また、更新遅れてすみません。
校長室と名付けられたそれの、
公立の学校の最高責任者的な人がいる場所だ、多分。私立である、常盤台中学にももちろんいるが、最高権力かと言われればやはり理事長の方が上だろう。
黒檀の大きな机。そこにはインデックスが寝かされていた。
イギリス英語で書けば、Index-Librorun-Prohibitorum だ。これでも吸血鬼のメイドとしてキリスト系やイギリスについては詳しい方だと自負しているし、それぐらいは客に魔法使いを迎えているものとしての知識の一部に過ぎない。
「私はインデックスを助けたいだけだ」
彼はそう言って、彼女に近づく。
「__なにから?」
吸血鬼は無限の命を持つとも言われている。実際はそこまで万能じゃないし、そもそも弱点が多いがなにも損傷を負わない限りは生き続けるのだ。
「首輪」
首輪の正体は知っていたらしい。
私はクスリと笑って見せた。
彼が怪訝そうにこちらをみる。
「あなたは大きな誤算をしているわ」
「なんだ」
「ねぇ、知ってる?彼女はもう、
私は彼より更にインデックスへと近づいた。
「私も一応聞いているわ。あなたも彼女のパートナーだったのでしょう?けど、もう彼女はあなたに振り向かない。なぜなら、彼女には新たなパートナーがいるから」
「!?」
バンっ!
と、大きな音と共にドアが開く。
私はにこりと微笑んだ。
「お帰りなさい、上条当麻」
人間として最低限の名前すら与えられなかった少女を再び救えるのは、彼だけかもしれないと冷静になった頭で考えた。
「紹介するわね。彼が、彼女を救った今のパートナーよ」
アウレオルスは唖然としたあと、狂笑し始める。
私は静かに目を閉じた。
コイツはもう戻れない。インデックスの消えた記憶の彼が、どんなにいい人間で、どれだけインデックスがよく思っていたとしてもその彼にはもう戻れないだろう、そう考えていたとき。
「__とうま?」
私はハッとしてインデックスの方を見やる。
うっすらと目を開けた彼女は、当麻の名前を呼んでいた。
「__インデックス__」
ぼそり、と私はつぶやく。
アウレオルスは失念しているようだった。全てを忘れたヒロインが、別の主人公を思うところなんて見たくなかったのだろうか。
狂気に侵されたかのような笑みを浮かべ、腕を振り上げた。
「っ!」
瞬時に私はナイフを投げる。
銀の、十分に殺傷能力を持ったものを、腕に向かって投げた。
音もなく彼の腕にナイフが突き刺さったが、彼がその腕を抑えることはなかった。
たらたらと血がした垂れ落ちる。
「っ!十六夜咲夜!
アウレオルスの声が響くが、私はそのまま立っていた。
「__あなたのそんな簡単な魔術なんて、きかないわよ?」
それより、と私は言葉を区切る。
「そんな馬鹿馬鹿しい魔術なんかするんだったらさっさともっと憎らしい少年を殺せばいいんじゃないの?当麻が、そんな簡単に潰れるわけはないでしょうけど」
軽く挑発すると、彼は簡単にそれにのる。
なんて簡単なヤツだ。
「ステイル。退きなさい、あなたの出番はない。もちろん、私にもね」
窒息死、感電死、と立て続けに生み出される魔術を彼は
私はそれを目で追いながら、ステイルに話しかけた。
「__ねぇ、一つ聞いていい?」
「今か」
「ええ、彼のあれはなんて仕組みなのかしら。スペルカードじゃなさそうだし」
「スペルカード?」
「……必要な時間や呪文を書き込んだカードだと思ってくれればいいわよ。威力はないけど。そういう特殊なものではないのなら、一体__」
「『グレゴリオの聖歌隊』だよ。他の場所で誰かに唱えさせてるんだと思う」
インデックスが忌々しそうに言った。
私は少し考え込む。
「自分が操ってってこと?」
「そうだと思うけど」
そう、と私は再び当麻に目を向けた。
随分と苦戦してるようだが、私は彼を助けずに言葉を紡ぐ。
「でも、開発を受けた生徒は魔術が使えないんじゃ……」
「壊れたなら直せばいい。それだけだ」
答えはアウレオルスの方から聞こえてきた。
まあ、その通りである。
壊れたなら直せばいい、そりゃ当たり前のことだ。
私は別にそれは当たり前だと思った。一応生徒は親からの借り物なのだろうし、借りている以上は壊れたら弁償したりなおすべきだ。これは、幻想郷でも通じたりする。
けど、当麻は違った。
「て、メェ!」
ポケットに入っていたらしい、携帯を投げて注意をそちらに寄せる。
そして、アウレオルスの顔に殴りかかった。
けれど、そこに届く気配はない。
「
突如、隣にいたステイルが叫んだ。
私も当麻もアウレオルスも、少し驚いてステイルの方をみる。
コイツは何を考えている?
叫ぶだけで、アウレオルスのように術が発動するわけはない。
そしてそれは、ステイルにとって凶となる。
彼は、最後に当麻にヒントを与えて
「
ぼんっ。
と軽快な音を立てて、彼は弾けた。
血管と心臓はある、ドクドクと音を立てている。
どさり、とあまりに突然なことにインデックスが倒れた。
私はステイルだったものに飛んで近づいて観察してみる。
「よくできてるわね。これなら、あまりかさばらなそうだし」
うごき続ける心臓は、お嬢様や妹様が見たら喜びそうだ。
「そして、当麻はステイルに言われたヒントをきちんと導かないとね」
ステイルは言っていた。あいつの弱点は針だと。それも、医療に関することだ、と。
私も少しくらいは針治療を自らに行ったことがある。縫うことが必要な場合、とりあえず痛みをそれで堪えてどうにかするのだ。
当麻も答えにたどり着いたらしい。けど、アウレオルスの方が早かった。
「ふむ。お前のその自信は右手によるものだったな__」
彼は当麻の右手を魔術で切断した。
私が時を止める暇もなかった。
「っ」
それでも時を止め、腕をつけなければと思った。
「____」
「な……」
当麻の切り落とされた右手。否、右腕が付いていた場所から吹き出す血。
凄まじい勢いで流れる血にも、上条当麻は動じていない。さすがにあれほど出れば、人間なら誰でも動じるだろうに。
アウレオルスは焦っているようだ。無論、私もだけど。
焦って出したギロチンが、当麻に襲いかかるが粉々になって散った。
次々と生み出す、当麻を破壊するための魔術を当麻は指先ひとつ動かさずに逆に破壊していく。
「なに、あれ……」
「
吸血鬼かと錯覚させるほどの犬歯をむき出しにし、異変時のお嬢様のような赤い光を目に宿して。
心底楽しそうに笑っている。
そして、肩から現れたモノ。
「ドラ、ごん……?」
それはドラゴンだった。血の滴る紅のドラゴン。
そして、弾けたはずのステイルが復活する。まるで、当麻の右手に触れることでしか発動しないはずの
そして、竜王は錬金術師を頭から飲み込んだ。
そして書いて気づく。
きちんと3千弱ですね。