とあるメイドの学園都市   作:春月 望

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今回は3巻中に起きた出来事。
4巻にでてくる贈り物のお話を、レミリアの視点で。

東方しらないと全然わからないと思います……
私独自のキャラ設定です。ご注意を。

登場キャラ
レミリア・スカーレット
パチュリー・ノーレッジ
東風谷早苗
アリス・マーガトロイド
です。有名どころで固めたので、一応ご安心ください、と。


十六夜咲夜への贈り物

夜が深まるころ、私は大図書館へと向かいながら少しだけ咲夜のことを考えた。

 

「パチェ」

「なに?レミィ」

「紅茶を飲もうと思って」

「ふぅん」

 

淡々と告げる友人にちょっとムッとした。

パタン、と読んでいた本を閉じて美鈴のいれた紅茶を飲み始める友人を見て、私は何気なく言葉を紡ぐ。

 

「咲夜、どうしてるかなぁって」

「……元気にやってるんじゃないの?だって、運命が綺麗に見えたんでしょう?」

 

こくり、と頷いて紅茶を覗き込む。

そこには、もちろん私が写っていて。

あの日もそしてあの日も。ここには彼女が写っていたと思い出す。

あるときは殺しにきた咲夜がメイドとして働き始めることが見えたし、またあるときには、学校で楽しそうに笑う咲夜がみえた。

 

「……それでも、不安なものは不安なのよ。だってあの子、出会ったときから人殺しの目をしていたじゃない。だから引き込んだんだけど」

「別に咲夜が人殺しだと騒がれたところで、私たちにはなんの被害もないわ。咲夜が住みづらくなったのなら、こちらに戻って来ればいい話よ?」

 

確かにパチェの言う通りである。

そもそも、従者である咲夜を学校に通わせる必要はない。私のメイドとして、基本的な教養は大図書館の本を読んで補って置くようにとは言ったが、それだけで彼女は十分天才ぶりを発揮してくれたと思う。

しかし……咲夜は能力の特性上、年齢が多少上に見えてしまうのだが、私の勘でいえばまだ学校に通っていてもおかしくない年齢のはずだ。

人間は若いうちが最も飲み込みが早い。短い人生、存分に生きるために教養は必要なのである。

 

「それを言ったらおしまいでしょうに。パチェ、何かないの?」

「……小悪魔」

「はい!」

 

小悪魔が出してきた、いちご味のラスク。紅茶にうるさい私は、お菓子にもうるさい。確かこれは、美鈴の開発したレシピだったはずだ。

見上げると、美鈴が小悪魔にちょうどウィンクしていた。

 

「普通のラスクとかも、いかがですか?」

「いいわね。持ってきて頂戴」

 

そうして、夜は更けていく。

明日は博麗神社で、咲夜のいない初めての宴会である。

 

 

 

 

 

 

「あれ?咲夜さんはいないんですか?」

「ええ。ちょっとね」

 

緑の巫女(実際は風祝らしい)、東風谷早苗がお猪口片手に聞いてくる。

私は適当な場所に腰掛けながら、適当に返した。

 

「そんなぁ……咲夜さんにお返ししたいものがあったのに……」

「なに?返しておくわよ」

「ほ、ほんとですか!?これです!この、ナイフ研ぎ!包丁研ぐためにお借りしてたんです!」

「ナイフ研ぎ……?それくらい持ってないの?」

「はい……実はおいてきてしまって……それで」

 

袖から咲夜が愛用していたナイフ研ぎがでてきて、私はそれを美鈴に受け取らせた。

すると早苗は一つお辞儀をしたあと、ひらひらと手を振って自分の神社の神様の元へと帰っていった。

 

「美鈴」

「はい?」

 

美鈴を耳元まで呼び寄せ、ある私の考えを話し、アリス・マーガトロイドを指差した。

 

「ああ、咲夜さんも喜ぶんじゃないですか?」

 

美鈴は半分以上どうでも良さそうに答え、私はそんな美鈴を軽く殴ってから立ち上がった。

 

「アリス、ちょっとお願いがあるんだけど」

「あら、今日は咲夜は?」

「咲夜はちょっとあるのよ。それより、その咲夜についてのお願い」

「咲夜についてってことは、ナイフかしら?何か特別なナイフ?」

 

さすが魔法使い、話しが早くて助かる。

 

「ええ、ナイフよ。素材は決まってないのだけど……」

「それなら……そうね。この前錬金術で黒曜石生み出したばかりだし、それを応用したものなんてどう?」

「いいわね。硬さもバッチリだわ」

「報酬は?」

「なにが欲しい?」

「普通にお金でいいわ。人里での買い物が全く困らないレベルの」

 

それは明日届けることにすると伝え、またナイフの話に戻った。

黒曜石に何か魔法要素を加えようと、金星の光の力を使おうとの意見がでてきたが、つまりそれは金星の光がなければ使えない。

咲夜は霊力が豊富なのだから、と話しをすると、そっち方面で固まってごく普通の黒曜石のナイフになった。仕掛けとしては、霊力を加えると閃光弾としての役割を担うことも出来るし、普通のナイフの二倍の速度も出るし、そのままでもあまりに鋭すぎて人間の肌などすぐに切れてしまうナイフが、更に攻撃力が上がったりもする。

何も言わずに八雲紫に渡して咲夜の手元に持っていってもらうが……ナイフ研ぎくらいは向こうで調達できると考え、少し前に直したばかりの懐中時計とこの黒曜石のナイフのみを八雲紫に手渡した。




久しぶりに番外編書いた気がする……ははっ

咲夜さんへの贈り物はパチュリー様携わってませんよ?強いて言えば懐中時計に保護魔法かけたくらいです。
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