とあるメイドの学園都市   作:春月 望

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神の力

しばらく、火織と当麻が決着をつけるのを待っていた時だった。

 

______ドンッ。

 

どこからか、誰かが湧き上がらせる殺意。

私は咄嗟にあたりを見渡した。

殺意、といっても様々なものがある。お嬢様などの妖怪なら妖力が関係してくるし、私たち人間なら霊力。神なら神力のように。まあ、これは力を持ったものが何かを威圧するときに簡単に起せるものであり、ただの人間でも本当に殺意を抱けば相手に通用する場合もあるのだが……

……これは。

 

 

 

「神力?」

 

 

 

紛れもない、神の力。

妖力なら、いくらでも感じてきたからわかる。霊力も普段自分が付き合っているから自然とわかる。間違えようがない。

ただ、少し弱いのが気になるけど。

ああ、先ほどまで一緒にいたのに気づかなかった。これは。

それからの二人は早かった。

当麻の元まで駆け出していき、私も後に続く。

 

 

「当麻っ!そこから離れてっ!!!」

 

 

当麻を待っていた時、私たちはやがて一つの事実にたどりついた。私はロシアについてよく知らないから忘れていたのだが、【ミーシャ】と言うものは、男性につけられる名前だったのだ。

これで全て合点がいった。

入れ替わる前のミーシャは天使と呼ばれる存在で、サーシャ=クロイツェフと入れ替わってしまったのだと。

元春がロシア成教に問い合わせたところ、ミーシャ=クロイツェフなんていない。いたのは、サーシャ=クロイツェフだったのだ。

 

私は天使と対峙したことがなかったが、天使は神に造られた存在、天使は神のラジコンなら、天使の力は神に与えられし神力なのである。

 

ミーシャの力で先ほどまで夕暮れだったというのに、あっというまに暗闇へと変わった。

私は夜目が利くからいいけど……これは普通の人間は大変なんじゃないだろうか。

 

 

 

天体制御(アストロインハイド)

 

 

 

月は満月。青い青い月が、すぐそこに見える。これはお嬢様が喜びそうだ、今日は本来半月だったのだから。ただ、同時に不機嫌になられるだろう。月が青いから。

 

「ふうん、天体を制御できるとはやはり天使ってやるのね」

「咲夜!何をそんなに呑気に!」

「____私の故郷では、しょっちゅう異変が起きる。月の異変なんて、天体の異変なんて珍しいことでもなんでもないのよ。まあ、ここまで近いと……穢れを恐れた月兎がやってくるかもね。それか、だれがこんなことをしたのかと竹林のうさぎが攻めてくるかもしれないわ」

 

夜が終わらないなんて、初めてじゃない。偽物の満月だって、初めてじゃない。

 

「魔術ってのはこんなことも出来んのか!」

「出来ませんよ、人には」

「人には、ね。逆に人外には出来るのよ、まあ出来る人間ももしかしたらいるかもしれないけど」

 

ぱっと霊夢の顔が浮かんだ。

彼女ならこれぐらい出来そうだ、なんでわざわざそんな面倒なことするのよ、って言って興味すら示さなそうだけど。

 

「でも……ねぇ、天使ってこういうのも出来るなんて知らなかったわ、月の異変の首謀者は妖怪だったし……」

 

さて、と私は自分にかかっている能力を再度かけなおした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミーシャが時刻を夜にしたのは、属性強化のためだと火織がいった。

彼女いわく、水の象徴にして青を司り、月の守護者にして後方を保護したりと言う「神の力」。常に神の左手に侍る双翼の大天使だとか。

人間の地へとおとされた大天使は、元の位へと戻りたくて堪らないのだ。

 

不意に真上の月が蒼く輝いたと思ったら、その回りに光の輪が生まれた。いつか図書館で見た土星ともまた違う神秘的な光景である。その輪は満月を中心に天狗並みのスピードで広がると空をあっという間に駆け抜けて消えてしまった。

と、思ったら今度は魔方陣である。大量の魔方陣が夜空を埋め尽くしていき、一種の美しさのようなものまで感じてしまった。当麻が呆然としていたところをみるに、私のこの感想は常識はずれみたいだけど。

確かにこの感覚は外の普通の人間は普段感じることがないだろうから、すさまじいものを感じているのかもしれない。

 

火織がこの術式はかつて堕落した文明を焼き付くした火矢の豪雨だと当麻に説明していた。

 

「それを避ければいいの?」

「な、なにを考えているのですか咲夜!」

「……冗談よ」

「こんな時にやめてください」




咲夜さんと神裂さんの無双とか書いたら楽しそうだよね(願望
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