彼から感じるのは、一言で言えば威圧感。
お嬢様が放つものほど強力ではないが、それなりの力であることは確かだ。
「名は」
「__まずは自分から名乗るものではないのかしら?」
「……アウレオルス=イザードだ」
「そう、私は十六夜咲夜よ」
私たちがこんな短い会話をする間、当麻が姫神の前につくのを視界の端でみた。
アウレオルス=イザードの威圧を感じるが、私はいつものように立ち、軽く銀のナイフを構える。
「……ねぇ、聞いてもいい?」
「なんだ」
「能力と魔術、どちらが戦闘向きだと思う?」
「魔術だな」
彼は即答し、私に更に威圧感を放った。
「……そう。あなたの魔術って、どんなものなの?キラキラ光る星の魔術?人形が舞う魔術?それとも、七つのタイプの鮮やかな魔術?」
「どれにもあてはまらないな。こういうものだ
彼が私に向かってそういうが、私に変化は訪れない。
「……?」
よく分からないが、私の能力か、はたまた窒息死という常識を持っていないからか、変化は一切訪れない。
「……えっと?」
私も彼も、少々困惑をしてしまう。
まあいいや、と私は思って霊弾のナイフを放った。
「、魔力、ではないな」
「ええ、正解」
魔力ではないと見破ったようだが、霊力とまでは理解してないようだ。
私はふぅ……と、息を吸った。
そして、己の時を止める__
気づけばそんなことをしていた。
肉体の老化も、心臓の動きも、脳さえも。すべて止めたけれど、動くことは出来る。
肉体に最強の鎧をまとっているようなものだ。
無意識に私の闘志が高まっていたらしい。
アウレオルス=イザードが、イラついたように当麻に「
そして、「
当麻はこの場からスタスタと出て行った。
「姫神秋沙。私とコイツの戦闘に巻き込まれる前に、ここから出て行ってほしい」
「!?」
彼女の動きが止まる。
「大丈夫よ、腕を貸しなさい。あなたも邪魔はいない方がいいでしょ?」
「……必然」
ピキリ、と彼女の肉体の時が止まった。
彼女にこれ以上吸血鬼を殺して欲しくない、と願いながら集中してみたら、成功した。
これで血の流れも溢れ出る匂いも消える。
「忠告。外に出ても大丈夫だけど、絶対に当麻の右手に触れないこと。あと、そうね。私が遠隔操作してるから、この第七学区からは出ないこと。これはずっと続くものではないからいつか私を訪れなさい」
私がそう言うと、彼女はコクリと静かに頷いた。
そして、部屋を出て行く。
「
アウレオルスの声が響くが、私には何も起こらない。
『なんでだ?』
その目はそう言ってるように見えた。
「私の能力知ってる?」
「先ほど見た。時間操作、だろう」
「ええ、その通り。けどね、ちょっと違うの。私は飛行能力者よ。無意識に飛行してなかったみたいなんだけど__」
ふわり、と私の身体が浮く。
アウレオルスが少し驚いたように私を見た。
「
もうコイツは殺してやる。私はそう決め込んで、手札を全て晒した。
「……魔法使い?馬鹿な。魔法使いと名乗って許される者はパチュリー・ノーレッジただ一人……っと
そちらをみるとステイルが出て行った。
……とりあえず、そこはいいや。
「パチュリー・ノーレッジ、そうね。彼女はとても偉大な魔法使いよ。そして、私の大事なお客様」
思ったよりパチュリー様の名は知られていたらしい。
あの見た目でも、私の五倍や六倍は生きてる身、それなりの伝説が残っていてもおかしくはない。
「お前はパチュリー・ノーレッジを知ってるのか?」
「もちろん。性格や身体の調子、好きな紅茶の温度までね」
チィっと、彼が軽く顔を歪める。
「……ついてこい」
くるり、と彼は方向転換をして部屋を出ていく。
いつの間にか彼から放たれる威圧感も消えていた。
__なんでパチュリー様を知っているのだろう?それに、今の表情って一体?
……くっ、少ないな……
じ、次回こそは二千!目指せ二千!
そして投稿遅れてすみません!