Only Sense Online 〜幻想抜刀の戦士〜 作:蒼井しの
『チュートリアルを開始しますか? YES/NO』
暗い空間。
プレイヤーネームを『KAI』と登録し、ゲームを開始して目を開けた時いきなり登場したこの選択肢。
「やるべきか。やらないべきか……」
早くゲームをやりたいという気持ちが沸き立つ中、一度冷静に考える。
自分は初心者だ。流石に情報を読んだとはいえ、実際の理解とは程遠い。このゲーム独自のルールも存在するだろうし、ここは気持ちをグッと抑え……やるのが無難だろう。
YESのところを指で選択する。
そうすると、一気に暗い空間から緑の草原へといきなり風景が変わった。
ゲームだと知っていても、こんな急に風景が変わるのか。目を開け驚いているところにどこからか声がする。
「ようこそ『Only Sense Online』」
「へ、は、はい!」
機械的な声で、透き通る声はこの草原全体に広がって聞こえてくる。
オペレーターをするキャラもなく、声は続いていく。
「ここでは、『Only Sense Online』をこれからプレイするに辺りの基礎を学んで頂きます。
わからない時は、わからない内容を言って頂ければ、更に詳しい説明に入り、逆に飛ばしたい時は『skip』と言って頂ければ説明を飛ばす事が出来ます。
一気に終わりたい時は『finish』と言ってください。全ての説明工程を飛ばします」
とても長い説明だが、前置きとしては十分。
これからが本題だろう。
「では、まずこのゲームの根幹となる『センス』の説明をします」
センス――つまりは魔法なら魔法を使うための才能、剣なら剣を使うための才能。
「まずセンスを取得するには、SP『センスポイント』が必要になります。
このSPですが、思うだけで確認することが出来ます。一度『センスの確認』と思ってください」
(センス確認)そう思うと黒いボードが飛び出し、そこには『所持SP10』と書かれていた。
「そのSPを使い、センスを取得する事が出来、センスは使うごとに成長していき、やがて『派生センス』や『上位センス』を習得出来るようにもなります。
ところで、『KAI』様。魔法で戦うか。武器で戦うか。はお決めでしょうか?」
「武器で、剣で戦いたいです」
「でしたら、最初にまずは【剣】のセンスを習得しましょう。このセンスがなければ、剣で戦うことも出来ません」
「というと……?」
「はい。このゲームには『攻撃判定』というシステムがあります。この『攻撃判定』がなければ相手にダメージを与えることが出来ないのです。
『攻撃判定』はその対応するセンスをセットしなければ発生しません。例えば、剣の場合でしたら、それに対応する『剣』のスキルをセットすれば『攻撃判定』が発生します」
「それがないとどうなるんです?」
「装備は出来ますが、ダメージを与えることが出来ません」
なるほど。単純に武器を装備するだけではダメで、『センスと武器』がセットで初めてちゃんとした戦闘になるわけだ。
そう理解して、俺はいくつかのセンスの中から【剣】のセンスをSP1使い習得した。
「……結構最初から種類があるんだ」
一瞬見ただけではあったが、ざらっとみただけで20種類以上のセンスがある。
「はい。この中から好きなセンスを取得し、成長していくのがゲームの趣旨となります」
迷うなんてもんじゃないな。ちゃんと目的を決めなければ乱雑な、意味もない組み合わせになりそうだ。
「ですが、これもまだひと握りです。幾つかの条件とともに、更に取得出来るセンスは広がっていきます」
途方もない……始まりだけでこれなのだ。最終的にはどれだけのセンスの選択肢に迷わされるのだろうか。
「……良ければですが、初期センスに関してこちらで幾つか候補を出しましょうか?」
「へ?」
こちらの感情を読み取ってくれたのか、声がそう提案をかけてきた。
「いいですか?」
「はい。自分が思い描いた通り、お話ください」
「じゃあ……」
そうして、自分がこういうスタイルで戦闘したいということを話すと、どんなセンスが良いか。それがどういう効果があるかなどを簡易的に説明をつけながら教えてくれた。
その結果、俺は十個のセンスを取得する。
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所持SP0
【剣LV1】【鎧LV1】【盾LV1】【発見LV1】【魔力LV1】【物理攻撃上昇LV1】【物理防御上昇LV1】【速度上昇LV1】【急所の心得LV1】【戦士の心得LV1】
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目指すは回避しながら相手の注意を惹くいわゆる『回避盾』というやつだ。
敵の攻撃を避けるための【速度上昇】。
それと、敵に狙われやすくなるスキルが習得でき、万が一に敵の攻撃に当たった場合耐えられる様に【盾】もとり、初期装備として『初心者の木の盾』が送られた。
斥候もこなしてみたいと【発見】も覚えてみたが、これから使ってみて調整が必要かと思った。このセンスの構築を考えるだけで、中々面白い。
敵によってはもっと違うセンスになるかもしれないが、そういう時には誰かとパーティを組んだ方が良いかもしれない。
そこについてはまだ不安定な要素ではあるが、説明を受けたことで、センスについて知れたのは大きい。
それだけでチュートリアルを受けた甲斐があったというものだ。
「【剣】のセンスにより初期武器として『初心者のロングソード』が与えられます。
ですがこのセンス構成ならば。
ロングソード系の武器よりも、短剣系の短い武器の方がクリティカル時にダメージが上がり、緊急回避スキルなどもありますので、より【急所の心得】や【挑発】を生かしやすいかもしれません」
「短剣? ……わかりました」
どこまでも丁寧だなオペレーターだ。
こちらの考えを汲み取ってくれるのもとても良い。まだ、イメージでしか出来ていない自分の『スタイル』が少し見えてきた。
「では、これでセンスのチュートリアルを終了します。戦闘方法についてのチュートリアルは如何しますか?」
5/28修正
スキル→センス
【挑発LV1】→【戦士の心得LV1】
恐らくだが、3巻のルカートのセンスレベルを見る限り初期で取れるセンスと考えにくい。SP20で開放するセンスの中の一つか、【盾】センスの派生系センスと思われる。
(恐らく説明文に何とも書いてなかったためSP20での開放が濃厚。盾の予測は外伝小説で【盾】のスキルにヘイトを稼ぐものがあったため)