アンデルセンとかアリスとかシェイクスピアとかキャスターはキャラ濃すぎて動かすのが大変です。
大英博物館、今は跡だが。裏手に着いたぞ。
「ねえアンデルセン」
「なんだ」
// KEEP OUT // KEEP OUT //
「思いっきり"とおせんぼ"されてるようにみえるわ」
「そんなことか。ええい気にせず進め、と言いたいところだが……」
スコットランドヤードも仕事が早いといえば早いことだ。見た感じガレキを撤去したくらいであろうか。
「人よけの結界でも張りますかな? 無論私にはそのようなことは出来ませんですがな!」
「安心しろ、貴様の出番も用意する。震えて待て。……ああ、前回来た時の痕を残してある、それを起動する。」
グォン スゥ───
予め設置しておいた術式が展開していく。
「アンデルセン、いつの間にこんなこと出来るようになったの?」
「お前の"名無しの森"では入った俺たちすらも狂うからな。 それに人よけは便利だぞ? 引き篭もりたい時は特にな!」
……割と自信のある術式なんだがな。こいつらとマスターには遠慮なしでズカズカ入られる。 なぜだ……
───うむ、展開が終わったか。
「よし、それではゆく「ちょっとそこの貴方たち!」
…………なあぁぁぁぁ人よけを起てているところに人が来るとは!
こんな廃墟に誰が用だいったい!?
「ええい何処のガキだ! 廃墟の裏口に何か用か!…………ん?」
「アナタみたいなお子様に言われる筋合いは無いと思うわ。
…………子供にしては良い声ね。ウィーンにでもいたのかしら」
そこにいたのは少女であった。齢14、高くても16ほどに見える。Yシャツにスカートという飾り気の無い出で立ちだが…
「なんだ、貴様何かに憑かれてでもいるのか?妙な波動を感じるが」
「あなたにも私と同じ感覚があるのかしら? いえ、そこは今はいいわ。貴方たち、此処に何のようかしら。此処は既に只の廃墟よ」
……ああ、服装が普通だから気づくのに時間がかかってしまったな。そういえばその顔、ちらと見た覚えがある。
「只の廃墟だと? ハッ! 貴女にとっては敵陣のど真ん中であるはずだ。そうだろう? エレナ・ブラヴァツキー」
「ほう?アンデルセン殿は彼女を知っているのですかな?」
ああ、お前は最近召喚されたばかりだからな。覚えがなくとも正解だろう。
「! 私の名前を知ってるってことは、やっぱり魔術協会の関係者なのかしら貴方たち」
「いや、まったく関係ない。今日は墓荒らしに来ただけだ。ただ……そうだな、アメリカで見たことがあるものでな」
「アメリカ…? アメリカにいたのなんて10年くらい前だけど、貴方たちいったい何者?」
「貴女が本物のブラヴァツキー夫人なのだとすれば、半年ほど前だ。この街で異変があっただろう」
「それって! 濃霧のなかの機械人形や魔本騒ぎのことね? そういえばあの時もキミみたいな子供がいたわ。それが貴方?」
「それが俺であることは間違いないが、それは此処にいる俺ではない。ちなみにその時こいつらもロンドンにいたが、それも今のこいつらではない」
「? 謎かけかしら?」
「ああ、俺たちにとっては至極簡単な謎だ。だが……貴女ならば解る問いかもしれんな。」
そう、新たな神話すら創造しかねない彼女であるなら。
彼女は少しばかり考えるような素振りをみせ……
「……もしかして"
「なるほど、面白い考えだ。アレも確かに我々のように、極めて近いが限りなく遠いものではあるな」
ア・バオ・ア・クゥーとは、世界の何処かにある塔に棲むと言われる幻獣だ。その『勝利の塔』の頂きを目指して登る人間の影を追いかけるも、絶対に自身は頂上に至ることは出来ない、という運命を背負っている獣である。
……ア・バオ・ア・クゥーは完全になることを目指して、塔の頂きに登ることを渇望していた。しかし運命はそれを許さない。
なぜならば此の獣は既に常世から堕とされた存在だからだ。
そういう意味ではサーヴァントに近しいものがあるな。
「……貴方たち、此処の跡地に用があるんでしょ? よかったら私も同行していいかしら」
なんだ、敵の本拠地に興味が湧いたか。当たり前のことだが。
「断る意味もないな。 お前らはどうだ?」
同僚に判断を促す。
「別に構わないわ、ピクニックは大勢にこしたことはないもの!」
「そうですな、演者が多いほど物語は深みを増すというものです」
「だそうだ。ちなみになにが起こっても責任は持たんからな」
「ありがとう! ……それで、貴方たちのことも教えてくれるともっと嬉しいのだけれど」
「立ち話をしすぎたな、自己紹介は歩きながらだ。
……よし、それでは行くぞ」
テクテクテク……
__________________________
そういえばちゃんとまだ名前を言ってなかったわね。私はエレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー。エレナでいいわ。
わたしはアリスっていうの! よろしくね、エレナおねーちゃん!
