barroco   作:千α

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とてつもなく嬉しいコメントを頂いたので調子に乗って書きました。

※私は戦闘シーンがうまく書けません。今回頑張って見ましたがいろいろと無理でした骨は拾ってくださいな。


あらすじ的な何か。

体育祭だね!やったね鏨ちゃん、初めてまともにできる行事だ!!
障害物競争に、騎馬戦、そして最後のトーナメント戦!でも一回戦の相手は八百万さんの幼馴染みの森賀林子さんだ!森賀さんは八百万さんにめっちゃ突っかかるね!森賀さんを止めよう!あれ?なんか巻き込まれたぞ!まあいいか、森賀倒して八百万さんに謝らせよう!控え室に行っていたら、八百万さんがやって来たよ!ん?人数おかしい?まあ細かいこと気にすんな!!


友人と考えたキャラ③

「八百万さんは、あの子のことどう思ってるの?」

「林子ちゃんのこと……?」

「うん」

 

 鏨はそう聞くと、八百万は俯きながら話し始める。

 

「林子ちゃんは、いつも自信満々で、私の憧れでもありましたわ。言いたいことはなんでもはっきりと言いますし……」

「……そうだね、そういう子って憧れるよね」

 

 鏨の言葉に、八百万は目を見開く。

 

「地飛沫さんも、そう思うのですか?」

「うん、俺、そこまで自己主張してないでしょ?」

 

 そういえば、と八百万は今までの鏨を振り返る。

 初めて教室に来た時は爆豪の挑発に、すぐ突っかかるような彼だったが、今はそんなことは無い。むしろ、爆豪の挑発を笑って受け流す。穏やかな人になったが、それと同時に自己主張をあまりしなくなった。

 

「あの時は、まあ俺もなんであんなにイライラしてたのかは……理由はわかってるけど、それをみんなにぶつけたのは、すごく反省してる」

 

 カラカラと笑う鏨に八百万は微笑む。

 正直、今の鏨は実は無理をしているのではないかと、そう思っていた。しかし、八百万はその考えを改める。これが本当の鏨なんだ、と……。そして、安堵した。

 

「そろそろ行かないと。

 安心して、森賀さんはちゃんと俺が倒して、八百万さんに謝ってもらうから。多分、森賀さんはただ、維持を貼っているだけなんだよ。きっかけがあれば、ちゃんと謝れる」

「はい、お願いしますわ……」

 

 八百万は、鏨の背中を見送る。

 本当に、彼はいい人だ。初めて会ったときとは別人だ。だからこそ、八百万は思う。

 

 

それじゃあ、あれ(・・)は、いったい()だったんだろう……と。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「あら、逃げなかったようね!」

「うん、八百万さんと約束したから」

「ふん!そんな約束したこと、後悔することね」

 

 森賀林子は扇で口元を隠し、高らかに笑う。

「後悔なんてしないよ。だって、俺が絶対に勝つから」

「──っ!

 いいこと!私は、この学校で一番になるためにここへ来ましたわ!それなのに貴方のクラスメイトのあの方(・・・)を見て、落胆致しましたわ」

 

──爆豪君のことだな。

 

「私が超えるべき相手があんな悪人面だなんて!」

 

 森賀はビシッと扇で何故か鏨を指す。

 

「え、指す相手違う……」

「お黙りなさい!」

「あ、はい」

 

 あまりの剣幕に、森賀の言う通りに鏨は黙る。

「私は、あの選手宣誓の時に誓いました!あの方を倒して、私がこの大舞台で一番になると!!

 だからこそ!貴方には踏み台になってもらいますわ!」

 

 森賀の宣言に、鏨は頷いた。

 

「……うん、俺も選手宣誓の時に誓ったよ、全力でやるって。爆豪君を見て思い知らされた。俺が、どんなに甘い考えを持っていたかを……ココは、そんな甘い考えが通じる場所じゃないって。だから、今日は本気だすよ」

 

 そう言うと、鏨は事前に申請を出していたサバイバルナイフを取り出した。

 

「サバイバルナイフ?そんなナイフ一本で、私がどうにかなるとでも?」

「どうにかなるよ。これは、俺のとっておきだから」

 

 鏨は森賀に向かって走る。

 森賀は扇を地面にかざす。

 

「!?」

 

 メキリと嫌な音がした。

 鏨の目の前に現れたのは大木だった。それを避けることができないと判断した鏨は、その大木を蹴り、後ろへ後退する。

 前を見ると、あの一瞬で地面から大木が生えてきたのだということが確認することができた。

 

「私の個性は「植物活性と退化」!

