Only Sense Online 〜幻想抜刀の戦士〜 作:蒼井しの
うん。やっぱり無理。
あの猪のモンスターの強さを確認し、今のセンスを改めて確認する。
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取得SP0
【剣LV6】【鎧LV3】【盾LV4】【発見LV3】【魔力LV2】【物理攻撃上昇LV6】【物理防御上昇LV4】【速度上昇LV3】【急所の心得LV3】【戦士の心得LV6】
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初期よりは大分成長したが、まだあの猪のモンスターには歯が立たなかった。
多少なりと抵抗はしたが、あの直線的な突撃が全然回避が出来ない。そもそも攻撃自体が通用していない。
「武器を最低でも変えなきゃいけないかな……」
雑魚モンスターを倒したときに落とすドロップと素材の採取を行ったことで売るものがいくつか出来た。
このゲームの通貨『G(ゴールド)』に変換すれば、今よりも良い装備が買えるはずだ。
NPCにそれらを売り払うと初期のGも合わせ『1万G』と纏まったお金になった。
その中には、いくつかレアドロップが混ざっていたらしく、それを買い取ってもらっての結果だが、かなり良い結果といえるだろう。(後で知ることなるが、これはNPCの値であり、生産を行う生産職たちに売ればもっと値が付いたとのこと)
「大体あの子も初心者武器じゃなかったよなあれ……少なくともこの剣ではなかったはずだ」
このゲームはまだ始まって間もない。彼女も流石にまだ上位の装備を装備はしていないだろう。
そのことを鑑みれば、彼女も初心者武器からのスタートをし、それが使えないと知っていたため、即座にお金に変換。そして、新しい装備を買ったのだ。
「初心者用の剣って弱いんだろうな」
実際初心者用の装備のAKTは5しかない。
さっき見たとき、NPCの店売りの装備でも一番AKTが高いもので8あった。
たかだか3の差だが、この『Only Sense Online』では自分がどのようなステータスをしているかが確認出来ない。
ステータスの種類として6種類存在するが、
ステータスの種類は
ATK:攻撃や腕力などに関係する。
DEF:防御や状態異状などに関係する。
INT:魔法や知識などに関係する。
MND:魔法防御や状態異状などに関係する。
DEX:器用さや生産などに関係する。
SPEED:速さや硬直時間などに関係する。
この6つが存在していることは確認されている。自分で見れない分、自分がどこまで成長したかなどは、センスで判断するしかない。
だが、装備に関しては別だ。
その装備にどんなステータスアップがついているか。その装備の追加効果は何か。それについてはきちんと確認が可能なので、その分装備に関しては特に数値や効果を気にしなければいけない。
たかが1されど1。
舐めてはいけないとは、情報サイトの言葉である。
「だけど、1万Gあったらもっといいもの買えないかな」
店売りのものは効果に安定性があるが、その代わり追加効果がない装備が多い。
しかし、生産職の人たちが作った防具や、武器。更には薬などは必ず+αの効果が付いている。
例えば、店売りよりもステータスが前後していたり、追加効果があったりとそこは職人によって様々。
少しでも良い武器をリーズナブルに買おうとするとやはり生産職たちの作った武器の方がお得なのだ。
あわよくば、その生産職の方ともコミュニケーションをしていき、末永い関係を作り出していくのが理想。
そう思いつつ街を回ってみると、広場に色んな人が座り商品らしきものを並べている姿が見えた。
「露店か……」
露店がいくつも集まり、そこで生産職の方たちが自身が作った売り物を売り出している。
「そっか。お店を持つにもお金がかかるし、まずここが足がかりになるのか」
何にでもお金は必要だ。
生産職は特に施設がなければ作れるものも少ないらしく、初めはあまり物を作れないと見たことがある。
なら、余計にここがチャンスだ。
大した品でなくても、初心者用の武器より良い品があるかもしれない。
そう思って、俺は露店を見て回ることにした。
そうして、俺はその刀を見つけのだ。
黒く、光り輝く『黒刀 一輪』を。
「あのね……君初心者?」
今話している女性が生産職の『アルミ』さん。どうやらこの品自身は自分で作ったものではないらしく、その事もあるのか、売るのに慎重になっている。
「はい。まだ最高センスレベルもLV6ぐらいです」
それを聞くと、ますます売れないとアルミさんは顔を困らせてしまった。
「『刀』っていうのはさ。武器の中でも扱いにくいんだ。それこそ、上級者レベルの人でも扱いに困るってぐらい。それをおいそれとは売れないんだよね……」
「だけど、置いてあるじゃないですか!」
「分かるけど、売って無駄になるものは売れない。大体これ価格書いてないでしょう? 『要相談』っていうテロップが表示されてない?」
確かに『黒刀 一輪』には価格が設定されていない。『要相談』とも備考欄に書かれている。
「これはね。売る人を見て決めるってことなんだ。こっちの意図が分かりにくかったのも悪かったけど。これだけは今の君じゃ売れない」
「じゃあ、どうしたら売ってくれますか?」
諦めたくない。俺はこの刀にそれだけの魅力を感じていた。
まるで妖刀に魅入られた侍。
「……ふーん。諦めてくれないか。じゃあ覚悟はあるっていうことでいい?」
「覚悟?」
「『刀』っていう系統の武器はね。すっごく特殊な武器なの。
まず武器の耐久度が低い。それに加えてちゃんと敵の弱点を攻撃しないと武器の耐久度が一気に減ってしまう。
そういう事もあって、不遇な武器の一つって言われているの。
センスも『刀』の特徴に合わせたものじゃないと使いにくくなっちゃうし、その運用が出来ない人とかが刀を辞めていくの私、β版の時沢山見たんだ」
話をしながら、刀を撫で、悲しそうな顔を浮かべるアルミさん。
「だからさ。正直、迷惑なの。ただの興味本位で武器を壊したり、捨てたりするのは。
貴方のような人は幾つも見たし、そこでね。
妥協案を出そうと思うの」
「は、はい?」
やばい。話についていけない。
「ちょっと来て。『工房』に案内するから、そこで話しましょ」
「へ?」
いや、なんで連れて行かれるのだろうか。
いや、露天しまってこっちこっちと手を振らないで欲しい。
いや、わかった行きます。どうなるんだこれ……。
そうして、僕は何も分からぬまま、アルミさんの言う『工房』まで案内されることとなった。
6/2修正初期武器攻撃力3→5 店売り武器最大7→8
一巻に書いてありました……完全に見落としです。