覚醒紅魔郷   作:ジャックハルトル

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フランちゃん登場!

ミスティアが可愛いです、個人的には。
むしろみんな可愛いですなwww

ではお楽しみを


第16話・狂気の出会い、始まる異変

 

 

 

恭介とミスティアの二人は、とりあえずパチュリーを迎えに行く事にしたので図書館に向かっている最中だった。

 

「それにしても、ミスティアとは久しぶりに会った気がするな」

 

「お互いが別の仕事やってるからね、恭介の仕事が他のサポートって時点で、私と咲夜の下に来るのが少ないから、仕方ないわよ」

 

「寂しかった?」

 

「私よりもルーミアの方が寂しがってるわよ、中々会いに来てくれないってね」

 

その言葉を聞いた恭介はニヤーっとした表情に変わると、ミスティアを弄る事にした。

 

「あれあれ?『私よりも』って事は、ミスティアも寂しかったんだろ?

いやー、素直に『寂しいの…私を抱いて』って言えば良いのにー、みすちーったらツ・ン・デ・レ・さ・ん ♪ 」

 

「う、うっさい! あんたこそ寂しかったんじゃないの!?」

 

「そりゃ寂しかったけど?」

 

「ーーーーーーっ!!」

 

どうやらミスティアには効果抜群の台詞だったらしい。

顔を真っ赤にして恭介から顔を背けているが、耳まで真っ赤なのでどの道恥ずかしがっているのがバレバレなのがミスティアらしい。

 

「いや、その、なんだ……本心には違いないんだけど、そこまでクリティカルな反応されるとガチで嬉しいな」

 

「何よ! 悪い!? はいはい、嬉しかったですよーだ。

でもあんたが悪いんだからね! そんな歯の浮くような台詞をなんの恥ずかし気もなく…」

 

「とは言っても、寂しくない訳がないからなぁ…」

 

「他の人と一緒にいるときでも?」

 

「ん〜…まぁそうだな。その時がつまんないって意味じゃないけど、やっぱり心のどっかでミスティアやルーミアに会いたいってのはあるかな」

 

「へ、へぇ〜…そうなんだ……」

 

恭介は別に鈍感という訳ではない、現にこういう時は、悪ふざけを一切せずに答えている

時点でミスティアの事を真面目に考えているんだろう。

二人はしばらくの間、無言のまま紅魔館の廊下を歩いていく…カチャカチャと、食器の鳴らす音だけが響いていく。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「あの…ね?」

 

最初に沈黙を破ったのはミスティアだった。

 

「ん?」

 

「多分、私は恭介の事が好きなんだと思う」

 

「唐突だな、嬉しいけど」

 

「でもね、これは恋愛感情と言うよりも家族に向ける情ってのに近いと思うの。

多分、私だけじゃなくてルーミアも似たような感じになってるんだと思うわ」

 

恋愛感情ではない、そんな事は最初から分かっていた。

二人から……どころか、この紅魔館の住人から向けられる感情のほぼ全てがそれに近いものになっているのを、変に賢い恭介が勘違いする事はなかった。

 

「だろうな、唯一恋愛感情に近いものを向けてくれているのがパチュリーになるかな、勘違いだったらめっちゃ恥ずかしいけど」

 

以前、パチュリーから好きだと言われた。

もちろんそれだけが理由ではない、彼女だけが『愛』という言葉を使ったのが大きな理由の一つだが、それも恭介の発言に合わせてかもしれないので、直接聞いてみなければ本人以外は知る由もない。

 

「へぇ…パチュリーさんがねぇ、どうなの?

恭介は」

 

「いや、普通に考えてみろ、あんなに良い嫁は中々いないぞ。

頭はいいし気立てもいい、優しさもあって厳しさもある。

身体が弱いのは可哀想だけど、俺の能力があれば多少は楽にしてやれるしな」

 

「えらい高評価じゃない。

でも確かにそうね、そういう面で言えばアトラスさんも良妻候補ね。

あんなパーフェクトな人材、私は見た事ないわよ?」

 

「でもアトラス先輩は俺の事を弟って感覚で見てるっぽいから、嫁となったら望み薄だろうなぁ…スカーレット家命だし」

 

「そんなもんなの?」

 

「そんなもんなの」

 

「と、もう図書館に着いたか」

 

どうやら話が弾み過ぎたため、図書館に到着したのを気づいていなかったらしい。

とりあえず図書館の扉を開けると、いつものように専用の机に座って読書をしているパチュリーと、その横で静かに佇んでいる小悪魔がいた。

 

「あっ、なんの用よゲロカス野郎」

 