 塩崎さんと何かと植物繋がりで、個性がかぶっているとか言われてますが!私の個性は、植物を活性化させて急成長させたり、逆に退化させることもできる!そして、その植物は私の思いのままに操れますわ!

 お希望(のぞみ)でしたら、ここを森林にもできます!」

 

 森賀は高らかに自身の個性の説明をする。

 

 規模の大きい個性だ。

 木は攻撃はもちろん防御にも使える。植物を活性化させて、辺りを森林にすれば、身を隠す場所にもなる。しかも退化、戦闘後は退化させてしまえば、街の損害も抑えられる……。

──なるほど。

 

「……森賀さん、この会場を森になんて、本当にできるの?」

「勿論、そうに決まっていますわ!」

 

 自信満々に高笑いをする森賀に、鏨はイタズラをする子どものように笑い返す。

 

「でも、俺は信じられないなあー」

「なんっ!?」

「もしかしたら、君の言っていることは嘘かもしれないし、それを俺が信じる必要は無い。例えそうだとしても、俺にはさして問題は無い」

 

 挑発。

 これが一番効果のある攻撃だと、鏨は判断した。

 それで相手の最大の攻撃を受けたとしても、鏨には勝てる自身がある。

 植物活性、森林。その言葉を聞いた時点で、鏨は勝利したようなものだ。

 

 

「なら、身を以て知りなさい!」

 

 

───────────────────────

 

 

「これは……」

「ああ、これは……」

 

「地飛沫の勝ちだな」

 

 盛り上がる観客席とは裏腹に、A組は鏨の勝ちを確信した。

 目の前に広がる森。ここは森賀に有利に見える地形だが、A組は知っている。

 

 

 

──数週間前

 

 

「え?得意な地形?」

「うん!」

 

 クラスに馴染んできた鏨に、出久は質問する。

 質問の内容は、どんな場所が、鏨にとって最も戦いやすいのか。

 

「ほら、もしかすると今後役に立つかもしれないし!他にも地飛沫くんの得意なことを教えて欲しいんだ」

「……得意な、こと……」

 

 他のクラスメイトたちも、それが気になるのか鏨と出久に近寄る。

 鏨がクラスメイトたちとよく授業を受けるようになってから、その実力を見せつけていった。運動能力は、個性を使ってもいないのに関わらず、一つ頭を飛び抜けているほどだ。

 気にならないはずがない。

 あわよくば、その秘密を知りたい。

 

「………森、とか」

 

 しばらく考えた後、やっと鏨はそう答えた。

 

「森?」

「うん、師匠によく、森に放り込まれてたから、サバイバルとか、得意。あと奇襲。だから、森は隠れるところ多いし、奇襲とか上手くできるし……あ、俺の個性とも、結構相性いいと思う……けど、多分今は(・・)無理(・・)、かな?」

 

 

───────────────────────

 

 

「ふん!全く、調子に乗るからこうなるのですわ!

 こちらへ向かえば、木が貴方を妨害します!安心なさい、一応後ろへの道は開けておきましたわ、棄権をするなら今のうちですわよ!」

「……まだやられてないんだけどな……」

 

 小さな森の中で、鏨は完全に森賀を見失っていた。

 が、見失った途端森賀が大声で叫ぶものだから、すぐに居場所を特定することができた。

 

──罠、とかだったらそこまでだけど……。

 

 鏨は迷わず奥へ進んだ。

 

 

 

 

 森賀は焦っていた。

 鏨に棄権するように言ったが、まだ自分の勝利のアナウンスは聞こえない。つまり鏨はこちらへ向かってきている。

 森の木は、おそらくそんな鏨の道を塞いでいるから、容易にこちらへ来ることはできない……はず、なのに……。

 

──何かが、いる。

 

 森の木々は時折ガサガサと聞こえる。

 この森は先ほど作った簡易の小さな森、動物などいるはずがない。鏨だと言われていませばそれまでなのだが。

 

──この感じは、小さいなにか……?

