覚醒紅魔郷   作:ジャックハルトル

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更に新キャラです。
いつかオリキャラの絵とか載せた方がいいのかな?

取り敢えずオリキャラはこれで最後かな?
書いてる最中に作者の気分が変わらなければこれで最後ですね。


第9話・夜、恐怖の館

 

 

「あ〜寒っ、夜は妙に冷えるなぁ…昼間は結構暖かかったのに」

 

とある暑い夜、時間で言えば2時過ぎ、恭介はトイレへと向かっていたのだが、妙に寒く感じるのは何故だろうか?

そんな事を思い、両腕をさすりながら廊下を歩いていると…

 

「あら、恭介じゃない…どうしたのこんな時間に?」

 

レミリアとエンカウントした。

 

「ドゥルルルルルン!」

 

「はいはい…で、どうしたの?」

 

「いや、なんか今日寒いじゃん…それで、な?」

 

「それで?」

 

「トイレよ!ト・イ・レ!恥ずかしいんだから言わせないでよ!」

 

メイド服で女装した男が、クネクネと腰を左右に振る。

中々見られない怪奇現象に、レミリアは口の中が酸っぱくなるのを感じた。

 

「うぷっ…気持ち悪すぎて吐きそう…」

 

「頼む、頼むから本気のキモい発言はやめて…物凄い傷付くから……」

 

ネタ発言にツッコミが入らず、かなり本気で気持ち悪いと言われてしまい、胸を押さえながら泣き始めた。

それを見たレミリアは、さすがに言い過ぎたかと思って慰める事にした。

 

「や…その…ごめんね?そこまで落ち込むと思ってなかったから…」

 

「悪いと思うなら、レミリア嬢の薄い胸で慰めて…」

 

「おう、誰が薄いだコラ」

 

何処かで似たようなやりとりをした気がするが、そんな事は気にせずトイレに向かう事にした。

 

「じゃあ、レミリア嬢もあんまり遅くならないうちに寝ろよ、まだ小さいんだから」

 

「いや、恭介よりもバリバリ歳上だからね」

 

「合法ロリだから小さいのには変わらんな。んじゃあまた、明日?一応今日か」

 

レミリアの用事は知らないが、このまま部屋に戻るんだろう…後で部屋に突撃してやると心に誓う。

謎の決心を固めた恭介は、トイレへ向けて歩みを進める。

 

「ちょっと待ちなさい」

 

「しょうがないな、一緒に寝てやるよ」

 

「なんでそう考えれた!?そうじゃなくて……」

 

どうやら違ったらしい。

何やらスカートを押さえて足をモジモジとさせていたるレミリアだが、もしかして?

 

「わ、私も…その…」

 

「トイレ?」

 

恥ずかしそうにコクリと頷いたレミリアを見て、妙にドギマギしながらもスッと手を出しながら…なんだ、この可愛い生物は…

 

「一緒に行くか?」

 

「………(コクリ)」

 

世にも珍しい男女での連れション。

 

トイレに向かい歩いていると、急にレミリアから話しかけてきた。

 

「なんか、さっきから変な声聞こえない?」

 

「?…いや、俺は聞こえないけど…」

 

「う〜ん……空耳かしらね?」

 

「さぁ?気の所為じゃないか?」

 

レミリアは、そう言って無理矢理納得した時、それは起こった。

 

みずを……ください………

 

「な、なぁ…レミリア嬢、俺にも何か聞こえたんだが?」

 

「き、奇遇ね…私も何かきこえたわ」

 

確かめたわけではないが、明らかにお互いの声ではない事は分かった。

幼く、遠くから聞こえるような、か細い声……

片や元々幽霊などが信じられていない世界から来た男。

片やカリスマが切れている、只の女の子状態になっている吸血鬼。

 

たす…けて……ください……

 

「逃げるぞレミリア嬢!」

 

「にゃぁぁぁあ!!怖いよーー!」

 

頭を抱えて座り込んでしまったレミリアをヒョイっと小脇に抱え、走り出す。

 

「可愛い……じゃない!えぇい、しゃあない!」

 

おいてか……ないで……

 

「うぎゃーーー、また聞こえた!また聞こえたよ!」

 

「…………(チーン)」

 

「やめてぇ!今気絶するのやめてぇ!

