barroco   作:千α

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いつもより少し文字が少ないっす。
あとオリジン編とか言いつつなんか過去の話が少ないっす。





 

「……あれ?」

 

 タガネの目が覚めた場所は、自分のベットの上だった。

 

「キサゲ?」

 

 辺りを見渡してもキサゲはいない。

 キサゲがいない変わりに、2人の男の声が聞こえてくる。タガネが聞き間違えることのない、ステインと…もう1つの声は聞いたことがないので、おそらくインプラントなのだろう。

 タガネはリビングへ向かう。

 

 思ったよりも音が鳴る扉に、少し驚きながらタガネはおずおずと2人に問いかける。

 

「ねぇ、キサゲ、どこ?」

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

「キサゲはその後、俺の前から姿を消した」

 

 こうして現在、高校生になった鏨は病室で友人たちに語る。

 

「どうしてキサゲが消えたのかはわからない……でも、「消えちゃえ」って、それが本当になっちゃった……軽い気持ちだったのに、本気でそんなこと、思ってなかったのに……」

「地飛沫くん…」

 

 鏨は涙を拭う。

 

「本当は、あの時ステインに、ついて行く選択肢もあった。でも、どうしても、雄英に入りたかったから、断った。

 その後、保護者がいなくなった俺は施設に入ることになって、そこでまた問題起こして、それで更生中に入ることになった……んで、そこで相澤先生と会った。なんか、学校見学?ってやつで来てて、それで、雄英に入る方法聞いた」

「雄英に入る方法?どうしてそんなことを?」

 

 その質問に、鏨は少し間を置いて説明を始める。

 

「えと、更生中は、雄英みたいに有名な高校に、生徒を入学させたがらないから…問題起こされると厄介だからって。しかも俺には親がいない。つまり、進路は保護者じゃなくて、教師と相談することになる……」

「雄英に行きたくても、そこで教師が納得しなければ入試を受けることができない…ということか?」

 

 その問にこくんと頷く。

 鏨の顔に浮かぶのは、嫌悪の表情だった。そうとう中学時代の教師が嫌いだったのだろう。

 

「……これが俺の今まで。なんか、時々脱線しかけたけど…俺とステインの関係は、わかった?」

「…まさか、地飛沫くんがヒーロー殺しの弟子だったなんてな…」

 

 飯田の言葉に鏨は方を窄める。本当は、このことを言う気はなかった。うやむやにしておいて、3人が忘れることを望んでいた。しかしそうはならなかった。

 

「ヒーロー名決める時、キサゲの名前書いた時、昔のこと、思い出して…その、嬉しかった……でも、飯田くんのお兄さんのこと、思い出してすぐ、申し訳なくなった…。

 ステインの代わりに、謝らせて!ごめんね、飯田くん、本当に…ごめんね」

 

 涙を浮かばせながら、鏨は飯田に謝る。

 

「……顔を上げてくれ、地飛沫くん」

「飯田くん…」

「キミが、ヒーロー殺しの弟子であることを隠していたことには、驚いたし…疑念も沸いた。だが、兄さんをあんなふうにしたのは地飛沫くんじゃない、だから謝る必要は無いんだ」

「で、でも…俺」

 

 申し訳なさそうに眉の下がる鏨。

 

 飯田は考える。鏨は確かにあのヒーロー殺し・ステインの弟子だ。しかし彼はヒーローになるために共に同じ学舎で学んで行く仲間なのだ。ヒーロー殺しと鏨を一緒にしてはいけない。

 

「地飛沫くん、僕は…キミに本当に信頼してもらえるほどのヒーローになりたい」

「え?」

 

 飯田は思い出す。先程から、鏨はほとんど出久の方を見て話していた。つまり、まだ鏨からの自分への信頼はそこまで濃いものではない。

 だから飯田は言う。

 

「だから、それまでの僕を見ていてくれないか……!?」

 

 きっと、それが第一歩だから……飯田は鏨を真っ直ぐ見つめる。

 

「う、うん……俺なんか…は言っちゃダメなんだった…えと……俺、は…飯田くんも…他のみんなも信用できるようになりたい、から……だから、こちらこそ、お願いします…」

 

 

 こうして、長いようで短かった1日が終わっていくのであった。

 

 

 

 

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「………ステインの奴、とうとう捕まったか…」

 

 死柄木が読んでいた新聞を奪い取り、インプラントはポツリと呟いた……そこにはヒーロー殺しについての記事が掲載されている。

 

「あんたもステインか…」

「いや…そりゃあね、十年以上の付き合いだ…僕でなくとも残念には思うさ…一応、気に入ってたしね」

 

 インプラントはそう言いながら椅子に座る。

 

「でもまあ、ステインは良い生贄になってくれたよ。ここから(・・・・)は邪魔者の以外の何者でもないから、僕としては早いところ贄にしたかったしね!」

 

 カラカラと笑うインプラントは、相変わらず何を考えているのかわからない。

 

「ははは…」

「何笑ってんだよキモチワルイ」

「おいこら、キミに言われたかないぞ」

 

 インプラントは新聞の次の項目をめくる。どうやらヒーロー殺しの記事にはもう興味がないようだ。

 

「……死柄木くん…この新聞もらうね」

「インプラント、そういえば葬儀屋(アンダーテイカー)がいないようですが?」

 

 黒霧はいつもインプラントの隣にくっついている葬儀屋(アンダーテイカー)がいないことに気がついた。

 

「ん?ああ…彼女なら今頃食事でもしてるんじゃないかな?あの子、個性のせいで燃費悪いし」

「食事?」

「そう、食事…今頃お腹いっぱい食べてるんじゃないの?」

 

 インプラントはまた次の項目をめくる。

 

「うんうん、いいねいいね…いい感じに世界が揺れてるね。ここに石を投じるのもいいね。それでどれだけの人間が次の生贄になってくれるのか、楽しみで仕方が無い」

 

 インプラントは歌を歌うように、気持ちよさそうにしゃべり出す。

 

()はどうしようか?ねぇ先生、キミが僕を自由に動かしてくれるなら、僕は本格的にキミら(ヴィラン)連合とやらに加担してあげるけど……?ほら、前に言ったWin-Winさ」

 

 インプラントはモニターを見つめ、ニンマリと笑う。

 

『手伝い……?』

 

 インプラントの言葉に、彼は問い返す。

 

「そう、手伝い。なに、それでキミの目的が達成できなくはならないよ。僕は今、この世を正すための生贄が欲しいだけだからさ」

『それについては何の問題もない。君との関係は先日に決めたからな』

「うん、なら()を数人キミらに貸しておくよ」

 

 インプラントはそう言いながら立ち上がりその場を後にする。

 

──欲しい生贄…オール・フォー・ワン……キミだって例外じゃあないんだよ……?

 

 極悪の笑みを浮かべ、彼はこれからについて思考を張り巡らせる。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「お嬢ちゃん、ここは墓場だよ?何をしているんだい?」

 

 その男は、妻に先立たれていた。だから、毎日こうして墓場へ来るのだが…この日は普段いない先客がやって来ていた。

 

「……おじさん、知らないの?ここ、私が管理しているの」

「キミが?……小さな管理人さんだ…あんまり遊んでいると、幽霊さんに怒られるから、程々にね」

「ええ、あなたも気を付けて……」

 

 それだけの会話だった。しかし男は思う……あの娘は、何を食べていたんだろう、と……。

 

「ねぇ、おじさん……今私…お腹がとっても空いているの……」

 

 

パクンっ

 

 

 




そういえば、アニメとかでつま先ぐらいの髪の長さある人って、和式トイレとかお風呂とかどうしているんだろうか……?
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