  あちらこちらにいる……地飛沫さんの個性?でもあの方を見た覚えでは、そんな個性ではなかったはず……。

 

 森賀は少しその場から離れる。するとどうだ離れた場所の近くの木が勢いよく揺れる。

 

「ひっ!?」

 

 しかしそれ以降は何も起こらない。

 

「い、いったいなんですの……?」

 

 ホッと息を吐いた森賀は、前を向いて場所を変えようと歩き出す。

 

「そんなに踏みしめて歩いてたら、気付かれるよ」

「きゃ──!!?」

「森賀さん?俺だよ?」

「わ、わわわわ、わかっていますわ!な、なんで貴方がこ、ここに!?」

「うん?」

 

 森賀は突然に出てきた鏨に驚く。

 何故、何故こんなところにいる?個性で足止めされているはず……と、思考を巡らせていると、鏨が口を開く。

 

「えっと……この個性、森賀さんに敵意を持っていなかったら、発動しないみたいだね?」

「え?」

「俺は、別に……森賀さんに酷いことをしようなんて思ってないから、大丈夫だった…のかな?」

「……敵意を持っていない?」

「うん……ああ、でも驚かせたのは、ごめん、謝る」

 

 そう言うと、鏨は右手を動かす。

 すると後ろの木の枝がガサガサと揺れているではないか。森賀が目を凝らすと、鏨が持っているのはワイヤー。ご丁寧に、見えにくいようにイエロー系の色をしている。

 

「うさぎとか追い込む時、よく使ってたから……こういうの。うん、森賀さんはうさぎより単純だった」

 

 森賀は鏨の言葉にプライドを傷付けられた。

 

「うさぎよりも、単純ですってぇぇえ?」

 

 メキメキと嫌な音がする。

 

「ええ、貴方のことを見くびっていましたわ……」

 

 森賀の後ろから現れたのは、急成長した木の枝。それが全て鏨の方に向く。

 扇で鏨を指すと、その枝がいっせいに鏨に攻撃し始める。

 

 が、鏨にとってはそれも些細なことだ。

 鏨はサバイバルナイフを掌に刺すと、流れた血を一瞬で斧に変え、そのまま振り下し、枝を叩き切る。

 

「それが、貴方の個性?」

「うん、世界で二番目(・・・)に大嫌いな個性だよ。でも、最近はそれも薄れてきた、かな?」

 

 枝を切ったあと、斧は霧散する。

 血はまだ流れている。鏨は第2波に備え、また斧を作り出した。

 

 その繰り返しで、二人は少々疲弊していた。

 もう何時間もこうしているような気がしてならない。プレゼント・マイクの実況も聞こえない。

 疲弊していた、精神的に。

 

「もう、いい加減にして!!」

 

 痺れを切らした森賀は自身の個性を最大限に引き出す。

 物量戦だ。これには鏨も対応することができない。

 

「え?」

 

 ズブリと鏨の横腹が貫かれる。

 鏨も森賀も、呆気に取られた。ああ、なんてことをしてしまったんだろう……。

 

「地飛沫さん!?」

 

 鏨はそのまま倒れる。

 その鏨に、森賀は走り寄る。

 

「森賀さん、まだ、終わってないよ」

 

 鏨がそう言うと、森賀にさっきの枝のように何かが向かってくる。それは、森賀の服だけを器用に刺すと、木の幹に森賀を縫い付ける。それは血だ、鏨から流れた血だった。

 

「な、なな……地飛沫さん、大丈夫ですの?」

「うん、このくらい平気。

 でも、最後まで油断して欲しくなかった、かな?」

 

 鏨はスクリと立ち上がる。しかしその横腹からは血が流れている。すると血は霧散し、森賀は自由になった。

 

「は、早く!先生のところへ!」

「いいよ、慣れてるし。流血は最低限に抑えてる。

 それに、先生のところへ行ったら絶対に棄権させられる。それは、嫌だ」

 

 この人は何を言っているんだろう?

 

「それに、八百万さんと絶対に勝つって約束したし……」

「約束……」

「それに、森賀さんとも。倒したら、八百万さんに謝るって」

「そんなこと!言っている場合ですか!?貴方、いつか本当に死んじゃいますわよ!」

「うーん、まあ、誰かを護れるなら、それも本望かな?」

 

 鏨は困ったように頬をかいて笑う。

 

──ああ、この人は、馬鹿だ。

 

「えっと、俺、森賀さんとも、仲良くなりたいし……」

 

──この状況で。

 

「ほら、俺たち(個性の)相性、いいと思うんだ」

「あ、相性?って、ええっと!?」

「だから、森賀さんが俺のえーと、相方になってくれたら、心強いと、思う」

「相方!?」

 

──この状況で、愛の告白だなんて!

