とあるメイドの学園都市   作:春月 望

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題名から察したでしょうが、今後学園都市にくるかは未定です。

すごく悩んで、まずは当麻sideでどうにかすることにしました。


パチュリー・ノーレッジとは

side当麻

 

 

 

吸血鬼とは。

 

十字架に弱く、日の光にも弱く、

胸に杭を打たれると死に、

死ぬと灰になり、噛みつかれた人間も吸血鬼になる。

 

 

そんな存在という知識があった。

 

 

 

上条当麻は、記憶喪失だ。

 

 

 

記憶といっても思い出が抜け落ちたということなので、知識(ノーレッジ)はある。

 

吸血殺し(ディーププラッド)とは、弱点だらけの吸血鬼を殺すような力を持っているということなのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

「三沢塾に、女の子が監禁されてるんだよね」

 

「……え?」

 

いきなり現れたステイルにそう言われ、唖然とする。

 

「い、いや……え?」

「そういえば、今日はあの……十六夜咲夜は一緒じゃないのかい?出来れば彼女にも聞いて欲しかったんだけど」

「……咲夜は寮に帰ったぞ。門限だからって。けど、あいつのことだ、夏休みだし、電話したらすぐ来るんじゃねーの?」

 

そして、電話を取り出して、かけようとする。

 

 

「まった」

 

 

そこにかかる、静止の声。

彼は反射的に動きを止めた。

 

「その前に、君に言っておきたいことがある」

「なんだ?」

 

ステイルは少し悩んでから、言った。

 

「科学の知識しかない君は知らないと思うし、インデックス(あの子)も言ってないと思うんだけど、あの禁書目録の中にはパチュリー・ノーレッジと呼ばれる大魔法使いの蔵書がいくつかあってね」

「ぱちゅりー、のーれっじ?」

 

ステイルの言った通り、本当に聞いたことがない。

 

「ああ。魔術師ではなく、魔法使い。そう、彼女は魔術よりも夢がある、魔法を扱えるんだ。つまり、魔女だね」

「魔術との違いがよくわからないんだが」

「そんなに違いはないよ。ほら、僕らも魔法名なんてあるし」

「ほう、それで?」

 

パチュリー・ノーレッジについては知らないが、魔女だということは今わかった。

その人が魔道書(グリモワール)を書いていて、それがインデックスの記憶の中にある、ということが言いたいのだと思うから。

 

「その、パチュリー・ノーレッジ。一〇〇年くらい前から行方不明なんだ」

「ひゃ、ひゃく?」

「そう。彼女は捨虫・捨食の魔法を新しく作り直してから姿を消した。けど、彼女は最初から魔女だからね。それを作ったところで使わないとは思うんだけど……」

 

いや、その前に。

一〇〇年前ってもう死んでるんじゃ……

 

「あ、いうの忘れてたけど、魔女っていうのは不老だからね。まあ、不死ではないけど」

 

!?

 

「何をそんなに驚いてるんだい?僕らも覚悟が決まれば使用することがある、よくある魔法だよ?」

 

と、いうことはここにいるステイルも、いつか不老になるかもしれないのか。

 

「それで、話を戻すけど。その、パチュリー・ノーレッジの魔法は何よりも幻想的だ。魔力も桁外れ、知識に対しても貪欲で、誰よりも魔法使いに向いている」

「強さは?」

「強いなんてもんじゃないね。彼女は弱点をついてくる。器用な人でね、僕らには真似できないよ」

 

誰も敵わないよ、とその目は言っている。

 

「まあ……あれさ。実は彼女、知識はすごいのに、魔道書という形にして後世に残さないんだ。ノートに書いて、終わり。それも、英語だったりラテン語だったり古代ギリシア語だったり、そう、彼女しか読めない、独自の筆記体で書き綴る」

「それって意味あるのか?」

「彼女にとってはあるのさ。彼女が欲しいのは、富や名声じゃない。名前通りの知識(ノーレッジ)だからね」

 

その、捨虫・捨食の魔法を読むのも苦労したよ、とステイルは苦笑した。

きっとそれは、彼ではなくインデックスが読んだのだろうけど。

 

「それでも、魔道書になってるのもある。彼女はどこにも属さず、自由に研究していたから誰も真実は知らないけど、おそらく一番弟子がいたんだろうね。その弟子に向けた魔道書なんだと思うよ。お陰で残る魔道書は初心者向けがたくさんさ」

 

一番弟子と、いうことはそんなにすごい彼女が認めていた人がいたのかもしれない。

彼女になら、魔法を教えたい、私以外知らない魔法を__ってあれ、なんで彼女って言ったんだろう。

 

「捨虫・捨食もその子に向けたと思ってもいいかもね。なんせ、彼女はなんの前触れもなくいなくなったんだし」

 

ほう、と頷く反面、なぜ咲夜に電話するのを止めてまでその話をしたのか気になった。

それを察したのか、ステイルがちょっと真剣な顔になって口を開いた。

 

「ひとつ聞いていいか?」

「……おう」

「十六夜咲夜は、魔術について何か言っていたかい?」

 

俺は考えを巡らせた。

しかし、記憶のない俺がわかるわけがない。

けれど、知識ならあった。

 

「十六夜咲夜は、魔法を知っている、という知識ならもってる」

「そうか、これは予想通りかもしれないが……本人に聞いた方がいいかもしれないな」

 

よくわからないが、これで電話をかければいいのだろうか。

俺は再び電話を取り出し、咲夜のいる寮__常盤台中学女子寮に電話をかけた。




パチュリー様は大魔法使いです。
魔術と魔法の違いがよくわからないのであまり違いがないということにしました。
ちなみに一番弟子は……予想してください、よくあるあの設定です。一応。
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