とあるメイドの学園都市   作:春月 望

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2時です。もうすぐ3時です。寝ます。


入れ替わりに気づいた者たち

「では、お聞きします。ずっと違和感を感じることがなかったので忘れていましたが、貴女はなぜ変化がないのですか?」

「……そういえばそうだにゃー……かみやんと一緒にいたからとかじゃそんなこと起こるわけないしにゃー」

 

なんだか小難しいことをペラペラと語っているなぁなんてのんきに考えていたら、こんなことを聞かれた。

そういえばそうだ、なぜ彼らは気づかなかったのだろうか。

 

「やはり、本当に貴女がッ!?」

「……全く、あんたって面倒ね。知り合いよ、知り合い」

「知り合い?」

「そう。そういう結界とかまあそういったことに長けてるのが知り合いにいて、ソイツが急に来て言ったのよ。結界でもなんでもいいから己を外部からから守れってね。だから、今の私は__」

 

私はすっとナイフを取り出した。

当麻はギョッと目を剥いたが、神裂火織と元春は平然とし、私がこれからどうするのか見ている。

その中、腕にナイフを突き刺した。

 

ドバッ

 

と、血が溢れることはない。

『歩く教会』に刺したときのように、ナイフが跳ね返った。

 

「なんていうのかしら?私もよくわかってないのだけど、自分の時を止めるっていうか。だから、その『御天落し』は私の寸前まで迫ったのに時の壁にぶつかってそこで止まってる状態。攻めたら動きを止められて進行不可になった、ってことよ。簡単でしょう?」

 

私はそう言って、跳ね返ったナイフをしまう。

そう、簡単だ。原理はよくわからないし、ただ時を止めるよりは疲れる。まあ、時を止めるのは習慣になりすぎて疲れるなんてないのだけど。

 

「……でも、咲夜はレベル3だよにゃー?」

「ええ、そうよ。レベル3。これ、私もよく原理がわかってないから披露してないの」

「……本当に能力なのですか?」

「さっきも言ったじゃない……私の故郷では『時を止める程度の能力』って名乗ってたけどね」

 

インデックスの時と同じように応えると、程度?とまたまた同じように首を三人して傾げた。

 

「程度よ、そりゃあね。当麻のように幻想を壊せるわけでも、パチュリー様や元春たちのように魔術を使えるわけでもないから」

 

かみやんが特殊なだけだにゃー、と元春は呟き、神裂火織は更にわけがわからないという風に刀を撫でる。

 

「そうね、たしかに当麻は特殊だけど当麻の場合は右手だけじゃない?私の知ってる巫女なんてすごいものよ、すべてから浮くんだから。私の時を止めた世界からも、運命からも浮くのよ」

 

ふわふわと漂う楽園の巫女は、すべてから浮く。死からさえも浮かんでしまうのではないかと思ってしまったこともあるぐらいだ。

 

「浮く……」

「きっとこの魔術からも浮いているわ」

 

その前に紫によって魔術の浸入を防がれているのだろうけど。

もしかしたら、霊夢も手伝っているのかもしれない。

けど、彼女の面白いところはあれだ。彼女は浮こうとしない限り、浮くことはない。だから私が時を止めるたびに彼女が止まった世界で動くことはないのだ。無意識に浮いてはいるものの、浮いている高度の上げ下げは可能っていう感じなのだろう。

その前に勘が働いて魔術から浮くのは間違いないと思うけれど。

 

「そんなのと比べたら、私は程度。その程度なのよ」

「では、貴女は能力に誇りはないと?」

「そりゃあるわよ。この能力のおかげでお嬢様にお付きできるわけだし」

 

でも、貶されても特に嫌になることはない。そんなの他人の勝手なのである。それに、幻想郷は全てを受け入れてくれるのだから。

まあ、レミリアお嬢様や妹様の能力に愚痴をつけられたら、多少はキレるだろうけど。

 

「じゃあ、二人は一体誰に見えてるんだ?」

 

当麻の問いに、元春が『一一一(ひとつい はじめ)』とかいう、スキャンダル持ちの超イケメンアイドルに見えると答え、神裂火織は小さく『ステイル・マグヌス』だと漏らした。

けれどまあ、それはかなり小さくボソボソとしており、何度か当麻が聞き返していたが。

 

彼女曰く、「世界中が喧嘩売ってるのかと錯覚する」らしい。

 

私は苦笑いをし、当麻もなんとも言えない表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、今は海の家で昼食を摂るところだ。

 

カレーがなんとなく食べたかったのでカレーにした。

中々のカオス空間であるのはわかっているのだが、なんだかこれもこれでアリなんじゃないだろうかなんて思い始めた自分がいる。

外見ステイルの神裂火織、ワケありアイドルの元春、海の家の店主のステイル、その娘にミサカ、当麻の妹に美琴、母親にインデックス、インデックスは青髪ピアス、父親は__……

 

 

 

 

あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はっとすると、みんな食事を終えて再び活動を始めていた。

あれ、当麻の父親って……

 

(誰?)

 

当麻は父親を見たときは驚いていなかった。

と、いうことは彼は入れ替わってないのだろうか。

でも、彼の妻へのあの感じは彼女をインデックスだとは思っていないようなのである。

もし上条刀夜が妻のことが上条詩菜ではなくインデックスに見えていたとき、彼はあんな眼差しを彼女に向けるだろうか?

 

ふと横を見たが、当麻がいない。

彼がいないことになぜか安堵し、ファンに見つかるとヤバイみたいなことを言ってどこかに行ってしまった元春を探した。




ギリ二千か……
霊夢の部分を省いたのがデカイです、結構。

おやすみなさい。
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