私、おねーちゃんっていう歳じゃあないんだけど… ええ、よろしくねアリス。
俺はアンデルセン。ちなみに十年ほど前に本人は死んでいるな。
!? 輪廻でも経験したの!?
ほう、輪廻ときたか! まさしくだな!
ああ、過去の人物といえばな...チラ
ふむ! 吾輩、ウィリアム・シェイクスピアは300年近く前にこの世を去りましたぞ! この時点から数えてですが!
ええ…… 貴方たちからは驚かされてばっかりね……
(シェイクスピアってあのシェイクスピアなのかしら)
ちなみにそこの幼女はSPRだぞ。
なんですって!?
冗談だ。
心臓に悪い冗談はよして頂戴……
(ドジソンはSPRだったがな)
//
「ここだ」
「ここですか」
「ついたの?」
「いや……あの……」
おそらく入り口だったであろう地下への階段は、見事にガレキに埋もれている。
いや……隠すためにガレキを積んだな?面倒ごとは後回しか。
まあいい、こんな時のためにこいつらをついてこさせたんだ。
「アリス、これをどかせるか?」
「これくらいなら大丈夫よ。…来て!兵隊さんっ」
アリスは宙から本を取り出し…
パァァァ
一瞬の光が周りを包むとそこには----
「………」ふしゅー
4人の兵、それぞれ司るはダイヤ、スペード、ハート、クラブ、つまりはトランプ兵である。
「兵隊さん、このがれきをどかしてくれる?」
「………」こくこく
どかどかどか……
「よし、今のうちに昼飯にするか。……ん? どうしたエレナ嬢」
「今のはアリスの召喚術? すごいわ、あれだけの質量の使い魔を4体も使役するなんて……」
「あの兵隊さんだったらあと40人は呼べるわ。わたしのともだちの中でも一番の働き者なの!」
「なっ」
「気にするな。アレは我々の中でも特段凄まじいモノだからな」
さて、と。
持ってきたバスケットを開けると、中には3人分のサンドイッチが入ったランチボックス、飲料、それと敷物まである。
うーむなかなかに気が利く男だ。
バサッ ヒューン ドカドカドカドカッ
空色の敷物を広げると、四隅にちょうど良さげな石が飛んできた。うむ、いい仕事だ兵隊ども。
「さあ食え、飯を食わずに戦は出来んぞ」
「私も頂いてもいいのかしら?」
「構いませんとも! なにせ何もしていない吾輩ですら食べる権利があるのですから! それに"
「わたしもお腹がペコペコよ! 何を食べようかしら」
わいわいと手が伸び、それぞれにまず一つずつサンドイッチが行き渡る。
「もぐっ、ん〜 これは…アンチョビとトマトね? へぇ、いい仕事だわ。とても美味しい」
「あんちょび…ってなあに?」
「魚の漬け物だ。大抵は塩漬けだが」
「魚の塩漬けですと!?」
「落ち着け劇作家。ニシンじゃなくイワシだ。あと腐ってるわけじゃあないからな」
「へぇー ねぇエレナおねーちゃん、一口ちょうだい?」あーん
(あざとい)
(アンデルセン殿! その表現は実はあまり良い表現ではありませんぞ!)
