とあるメイドの学園都市   作:春月 望

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どんどんながくなってゆく。


インデックスの素性と上条当麻の能力

「……そう。じゃあインデックス、あなたはなぜ追われていたの?」

 

私がそう聞くと、インデックスの顔が一気に硬ばった。

なぜそれをしっているのかと言わんばかりのその表情は入ってくるなと訴えてくる。

 

「えっとね、私がここにいた理由、わかる?」

「……わかんない」

「あなたを追いかけたから。いきなり殺気を感じたら、気になるじゃない?そしたらあなたを見つけたのよ」

 

誰でも気になるでしょう?と私は言ったが、何言ってるんだ的な視線を当麻に向けられた。

ちなみにインデックスは、不審なものを見るかのような目だ。

 

「……殺気が楽しそう?」

「ええ、なんか楽しいことが待っていそうでしょ?」

 

殺気を感じたらワクワクするのは私だけではないと思うのだが。

そうじゃなくても、恐怖心が楽しくてたまらないという人もいるだろう。

 

「いやいや、普通は怖気づいて逃げるでしょ……なに?咲夜はそういうの好きなの?」

「好きってわけじゃないけど……刺激のない一週間を過ごしていたら、それぐらいの刺激は貴重なのよ」

 

常盤台での生活は楽しいが、こういった刺激も実にいいものだ。

まるで、図書館に盗みにくる魔理沙(まりさ)と弾幕ごっこをする時みたいな。

 

「……そういうものなのか?」

「ま、人によって違うかもしれないわね……で?インデックス、そろそろ質問に答えてくれる?」

 

ああ、うん。と、インデックスは頷いた。

 

 

「魔術結社」

 

 

すると当麻がぽかーんと口を開けたまま止まった。

 

「……じゃあなんで狙われてるの?」

「私が、一〇万三〇〇〇冊の魔道書を保有する禁書目録(インデックス)だから。だと思うよ?」

 

一〇万三〇〇〇冊?

私は眉をひそめ、当麻は更に更にひそめた。

 

「そんなの、どこにあるの?どこかに結界でもはってあるのかしら。まさか頭の中とか言うんじゃないんでしょうし__」

「そのまさかだよ。私の頭の中にある」

 

……完全記憶能力、といったところだろうか。

人里の稗田(ひえいだ)阿求(あきゅう)が代々所有している能力だと聞いたことがある。

 

「咲夜も当麻も、あまり知らないかもしれないけど、この世界には数え切れないくらいの魔道書があるの。一〇万三〇〇〇冊なんて可愛いものなんだよ」

 

まあそうだろう。

紅魔館には、パチュリー様が誰に見せることもなく保管してある魔道書が100冊はあると聞く。

それが世界中にばらまかれているとしたら、どれだけの数になるかわからない。

 

「……ねぇ、超能力ってそんなに素晴らしいの?」

 

いきなりの問いに、私も当麻も戸惑う。

私は最近来たばかりのこともあるし、この時を止める力も天然ものだからわからないのだ。

 

「うん、でも。それが、心の支えになってる人がたくさんいるから多めに見てやってほしいかな。インデックスも、魔術を批判されたくないだろ?俺もまだ信じてないけど」

 

しかし、インデックスはまだ納得してないような顔で、今度は別の質問を投げかけた。

 

「じゃあ、ふたりはどんな超能力持ってるの?」

「……私は時を操るわ。天然ものだから、どういう理論なのかも、これが科学的なものなのかもわからないけどね」

 

私は一度時をとめ、インデックスに急接近するとまた進めた。

 

「わっ!……瞬間移動(テレポート)じゃないの?」

「違うわ。時を止めて移動しただけよ」

 

インデックスは素直に驚いたようだ。

まあ、魔術でこれをするには下準備が必要だったりするのだと思う。

 

「咲夜のって、天然なのか?」

「ええ、生まれつき持ってるわ」

 

当麻はそうは思わなかったと苦笑いした。

 

「じゃあ、当麻は?」

「……俺?」

 

そういえば、当麻はなんの能力なのだろう。会ったのは一週間前の出来事で、聞く意味もなかったので聞いていなかった。

 

「俺のも咲夜と同じで天然……って言っても、無能力扱いなんだけど。この、右手は異能の力を打ち消せるんだ」

「「はい?」」

 

当麻は超能力による電撃だろうと、炎だろうと、神のご加護だろうと、己の右手が触れれば打ち消せるという。

 

「俺は幻想殺し(イマジンブレイカー)って言ってるけど、詳しいことはなんもわかんねぇんだよなぁ」

 

……と、いうことは、私の時も……

いや、そんなことはない。私が止めている時、当麻はセピア色__つまり、時が止まっていたのだ。

一応、私は再び時を止めてみた。

セピア色に染まった世界__の中で、私は当麻の右手へと視線を向ける。

 

「!?」

 

そこだけ、肌色だった。

 

私は恐る恐る、そこに手をかざす。

 

ぱきっ。

 

そんな音とともに、セピアの世界が崩れた。

 

「えっ、あっ、ちょっ……サクヤサン!?!?」

「……本当のようね」

「え?」

 

先ほどの割れるような音は、おそらく私の能力を強制的に解除したのだろう。

 

「こんな理解不能な能力、初めてみたわ。ほら、インデックスも何か持ってないの?」

「えーー?」

 

インデックスは少し悩むと、ぽんっと手を叩いた。

 

「そうだ、これ。これはね、歩く教会って呼ばれてる、防御結界なんだよ。剣で突かれても、銃で撃たれても、決して傷つかないの」

 

ふうん、と私は銀のナイフを取り出す。

 

「ちょっ!?」

「なら、刺しても大丈夫なのかしら?」

「うん、刺してみる?」

 

私はインデックスに向かってナイフを投げた。

当麻の止める声が聞こえるが、私は気に止めることをしなかった。

ナイフはすぐに跳ね返り、床に落ちた。

これだけ簡単に落ちたということである。

 

「あら、本当ね。すごい防御だわ。じゃ、これを当麻が触ってみなさい」

 

しぶしぶ当麻が肩に触れるが、何も起きない。

……ことはなかった。糸がみるみる消えていくが、ふたりとも気づいていない。

私は魔術を知らないので再びかけることは出来ないが__

 

「ほおら、なんも起きないでしょ?」

「だ、だな」

「__起きたわよ。インデックス、もうこの服に結界の力はないわ。糸がみるみる消えていってたもの。あのままだと、あなた素っ裸になってたわよ?」

 

え?とインデックスが素っ頓狂な声をあげる。

 

「私が縫い合わせたの。でも、気をつけることね」

 

私はそういって、ベランダの窓を開けると時を止めて空を舞った。

楽しかったが、少々飽きた。常盤台に戻って美琴や黒子と話すことにしよう。

そして、ベランダの真下まで降りると時を動かす。

二人が慌ててベランダを見下ろすので、私は軽く手を振ると女子寮へと足を向けたのだった。




今日は二回も出来ました!
明日はおそらく更新出来ませんが、朝かけたら書くつもりです。
投下するかは未定ですが。
一応テスト期間なもので、一日何時間かはテストに時間を割きながら、休憩時間にちょこちょこ進めて行くようにします。
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