覚醒紅魔郷   作:ジャックハルトル

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オリキャラ一人追加しま〜す。
詳細な設定などは今後、設定を載せたときに見ていただけたら幸いですが、一つ言えるのは……作者の趣味全開です。


第4話・幼い月、控えるは狗と狼

 

 

 

 

「……よく来たな、御客人…我が名はレミリア…レミリア・スカーレットだ」

 

暗い部屋の奥に豪奢な椅子、そこには優雅に、そして堂々と座っている少女がいた。

恭介は先ほどの事もあって喋れずにいると

少女…レミリアが突然笑い出した。

 

「ふはははっ…いや、すまないな、我が発する気に当てられて喋る事も出来なかったか」

 

レミリアと名乗った少女は、絶対にこんな喋り方じゃないはずだ。

その証拠に、咲夜がレミリアに近づいて耳打ちしている。

割と聞こえる程度の声量で。

 

「お嬢様、『我』とか言うとキャラが軽く見られます(小声)」

 

「えっ、そうなの?早く言ってよね、咲夜(小声)」

 

何やらコソコソと話しているが恭介の耳にもハッキリと聞こえていた。

 

「えっと…助けていただいてありがとうございます、それで何か俺からお礼をしたいのですが…何分、外来人というものらしくて…」

 

「あ、あぁ、それは大丈夫だ」

 

「お嬢様その話し方なら大丈夫です」

 

「本当!?やったーー!ありが……」

 

「…………………」

 

レミリアに向けられる、ぬるぅ…っとし生温い視線。

レミリアから流れ出る冷や汗。

恭介と咲夜から溢れ出す下心。

 

「人間…神城、と言ったか?

今この紅魔館には従者が不足していてな…そこで一つ提案だ。

貴様には暫くこの紅魔館で働くという条件でならここに住まわせてやってもいい」

 

レミリアは先の失態を無かったことにした。

 

「 そうですね…」

 

恭介はこの幻想郷に来たばかりで衣食住どころかこの世界の常識なども備わっていないので正直かなり助かる提案だ。

だが……

 

「ルーミアとミスティアにお別れだけしてもいいですか?

あいつらにとっては、たった1日かもしれないけど世話になったんです。

その短い中で、俺はあいつらの家族になれたらって…人間と妖怪は相容れない存在かもしれないけど、それでも俺はあいつらを家族の様に思っていたんです!

だから、最後の挨拶だけでも…させて下さい」

 

「( ゚д゚)………ハッ。

ごめん、今意識飛んでたんだけど…なんて言った?」

 

「テメェェェェ!!俺がどんだけ熱弁したと思ってんだ!もういい、もう遠慮しねぇ!館の主だからって下手に出てりゃ調子に乗りやがって!!」

 

「で、恭介様の一番言いたいことは?」

 

「めちゃくちゃ恥ずかしかったよ!」

 

いやんいやんと顔を隠して腰をフリフリしながらもチラリとレミリアを見てみると…

 

「( ゚д゚)……え?なんて言った?」

 

「もうやだ、このロリ…」

 

「お嬢様…チャージしたカリスマが切れたのですね、お労しい…」

 

「で、咲夜さん…俺はどうしたら?」

 

「しばしお待ち下さい、チャージしてくるので…」

 

「あぁ、はい。

カリスマってチャージするものだったんだ…」

 

咲夜は恭介に、ニコッと微笑むとレミリアの方を向いて、しばらく見つめていた。

何をするのかと思って、咲夜を見ていると( ゚д゚)状態になっているレミリアの肩を揺らし始めた。

 

「お嬢様、お嬢様…(ユサユサ、ユサユサ)」

 

「( ゚д゚)…………カリ…スマ………」

 

「やはりチャージ分が無くなっていますね、仕方ありません」

 

すると咲夜は右手を思いっきり振り上げ…

 

ボゴォォ

 

「まさかのグーで行ったぁぁぁぁあ!!」

 

「はい、顔面にグーで行かせてもらいました(フキフキ)」

 

「血付いたの!?ねぇその人って主だよね!?」

 

「敬愛すべき主です」

 

「もうちょっと敬おう!もうちょっとだけでいいから!