(わかっている、でも言わなくてはいけない気がしたんだ)
「うーん、アリスちゃんの口に合うかしら。 ほら、あーん」
もぐっ
……
「んん……あんまりおいしくないような…… 不思議な味ね。」
「あはは、まあアンチョビなんて確かに不思議な味よね。しょっぱくて魚臭いといえばそれまでだし。ねぇ、アリスちゃんのはどんなの?」
「わたしのは…… もぐもぐ。うん、タマゴサンドよ! とってもおいしいわ!」ニコー
(ああ、私にも娘がいたらこんな感じなのかしら…)
「はい、おねーちゃんも一口どうぞ」
「いいの? それじゃあ一口…ぱくっ」もぐ
(……! これまた丁寧につくられてるわ…影も形も無いのにチキンの味がするのは一体どういうことかしら?)
「どう? おいしいでしょ?」
「ええ、とても美味しいわ。貴方たちの処の料理人は大層良い腕をお持ちのようね」
もぐもぐ───
(うーむアンチョビか…… 酒の肴にはピッタリだな、こんど冷蔵庫を漁ってみるか)
(アンデルセン殿! 飲酒は二十歳になってからですぞ!)
(ええいうるさい! 俺はとっくに七十を超えているわ!)
(その理屈だと吾輩は軽い仙人の域ですぞ!)
「というか何故貴様はそんなにテンションが上がっているんだ!?」
ばっ
「このオニオンサンド! 新鮮なオニオンに絡む濃厚なタルタルソース! うむ! まさに天上の一品ですぞ! 例えるならば〜 云々
「そうか。帰ったらエミヤにそう伝えておけ、きっと喜ぶ」もぐもぐ
ちなみに俺のだが……クランベリーと七面鳥か。
甘酸っぱいソースとふっくらした肉は、トーストのサクサクとした食感とたいへん具合が良い。
食べているうちに自然と笑みが溢れる料理とは、料理人の至上の一、だな。
(アンデルセン、最近よく笑うようになったなぁ。 わたしがあの場所に来た頃はいっつもしかめっ面だったのに。)
「どうしたアリス? 俺の顔に何かついているか?」
「! い、いやなんでもないわ! あ、もう一ついただこうかしら!」
「程々にしておけよ。奴らの作業も佳境に入ったようだからな。」
//
うーむ、それにしてもなかなかの種類があったな……
ハムやツナといった一般的なものから、ピザトーストや、はたまたプディングを挟んだ変わりダネまで選り取り見取りだ。
ほんとに3人前か、この量。まあ一人増えた訳だが。
兎にも角にもゆったりと食べきり、食後のティータイムを楽しんでいる。
「ミスタ・アンデルセン? このお茶はなに? 初めて飲んだわ。」
「これは番茶という茶だ。極東の比較的ポピュラーな飲料だぞ。多少の渋みはあるが、食後にはちょうどいいだろう。」
「ええ…… とても落ち着くわ。 極東、ニホンの茶ね…… 今度取り寄せてみようかしら。」
そういえばニホンの茶は味や香りでなく雰囲気を楽しむものだとマスターは言っていたな… それも今ならわかるかもしれん。
「…………」ふしゅー
む、どうやらあちらも終わったようだな。
「よし、腹は膨れたな? それでは行くぞ!」
いそいそと片付け、階段の前へ立つ。
「なんだかまさにダンジョンって感じの装いね」
「まあ実際そのとおりですからな。一応通った記憶がありますが、魔物の巣窟を思わせましたぞ」
「アリス、一応トランプ兵の準備をしておけよ。なにが起こるかわかったもんじゃないからな」
「ええ、わかったわ」
そうして、我々は地下への一歩を踏み出した。
//
……この灯りは消えないのかしら。
不死のチャームの変異版でもかけられているんだろう。
"火"は人類にとって一番古くからある文明だ、うまい付き合い方があるんだろうさ。
なんだがいやな感じね。暗いわ、雰囲気が。
それは以前と変わりませんな。
使う者がいなければ、人工物は自然に還ろうとするものです。自然とは畏怖の対象ですからな。
それにしても相変わらず長いな! 魔術師というものはどれだけ篭りたい人種なんだ? 作家ですらこうやって外に出向くというのに。
結局屋内に来てるじゃない…… っていうか、貴方たちはここになにをしに来たわけ?
決まっているだろう、書庫だよ。
前回は切羽詰まっていたからな、やはり本はじっくり読むに限る。
わたしはアンデルセンの付き添いよ!
でもそうね、今日はまるで冒険みたい!とても楽しいわ!