「いきなりな挨拶だなおい」

 

「コラ、口が悪いわよ小悪魔」

 

出会い頭の罵倒を聞いたパチュリーは、あまりの口の悪さを注意する。

小悪魔も、さすがに言いすぎたと思ったのか、パチュリーに向かって謝る。

 

「ごめんなさい、パチュリー様……」

 

「はぁ…私じゃなくて恭介に謝るべきでしょ? まぁいいわ。

それで、恭介とミスティアは朝食を持ってきてくれたの?」

 

「おう、すげぇ美味かったから期待して食べてくれよな」

 

パチュリーわ微笑みながら頷くと、椅子から立ち上がり恭介達に向かって歩いてきた。

 

「それじゃ、行きましょうか」

 

「フランって子のところに向かうの?」

 

「あら、ミスティアも知ってたのね」

 

「咲夜から話には聞いてたからね」

 

「なるほどね…小悪魔も行くわよ」

 

その言葉に反応し、パチュリーの横に付き従う。

やはり契約者には絶対の服従を誓っているらしいが、本人も満足しているのを見ると、お互いに文句のない関係らしい。

 

「フランは地下にいるわ、貴方達も一緒に行くのだろうから先に注意しておくけど……くれぐれも、自分が強い存在だというようにアピールしないでちょうだい」

 

「なんかあるのか?」

 

パチュリーのただならぬ雰囲気に、聞き返したのだが、その答えは更に恭介とミスティアを驚愕させた。

 

「下手をすれば殺されるからよ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

地下室は図書館からあまり離れてはいない。

これは、暴れ出す事のあるフランをパチュリーの魔法で抑えつける為にそうされたらしい。

 

「ここが地下室?」

 

「結構暗いな…妹様ってのは暗くて狭い所が安心するタイプなのか?」

 

「それよりも、そろそろ扉を開けるので注意して下さいね」

 

パチュリーと小悪魔の対応は、まるで猛獣を管理しているように見えた恭介は、どこか寂しい気持ちになった。

 

コンコンッ

 

「妹様ぁー、朝食の用意が出来ましたー、今日は一緒に食べるって約束してたので、入りますよー」

 

「はーい!」

 

扉の向こうから元気な声が聞こえてきたと思ったら、壊れんばかりの勢いで扉を開け放った女の子が中から現れた。

 

「おはよう!パチュリー、小悪魔!」

 

「おはよう、フラン」

 

「おはようございます、妹様」

 

笑顔で挨拶をしているフランドールはパチュリー達の後ろに控えている二人に目をつけた。

 

「あっ、貴方達がお姉様の言ってた新人ね!

名前はなんて言うの?」

 

「神城 恭介って言います、フランドール様」

 

「私はミスティア・ローレライと言います」

 

「もーー! 敬語なんて使わないで楽に話してよぉ! そんな話し方されても肩が凝るだけだよ? あ、私の名前はフランドール・スカーレットだよ!」

 

プクーっと頬を膨らませるフランドールは、本当にレミリアの妹なんだなぁ…と思わせられる。

 

「ま、いいわ! 今から気をつけてくれれば良いだけなんだから!

ほらっ、入って入って!」

 

催促された四人は、大人しく部屋に入っていった。

 

「すげぇ、何この部屋…」

 

「地下室なのに滅茶苦茶充実してるわね…」

 

二人の目に映るのは、絵本などが飾られた本土なや、豪奢なベットには大量のぬいぐるみが所狭しと置かれている。

 

「えへへ〜、凄いでしょ私の部屋ー」

 

「こりゃ引き篭もりたくなる気持ちも分かるわね…」

 

「むー!私だってトイレのときは外に出るよー!」

 

「充分引き篭もりだよ!」

 

フランドールの部屋にはある程度生活に必要な物の殆どが揃っていた。

家財道具一式はもちろんのこと、ぬいぐるみなどの愛玩道具、地下室なのでトイレや風呂などの水を使う物は置いてないが、まさにフランドールだけの為にあつらえられた部屋だった。

 

「まぁいいや! それよりその美味しそうなのはなぁに?」

 

「ホットケーキ作ったんだ、皆なで食べようと思ってな」

 

「恭介さんが作ったにしては美味しそうな匂いですからね」

 

「小悪魔?」

 

「ひぅっ、パチュリー様ぁ…」

 

非常に楽しい雰囲気になってきたところで、とりあえず食卓につく事にした。

円形の机に5人で座ると、恭介とミスティアは全員分のホットケーキを配り始める。

 

「これ、フランドール嬢の分な」

 

「美味しそう……ジュルリ」

 

