Ciao! 腹黒ツッくん☆未来編   作:cibetkato

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それぞれの調整 山本・獄寺編

「小僧、で、俺に見せたいってのは?」

 

「こいつだぞ」

 

 じゃんっ、という音が聞こえそうなノリでリボーンが取りだしたのは、『剣帝への道 COMPLETE BOX』と書かれたものだった。

 

「剣帝って、確かスクアーロがヴァリアーに入る時に倒したっていう・・・」

 

「よく覚えてたな。これは、そのスクアーロが2代目剣帝を名乗るために自分に課した100番勝負を納めたビデオなんだぞ」

 

「ほぉ~」

 

 しげしげとそのビデオを眺める山本に、リボーンはニヒルに笑って言う。

 

「スクアーロは、お前の剣の才能を見抜いて買っていたからな・・・野球に熱を入れてるお前を剣の道に引きずり込むため、一勝負ずつ送ってきたらしい」

 

「ん?・・・じゃあ、こっちの未来じゃ、俺は野球メインなワケだったんだな」

 

「そういうことだな」

 

「まぁ、確かにプロや大リーグを目指したいって気持ちが無いって言ったらウソになるけどなぁ・・・ツナと一緒にいたいってのも間違いないし。

 そもそも、ちょっとでも目ェ離したら、XANXUSとイチャついてっから、安心して傍を離れられねーんだよなぁ・・・」

 

 ごもっともである。

 

 思わずリボーンも同意してしまうが、それはそれ、これはこれ、である。

 

「まぁ、このビデオはスクアーロの技術の全てが映ってると言っても過言じゃねェからな。俺じゃ教えられねェ剣士の世界ってのは参考になるだろ」

 

「ああ、これで俺の技の幅も広がるのな。こっちのスクアーロも強いんだろうし、楽しみだぜ!」

 

 そう言って、いそいそとビデオをセットする山本に、リボーンはフッと笑みをうかべた。

 

「それを見終わった頃、抜き打ちの最終試験をしに来るからな。俺に一太刀でもあびせられれば合格だぞ」

 

「おう!絶対に一本獲ってやるからな!」

 

「・・・・・・お手柔らかにな」

 

 その一本で重体とかは避けたいものだ。それだけ山本の成長が早い、という事なのだが。

 

 そういう意味では、同じく成長著しい獄寺の相手を任せたγには申し訳なさもちょっぴり感じているリボーンなのだった。

 

 

***

 

 

 一方。

 

「さて、SISTEMA C.A.Iの調整に付き合ってもらうぜ、γ」

 

 嵐ルームにやって来た獄寺とγは互いにリングと匣兵器を装備の上で向き合っていた。

 

「・・・ああ」

 

 獄寺の言葉に応じるγの顔色は良くない。

 

「獄寺ー、頑張るんだもんね~」

 

「隼人兄ィ、頑張って!」

 

「隼人、頑張りなさい」

 

 モニタールームでの観客はランボとそのお世話係を任命されたフゥ太、そしてビアンキである。

 

 ちなみに、γ側の応援をするはずの太猿と野猿は、獄寺の「お前らも調整手伝え」の一言で、参加者となってしまっており、現在γの後ろで真っ青な顔をしている。

 

「瞬時武装換装システム、SISTEMA C.A.I・・・Inizio di dovere(任務開始)」

 

「チッ、やるしかねーか・・・一応、ミルフィオーレの6弔花と呼ばれてた身だ、そうそう簡単に中学生に負けてはやれねーんだよ!!・・・開匣!!電狐!!」

 

 バリバリと激しい電撃に類似した炎をまとう狐が2匹、γの両脇を守る様に立つ。

 

「電気ギツネかよ・・・見た目は凶悪だな」

 

 しかし余裕の表情を崩さない獄寺は、パズル匣ともいえるSISTEMA C.A.Iを順番に開匣していく。

 

「・・・その異様な形状と怪しい装飾・・・イノチェンティのオリジナルか・・・大層な兵器を手にしたもんだ・・・鬼に金棒どころのレベルじゃないだろ・・・」

 

 ぼそりと呟くγに、太猿と野猿は激しく同意した。

 

 γはまだ1、2回、しかもSISTEMA C.A.Iの解析に手間取っていた獄寺が、とりあえずと嵐猫の瓜(命名は獄寺自身)を使った戦闘を行っていた際にしか相手を務めていない。

 

 しかし、太猿と野猿は、SISTEMA C.A.Iを完全装備した獄寺の相手を何度かさせられているので、その凶悪さはγの電狐のウン百、ウン千倍だと感じている。

 

「来いよ、γ」

 

 ニィ、と笑った獄寺がγを促す。

 

 獄寺の匣兵器の真価は、防御をしながらの怒涛の攻撃、なのである。

 

「・・・行くぜ!!」

 

 γは覚悟を決め、もう一つの武器であるキューを握り直し、雷の炎をまとった9ボールを打ち込み、電狐を特攻させる。

 

 ドガがガガガ!!!

 

 ボンゴレの嵐の守護者のお株を奪うような怒涛の攻撃に、初めて獄寺の戦闘を目にしたランボとフゥ太はギョッとして息を呑んだ。

 

 バチバチと雷の炎が辺りに飛び散り、攻撃の激しさがモニタールームにまで伝わってくる。

 

「は、隼人兄ィ・・・」

 

 思わず腰を浮かせたフゥ太だったが、ビアンキが落ち着いているのを横目で確認し、おずおずと席に腰を落とす。

 

「・・・やったか?」

 

 しかし攻撃した本人であるγはイマイチの手ごたえに、キューを構えたまま爆発による煙が晴れるのを待つ。

 

「――的、・・・3800、――%・・・」

 

 カチ。

 

 それは本当に小さな音だった。

 

 だが、長年の経験から、その小さな音を耳で拾ったγは太猿と野猿を振り返る。

 

「お前等!とりあえず避けろ!!」

 

 2人に警告したγ自身も予期した攻撃をくらわないように雷のバリアを張る。

 

「γ兄貴っ、それダメ・・・っ!」

 

 それを見た野猿が叫ぶ。

 

 獄寺の攻撃は単純に“分解”の能力を持つ嵐の炎の攻撃ではない。彼の真の恐ろしさは、その身に流れる“5つの波動”なのである。

 

 ジュッ!

 

「ッ!?」

 

 属性一の硬度を誇る雷の炎のバリアを容易く破った獄寺の攻撃は、そのままγの顔の横をすり抜ける。

 

 ツ、と頬を伝う血を指で拭い、γは目を見開く。

 

「・・・マジかよ」

 

 確認できたそれは“沈静”の雨の炎をコーティングした嵐の炎。

 

 2種類以上の炎を実戦で使いこなすには、生まれ持ったセンス・器用さと相当の訓練が必要だ。

 

「それだけじゃないぜ!」

 

 間髪を入れずに撃ち込まれる攻撃には、“活性”の晴、“増殖”の雲、“硬化”の雷が“分解”の嵐の炎に組み込まれ、それはもう、凶悪な効果をもたらしてくれている。

 

「マジかよ!!!」

 

 本日2度目の叫びをあげたγは懸命にその攻撃を避け続け、反撃の隙を狙った。




 思ったよりも手間取る、戦闘シーンでした・・・↓↓↓
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