目指せ、世界一!   作:ちょこ

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・ポケモンの鳴き声は適当です。
・オリジナル設定などが出てくる可能性があります。

以上の点を踏まえて、お読みください。


000 ピチュー誕生

「アオイ、ちゃんと育てるのよ?」

「はーい」

 

 布団で何かを包み、温める私に向かって母が言う。それに対し、またかよと思いながらも笑顔で返事をし、布団の中を覗く。

 そこにあるのは、タマゴ。鶏などの卵ではなく、ポケモンのタマゴ。

 そう、ここはポケモンの世界なのである。

 気がついたら私は赤子に戻っていて、気がついたら成長していた。そして、ただいま5歳。「将来有望じゃのう」というオーキド博士の言葉とともにポケモンのタマゴをもらい、ただいま孵化活動中である。

 タマゴが震え、ピキッと———。

 

「アカネぇぇぇええええ!!!」

「ぎゃぁぁぁぁああああ!!!」

 

 母が我が妹の名を叫び、妹が悲鳴をあげながら突進してきた。ひょいと片手でタマゴを持ち上げながら避け、ヒビの入ったタマゴを慎重にタオルの上に置く。

「あたしが、あたしが!」と叫ぶ妹に向かって、近くに落ちていた毒消しを投げつけたら母にぶん殴られ———そうになったので、軽々と避け、その拳はちょうど寝ぼけて2階から降りてきた父にクリーンヒットする。

 

「グボギャッ!?」

 

 父が変な声をあげて崩れ落ちたが、そんなことを気にする女子ズではない。タマゴにヒビが入った面にアカネが座り込み、その斜め後ろに母、反対側に私が張り込む。一瞬で復活した父は私の横らへんに立って見守る。

 そして、さらにヒビができ、殻が割れ———。

 

「ピッチュ! ピチュ?」

 

 ピチューが、生まれた。たまたま、ピチューの目がある方向には私が座っており、

 

「そんなぁぁぁぁあああああ!!!」

 

 正反対に座っていたアカネは泣き崩れた。

 うん、わかるよその気持ち。ポケモンが生まれた瞬間顔を見てもらって、親と認識してもらって、そんで私のポケモン横取りしようとしてたんだよね。でも運悪く失敗しちゃったんだよね。でももう遅いんだ、うふふ。

 

「レーヌ。君の名前はレーヌだよ」

 

 そう言いながら、ピチューに向かって手を伸ばす。

 女王という意味の名前。この子には、将来、強い子になって欲しいと思って名付けたのだが———

 

「えー! かわいくないー!」

 

 出た、妹のワガママ。

 

「もっとかわいーのにしようよー、マロンとかさぁー」

「ちょ、私のポケモンなんだからいいでしょ」

「ヤダヤダー、私が名前決めるー」

 

 あー、日頃甘やかしすぎたせいでワガママになっちゃいましたかねぇ。いやしかし、本来育てる役目をもつのは、両親であって、私じゃないわけでですね、ハイ、そういうことで、

 

 キレちゃった☆

 

 さすがにこのワガママは許容範囲外であるためにプッツンし、「レーヌ」と呼んでピチューさんを呼び寄せる。そして、タオルに包んで抱き上げ、通せんぼしようとする妹にチョップをかまそうとしながら2階の自分の部屋へ。レーヌさんをベッドに乗せてから部屋の鍵をしめ、アカネを閉め出す。

 

「……レーヌ」

「ピィ?」

 

 ああかわいいめちゃくちゃかわいい! なーにとでも言いたげに首を傾げる姿、ちょーかわいい!

 

「何よアオイ独り占めしないで見せなさいよ!」

「今写メ送るから」

 

 写真撮るね、と言ってからポケギアのカメラ機能を起動し、首を傾げている姿を数枚撮り、フォルダに永久保存する。そして、とびきりかわいい一枚をパソコンでプリントアウトして額に入れて飾り、母のポケギアにも送る。

 

「お母さんのポケギアに———」

「ママー!」

 

 ドドドドド、という勢いで階段を駆け下りる音がした。

 まぁいつものことだ。

 

「レーヌ」

「ピッチュ?」

「……これからよろしくね」

「ピチュ!」

 

 *

 

 ちなみに、レーヌは女王という意味だと話したら、アカネのワガママは治まりました。

 

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