「これがパチュリーの分な、糖分控えめだから安心して食っていいぞ」

 

「あら、嬉しい気遣いね、甘いものはちょっと苦手だったの」

 

最後に恭介は自分のを机に置いていつでも食べられるようにする。

 

「はい、小悪魔さん」

 

「いい匂いですね〜…ありがとうございます、ミスティアさん」

 

「で、これが私の分…あと、トッピングの素材も持って来たから自由に使ってちょうだいね」

 

テーブルに並べられていく様々な食材、チョコやホイップクリームなどが出てくる度に、フランドールは目を輝かせていた。

 

「んじゃま、いただきま〜す」

 

「「「「いただきます」」」」

 

 

各々が一口食べてから好き好きのトッピングを始める。

フランドールは甘々に、小悪魔はホイップを中心としたクリームミーな仕上がりに、 ミスティアはバターと蜂蜜のみのオーソドックスなタイプ、パチュリーと恭介は甘いのが苦手なのでバターのみで食べる。

みんなそれぞれ個性の出るトッピングをしているが、一口食べた感想は同じもの。

 

「フワッフワだね、咲夜のよりも好きかも!」

 

「言ってた通り甘さも控えめだし、これは素直に美味しいって言えるわね」

 

「流石ミスティアさんです!」

 

「恭介が作ったんだけどね」

 

「……美味しいってのは認めてやります…」

 

どうやら気に入ってもらえたらしく、全員がモグモグと食べきってしまうのに、そう時間はかからなかった。

無事に小悪魔とフランドールの心を掴んだ恭介特性ホットケーキを食べ終えたところで、恭介が話を切り出した。

 

「フランドール嬢ってさ、どんな能力を持ってるんだ?」

 

「私はねー『ありとあらゆる物を破壊出来る程度の能力』だよー」

 

あまりの強大な能力に驚愕を隠せない恭介とミスティア、とんでもなく強い能力とは予想していたのだが、まさかここまでだとは思っていなかったらしい。

 

「……とんでもない能力だな…」

 

「あっでもね、破壊出来ない物もちゃんとあるんだよ」

 

「例えば?」

 

「大き過ぎるものとかー、目に見えないものかなー?」

 

「あれか? 幻想郷とか、心は破壊出来ないって感じか」

 

「そんな感じかなー、でも人間くらいなら簡単に破壊出来るよ」

 

「うへぇ…フランドール嬢が味方でよかったよ…」

 

「でもね? 破壊するのにも体力いるし、大きさとかによっては時間もかかるからさー、あんまりやりたくないんだー」

 

やはり能力というのは相応のデメリットがあるのかもしれない。

恭介の場合は過剰な使用による死。

フランドールの場合はデメリットというよりも制限や条件と言うべきなのだろうが、それでもメリットにはなりえない部分があるようだ。

 

「なるほどね…俺の能力みたいに条件があるのか…」

 

「神城の能力ってなぁに?」

 

「あぁ、俺のはな…」

 

恭介が自分の能力を語りだすと、フランドールはそれをワクワクしながら聞いていた。

パチュリーはフランドールが変な気を起こさないかとハラハラしていたのだが……

 

「すごい! ねぇねぇ、私に使うとどうなるんだろう!」

 

「はぁ…やっぱりそう来るのね……

フラン、恭介の能力は使い過ぎると体への負担が大きいのよ、下手をすれば死んでしまう程にね」

 

「そっかぁ…じゃあしょうがないねー」

 

パチュリーから聞いていた印象とは違うフランドールの反応は、恭介にとっては素直な良い子であり、とても好ましいものだった。

 

「ごめんな、パチュリーが俺のために魔法を開発してくれてるからさ、それが終わったら…な」

 

「む〜、でもしょうがないよね、わかったよ!」

 

やはり素直に納得してくれるフランドール、レミリアに似て優しいのだろう。

引きこもっている理由は聞きにくいかったので、勝手に『外で嫌な事があった』のだろうと思っていたのだが、この様子なら心配いらなさそうだ。

と、そこでミスティアが話を切り出した。

 

「レミリアとの姉妹中はどうなの?」

 

「お姉様? 大好きだよー! この地下室もお姉様が色々揃えてくれたんだよ!」

 

「あー、妹には更に甘々なのか…レミリアらしいわね…」

 

「この前もね、私が外に出たい! って言ったら『準備するからもうちょっと待ってなさい』って約束してくれたの!」

 

「準備って……外に出れない理由でもあるの?」

 

相変わらずミスティアはズバズバと切り込んでいく、こういうところが頼もしい反面、いつか損をするのではないかと恭介はハラハラしている。

 

「うん、私達吸血鬼は陽の光に弱いから日傘がいるの。

それでも安心は出来ないから、お姉様が何とかしてくれるんだって!

