はじめに、ステインの口調がたまにわからなくなるので、細かいことは許してください。
起
ステインは、自分の友人の暮らす類葉町へ帰ってきた。
相変わらずこの町には贋物のヒーローが集まってくる。それがこの町が成してしまうことなのだが、それにしても胸糞悪い。
先ほども、1人のヒーローを名乗る贋物を殺害した。そのままステインはその場を去ろうとする、のだが…妙に身体が重くなった。腰に何か張り付いている。
目をしたに向けると、そこには赤黒い
───────────────────────
玄関の扉が開いたことに気が付いた、彼女は太ももと同じくらいに伸ばした黒い髪を揺らしながら玄関へ向かう。
「おかえりー……って、え?」
彼女が驚いたのも無理はない。
久々にこちらへ出向いた友人、ステインの腰に張り付いているのは、赤黒い髪を持った6歳ほどの男の子だったからた。
「キミ、いつから誘拐にまで手を染めたんだい!?」
「こいつが勝手に張り付いてきた。剥がそうとしたが、無理だったんで連れてきたんだが……」
先ほどからずっと大笑いしている
そんなインプラントの質問に、ステインは答える。
「……まあ、誘拐でもなんでもいいんだけども……少年、なんでこの人の腰に張り付いてたんだ?」
「……た、助けてくれたから」
男の子は彼女の目を見て答えようとしない。警戒されているのがよくわかる。しかし、この町で大人を信用できない子供は数多くいる。珍しいことではない。
「助けてくれた?
ステイン、なにかしたか?」
「いや……」
ステインは彼女の入れたコーヒーを飲みながら答える。
「……どう、助けられたんだ?」
「えっと、変なヒーロー?に絡まれて、殺されそうで、隠れててね、その時にね、えと、殺してくれた、から!」
「したんじゃないか!」
男の子の答えに、彼女は隣に座っていたステインを睨む。
ただ、この調子じゃステインはこの男の子の存在に気が付かなかったようだ。
「……ん?ってことはつまり、キミはステインの背後を取ったってことかい?」
インプラントの言葉に彼女とステインは、ハッと顔を見合わす。
「えっと、どう声、かけていいのかわからなくて……」
「……で、助けてくれたからってなんでステインに張り付いてまでついてきたんだ?」
「……あの、戦い方、教えてほしくて」
それを聞いた彼女とステインは呆然とする。
この町で殺しをする人間は少なくはない。しかしそれを見て、その発端の人物に教えをこうとは……。
「なかなかに歪んでるね、キミ」
「え?」
2人が思ったことを、インプラントが口に出す。
「普通、人殺しに戦い方を教えてもらおうなんて思わんさ。ましてや、ヒーローだなんて……。
あとキミ、人を殺したことあるね」
「インプラント……」
「まあ、ここは僕に任せててよ」
男の子はインプラントの言葉に俯く。
「誰に使ったの?」
「よ、よくわかんない、けど、
「なるほどね」
それが男の子を歪ませた要因になったのかはわからないが、おそらくまともに育てられてはいないのだろう、ということがよくわかった。つまり親がこの子にはいない。
この町は到底世の中に受け入れてはもらえないであろう人間たちが集まってくる。しかし、あまり知られてはいないがその分、家族というものを大切にする人物が多いのだ。身内の結束は強いが、それ以外はとことん蔑ろにする。自分たちのためだけに誰かを陥れる。
「で、どんな個性で殺したの?」
「…………」
男の子は黙り込んでしまった。
どうやら、それは言いたくないらしい。
「うん、まあ言いたくはないよね」
インプラントは男の子の頭に手を置いた。
「え!?な、んっ」
「はいはい、落ち着いて。別にキミに危害は加えない」
いきなり頭に手を置かれた男の子はインプラントのその行動に驚き、手をどけようとする。
「……なるほど。キミの個性は、血を操る…というわけでもないな。血は硬化しかできないのか、制限時間もある体外に出てな二三秒の血か……まあ訓練次第でどうにかなるだろう。んー、へぇ…血と血の間を行き来できるのか、これは便利だ。お、自分だけじゃなくて、相手の血も使えるのか。
つまりキミの個性は、血のある場所なら、自分の庭のように自由にできる……みたいな感じかな?」
「………」
男の子は信じられない、という顔をする。
「そんな顔するなよ、自分で説明したくなかったんだろう?」
「……これ、あんたの個性?」
「そうだといえばそうだけど、そうじゃないと言えばそうじゃない」
個性を読まれた男の子は明らかにインプラントを警戒し、ステインの後ろに隠れる。どうやらインプラントは男の子に強烈な印象を与えてしまったようだ。
「俺の後ろに隠れるな」
「隠れて欲しくなかったら、俺に戦い方教えて!強くなりたい」
「強くなって、どうするつもりだ?」
「俺、ヒーローになりたいから!
あんな、変なヒーローじゃなくて、いろんな人守れるヒーローになりたくて!えっと…ステイン?は、俺を助けてくれたヒーローだから……」
変なヒーロー、つまりステインが殺したヒーローと名乗る贋物のことだろう。
その目は本気だった。痛いくらい真っ直ぐな目をしている。
「……」
「ねえ、お願い!」
男の子はステインにしがみつき頼み込む。
確かにこの子には可能性がある。このまま育てば、
「キミがいらないなら、僕がその子貰うけど?個性もなかなか珍しいし……」
ステインにそう言ったのは、やはりインプラントだった。
「少年、名前は?」
インプラントがそう言うと露骨に焦ったのは、彼女だった。
彼女は、男の子から名前を聞き出す。
「チシブキ、タガネ」
「よーしタガネ、今日からうちの子だ」
「え?」
彼女のいきなりの宣言で、その場が固まる。驚きの声は、男の子改めタガネの物しか聞こえなかったが、男2人もそんな顔をしている。
「お、おいおいさっきと言ってることと180度変わってないかい?」
「おい、それはつまり俺にそいつを鍛えろと……?」
「当たり前だ、あんたみたいなマッドサイエンティストに任せていたらタガネのの個性を悪用しかねん。
いいだろ、ステイン…タガネには可能性がある。私たちの希望だ。力の間違った使い方を、知って欲しくはない」
2人の疑問にそれぞれ答えると、彼女はタガネの頭を撫でる。
タガネはやめてほしそうに彼女を睨みつけるが、その目は彼女にとって何も怖いことは無い。
「おいおい、僕は確かにマッドサイエンティストってやつだが、誰かの個性を悪用なんかしたことないぜ」
「嘘付け!」
「あらら、信用ないな」
わざとらしく両手を上げ、降参のポーズを取るインプラントだが、まったく降参したようには見えない。
「とにかく、タガネは今日から私の息子だ!」
「でも戸籍とかどうするのさ!キミはもう
「そこはあんたが何とかしてくれると信じている!」
「まったく無茶振りが過ぎるぜ!!」
1度降参ポーズをした人間の言い分を無茶振りで回避した彼女は、タガネに笑いかける。
「私は……今はキサゲで通している。今日から、ここがキミの家だ」
「……キサゲ…」
「よろしく、タガネ」
キサゲはタガネに手を差し出す。しかしタガネはそれを見ているだけだ。何をしているのかわからない、とキサゲに訴えかけているようだった。
「……握手だよ。手と手を合わせて、こう握るんだ」
「えっと……こう?」
「そうだ、上手だな」
「そう……かな?」
キサゲに褒められたタガネは、少し嬉しそうだった。
打ち解けるのが早い?
いろいろと書いてたんですが、あまりにもグダグダしたので半分以上省いております。