Ciao! 腹黒ツッくん☆未来編   作:cibetkato

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ハイスペックな彼ら

 ツナ達と別れトレーニングルームから10年後の獄寺が戦闘訓練用にと作った嵐ルームに連れて来られた獄寺は、ビアンキを振り返る。

 

「ここを、未来の俺が?」

 

「ええ、それから・・・コレがこの時代の隼人と私が集めた匣兵器・SISTEMA C.A.I.。貴方なら、この時代の隼人が考えていたことがわかるのではないかしら」

 

 どさり、と目の前に置かれた袋の中にはたくさんの匣兵器が詰め込まれていた。それら全てが同じ意匠のものであることは一目見ればわかる。

 

「ふぅん・・・まずは、見てみるか」

 

 獄寺は呟き、ひとつひとつ匣兵器を確認し始めた。

 

 

 ***

 

 

 一方、山本はリボーンに連れられて、トレーニングルームの下の階にある和室へと連れてこられていた。

 

「山本、まずは自主練でもやってたと思うが、匣兵器と炎と時雨金時の基本的な扱い方をマスターするぞ」

 

「おう」

 

「んじゃ、はじめっか」

 

 リボーンはそう言うやいなや殺気を山本にぶつけ、山本はそれに対抗するように殺気を放ち、匣兵器を開匣し雨ツバメを出し、時雨金時に雨の炎をまとわせた。

 

(俺の属性は晴れ、活性だ・・・山本の沈静とは正反対。さて、コイツがどこまで出来るようになったか、だな)

 

「ははっ、小僧・・・脇、がら空きだぜ!」

 

 リボーンが思考を巡らせたその瞬間を狙い、山本が雨の炎をまとわせた刃で斬り上げてくる。それを寸前で受け止め、リボーンはニヤリと笑った。

 

「・・・やるな、山本」

 

「小僧こそ、絶対に獲ったと思ったんだけどな」

 

 ピリピリと刺すような殺気はそのままに、笑みをうかべられる山本は間違いなく“ホンモノ”だった。

 

(ツナ、悪りぃ、山本は俺が何もしなくても“らしく”なっちまうかもしれねーぞ)

 

 それはそれで「あっそう」なんて言って納得してしまうかもしれないが。

 

 一応、心の中でそんな風に言い訳してから、リボーンは山本との修行を再開した。

 

 

 ***

 

 

「・・・リボーン、一言言って良いかしら?」

 

「リボーン、話がある」

 

 修行から帰ってくるなりほぼ同時に美女2人から詰め寄られて、リボーンはニヒルに笑った。どうせ、ツナや獄寺が何かをやらかしたのだろう。

 

 そんな想像がつくくらいにはあの2人との付き合いも長くなってきた。

 

 いや、むしろ自分の後ろにいる“化け物”レベルの剣士にも同様のことが言える。なにせ、今日一日だけでリボーンが目標としていたレベルに到達してくださったのだから。

 

 ボスがボスなら部下も部下である。

 

「なんだ?」

 

「・・・明らかに、隼人のスペックが違いすぎるわ・・・一体“アレ”は“誰”なの?」

 

「沢田もだ。・・・オレの知る沢田の戦い方にまだまだ足りないなんて思っていられたのは一瞬だったぞ!?すぐにあのⅩグローブVer.V.R.を使いこなして、新技まで考え出してしまった」

 

「ほう・・・」

 

 やらかしたレベルではなかったらしい。コレは明らかに、やっちまったレベルである。

 

 何が違うかって?やらかした、は可愛い失敗的なアレで、やっちまったは取り返しがつかない失敗的なアレだ。・・・いや、失敗じゃないが。

 

 自分で自分にツッコミながら、リボーンは肩を竦めた。

 

「俺達は違う時間軸から来たって言ってるだろ?この時間軸の過去とはまるで違う過去を生きてきた・・・特に、ツナが、な。守護者がボスにつられるようにして強くなるのは、それだけボスがハードな生活をしてるって証拠だ」

 

「ハードな、生活・・・」

 

 ビアンキが困惑した様子で呟くと、ラルがリボーンを見下ろして睨む。

 

「どういう生活をしてきているって言うんだ」

 

「・・・こっちのツナがどんな幼少期を過ごしてきたのか知らねーが、"ウチのツナ"は、幼少期から刺客に狙われてそれを撃退してきた。それは"ヤラセ"である可能性が高いんだがな。更にはXANXUSとは妙な約束までして楽しそうにドンパチやりやがるし、最近じゃ隠してたはずのぶっ飛んだ本性も露わにして、俺の扱いまで雑になってきやがった・・・」

 

 途中から愚痴のようになってしまったが真実である。第一、こちらのツナや守護者達を知らないのだから、比べようもない。

 

 彼女達がここまで食って掛かるということは、現在のツナ達のスペックがこちらのツナ達をはるかに超えているのだろう。

 

 とはいえ、どういうことだ、と聞かれても非常に困る。なぜなら、リボーンだってどういうことだ?って聞きたいのだから。

 

 ツナが強いのは仕方がない。この世界を支配する何者かがツナにそうあれと望んで試練を与え続けているようだから。

 

 だが、獄寺や山本まで染められるように強くなったのはリボーンのせいではない。他の生徒と同じように修行をつけているだけで、獄寺や山本だけ特別なメニューを与えているわけではないからだ。

 

「つまり、だ。コイツ等のスペックが並外れてんのは、ツナに一番近くにいる分、影響が強いんだろ」

 

 そのうち、了平や雲雀も染められそうな気がしてならない。ランボはまだまだ周りの状況を理解するだけの知識はないし、骸は完成されてる部分もあるので措いておくとして、クロームは・・・たぶん、アウトだ。

 

「そんなに、違うものなのか・・・?」

 

 呟くラルだが、リボーンにとってはそれが通常の状態であるから、その困惑に同調することはできない。

 

 確かに違う時間軸といっても程度というものがある。様々な分岐点はあるものの、元々は同じ人間であって、ここまでのスペックの差が出来るはずもない。

 

 だからリボーンは思うのだ。

 

「俺達の時間軸は・・・一種の実験場なのかもな。ツナがどこまで強くなるのかを見るための」

 

 だとしたら、それを企む者は、ツナに何をさせたいのだろうか・・・?

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