6巻ラストまで駆け抜けます!オララララ!!!!
出てみると、そこには美琴しかいなかった。
「インデックスは?」
「再会早々それなの?さっき、スフィンクスとかいう猫が振動に驚いて逃げて、それを追っていったわ」
重要度で言えば、インデックスはもちろん、学園都市第三位、超電撃砲の御坂美琴も重要だ。
だから、美琴が襲われる可能性も十分にあるのだが……
私だったら、電撃使いよりも魔術を使えない禁書目録を追う。それに、美琴は何もできないインデックスより桁違いに強い。
私は氷華と顔を見合わせ、美琴の行った方へと駆け出して行った。
「ちょっ……咲夜!?」
美琴の驚きの声なんて、無視である。
ふと、私とともに走っていた足音が止まった。
「……氷華?」
まさかバテたとでも言うんじゃないだろうかと近寄ってみるが、彼女は俯いている。
「……咲夜さんは」
ボソリ、と彼女は口を開いた。
「咲夜さんは、人間ですよね?」
いきなりの質問に、私は少しびっくりした。
「ええ、そうよ」
「……じゃあ、私だけが行きます。石像の怪物には、同じ怪物が立ち向かえばいいんです」
「なにを、言ってるの?」
彼女は私の顔を見上げて笑った。
「咲夜さんは、『私も人間じゃない』と言いました。それでも、本質は人間のはずです。人間の中の能力者と言えるはずです。……けど、私は違う。だから……同じ怪物が怪物の相手をすればいいんです」
「なにを言ってるの」
「……私は怪物で幸せなんです。こうしてためらいもなく、怪物に立ち向かえる。あの子も咲夜さんもいる世界を、何かから守れるかもしれないんです」
それがあの石像だけではないとしても、と氷華は付け足した。
そして、彼女は笑うのだ。
「けど、あなたがいろんなものに立ち向かったとして、今の姿で戻ってこれるかどうかなんて______」
「わかるんです」
「え?」
「私は怪我をしても、痛みを感じないし死なないって。咲夜さんに言われて思い出しました」
結局は彼女の身体は彼女のもので、私のものではないのだから、彼女の自由にはなからさせるべきだったのかもしれない。
そんなにも私の中に彼女を巻き込みたくないという感情があるのなら、そもそもこの外に連れてこなければよかったのだから。
しばらくの沈黙の後、私は音に気がついた。
いや、今までも気づいてはいたのだが、目の前のことに集中していて後回しになっていたのだ。
不意に私は気づいた。
まるで、あの石像のような何かが動く音に。
「!!!」
音のする角を曲がったところで、私はすごいものを見た。
「
インデックスが、抵抗している姿。
きっと彼女の脳に凝縮された知識が、彼女に魔術への対処を教えているのだろう。
私たちが吸血鬼狩りのときに、彼らに気配を察知されぬようにうまく相手の妖力に自分の霊力を入り込むやり方とどこか似てもいた。
私は時を止めてインデックスへと駆け寄る。
インデックスと猫に同時に触れると、セピア色の世界に気づいたインデックスが振り返った。
「咲夜!」
「すごかったわ」
「みてたの?」
彼女曰く、あれは
氷華とは別方向に逃したので、気づいてはいないと思う。
そして私は……石像の時を止めた。
氷華がきょとんと私をみる。
「どうせ壊したところですぐ復活するもの。シェリーが一体しかこの石像を作らなかったあたり、その辺には制限がついてそうだしね」
「シェリー?」
笑って私は下を見た。
地下に残った不幸で幸運なあの少年は、まだ私たちの前に現れていない。
「ただ、私が動きを止めたことで新たに別の石像を作る可能性もあるけど……」
大丈夫よね?と問えば、彼女はゆっくりと頷いた。
止まった石像から音がなくなり、地下から何かが聞こえるようになった。これもお嬢様の元に飛んでいけるように鍛えられた耳のおかげだと思う。
すぐ近くに入り口を見つけ、私はその中に飛び込もうとして________こちらを見る氷華の存在に気づいた。
「氷華、あなたは私が人間だと言ったわね」
「はい」
「じゃあ、質問。能力は、一人何個まで?」
へ?と氷華が首を傾げ、当たり前のように『ひとつ』だと答えが返って来た。
「そうね。それで、私の能力は?」
「時間操作、ですよね。違いましたか?」
「あってるわ。でもね、私は空も飛べる。化物と怪物の秘密よ?」
彼女はさっき、自分は怪物だと言ったが、なら私は化物だ。
「……咲夜さんはもっと冷たい人だと思ってました」
氷華は笑って、そう言った。
「何言ってるの、私は冷たいわよ」
「そんなことないです。あなたは、優しいですよ」
『ね?』と首を傾げられてしまい、何も言う気が起きなくなってしまった。
私はそれがくだらなくて思わず失笑した。
「だから、あなたは今から行くというんでしょう?目的もわからない、どんな被害がでるかもわからない相手を、私や彼に任してられないから」
「あら、一人じゃないわよ。地下には当麻がいる、地上にはあなたがいる。それからあんなわけのわからないものに私が執着するのは、楽しそうだからなの」
二人を守りたいと心から思うのなら。きっと、もっと最善のことがらがあったはずだ。
「……今はそれでいいです」
そう彼女が言い、私は地下へと、正確には当麻の元へと飛んだ。
色々と咲夜さんがいることでわけのわからんことに。
明日も投稿ありますのでよろしくお願いいたします。ついでに明後日もあります。