彼は再度「黙れと言っているだろうが!」と叫んだ。
「オーケー、先ほど申し上げたように僕が皆さんのオリエンテーションの担当をします。
ええと、皆さんは自分が何処にいるのか疑問に思っているかもしれません。
しかしそれは機密事項になっています。
皆さんは我々が何者なのかと疑問を持っている事でしょう。
しかしこれも機密事項になっています。
それでも、我々はここが研究施設のようなところだとお話しすることができます。」
オリエンテーション、研究施設、機密事項
様々なワードが登場した。
とりあえずここは研究施設ということだけが、研究施設で働く彼らが、自分たちに伝えられることのようだ。
よほど機密性の高い組織だと見える。
イルミナティ?300人委員会? 陰謀論の中でしか存在しない組織が自分の頭の中に過ぎる。
「皆さん、覚えているでしょうが、エージェントたちが皆さん一人一人と交渉して、オファーを持ちかけたはずです。
死刑囚棟で執行の時を待つか、一ヶ月間、我々の試験に参加するかどうか。
言うまでもありませんが、みなさんは協力に同意したわけですね。」
なるほどな、死刑囚を使って実験を行っているわけか…
いや、まてよ今彼はなんと言った?
死刑囚?
つまるところこの場にいる者たちは重大な犯罪を犯したと
そして、この大量の折りたたみ椅子に座っている自分
自分は、何故ここに座っている?
「待ってくれ!僕は犯罪なんか犯してない!」
「それに僕はそんなオファーに応じた記憶はない!」
そう慟哭した。事実、自分は何もやっていない。
悪夢でしかないだろう。
「何ですって?同意なんてしてないと仰るのですか?
…、すいません、だれか彼のプロファイルを…、どうも」
そう言われた近くの職員はプロファイルをドクターに手渡し、ドクターはそのプロファイルに目を通す。
「ええと、はい 貴方は…、名前はオズワルド・ウィルマース、年齢29才、職業は軍人、階級は中尉となっていますが?」
「間違いなどはありますでしょうか?」
「何言ってるんですか!僕の名前は___」
待って、自分の髪色はこんなに茶色の色をしていたか?
黒じゃない、腕もこんなに太くない、景色も違う 高いのだ。身長が違う。
違う、違う、違う!
「すいません、誰か 鏡をください」
僕は手鏡を要求した。
そう言われたドクターは職員に手鏡を持ってくるよう伝え、職員は手鏡をドクターに手渡す。
ドクターは近くの警備員にその手鏡を渡して「彼に渡してください。ええ、抵抗するならばあちらの、はい、左の三番目のドアに」と伝えた。
警備員が警戒しながらも手鏡を僕に渡す。
手鏡に映ったのは、僕ではなかった。”僕”より大層整った顔立ちをした アジア系の顔立ちではなく アメリカ系の顔立ちだった。
「___オズワルド・ウィルマース、大丈夫でしょうか? オリエンテーションを継続してよろしいでしょうか?」
ドクターの声が、遠くに聞こえる。
「___!、倒れた! おい!起きろ!」
警備員が僕を揺さぶる。
頭が痛い、脳が殴られているようで、まるで コンピューターが重くなっていくように、僕の視界は
現在主人公の情報
名前 元??? 現在 オズワルド・ウィルマース
身長 ??? 体重 ???
クラス Dクラス
解説
元々日本の貿易商社に勤めていた彼は言語学に長けており、英語は勿論、中国語、ロシア語、その他諸々の言語を多少は難なく喋ることができるほどである。
今回使用したオブジェクトもしくはTales
Dクラスのオリエンテーション
http://ja.scp-wiki.net/d-class-orientation