そんなわけで守護者を探しに出たツナ達、森の入り口ではなく廃工場のある入り口から出たその瞬間、爆風が3人を襲った。
「え、ナニゴト?」
「敵襲だな・・・ランボ達が見つかったかもしれねー」
山本の表情が途端に厳しいものに変わった。
「じゃあ、助けに行かないと・・・!」
率先して走りだしたツナに続いて、山本も獄寺も走る。
***
「京子さん!ハルさん!こっちです!!」
「急いで!」
そこにいたのは山本の予想通り、10年後のランボとイーピン、それから・・・。
「はひ・・・京子ちゃん、大丈夫ですか?」
「う、うん」
少し大人っぽくなった京子とハルの姿があった。
「ランボ!イーピン!」
「あ、ツナさん!」
「ボンゴレっ!」
駆け寄ってくるランボとイーピン目がけて、何らかの攻撃が放たれる。
ブォウッ!
その攻撃が拡散されたエネルギーに吹き飛ばされる。
「どーっスか?この赤炎の矢(フレイムアロー)の威力は」
「いつの間にか命名してるし・・・でも、助かったよ、隼人」
「いえ!今は敵の攻撃を吹き飛ばしましたけど、コレ、口を絞れば攻撃にも使えるみたいっス」
「だね」
「はひ、ツナさんに獄寺さん・・・やっぱり、来てくれると思ってました!!」
「ありがとう!ツッくん、獄寺君!」
(ツッくんって母さんみたいな呼び方だぁ、そんなに親しくなったのかなぁ?)
「・・・ううん、京子ちゃんもハルも無事で良かった」
微笑むツナを嬉しそうに見つめていたハルが突然首を傾げる。
「アレ?・・・ハル、何だかおっきくなったみたいです」
「っていうより・・・ツッくん、なんだか幼くなった感じ・・・」
どうやら10年前から来たツナだとは思ってもいないようで、混乱している2人の腕を取りツナは自分の背後に隠す。
「それは、こっちが片付いてから、ね?」
山本も獄寺もその存在から視線を逸らすことなく、ツナの傍に寄る。
「オイラの攻撃を吹き飛ばした奴、誰だ!?・・・せっかくの獲物を――!!」
「落ち着け、野猿」
炎をまとったブーツで空を滑空する、揃いの黒の服を着た男達。
「ミルフィオーレのブラックスペル!」
そう呟く山本の表情は険しい。
「山本・・・」
「まだお前らは匣兵器同士の戦いに慣れてない、ここは俺に任せろ」
そう言った山本が取り出した匣兵器をピンッと弾いたその瞬間、ツナと獄寺以外の全員がボフンと煙に包まれる。
「ねー、隼人ぉ~・・・ヤな予感するんだけどー」
「同感っス」
こんな時に、素人ばっかり揃ってどうすんのさ!とツッコミたい。
せめて、10年後山本ぐらいは残って欲しかった。それがツナの本音だ。
あきらめの表情で晴れていく煙を見つめ、想像通りの姿を認めるとツナと獄寺は揃ってため息をついた。
「せめてこいつらを追っ払ってからにして欲しかったなぁ・・・」
「全くっスよ・・・」
「あれー・・・ツナと獄寺?別々に小僧を探してたはずなのに、なんで一緒なのなー?」
キョトンとこちらを見つめる山本はまぎれもなく、自分達と同じ過去からやってきた山本だ。と獄寺は確信する。
なぜなら、ツナにはわからないように腹黒ーい笑みをうかべて、こちらを牽制してくるから。
「周りをよく見やがれ、野球バカ。10代目に合流したのは確かに少し前だが、ここは俺らの知る並盛じゃねぇよ」
「・・・ありっ?」
今更ながらに気づいた山本は辺りを見回し、凄まじい殺気を感じてそちらに視線を向け―――呆気にとられた。
「おー・・・ツナ以外であんな風に空飛んでる人間見たの、俺、初めてだ」
((え、そっち!?そっちの感想!?))
やっぱり少しずれている山本だった・・・。
「てめーら!オイラ達を無視すんじゃねーッ!・・・太猿兄貴、あの嵐のヤツは俺がもらうからな!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる野猿が握る大鎌に嵐の炎が再び宿る。
「なら、しっかりやれよ、野猿」
「10代目、ご指名のようなので、あいつは俺が」
「うん、よろしくねぇ、隼人・・・俺はあっちのゴツイのをヤるから」
「は、はい・・・」
“ヤる”というツナのセリフが“殺る”に聞こえて、獄寺はふるり、と身震いする。戦うことを厭うツナにしては珍しく殺気立っている。
おそらく未来の自分が殺されただけでなく、知人や友人達が大勢殺されているせいだろうと結論付けると、自分の相手に集中する。
「武達はここで待機ね、こっちに来て間もないし、後でちゃんと説明するから」
「ああ・・・わかったのな」
山本は頷き、京子達をかばうようにしてその場から少し離れた場所に立った。
それを横目で確認し、ツナは敵と向かい合う。