その場のノリで殴らない程度には!」

レミリアさんも結局はピクピクしてるだけだよ!!」

 

「あらあら、カリスマをチャージし過ぎたみたいですね…過充電というやつですわ」

 

「違うよ!?カリスマってのは溢れ出すもので、外付け装置でチャージするものじゃないから!」

 

「………ニヤリ」

 

「確信犯だったーーーーー!!」

 

「ですが恭介様も、気を失っている女の子を見ると興奮するのでは?」

 

「それはある」

 

「では、問題ないということで」

 

「そうでしたね」

 

キリッとした顔で咲夜に同調した恭介は、きっと何処か壊れてるんだと思う。

一方咲夜はというと、レミリアの首根っこを掴んでそのまま部屋の奥にズルズルと消えていった。

 

「…で、結局どうすりゃいいんだよ…」

 

「今のうちにルーミア様達とお話をされてきてはいかがですか?」

 

「ぬおぉぉぉ!!…びっくりした」

 

「おやおや俊様、心臓が口から落ちましたよ」

 

ひょいっと地面から何かを拾う仕草をする咲夜。

 

 

「エア心臓拾い!?

いやもう、マジであんまりびっくりさせないで下さいよ」

 

「あら、それは失礼致しました。

それはそうと、先程の話しをして来ては?

 

「あ、咲夜さんはしっかり聞いてたんですね」

 

「もちろんです。

では他の者に案内させますので、扉の前でお待ち下さい、こちらもお嬢様のチャージが終わり次第、すぐにお迎えにあがりますので」

 

「ありがとうございます」

 

そう言い残して扉を出るとそこにはルーミアとミスティア、それと射命丸ではなく犬耳が生えた女の子がいた。

例に漏れず美少女である。

 

「おまたせ。

えっと…君は、誰かな?」

 

「は、はひ!せ、拙者は文先輩の部下で『犬走 椛』といいます!で、ですが、拙者は、い、犬ではなく狼なので!

よ、よ、よ、よろしくお、お、お願いします!

神城殿の名はミスティア殿とルーミア殿から聞いています!

文先輩は仕事があるので代わりに行けって言われて来ました!」

 

「…そんなに緊張しなくてもいいよ?」

 

「事前にルーミア達がお兄さんの事を教えておいたから、それで緊張しているのだー」

 

「おいロリーズ、いったい何を吹き込んだ」

 

「ロリコン、ド鬼畜、変態……どう?完璧でしょ」

 

凄まじい罵詈雑言だった。

恭介を褒める言葉が一つもないあたり、ミスティアの茶目っ気が出ている。

 

「完璧だよ、完璧に誤解される他己紹介だよ。

ミスティアてめぇ…後で乳揉……めなかったわ、ごめん」

 

「謝んないでよ!!」

 

「まぁ、ミスティアの乳が非常にミニマムって事は置いといて…みんなに話があるんだ」

 

「全部聞こえてたのだー」

 

「おいこら、誰が貧乳だ」

 

「お兄さんの恥ずかしい話も全部聞いてたのだー」

 

「えっ、俺の恥ずかしい叫びも?」

 

「おい、聞いてんのか、誰が貧乳だって?ん?」

 

「もちろん、全部って言ってるから全部聞こえてたのだー」

 

「…ねぇ、誰か反応してよ…貧乳じゃないもん…将来性に期待してるんだもん」

 

「マジか…じゃあ話はわかってるようだし、詳しい説明は省くけどそういう事になったんだ…短い間だったけど、今までありがとうな」

 

「ねぇ…もうあんな乱暴な口きかないからさぁ、せめて貧乳は否定してよ…」

 

「いいのだ、お兄さんの決めたことだからルーミア達が口出しするのは間違ってるのだ、まぁ…たまには遊びに来るかもしれないけど」

 

「もう貧乳でもいいから、無視するのだけはやめて…」

 

「…ありがとうな、ルーミア」

 

「…うぅ、うぇえ…ひっく、ぐすっ」

 

完全に心が折れたミスティア。

 

「あ、あの…拙者からも一つよろしいでしょうか?」

 

「あ、何か無視する形になっちゃってごめんな、犬走ちゃん」

 

「あ、いえ、拙者は初対面なのでそこら辺は構わないのですが…ミスティア殿があまりにも不憫で…」

 

泣き出したミスティアは体操座りになり、廊下の床に、指でのの字を書いていじけていた。

 

「もういいもん、所詮私なんて見えてないくらい薄い存在だもん…河童の作ったステルススーツみたいな存在だもん」

 

ステルススーツの存在を確認した恭介は、いつか河童の住処に突撃する事を心に誓う。

 

「あ〜あ、女の子を泣かせたのだ…お兄さんが」

 

「ちょっと待てルーミア、なんで俺だけのせいにされなきゃならん」

 

「そんなに言うならミスティアに直接聞いてみればいいのだ。

ミスティア?一体誰がミスティアを泣かせちゃったのだー?」

 

「…….そこの変態」

 

