随分涼しくなりましたが、皆さんお元気でしょうか。
私はガチャって可愛い殺戮系幼女を召喚できたので、急に元気になって勢いで続きを書き終えました。そんなんだからいつもよりなんか文章おかしいかも知れません(*´σー`)
人々
「え、謹慎…?」
まだ寝ぼけている鏨は目元を擦りながら応える。
「そう…緑谷と爆豪が!」
「緑谷くんと、爆豪くんが!?」
「地飛沫、お前早く準備しねぇと遅刻するぞ」
「あ、ごめん」
夜中に喧嘩をして謹慎処分を喰らってしまった出久と爆豪は、クラスメイトたちの好奇の目に晒されながら、寮の掃除に勤しんでいた。
クラスメイトの誰よりも遅れて起きた鏨は、初めは何故2人が掃除をしているのか驚いていたが、それを聞いてなるほどと納得する。
「俺は地飛沫が、相澤先生に連れられてきたことも驚いたけどな…」
「相澤先生がお前起こしに行くのって、初めてじゃね?」
「うーん…そうだね」
実際は相澤の部屋で寝ていたからなのだが…恥ずかしくて言えそうになかった。
その後、のんびりとしていた鏨は他のクラスメイトたちよりも遅くに出ることになって、慌てて準備をする。
「緑谷くんはオールマイトと同じ個性だけど、こういったところは問題児になるよねー」
「え?」
鏨は何かを思い出したかのように後ろを振り向いてそういった。勿論、出久と爆豪は鏨の言葉に固まった。
「でも、個性が同じだからって性格が同じになるわけでもないもんねー」
「ちょ、ちょっと地飛沫くん!?」
「え?俺、ずっとオールマイトと緑谷くんの個性同じだと思ってたんだけど……違った?」
キョトンと首を傾げる鏨を見て、出久はまだ誤魔化せると感じる。
「いや!オールマイトとは!個性がね、似てるってだけで!」
「へぇー…そういえば、俺緑谷くんの個性の名前しらないなー?」
「え、ええと…っ」
「緑谷くん、どうしたのー?」
爆豪は気付く、コイツはあの地飛沫鏨でないと。それに近い、いつかの病室で出会った
「おい、クソ女男」
「酷い」
「早く行け」
鏨は心底ショックを受けた顔をして返事をする。鏨がいなくなった後、出久はヒッソリと爆豪に話し掛ける。
「今の…いつもの地飛沫くん、じゃないよね?」
「……知ってたか」
「ごめん、あの日偶然聞こえちゃって」
害はないはずだとは思ってはいるが、どうもあの楽の鏨は取っ付きにくいイメージがある。しかも、案外頭がキレるようだ。あの様子を見ると、少なからず出久とオールマイトの関係にも気が付いているはずだと、2人は頭に叩き込む。
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始業式へ向かう途中、何かよくわからない
「鏨様ー!」
「あ、林子ちゃんだ」
鏨は飛び出してきた林子に気が付くと、更に上機嫌になっていた。
「私、鏨様と会えるこの喜びをどう表現すれば良いか……っ」
「家族旅行、楽しかった?」
「ええ、それはもう!」
林子とは夏休み中もよく一緒に過ごしていた仲だった。彼女の家の事情での家族旅行、仮免取得のための訓練中などには会えなかったが、林子は林子のままだと鏨は笑う。
「仮免、どうだった?」
「勿論、合格でしたわ!」
「良かった」
ちなみにこの時、後ろで物間が何か言っていたが2人には全く聞こえていないようだった。ちなみにB組女子は声に出してはいないが、林子に全力でエールを送っていたりする。
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「やあ!皆大好き小型ほ乳類の校長さ!
最近は私自慢の毛質が低下しちゃってね、ケアにも一苦労なのさ。これは人間にも言えることさ。亜鉛·ビタミン群を多く摂れる食事バランスにしてはいるものの、やはり一番重要なのは睡眠だね。
皆も毛並に気を遣う際は睡眠を大事にするといいのさ!」
始業式、校長の根津の話が始まった。
「生活習慣が乱れたのは皆もご存知の通り、この夏休みで起きた"事件"に起因しているのさ」
先程までのどうでもいい話から打って変わり、場の空気が緊張に包まれる。この学校、いや日本にとって重要な話であると、全員が理解していたからだ。
「柱の喪失。あの事件の影響は予想を超えた速度で現れ始めている。これから、社会には大きな困難が待ち受けているだろう。
特にヒーロー科諸君にとっては顕著に表れる。2.3年生の多くが取りくんでいる
根津の
「暗い話はどうしたって空気が重くなるね。大人たちは今、その重い空気をどうにかしようと頑張っているんだ。君たちには是非ともその頑張りを受け継ぎ、発展させられる人材ととなってほしい。
経営科も、普通科も、サポート科も、ヒーロー科も、皆社会の後継者であることを忘れないでくれ給え」
こうして、始業式は滞りなく終わっていったのだった。根津の話は、これからの自分というものを考えさせるものであった。自身たちがいずれ直面するであろう壁を意識させるような…そして、それを越えるのが、我々なのだ。すぐそこまで迫ってくる未来を、彼らはそれぞれがどう受け取ったのだろうか。
そして、鏨はというと……。
「立ちながら寝るか、普通」
「ごめん、眠かったから…」
寝ていた。
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「キミがなんでここへ来たのかはよーくわかった」
インプラントは苦笑を浮かべていた。
「でもやっぱりわからない。僕でなくても良かったんじゃないの?えーと…オーバーホールくん?」