吾輩も同じくですな。カルデアで独りだと実に寂しいですからな!
あんたたち仲良いのね。 ってあの扉、やけに綺麗じゃない? 他のに比べて。
ああ、それだな。 結界で護られている扉だ。書庫に繋がっている筈だ。
//
ガチャ、
「うわぁ、ひっろーい!」
「ほほう、此処はまさに人を英知の結集した場所というわけですな!」
!? ここは……?
扉の向こうにあったのは確かに書庫だった。だが……広い、余りにも。
「ここは……これはまるで大英図書館だ……」
大英博物館図書室。広大なドームをもつ円形の大広間に、所狭しと書架が整然と並んでいる。
何故だ? あの扉は確かにあの小部屋に繋がっていた筈……
というか既に博物館は只の更地だ。今さっきいただろう。
あろうことか陽の光まで差し込んできている。
エレナは不思議そうな顔する。
「どうしたの? 此処が目的地なんでしょう?」
「……お前は驚かないのか? この惨状に」
「うーん、ちょっとこれまでに驚きすぎたのかしら。凄いとは思うけど、この本の量。それに、ここは地上の何処かで、あの扉は地下と此処とを繋げているんでしょう? 違うのかしら?」
そうか? 本当にそうなのか? まさか扉が違ったのか? いや、だがこの場所は確かに"ホンモノ"だ……
「……まあいい、とにかく書庫に辿りついたことは確かだ。」
これで大分暇がつぶせるな……
//
(ふむ…… まさかボイニッチ写本まであるとは。この時代ではまだ発見すらされていないはずだが……?)
色々な本を啄みつつ廻っていると、
「アンデルセン殿! 何やら意味深な扉がありますぞ!」
一階から呼びかけられた。
「なんだ唐突に、扉だと? 勝手に開けてみればいいだろう!」
「まあまあ、来て見て頂きたい!」
なんだ? 扉か…
________________
「……コレか?」
「ええ。」
「何か壮絶な違和感があるわね……」
「そうかしら?これくらいふつうでしょう?」
いつの間にか4人が集まる。
ところでコレだが……
扉だ。普通のヨーロッパの家にあるような木の扉。
ただ一つ普通ではないとするならば───
「なぜ床にへばりついているんだ?」
そう、その扉は床についていた。
……いや、床扉というものはあるが、これは……
「開けてみますかな、アンデルセン殿?」
なんだ……
「あ、ああ」
なんだか……妙だ
そう、その時、俺は余りの違和感に一瞬だが思考を放棄してしまった。
扉へと手を伸ばそうとした、その時─────
グォオオオオオオオオ!!!!
空気が揺れた。
なんだ……
天…… 宙から何かが───
//
同刻 フランス
「ダ、ダビデさん。アレ……何でしょう…?」
「んん……? おや、虚神かなぁ。牧場を荒らされたら堪ったもんじゃない。……仕方ないな。」
//
同刻 ローマ
「ほう……我がローマを相手にするか。いいだろう! 行くぞ友よ! 我が愛するローマ、我が愛するネロに勝利を捧げよう!」
『それってボクいるかなぁ? ……まあ折角だ。国に忠を尽くそうか』
//
同刻 オケアノス
「なあ、アタランテさんよ。アレは流石に俺らの手に余るってもんじゃないですかねぇ」
「なに、なかなか手強そうな相手じゃないか。戦闘の準備をしておけよ?」
「うわぁ……殺る気満々だよこの獅子耳ちゃんよ……」
//
同刻 アメリカ
「ねえエリザ。アレってなんだと思う?」
「マスターでもわからないものなんて私が知るわけないじゃない。」
「言い切ったなこの世間知らず! ……じゃあ清姫は? どう思う?」
「ええ、見たところ……なんでしょうね?」
「オーケー了解だ。もうちょい近くに行こうか。」
//
─── [修正目標確認]
────[出力調整完了、現界処理]
───── [一掃ヲ開始シマス]
のったりとした日常パートから急に訪れる不穏な空気!
……いや、この時点ではそんなに危機は感じませんが。
オリキャラが何人か紛れ込んでますね。あとエレナさん。
ちなみにこのとき5(ry歳ですね。見た目はあのまんまですがね。
さて、次はどこにいこうかな...