「キミ、楽しそうだね…」
インプラントは死柄木に話しかけた。しかしその顔にはいつもの笑顔はない。不満そうな顔である。
「あんたは機嫌悪そうだな」
「そりゃあね。当初の予定が狂ったんだ。微々たることだけど、気に食わないというか……」
そう言うとインプラントは食べていた羊羹を黒文字で何度も突き刺す。
それは数日前に遡る。
・
・
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「今回の襲撃、
開闢行動隊も集まったその場で、インプラントはニコニコと上機嫌で話しかける。この笑顔に慣れた死柄木は、また何か企んでいるな…と感づいた。
「お前が?いったい何を企んでいる…?」
荼毘が眉間にシワを寄せながら、インプラントを訝しむ。
「嫌だなぁ、何も企んでないよ!今キミたちの手伝いしておけば、次は
あと、僕はキミらよりうんと年上だからね。"お前"じゃなくてせめて"あなた"とかそういうので呼んでよ」
何も企んでいないと言うインプラントだが、それでも信用はできなかった。誰もがそう思っていた。
「おいこらインプラント!来てやったぞこら!」
その時、アジトの扉を勢いよく開けた人物がいた。
「来たかい、
「うっせぇ。そんで?コイツらが
「おい、インプラント…そいつは誰だ?」
「ああ、この子は
「似たこと?」
「秘密」
ニンマリと笑うインプラントを睨みながら、
「俺たちは今回、ソイツらの援護が目的……だがソイツらの襲撃の目的がわからないんだが?」
「ああ、行ってなかっけ?」
開闢行動隊をジッと見ながら、
「確か、ヒーロー殺しに当てられた連中が多いんだっけ?なら目的は、俺たちと同じ地飛沫鏨か?」
「チシブキタガネ?」
その名に、聞き覚えがない開闢行動隊メンバーは戸惑う。いったい、そのチシブキタガネとステインはどのような関係を持っているというのか……。
「おいインプラント、そのチシブキタガネってのは……?」
「あーあーあー、僕はなんにも知らないよー」
インプラントは耳を塞ぎ目をそらす。
「……言ったら、悪かったか?」
「悪いよ!なんで言っちゃうのかな!?タガネがステインの弟子だってバレたら絶対面倒なことに……」
「
「あ」
その後、開闢行動隊の、特に荼毘・トガヒミコ・スピナーの3人に説明を要求され、しぶしぶとインプラントは彼らに地飛沫鏨とヒーロー殺し・ステインの関係について説明することになった。
ステインの弟子、と言うと死柄木は機嫌が悪くなっていたが、一部の開闢行動隊は目に見えて興奮したようにインプラントに詰め寄った。トガヒミコなんかは「ステ様の弟子→私がステ様になったら私の弟子」とかいう謎思考に至っていた。そしてインプラントが1番警戒していた展開になった。
「地飛沫鏨を開闢行動隊に入れる!」
「なんでそうなったのかな!?ほら、あの子ヒーローになりたがってるし……」
「
「
正直、鏨をあることに使おうとしていたのに、これでは計画が丸潰れだ…鏨を捕まえたとしても、インプラントが鏨にやろうとしていることを知られれば、絶対に面倒なことになるのは目に見えている。
インプラントはその頭をフル回転させる。今思えば、本当にパニックになっていたんだろうな…もっとましな提案できただろうに……。
「じゃあ、
・
・
・
「もっとましな提案あっただろ……僕ってなんでこんな場面でしくじるかな……?もし
「インプラント、あまり羊羹を散らかさないでください」
「よく裏切りそうな奴を使う気になったな……」
「……………ま、どうせ裏切っても…後は死ぬだけだしね」
インプラントはもう原型をとどめていない羊羹を見つめる。
「
───────────────────────
【少し前…鏨side】
相澤に追いつこうと鏨は森の中を走る。しかし、何かが動く気配を感じ取り鏨は足を止める。
「……誰!?」
そこから現れたのは…見たことのない青年……しかし、鏨は彼を
「よぉ……直接会うのは、初めてだな」
「…仕立て屋《テーラー》、だっけ?」
──嫌なのがいると思ったら……コイツらか……
「この森を、燃やしたのはお前ら?」
「いや、
「……そっか…で、何の用?インプラント、とうとう死んだ?」
「アレが死ぬわけないだろ」
──敵《ヴィラン》連合……そいつらとここへ来たってことは……まさか。
「…ステインだけじゃなくて、インプラントまで
「協力っつーか利害の一致な。お前がまだ
鏨はキッと
「嫌だよ。やっと俺に戻れたのに…」
「だよな………いいな、お前は…俺も俺に戻りたい……」
「
「……それ一生無理じゃねぇか」
鏨はそんな2人のやり取りに溜息を吐いた。
「……で、何の用だ?」
「インプラントが「
「うん……つまり俺は…お前らから逃げればいいわけだ……
鏨はプロのヒーローが多くいる肝試しのスタート地点へ走り出そうとする……がそこで頭にマンダレイのテレパスが届いた。
『A組B組総員──…戦闘を許可する!』
鏨はそれを聞いて、親指を噛み切る。その出てきた血液で刃物を作り出した。
「やる気か……いいのか?」
「うん、許可降りたから」
『
「爆豪…くんが?」
『わかった!?「かっちゃん」!!「かっちゃん」はなるべく戦闘を避けて!!単独では動かないこと!!』
鏨はそれに気を取られた。一瞬見せてしまったスキを付かれ、
「ガハ…っ」
──肩…やばい、とりあえず出血の量抑えないと……ただでさえ、血が足りないのに……。
鏨は個性で出血の量を調節する。
そして直ぐに立ち上がろうとするが、鏨は立ち上がれくなっていた。
「!?」
──糸!?
鏨か足元見ると、鏨の膝からふくらはぎにかけて、糸で地面と縫い合わされていた。
「
「わかってるわ」
立ち上がれない鏨に、
「!?」
──力が……抜ける……っ…。
鏨の目の前が白んできた……。
「よし、完璧だ
「そう、なら私はご飯食べてくるわ」
「気を付けろよ」
「
【個性:縫製。
辺りのものを布のように縫い合わせたり、布や糸にする個性】
「さて……あとは爆豪だっけか……?」
「
「ああ…確か、
鏨を袋の中に入れた
「……よし、見つけた…」
うん、頑張った!頑張ったよ俺…il||li (つω-`*)il||li
次回こそ、次回こそはもっとましなのを書きたい…!(多分無理)