俺を一人にするのやめてぇ!」

 

「気絶なう」

 

「お前絶対起きてんだろぉぉお!!」

 

もう、トイレに行くという当初の目的を完全に忘れて何処という当てもなく全力で走り続けていた。

 

「南無三、南無三!悪霊退さぶっ!」

 

「ぶっ!」

 

ゴン!という重くて痛そうな音が廊下に廊下に響き渡り、恭介と気絶していた(ふりをしていた)レミリアの顔が見えない何かに激突した。

 

「ぬぉぉ……私の美しい顔面が平面になってしまうぅ…」

 

「もうだめだ…お終いだ…」

 

「恭介が見た事もない顔色してる!?」

 

「俺たちは見えない壁と、姿のないアサシンに挟み撃ちされたんだ…」

 

「ん?見えない壁?」

 

恭介が膝をついて絶望している横で、レミリアは何か心当たりがあるのか、見えない壁をコンコンと叩いていた。

するとレミリアは得心いったと言わんばかりにニッと悪い笑顔を浮かべた。

 

「謎は全て解けたわ…」

 

「謎?これから先に待っている俺とレミリア嬢との結婚生活についてか?」

 

「あんた、立ち直るの早いわね……ま、まぁいいわ」

 

「えっいいの!?

ぃやったぁぁぁぁぁあ!!」

 

「そっちじゃない!…ったく、話の腰を折らないでよ」

 

「NOォォォオ!!」

 

「えぇい、うるさい!

貴方はまだ会った事がないでしょうけどこの館にはもう一人能力者がいるのよ…」

 

「レミリア嬢、咲夜、アトラス先輩、ミスティア、ルーミア、椛、美鈴…あとはレミリア嬢の妹だけだろ?会ったことないけど」

 

「それがもう一人だけ『能力』の持ち主がいるのよ、もういいでしょう、さっさと出て来なさい!!」

 

レミリアは、誰もいないはずの方向に叫び叫び続けた。

恭介は、レミリアが恐怖のあまり壊れたと思い心配していると…

 

「キシシシッ、バレちゃいましたかぁ?」

 

何も無いところからヌラリ、とルーミアやミスティアと似たような低身長、キッと吊り上がった赤い目が印象的な紫髪の少女が姿を現した。

 

「キシシシッ、お嬢を怖がらせるつもりは

なかったんですよ?本当ですよぉ?」

 

「だ、誰だよこの美少女は…」

 

「キシシシッ、嬉しいですねぇ、美少女なんて言われると照れちゃいますねぇ」

 

本当に照れているのだろう、少女は頭を掻きながらキシシシッ、キシシシッと笑っていた。

喋り方は胡散臭そうだが、きっといい子なのだろう。タチの悪いイタズラはして来たが…

 

「リプト、ちょっと来なさい」

 

「はいはい、なんでしょうか、お嬢?」

 

ルンルンっとスキップをしながらレミリアに、キシシシッと笑いながら近づいた。

 

「……成敗!(バチンッ)」

 

「イッたぁぁぁぁ!!何するんですかお嬢!!」

 

本気でイラッとしたのだろう、レミリアは少女にデコピンをした。

デコピンとはいえ、吸血鬼のデコピンはさすがに効いたのか、額を押さえながら涙目になっている。

 

「リプト、やり過ぎるとこうなるのよ?」

 

二人のやり取りを、不思議そうな顔で見つめていた恭介に気が付いくと、レミリアがリプトの頭を『ま、これで懲りなさいな』と言い、撫でてあげている。

前々から思っていた事だが、レミリアはかなり身内に甘いタイプなんだろう。

 

「恭介、この子に聞きたい事ある?」

 

「そうだな…出来れば自己紹介とパンツの色を教えて欲しい」

 

「それでは自己紹介といきましょうか?キシシシッ」

 

「パンツの色は答えなくていいからね」

 

「それは違いますよ、お嬢。

パンツの色を互いに教え合えば、それはパンツの色すらも教え合える仲になれるほど信頼している、という事に繋がるんですよ?」

 

「そうだぞレミリア嬢、パンツを互いに見せ合えば恐れるものなど何も無い」

 

「そ、そうなの…?」

 

『今日のパンツって子供っぽくないわよね…』と小さい声で呟くいて後ろを向いてスカートの中を確認中のレミリアが、後でパンツを見せてくれるのが確定した。

色を教えるだけだったのに、いつの間にかパンツを見せる、とハードルが上がっているのに気が付いていない。

 

「さて、自己紹介でしたね…

あっしの名前は『リプト・ディーノッテ』

世間では『紅魔の大盾』とか呼ばれていますねぇ。

能力はさっきお嬢と旦那がぶつかった壁なんですけどねぇ…『壁を作り出す程度の能力』っていう防御特化の能力ですよ?