ペストマスクを着用した死穢八斎會:若頭のオーバーホールと名乗った男と対面したインプラントは、ただただ苦笑するばかりだった。
「そうだな。アナタでなくとも良かったのは確かだ」
1対1の対面ではないが、数ではオーバーホールが有利と言えるだろう。この日インプラントの周りには、十人衆は揃っていない。今すぐに呼び出せるのはせいぜい2人までだろう。
「……しかし、
「ここまで清潔にしておかないと、保てるものも保つことができないからね。
こんな風に誰かに
「正直ね、ここを誰かに見せる気なんて無かったんだ。しかも、アポ無しで乗り込んできたもんだから、何もおもてなしなんてできない訳だけど?」
「ああ、それはすみませんでした。アナタは逃げるのが大の得意だと聞いていまして…」
「いや、撃退するのも得意だ」
インプラントはオーバーホール後ろを直視する。
「……ええ、どうやらその通りのようで」
オーバーホールの後ろには数人が控えていた。しかし彼らはインプラントの持つ1つの個性で石化させられてしまった。
「さて、これでフェアだ。
だけど、キミがさっき言った…
いったい、死穢八斎會に自分が協力して、何かメリットがあるか?とインプラントはオーバーホールに伝える。インプラントの苦笑の正体はこれだ。オーバーホールはさもインプラントが協力することを前提として対話に臨んできたのだ。いや、協力なんて優しいものではない、この男は自分たちを取り込む気でいるのだ。許容できるはずもない。
「アナタは、
「いやいや、あれは僕にも向こうにもメリットがあったから。あと、死柄木くんが思ってた以上に子供だったから「ま、子供なら仕方ないなー、できればもうちょい成長して欲しいなー」とか思ってアイツの子育てに付き合ってたってだけだ」
インプラントはもう興味がないとばかりにオーバーホールから目をそらす。
「キミは彼と違って
「アナタのメリット…無いでしょう、しかしこちらはアナタの
オーバーホールにそう言われたインプラントは、一拍置いてからそらしていた目をオーバーホールに向ける。
「正体?」
「……アナタには、娘が4人いる」
「…………………」
「このうち2人は既に死亡。違いますか?」
インプラントは黙り込んだ。完全にオーバーホールの話を聞く体制に入っている。沈黙は肯定と受け取ったオーバーホールは更にインプラントについて調べたことを続ける。
「残りの2人は今でもアナタの家族として共に暮らしているそうで……
インプラントの娘、2人は殺されている。あのオール・フォー・ワンに。その時のことをオーバーホールは聞かされていたため、彼がどれだけ家族思いであるのかを知っていた。彼の唯一の弱点が家族なのだ。それでしか彼を操ることなどできない。
「……………………ふっ」
長い沈黙の後、インプラントは嗤った。オーバーホールを心の底から愚か者だと感じて、インプラントは鼻でオーバーホールを嗤った。
「いや、なに……それで僕の弱点を突いたと思っていたなら大きな間違いだ。情報戦は基本中の基本だろ?僕が、キミたちにノーマークなんて有り得ない、とは思わなかった?ちょっとは話を聞くつもりになったけど、期待はずれだね」
「なるほど、やはりアナタも……」
インプラントは裏の世界に居て長い。そこには表の世界では見えてこない組織間での争いも多々あった。それを生き抜いてきた男は伊達でない、とオーバーホールはインプラントを見据える。
「なら、うちの事情も?」
「全部知ってるさ。大丈夫なの?」
やはり、今の死穢八斎會の状況を知られている。この調子ならおそらく自分たちが何をしようとしているかということも。
「ただ…あれはいいね。個性を消す弾丸。世の中の個性消えればいいと思ってる僕には夢のような道具だ。素晴らしいね。だけどキミたちとの協力は謹んでお断りしよう……」
「確か、地飛沫鏨と言いましたか?」
インプラントが退室しようと腰を上げた時、オーバーホールはまた札を使った。インプラントの力があれば、もっとあの弾丸の性能を上げたものを大量生産できるはずだと、オーバーホールは踏んでいた。インプラントの力はどうしても手に入れたい。
「アナタは彼に執着しているようですが……」
わかりやすく、インプラントの動きに変化が出た。こちらを全く相手にしていなかった彼は、オーバーホールの目の前に一瞬で現れる。鼻と鼻が触れ合いそうになる距離に、オーバーホールは思わず後ずさる。
「ああ、ごめんね…キミは潔癖だったか……?でもそんなことは関係ないな。まさかだけど……タガネに手を出す気なら僕は今すぐにでもキミを殺す。いや、やっぱり死んだ方がマシという苦痛を与えてやる。
オーバーホールはそれが本気であると悟る。あまりにもめちゃくちゃで支離滅裂だ。だが、それがより一層彼が本気であることを主張しているのだ。
しかし、次の瞬間にはインプラントはまた苦笑の笑みを浮かべた。
「それに、キミってば情報収集が甘いし僕にはそんなもの脅しのうちにも入らない。だから…そうだね、特別に言っておこうか。僕の家族は…娘5人と息子1人、あと孫が1人だ。
さて、問題だ。キミは本当に僕の正体を掴めていたのかな?」
インプラントはそう言うとその場を去った。もう本当にオーバーホールと話す気は無いのだろう。
「
「ここまで相手にされないとはな」
くろがねの 秋の風鈴 鳴りにけり
風鈴を窓際に吊るしていたのですが、チンチンうるさくなってきたので取り外しました。ええ、風流もクソもないですね。もう少し、ねぇ、穏やかに風が吹いてくれればいいものを。