I remember you   作:春瑠雪

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夏休みと言えば

「おお...ひなっち先輩!塩の匂いしますね」

「そりゃぁ海に来ているんだからな」

「な、何でそんなつまんない返事なんですかっ」

 

8月。大学生の夏休みが始まったころにゆりが計画した海に来た。社会人組の音無とかなでの予定と合わせたがやはり難しいらしく、彼らは遅れてくるようだ。

大学生の日向は自分の車を持っているので、その車でユイと共に海に着いた。最初は「ひなっち先輩の運転で!?」とか青ざめていたユイのおでこにデコピンをかました。その時に知らない人と海に行くことを拒否しななかったので少し安心したのは言うまでもない。

 

「日向くーん!こっちこっち!」

「おーっす。...さ、紹介に行くか」

「へへ、車いすから落としたりしたら殴っちゃいますよ、せーんぱいっ」

「...ぶりっこぶっっても言ってることが怖いんだが」

 

そう口に出しても、本当は日向を信用していることが何となくわかるが、それを指摘するとひねくれそうなのでやめた。

 

日向がゆりのいるところに近づくにつれ、ゆりの顔が少しずつ変化していくのがわかった。嫌悪するような顔ではなく、驚いたような。

 

「よ」ゆりが近くにいた野田を手招きし、4人がちゃんとそろったところで日向が言った。

「...貴方、彼女?」

「ちげぇよ!」

「あたしはゆり。仲村ゆりよ。ゆりっぺ、とか呼ばれてるけど好きに呼んでちょうだい」

「あ、初めまして!あたしユイっていいます!」

「...野田だ。日向の彼女か何だか知らないが、よろしく頼む」

「だっから彼女じゃねぇよ!」

 

「えっと、じゃあゆりっぺ...先輩と野田先輩」

「何で先輩なんかつけるのよ?堅苦しいじゃない。あ、野田くんはむしろアホとか呼んでくれてもかまわないわ。後から来る子もアホとか呼んでいるからね」

「アホと呼ぶのはゆりっぺだけしか認めないぞ」

「この通り、こいつはゆりっぺ信者だ。アホだがゆりっぺ絡みだと役に立つ」

「ふん、俺はゆりっぺのためにしか動かないからな」

「...アホですね」

 

一通り紹介を終え、「音無はいつ頃来るんだ?」と聞く。

 

「ああ、かなでちゃんはすぐ来れるんだけど、音無くんがねやっぱり忙しいみたいで」

「まぁそうだよなぁ...あいつの仕事って」

「音無?」ユイが首をかしげた。

 

「ああ、もう一組カップルが来るんだけどな。そいつら社会人で働いているから忙しいんだよなー。あ、あいつらはなかなかに熱いバカップルだから気温高くなると思うぞ」

「嫌ね、このままじゃあたし野田くんとペアになっちゃうじゃない」

「おお、野田良かったな。ゆりっぺが気持ちに応えてくれるそうだ」

「何!?ほ、本当か、ゆりっぺ!」

「んもう、熱いんだから寄って来ないでよ!」

「みなさんアホですね!」

 

 

***

 

 

「あー、疲れた!日向くん、あたし休むから貴方野田くんの相手よろしくね」

「why!?そこは野田とゆりっぺがやるから面白いんだろ!?」

「いちいちうっさい」

 

野田とゆりが一対一でビーチバレーボールをし、日向は得点係をしていた。

ったく、わがまま御嬢さんだぜ...

 

そんなゆりの行先はユイの元。それで何となくユイに気を遣ったように思えた。いくら本人がアホアホほざいて楽しそうに見えても年上の初対面の人と海に来ているのだ。知り合いは日向しかいない。さらにユイは車椅子のため海に入ることはもちろん、バレーをすることもできない。気分転換になれば、と思っていたが逆にかえってユイが無理しているかもしれない。

 

あいつもなかなか面倒見がいいからな。

 

楽しそうに雑談し、たまに顔を赤くしたりする姿が何だか微笑ましい。ユイは「先輩」にこだわっているが、こっちから見たら友達か、または姉妹のように見える。

 

「ひなっち先輩!」

 

突然ユイにそう呼ばれた。何故かゆりも顔はこれでもかといわんばかりにニヤけている。

 

「ほら、もっと大きな声で言いなさいよ?」

「うっ...頑張ってくださいね!ユイ、応援してます!」

「おうよ!」

「ゆりっぺは俺を応援しているのか!?」

「あー、はいはい、野田くん頑張って」

「ふっ...日向、容赦しないぞ」

「いや待て待て待て待て!何でそこで落ちてるビン拾うんだよ!?ボール割る気満々だろ!」

 

「なんだ、盛り上がっているじゃないか」

 

背後から聞きなれた声がした。音無だ。隣にかなでもいる。

 

「ようっ音無!」

「む、音無か。久しぶりじゃないか」

「ああ、久しぶりだな。ゆりは?」

「ゆりならあそこに座っているわ。あら、隣にいるのは...誰かしら」

 

かなでが早速ゆりとユイを見つけた。それに気づいたゆりがゆっくりユイの車椅子を移動させる。その間も楽しそうに話している。

 

「紹介するわね、音無くん、かなでちゃん」

「初めまして、ユイです!」

「...お前らいつの間に仲良くなったんだよ」

「なーによ、嫉妬しちゃって」

 

「...ユイ?」

 

音無がそう呟き、ユイの顔を見た。ユイも音無の顔をまじまじと見ている。

 

「...音無、先生?」

 

 




夏休みです。こんにちは、春瑠雪です。
私の夏はとにかく白くなることが目標です。わけわかりませんね。引きこもりになりたいのでしょうか。

ということで前々から気になっていたCLANNADを視聴しています。もうすんごい渚ちゃんと岡崎にハマり、twitterで騒ぐ一方です。いい涙も流してます。次はリトバスを制覇する気満々です。

まだまだにわか鍵っ子ですが、key作品の良さを、そしてkey作品に出会うきっかけとなったAngel Beats!にはとてもとても感謝しています。はい、キャラコメもドラマCDもとても美味しくて...ガルデモの曲は毎日聴いてます。
いつか上京できたら、ゲームがしたいなぁなんて。夢のまた夢ですね。あはは。

さて、お次は久しぶりにユイ目線です。
閲覧、ありがとうございました。
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