今年もよろしくお願いいたします。
さて、大変遅れました!
年内に一度は更新できるかと思っていたのですが、再び小さなスランプがありまして……
当麻さんの「と」の字も出てこない六巻第1話の始まり始まり〜
始業式は特別なのだろう
紅魔館には小さな牛小屋がある。
食用の牛が飼われているだけの小屋。
そこで産み落とされた牛は、食されるのが当たり前だ。
お嬢様や美鈴の好物はもちろん人間だが、私やパチュリー様は人間を好き好んで食べることはない。
過去にお嬢様が、『パチェが人肉は食べれないわけじゃないけど、どちらかといえば牛がいい。って言ってたのよ』と言っていたので、きっと親友であるパチュリー様のために作ったのだろう。
まあもちろん、パチュリー様にとって食事は必要のないものであり、単なる娯楽の一つに過ぎないのだが。
人里に行けば買えないこともない牛肉なわけだけど、やっぱり自分の手で育てた牛が一番で、人肉を食べきってしまった時はお嬢様も食べることがあった。
そんな紅魔館の牛は、狭くて暗い小屋の中に住んで__________いるわけではなく、私が許可をいただいて敷地を広げた放牧場にマメに放牧されていた。今はおそらく美鈴の仕事になっているはず。
所変わって学園都市。
学園都市には窓のないビルがあって、そこで牛はもちろん、豚や鶏、それから野菜も育てられていると聞く。
植物一つ一つに合わせた気温、最新の肥料、農薬を使っていたり、栄養満点の水や飼い葉で育てられた動物。日光を浴びた野菜や、それらを食べた動物の方が美味しいだろうと考える人の方が世界的には多いだろう。しかし、実際は普通に美味しいのだ。昔から学園都市に住んでいる人間からすれば、『外で育った方が不衛生』に思うと言っていた。結局どちらでもいいのである。
「美琴ー?」
「んー?」
「支度は終わったのかしら。そろそろ行かないと、遅刻するわよ?始業式まで……あと三六分二八秒ってとこかしら?今から走って、どれくらいにつくのでしょうね」
「……んなぁ!?」
「じゃあ私はお先に失礼するわ」
夏休みも終わり、忘れ物がないか確認をして寮を出た。
まだ夏なんじゃないかと錯覚させるほど暑い外。耐えられず、私は時を止めた。
……幻想郷より暑いんだ、本当に。
「あら、十六夜さん。おはようございます」
「ええ、おはよう湾内さん。今日は一人ですの?」
「今日は泡浮さんは早く来る用事がございまして」
「なるほど。それはそうとお久しぶりですわね。夏季休業はどのようにお過ごしで?」
「特にいうほどのことはしていませんわ」
水泳部の湾内さん。普段一緒の泡浮さんは別件があるらしいが、時々話しかけてくる黒子の同級生である。
あまり人とは親しくしないことが多いのだけど湾内さんは向こうから話しかけてくるし、会話していて楽しいので世間話程度はする仲なのであった。
「そういえば、十六夜さん、携帯をお持ちになったとか」
「ええ、まあ」
「番号を交換していただけませんか?今度、お茶でもどうでしょう」
「構いませんわ」
私は時を止めてメモを取り出し、番号を記入するとサインを添える。特に急いでいるわけでもないが、時間を取らせるほどの問題でもないのである。
また時を動かし、湾内さんにメモを差し出した。
「まあ。やはり十六夜さんの能力は便利ですのね」
「
昇降口に入って、持ってきた上履きに履き替えると教室に向かった。
まだ数えるほどしか訪れていない教室。私は席に着くと優等生らしく優雅に本を読むことにした。
しばらくして、まだ教室がざわめいている中、私の机に勢いよく手をつけるという……常盤台中学の女子らしからぬ行動をする汝が一人。
「……その行動はどうかと思うわよ?美琴」
「
「そうだったの?ごめんなさいね」
「絶対ワザとでしょ」
「あら、違うわよ」
左手で器用にしおりを挟みながら、右手をひらひらとさせると、美琴に軽く睨まれた。
本心なのだが、それを読ませないでこそ一流のメイドである。
そんなこといっても、さとり妖怪や
「で、なんの用だったの?あと五分で始業式だけど」
「はあっ!?もう、全部咲夜のせいなんだからねっ!?」
「はいはい。わかったわよ。そろそろ行きましょ。能力使ってあげるから」
寮じゃ禁止されている能力も、私にとっては意味をなさない。ただ、きちんとバレないか確認をしてから時を戻せばいいだけの話なのだから。
ここは寮ではないんだけど。
と、なんがい始業式を経て、課題回収と通知表回収を終えたところで学校は終わった。
式というのは面倒だが、こうして午前中に帰るのだ。
時を止められるし、勉強は別に嫌いでもない私でも、なんとなく特別だということはわかっていた。
とはいえ、そもそも登校した回数が少ないためにその利点をいいものと感じられることが出来ないのが残念だが。
「あっ、咲夜っ」
「……どうしたの?」
「これから地下街に行くんだけどさ、一緒に行かない?」
「地下街?地底かしら」
地下街と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは地底である。
異変を起こしておいて知らないでいろという方が無理があるだろう。
「地底って……まあ、そういってもいいけど地下街よ、地下街。地下に街があるの。行ったことない?」
「ないわね……へぇ、行くわ」
「おっ、咲夜が乗った!」
「別に普段は興味がないから行かないだけで、興味があればいくわよ……」
この前買った、ポケットに入るサイズのコンパクトな財布を手に取って、ベッドに置いていた懐中時計を首から下げた。そして、セーターの裏へと隠す。
「それじゃ、行きましょう」
「ええ」
カラオケに行ったら母のおかげで頭から某逃げ○の……あの一文字のやつ。が頭から離れません。
本当はこんごーさんだしたかった。
けど、まあ彼女の出番はまだなのです。
8巻まで待っていただきましょう。
今回はオリジナル要素の多い回でしたね!スランプは書いて消して書いて消してが多いのですが、ここまで持って来ればいいという目標しか定められていなかったのでさほど多くはありませんでした。
次回もよろしくお願いいたします!
感想などお待ちしております。