Only Sense Online 〜幻想抜刀の戦士〜   作:蒼井しの

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ちょっと休憩。


『始まり』の休憩、お互い

起きた時、いつの間にか僕は転がっていた。

眠気と、不思議な疲れと、温かさの残り。

 

『そろそろ夕食だよ』

二人と別れ、明日武器が出来ると言われた後。

俺はしばらく途方に暮れていた。

それは、肝心の防御アイテムである『初心者の木の盾』も修理に一緒に出してしまったのだ。

『Only Sense Online』には各武器や防具に『耐久度』が設定されている。

この『耐久度』がなくなると武器が損傷していき、ついには壊れてしまう。

初心者シリーズの武器や防具は比較的に『耐久度』が高いのだが、盾は一番攻撃を受け、そしてスキルで跳ね返すところまでやっていたため、一番損傷が激しかった。

それで修理もやってもらうことになった。代金は初心者装備なのでいらないとのこと。

そんな中、先程の一文でメールが来た。

「あっ、そうか。そんな時間か」

そうして、俺は初めて『Only Sense Online』をログアウトした。

 

「ん……ん?」

何で横になってるんだ俺。

「そっか。だからメールか」

今日、家には両親は二人で出かけてしまっている。

そのため、今日の食事をシュウちゃんが作ってくれることになっていたのだ。

「見計らった様な感じだな……」

この『Only Sense Online』の発売日といい。両親の出かけるタイミングといい。

「というか。なんでショウちゃん俺の前に現れなかったんだ?」

自分も色々あったが、センスのレベル上げの間に何回か連絡したが、やはり無理だった。

何かあったのだろうか。

それとも……俺に言えない。何かが……。

「まぁ、食事の連絡はくれたし、一回行こうか」

どうしても様子が変なようだったら、それで一回訪ねてみよう。

ダメだった時には別の手段を考えて、手伝えるかどうか考える。

そう誓いを立て、俺は広間の横にある食事の部屋に映った。

 

「ショウちゃん。今日は夕食何作ったの?」

キッチンを軽く覗くと、鼻歌交じりで鍋をおたまで混ぜてるショウちゃんがいた。

「カレー。しばらく分作ったから、お母さんたちと食べてね」

「おお」

カレー。カレーだ! しかもいい匂い。

「ルーは?」

「中辛と辛口までたの」

「中身の具は?」

「じゃがいもと、にんじん。あと固めの牛肉。溶けちゃったけど、玉ねぎも入ってるよ」

「ホント! パーフェクトだよショウちゃん!」

「でしょでしょ」

カレーかー。カレーかー。

ショウちゃんの料理食べたことないけど、カレーならまずいってことはないし、これなら安心だよなー。

夕食に僕はとてもワクワクしてしまっていた。

「ご飯注いでくれる? そろそろ出来上がりだから」

「OK。机も並べとくけど。他に並べるものある?」

「コールスローも作っておいたから。冷蔵庫の中にあるよ。それ出しておいて」

「うん!」

全ては愛のターメリックッ。

何処かで聞いた歌を脳内で流すほどのご機嫌。そう、シーザーご機嫌だった。

先程のことについて、食事が終わってから思い出すほどに。

「はっ!!」

カレーを二杯ほど食べ、満足感に浸っている時、俺はようやく誓いのことについて思い出した。

「そ、そうだった!」

「カレーどうだった?」

「美味しかった! 明日も食べる! じゃないっ!!」

くそっ! カレー恐るべし!

俺の腹を満たすだけでなく、心まで満たそうとは恐ろしい……。

「ショウちゃん何かあった? ゲームの中で」

「え、えええ?! な。なんでもないよ?

「何が? なんでも?」

「い、いや、レベル上げに夢中になってただけだし! あ、そうだ! センス何レベルまで上がった? どんなのとった?」

ショウちゃんはどうやらひた隠しにする気なようだ。

……これ以上は追求しないでおこう。ショウちゃんのことだし、とやかくいうのはやめよう。

「センスね。センスはね。『剣』とか『急所の心得』『発見』とかかな」

全部説明するのをやめ簡単に説明していく。

「あっ、その構成なら斥候みたいなタイプかな」

「いや、最終的には敵を引きつけて、その攻撃を躱し、そして隙を見て反撃! っていうのが理想」

「回避盾ってやつ?」

「そうそう」

「ふーん。結構特殊そうね。センスの校生が最終的にどうなるか気になるわ」

「今はあんまり動けてないけどね。センスレベルはやっと『剣』が6いったところ」

「あら。遅いのね。私なんて魔法のレベルが10達したわ」

「……」

最初の敵を倒すことに手こずらされたせいかやっぱりレベル差が開いている。

「そういえば、ショウちゃんはどんなスタイルなの?」

気が沈むのを紛らわすため、次はショウちゃんのことを聞いてみた。

「私? 私はね。回復役かな。魔法攻撃も出来るように『光属性才能』と『闇属性才能』二つ取ってるけど」

「二つ?」

「そう。二つ取っていかないと。例えば、『光』に強い敵がいた時、『光魔法』で攻撃しても意味がないじゃない? そういう時には『闇魔法』があったら使えるじゃない」

「なるほどね。じゃあショウちゃんは『回復』『光属性魔法』『闇属性魔法』の三つが主かな」

「そういうこと。私は直接戦うのが嫌だったから。前は任せてるってわけ」

そうして話していると、ショウちゃんが皿を片付け始めた。

「じゃあまたゲームでね? 私もうちょっとレベル上げてるから」

「ショウちゃん」

早く片付けを済ませ、帰ろうとするショウちゃんを俺は呼び止める。

「何があってもショウちゃんは、ショウちゃんだから。助けてもらいたい時は言ってね」

「……うん」

その返事だけ残して、ショウちゃんは自分の家に帰った。

 

「レベル、上げるか」

追い越されるばかりではいけない。

もっと強くなる。守れるようになるために。




6/2修正 コールスローの歌→カレーの歌に変更。
誰がわかるんだこれ……(みなみけネタです)
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