 

 つまり森賀にとって鏨の友達になってください宣言は、見事彼女の中で「俺たち相性がいいから、相方つまり生涯一緒にいたい。結婚しよう」という謎の勘違いに繋がり、告白されたと思ったのであった。

 

「そ、そんな……ま、まだ私達、高校一年生ですのよ!?」

「え?うん、でもこういうのって、早い方が、いいんじゃない?」

「は、早い方がいい!?」

「うん、上鳴くんとか、切島くんが相方(友達)は絶対に早く作った方がいいって……」

 

 鏨は以前、上鳴と切島に友達の作り方を教えて貰っていた。

 その中で一番興味を惹かれたのが、相方という存在。映画などでは、主人公などのピンチを救ってくれる存在だと、鏨は聞いていた。

 

「そ、そそそそそそそんな!?え、でも早すぎ!お、落ち着くのよ森賀林子!ええい!こんな!こんな!!」

「………ダメ、かな?」

 

 森賀の脳内はもう容量オーバーしていた。

 しかし、こんな捨て犬のように見つめられたら……それに、こんなにも必死に頼んでくるのだ。ええい、ままよ!と森賀はりんごのように紅くなった頬のまま、鏨を見る。

 

──あら?こう見ると意外と地飛沫さんって……。

 

「喜んでお受けいたしますわ!!」

「本当に!?」

 

 森賀よ、さてはお主惚れっぽいな。

 あと鏨は早くリカバリーガールのところへ行きなさい。

 

 

 

 

 静かになって、しばらく過ぎた。

 いい加減心配になってきた会場は、ザワザワとしてきた。

 このままでは、教員たちがこの中へ入って行くことも検討されるが……そこで森の木々が地面に戻っていく。木が退化してきたのだ。

 

 そして、何もなくなったあとには、二人の陰……鏨と森賀だ。森賀は血だらけの鏨の腕にを貸し、二人笑いながらミッドナイトの元へ進む。

 

「先生!私、棄権致しますわ!」

「え!?でも、見たところ貴女が勝っているようだけど……」

「いえ、私の完敗ですわ……」

 

 森賀はポっと頬を赤らめ、俯く……。

 

「え、あ……じゃあ、地飛沫くんの勝ち……?」

 

 会場は呆気取られた。

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「お前は本当に無茶をする……」

「いや、無茶なんてしてないです。当たり前のことを、しただけです」

 

 リカバリーガールの治療を受けた鏨は、救護テントの中で担任である相澤と話す。

 鏨がこの雄英高校で一番信用しているのは、相澤だった。

 テントの中に入って来た相澤を見て、鏨はリカバリーガールに治療を受けていた時以上の安堵の表情を浮かべていた。

 

「あ、先生。会場は大丈夫ですか?」

「ああ、何とかなりそうだ。それにしても森賀の個性は強力だな。ヘタをすると生態系壊すぞ、あの個性」

「でも、森賀さん、いいヒーローになると、思います」

「……そうか、お前がそういうなら、そうなんだろうな」

 

 鏨はあの後、貧血に加え熱中症になっていたようで、先生たちの審議により、棄権することになった。

 それでも彼には不満など一切なく、どこか清々しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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森賀林子(モリガリンコ)

クラス 雄英高校1年B組

個性 植物活性と退化

出身校 掘須磨大付属中学校

誕生日 5月20日

身長 158cm

血液型 O型

出身地 愛知県

好きなもの 森林浴

 

 金髪縦巻きロールが特徴の少女。

 八百万百とは幼馴染みの関係。

 いつも自信満々でプライドが高いお嬢様。惚れっぽい。

 中学までは仲が良かったが、八百万が推薦で雄英高校に入学したことに、劣等感を感じてしまう。そのため、八百万に当たりが厳しくなってしまい、仲直りもできず高校へ入学。ずっと仲直りをしたいと思っていても、なかなか自分から謝ることができなかった。

 体育祭では、鏨とトーナメント戦一回戦を戦うこととなる。

 その際に、鏨に告白(森賀の勘違い)され、森賀の将来の夢が、鏨と夫婦でヒーローをする、ということになる。

 体育祭の後、鏨との約束を守り八百万にちゃんと謝り、中学の頃のように仲の良い幼馴染みの関係に戻った。

 

 




鏨ちゃんは意外と挑発とかする子です。
でも、基本は結構ゆるゆるな性格してる。おそらく5歳からこんな感じの性格してるはず。5歳から成長してない、だと……。
ゆるゆるだけどあんまり信用していない人の前だと、とてつもなくシャキッとする。そんなめんどくさい子です。

あと鏨ちゃん、誕生日おめでとう。
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