でも、お姉様は凄いんだよ! 少しなら陽の光を浴びても大丈夫らしいの!」

 

「あぁ、その事なんだけど、後でレミリアからみんなに話があるらしいのよ。

私は既に聞いて了承しているのだけど……多少、人間にとっては良くない環境になるのよ、幻想郷全体がね。

紅魔館にいる限りは私が障壁を張るから大丈夫なんだけど……」

 

パチュリーはそこまで言うと、遠慮がちに恭介を見た。

人間に迷惑がかかる…という時点で恭介が了承する訳がない。

 

「まぁ確実な回答はキチンと聞かなきゃ答えられないけど、この館の住民がそれで幸せになるなら協力するぞ?」

 

「………人間にも迷惑がかかるのよ?」

 

「別に問題ないな、冷たいかもしれないけど

俺にとっては関係ない人達を一々気遣ってたら何にも出来ないしな。

俺は何処ぞの物語の主人公とか、正義の味方じゃないんだ。

身内が助かるなら俺はそれを全力でサポートする、今回はフランドール嬢のためにやるんだろ? 死人が出るとかなら反対するかもだけど、そうじゃないなら俺は気にしない」

 

恭介の反応はパチュリーだけじゃなく、ミスティアや、仲の悪いはずの小悪魔ですら予想外だった。

紅魔館の住人全てが恭介は優しい男だと何処かで認識していたからこそ、余りにも冷たい恭介の人間的な反応に驚愕していた。

ミスティアは今まで想像していた恭介との違いに、思わず聞いてしまった。

 

「もし、だけどさ……紅魔館と他の幻想郷の住民どちらかが滅ぶってなったら、恭介はどっちを選ぶの?」

 

死人が出るなら反対する、恭介はそう言っていた。

紅魔館の住人は妖精メイドを含めても50人に届かない、幻想郷の住民は無数に存在している。

その条件でなら恭介はどう答えるのか、どうしても気になっていしまった。

 

「え、紅魔館以外に選択肢なくね?」

 

「他の住民は全員死ぬのよ?」

 

「いや、紅魔館の住民が滅ぶくらいなら、俺は他の幻想郷住民を絶滅させたとしても、反省も悔いもないね。

むしろ、幻想郷が紅魔館に喧嘩を売ってくるなら、俺がレミリアに能力使って先に幻想郷を滅ぼしてもらうさ」

 

不謹慎かもしれないが、ここに居る全員が嬉しくなってしまった。

恭介から向けられるものは、歪んでいるのかもしれないが、確かに愛を感じられた。

 

「素敵! 素敵素敵素敵素敵素敵!!

いい! いいわね神城! いいえ、私は貴方を本当の家族にしたいわ! 今からあなたの事を

恭介と呼び捨てにする!」

 

「お、おぉう…そんなに食いつかれるとは思ってなかったな」

 

「でも、私とお姉様の声が似てるから間違えるといけないね! じゃあ私はあなたの事を

『恭』と呼ぶわね! 恭には『狂気』を感じられた、だから『恭』! 『狂』でもあるあなたにぴったりな呼び名ね!」

 

「おっ! 俺が狂気かどうかは分からんけど、その呼び名は気に入ったぞ、俺もフランドール嬢じゃ長いからフラン嬢って呼ぼうかな」

 

興奮が冷めないフランドールに、いたって普通の反応をする恭介。

彼等はきっと何処かが壊れているのかもしれない……ならば、完全に壊れないためにも、私達が守らなければいけないと、ミスティア、パチュリー、小悪魔の心は一つになった。

 

「恭介が了承なら、この計画はすぐに実行できる。

博麗の巫女はきっとここに攻めてくる、それでもあなたは構わないのね?」

 

「あぁ、説明会なんていらないくらいにな。

レミリア嬢に伝えといてくれよパチュリー

……『神城 恭介は紅魔館の仲間』だってな」

 

 

 

次の日、幻想郷は赤い霧に包まれた。

陽の光が届かない程の濃い霧に……

 

 

 




フランちゃんがそんなに狂ってる感じじゃないのはわざとですけど、彼女はちゃんと狂ってますよ。

みすちーの告白……いいですね〜、恭介爆死しろ! と言いたいですけど、愛の告白ではありませんね〜。

次回から異変に入ります。
恭介が加わった事で、異変や異変の終わりがどう変化するのかを温かく見守ってあげて下さいな。

ではまた次回! (・ω・)ノ
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