「おい、初対面の犬走ちゃんにいきなり変態とか言うなよ」

 

「ーーーー!?拙者は変態だったのですか!?」

 

「まぁ、何だ…悪かったな、ミスティア」

 

「…許さないわよ」

 

「ごめんちゃい」

 

「あんな事語っておいて今更一人だけ離れるなんて許さないわよ!」

 

ふざけて謝ったのを本当に後悔した。

ミスティアが泣き出したのも、許さないと言われたのも。

結局、ミスティアの言いたかった事は、恭介の話に感動を覚えたのに自分達を置いていくのか!というものだった。

もちろん泣き出した理由は貧乳と馬鹿にされたのもあるが。

 

「許さないって言われても、どうすれば…」

 

ミスティアは体操座りのままキッと恭介を睨み上げ…

 

「私も一緒に働く!」

 

「ルーミアはミスティアとお兄さんについていくのだー」

 

泣きながら叫ぶミスティアと、いつも通りの調子でルーミアが言ってくれた。

 

「……いいのか?俺としては滅茶苦茶嬉しいけど」

 

「いいったらいいの!」

 

「わかった…俺からレミリアさんと咲夜さんに聞いてみるよ」

 

まだ許可が取れるかは分からないが三人の絆を再確認出来たので一安心していると、完全に忘れられていた椛が『あの〜』と言いながら手を挙げていた。

 

「ん、どうした?犬走ちゃん」

 

「実は拙者、文先輩から神城殿について行けと仰せつかっておりましてからに…」

 

「なるほど…完璧に巻き込まれた、と…」

 

「はい…」

 

「御愁傷様…」

 

「…痛み入ります」

 

いい感じに話が纏まったところで、後ろからコツンという足音がしたので振り向いてみると、そこには一人のメイドが立っていた。

 

黒い長髪、見た感じ18歳くらいだろうか?

シックなメイド服にロングスカート、身長は170程に見える女性にしては中々の高身長。

ついでに言うとスタイル抜群である。

 

「神城様、ルーミア様、ミスティア様、犬走様…客間にておもてなしの準備をさせていただきました。

では、私の後ろについてきてください」

 

スカートの裾を摘み一礼をした後、恭介達を案内するために歩き出そうとした。

しかし、メイドさんはそこで「あぁそうだ」と言いながら俊達のいる方に振り向き

それはそれは素晴らしい笑顔でこう言った。

 

「逸れてしまわれると遭難してしまう危険性があるので、十分に注意していただきますよう、お願いいたします」

 

俊達は後ずさり、顔を引きつらせながらこう言うしかなかった。

 

「「「「は、はい……」」」」

 

俊達は雑談をしながらもメイドさんを見失わないように十分注意をしながら歩いていた。

 

(なるほどな、そういう事か…)

 

お子様3人は恐らく気が付いていないのだろうが、ここの廊下はおかしい事が多すぎる。

赤…というよりも紅を基調にされた壁や天井、更には床……絵画や調度品などが無ければ遠近感がなくなりそうなほど真紅に染まっている、これが一つ目。

 

窓の様なものが歩き始めてから今までの間に一切見ていない…それなのに館内は明るくなっている、これが二つ目。

 

もう一つ違和感があるのだが、判断材料が少なすぎて何かはわからない。

遭難は言い過ぎかもしれないが、迷う可能性は大いにあるだろう。

そんな事を一人で考え込んでいたら、前を歩いているメイドさんが話しかけてきた。

 

「神城様の種族は人間でよろしかったでしょうか?」

 

「身内からは人間かどうか怪しいと言われますが、恐らく人間です」

 

「そうですか…」

 

一人で納得したような表情になり、うんうんと頷いているメイドさん、何が聞きたかったのか気になった俊は…

 

「え〜と…人間だとやっぱりマズイことでもあるんですかね?」

 

「あ、いえ、そういうわけではなく…」

 

メイドさんの反応に心なしか不安になってきた恭介。

そんな恭介に気を使ったのか、メイドさんが歩く速度を落とし俊の横に並んできた。

すると、メイドさんはルーミア達には聞こえないであろう音量でボソッと話しかけてきた。

 

「神城様…この館にある異常性に気がつかれましたね?」

 

「!?」

 

表情には出さなかったが、内心かなり驚いた。

 

俺…口に出してないよな?

 

「いえいえ、神城様が驚きになられるのも無理からぬ話ですし…あぁ、もちろん口にもしていませんでしたよ?」

 

……心を読まれた?

