咲夜さんはなんだかんだいって学園都市楽しんでる。
シャワールームでコソコソしている二人を発見した。
「……何してるの?」
「さっ、さっ、さくやサン!?」
「さては、覗こうとしてるわね」
「な、ナンノコトカナ!?」
何度か美琴がコンビニで『まんが』の立ち読みをするというのでついていったことがある。
最初こそは戸惑っていたものの、数回ついていくうちに彼女も私も慣れ、度々行くようになった。
というのも美琴は漫画を読んでいきなり笑うタイプの人間なのである。私はポーカーフェースは得意な方だと自負しているのでそんなことはないが、美琴は黒子以外にはそれなりに気にしているらしい。
で、何冊か少年誌へと手を伸ばしたことがある。
というか、少年誌の方が好きだったりする。
「漫画でよくみたわ。あまり私は男性と面識がなかったのだけど……だいたい察せるようになってきたわね」
「さ、咲夜が漫画の立ち読みだと!?」
「……美琴がよく行くからね。あと、私も本は好きな方よ。お屋敷でも借りて読んだこともあるし」
紅魔館の図書館には噛み付いてきたり、パチュリー様によって封印されているのもある。
まあ、そういうのは逆に噛み付くだけだったりするため封印するか手懐けるかして読むのだけど、時々甘噛みされる。ちょっと可愛い。
「ああ、えっと……咲夜にも一応言っておくにゃー」
「なに?」
「ごめんなのにゃー」
ん?と私は首を傾げる。
「オレは全ての事件を知っていたのに、すべて見殺し__」
「ああ、そんなこと」
「そんなことって」
「元春が謝るのが不思議なくらいだわ。何?あなたは目の前の人がハンカチ落としたのに気づいたけど放置し、別の人が拾って届けたのをみてその人に謝るの?気づかなくてごめんなさいって」
「それとこれとじゃ話が」
「一緒よ」
私にとっては、とこっそり付け加える。
私はお嬢様にお仕えする身、こちらへもお嬢様に言われてやってきた。
それなのに多少身勝手にさせていただいているのだ。紫の感じからそれでいいのだと思うけど、多少の罪悪感はある。
命がかかってる?そんなの落としたハンカチだってそう。
もし人が怪我してハンカチが必要なのに落としていたからとなかったら?
飴ひとつ差し出せば殺されない場面で持っていなければ?
そう考えるとキリがない。
私は私のしたいことをする。お嬢様がそう望まれているのだ。言われてはいないが、そう感じる。
「でも、覗こうとしてるのよね?」
私が話題をさっと戻すと、一気に二人の表情がおかしくなった。
「__いいわ」
「……へ?」
「……は?」
私はドアを開け、神裂火織に見えないギリギリの場所で時を止めて部屋から退散する。
__突如、最早誰の物かもわからない断末魔が響いた。
「ふふっ」
「笑い事ではありません、十六夜咲夜」
「……なんか違和感。咲夜でいいわ」
「なら、私のことも」
「火織、ね」
まあ、とりあえずその話は置いといて。
「クスクス」
「__〜〜〜っ!」
「ごめんなさいね。けど、刀を操る者としてそれはどうなの?」
「わ、わかっています!」
あの半人半霊もあんな感じだったなんて考えながら私はこっそり持ってきた赤ワインのグラスを傾ける。
流石は海の家。学生が主体のため、美味しいワインがあまりない学園都市とは違ってセキュリティが駄々甘である。
「のむ?」
「いりませんっ!」
しばらく海風にあたりながらベランダに立っていると、後ろに人の気配がした。
「あら元春」
「咲夜もいたのかにゃー」
「いちゃまずかった?」
「いや、ききたいこともあったしむしろ丁度いいにゃー」
そういって元春は私と火織の丁度後ろに立つ。
「単刀直入に聞く。咲夜は人を殺せるかにゃー?」
「________まあ、わかるでしょ?メイド服に仕込んだ数々の人を仕留めるためのグッズ」
スッと私は手にナイフを持った。
「……じゃあ、咲夜は……」
「表か裏かって?裏の人間ね。私は昔、ヨーロッパで暮らしていたし、家業は吸血鬼専門の殺し屋だったから」
ギョッと
これぐらいならいいだろう、幻想郷なんて存在すら知らなかったころの話だ。
「殺し屋____吸血鬼」
「ええ、吸血鬼。それを殺す、それが仕事の家で私は育ったわ。物心ついたころには吸血鬼を殺せた。才能があったのかもしれないけど、ある日私は人間も殺すようになった。怖くなった両親は、私を最近見つけた実力をもつ吸血鬼の家に行かされ、帰ってきたときには誰もいなかったの。つまり、捨てられたってこと。そうよね、人殺しの娘なんて気持ち悪いし」
半分嘘で、半分本当だ。
実力をもつ吸血鬼はレミリア・スカーレットの父で、それは殺した。
レミリア・スカーレット自身は殺せず、殺される一歩手前でメイドになったのである。
帰ってきた、というのは血や人肉確保のために一度だけそこへ出向いたことがあったから。時は止めていたのだが、ドアを開けたらだれもいなかったのだ。
「あなたは吸血鬼を殺したことが……」
「あるわよ、それぐらい。吸血鬼を見たものは死ぬ?何を言ってるんだか。吸血鬼なんて時を止めて近づいて、油断してるところを銀のナイフでぶっさせば殺せるし。ま、純血にはそう対応しきれないけど」
純血はそれでもよける。
それで殺せるのは、血を吸われ吸血鬼を化した人間だけなのだが、それさえも普通の人間は殺せない。
「ステイルが言っていたことは、」
「あら、教えてたの?その通りよ、あれは本当のこと」
ナイフをしまい、私は空を飛んで見せた。
二人は軽く驚いていたが、私はそのまま降下して魔術師二人の会話を詳しく聞くこともなく、新しく持ってきたワインを傾けた。
さっきの?そんなのは投げ割った。
青年はみんなこうです。
そして少女もなかなかのもんです。
咲夜は開いた瞬間にナイフで脳天ぶち抜きます。
そして若干でたレミリアに拾われたお話。
いまんとこは拾われたところについて書いていますが、のちのちこちらに送られた理由について書きます。
あー、霊夢かわいいよぉ