 

「いえいえ、悟妖怪ほどの読心は出来ませんよ。

咲夜さんに習って乙女の秘密、と言いたいところですが、神城様には特別に教えてさしあげますよ。

種明かしをしたら簡単…というか当然なんですけどね。

では、自己紹介も兼ねてご説明しましょうか」

 

そう言うとメイドさんはロングスカートの半ば辺りを摘み、足をクロスさせながら見惚れるようなお辞儀と共に自己紹介を始めた。

 

「『紅魔館のNO.2メイド』『紅魔の狼』と呼ばれております、『アトラス・トワイライト』でございます。

能力は『読み取る程度の能力』です。

先ほどの読心はこの能力を使い、筋肉の動きや発汗の仕方、挙げれば色々あるのですが

僭越ながら読み取らせていただきました。

これからは私の方が先輩ですので、気軽にアトラス先輩って呼んで下さいね」

 

ちびっ子達はその立ち振る舞いを見て『おぉ〜』と言いながらパチパチと手を叩いていた。

 

「……パ、パーフェクト」

 

「ありがとうございます」

 

恭介は先程、咲夜を見てこう言っていた…最高のメイド像に『近い』と、別に咲夜に欠点があったわけではない…あったわけではないのだが、恭介にはメイドに求める理想があった。

 

「アトラス先輩、一つだけ、お願いがあります…」

 

「ふふっ、わかってますよ」

 

アトラスは、能力で恭介の思考を読み取ったのか、『ロングスカート」を摘んだまま左右にフリフリと揺らしてから手を離し、猫のように胸辺りの位置まで両手を挙げ、スカートが元に戻るか戻らないかのギリギリでフワッとスカートを広げるように『片足』でターンした。

片足でやる、これ重要。

ロングスカート、これ最重要。

 

「お、おぉーー!!す、すごいのだ!ルーミアそんな綺麗なターン見たことないのだ!!」

 

「こりゃ綺麗だわ…………」

 

「わ、わふーーー!拙者も何だか、イケナイ趣味に目覚めてしまいそうです!!

はっ!これが変態への目覚めというやつですか!?」

 

「ふふっ、ありがとうございます♪

出来る限り神城様の思考を読み取って再現したので………あら、神城様?」

 

確かにアトラスは恭介の求める最高のポージングをした。

だが、恭介は無表情のままアトラスを見つめていた。

 

「神城様?もしかして神城様の求めるものと何か、お気に障りましたか?」

 

「………」

 

「お兄さん?」

 

「恭介?」

 

「神城殿?」

 

三人娘も心配になり恭介に声をかけたが一向に反応がなかった。

だがしばらく見ていると恭介はガクガクと震えだし、ついには膝をついてしまった。

 

「神城様!神城様!大丈夫ですか神城様!?」

 

「うぅ、うぅぅぅぅ…」

 

三人娘は何が起こったか分からずにその場でオタオタしていた。

アトラスは恭介の手を取り『大丈夫です、私が付いているので大丈夫です』と元気付けていた。

暫くすると恭介の震えが収まったのはいいものの、ついにはポロポロと涙を流し始めた。

 

「神城様…どう、したんですか?」

 

「…アトラス先輩、貴女が…貴女こそが、俺の求めていた、最高のメイドだったんですね」

 

「そんな…私なんかより咲夜さんの方が

メイドとしての能力も上ですし…」

 

「アトラス先輩!!」

 

「は、はい!」

 

「わたし『なんか』なんて言っちゃダメですよ…少なくとも、俺にとっての最高のメイド像は貴女なんですから…」

 

「神城様…」

 

三人娘はその様子を見て心配したのが馬鹿らしくなり『はぁ〜』と溜息を吐いていた。

約2名はなんだか胸中穏やかでは無かったが。

 

「とりあえず、そんなコントはもういいからさっさと客間に行くのだ」

 

「あっ、申し訳ございません…ではもうすぐ着くので付いてきて下さい」

 

「ほら、何時まで泣いてんのよ、さっさっと行くわよ」

 

ミスティアが恭介の腕を掴み催促していた。

恭介も落ち着いたのか、若干危なげな足取りで歩き始めた。

 

「うん、僕自分で歩ける」

 

幼児交代したのか、たどたどしく喋る恭介は酷く気持ち悪かったが、仕方のない事だと思う。

 

「文先輩…拙者、馴染めるかどうか分かりませぬ…」

 

 




新キャラ登場!
アトラス・トワイライトさんです。
能力は割とありふれてるのかな?『読み取る程度の能力』
というものですね。
メイド業務はもちろん、戦闘も出来る、瀟洒にして完全なメイド…というのをイメージして作りました。
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