旦那の気になっている情報ですが、今日は白地に小さいリボンが付いているタイプですねぇ」

 

「こ、これで見えるかしら?……は、早くスカート戻したいんだけど…」

 

本当にレミリアがパンツを見せてくれた為、至近距離でパンツの匂いも確認し、ゲス顏をしていた恭介は能力の事を思い出して、悪戯の犯人に取り敢えずデコピンしておくことにした。

 

「とりゃっ (パキっ) ぬぁぁぁ!指がぁぁぁあ!!」

 

「キシシシッ、あっしの壁はサイズも硬さも性能も自由自在ってねぇ」

 

「こらっ! (バシッ)」

 

「あたっ!…さっきからなんですかお嬢、いつもなら許してくれるのに……あ、ふんふん、ほぉ〜う…」

 

頭を叩かれたリプトだがいつもと様子の違うレミリアを見て、ニヤニヤと口元を押さえながらニヤつき出した。

 

「キシシシッ、そういう事ですか…なるほど、なるほど…青春ですねぇお嬢?」

 

「………バッ、バカッ!何想像してるのよ!

わ、私は恭介の事なんてなんとも思ってないわよ!」

 

「キシシシシシシッ」

 

「え?なに?俺の事好きなの?

俺も好きだぞ?だから俺と爛れた日々を過ごして下さい」

 

「死ね」

 

絶対零度の視線を向けられてしまった。

 

「キシシシッ、お嬢がそういうならそうでいいんですけどねぇ」

 

恭介は、真面目な顔でレミリアの肩にと手を置いた。

 

「な、何よ…」

 

「エッチは週14で頼む」

 

「ブチ殺すぞ」

 

「だ、旦那ぁ…そりゃねぇですよ…」

 

「俺は何を間違ったんだろうか」

 

レミリアは恭介を睨みつけていると、急にブルッと体を震わせた。

何故か尿意というのは意識すればするほど

強烈になっていくものである、当然レミリアもその例にもれず…

 

「うぅっ……」

 

「どうしたんだレミリア嬢、そんなにモジモジして……はっ、やっぱり俺と淫らな生活をしたいんだな!?」

 

「だから違うって!うぅ…叫んだら更に…」

 

「キシシシッ、お嬢も隅に置けませんねぇ…こんな素敵な殿方を侍らせるなんてねぇ、キシシシッ」

 

「も、もうそれでいいわ…だから早く私をトイレに…」

 

トイレに向かい再び歩き出そうとしたレミリアだったが、一歩歩いただけでその歩みを止めてしまった。

 

「本当どうしたんですか、お嬢?」

 

「ダメ…もう歩けない…歩いたら漏れる…」

 

「あっ、そうか……大丈夫かレミリア嬢?」

 

「お願い……おんぶして…」

 

当初の目的を思い出した恭介は、本格的にヤバい状況だと理解したので、そのお願いを素直に受け入れた。

 

「低速?高速?」

 

「振動の少ない高速で…」

 

「中々難しい注文を…でもま、やれるだけやってみるさ」

 

「お嬢の恥ずかしい場面が見えるかもしれないのでついて行きましょうかねぇ」

 

リプトの発言に呆れるも、心配そうな表情をしていたのも間違いないので、一つ頷いて許可を出した。

 

「どうだレミリア嬢、これなら大丈夫か?」

 

「え、えぇ…悪いけど、これ以上は喋るのもキツいわ…」

 

「わかった、ゆっくりしててくれ」

 

走り出した恭介の背中へレミリアはコクリと一度頷くと、その背中に身を任せ、そのまま動かなくなってしまった、というか動けなくなってしまった。

 

「そういえば旦那、聞きたい事があるんですが?」

 

「お、どうした?」

 

「いえね、旦那の動きとかを見ていると

相当な武術の使い手と見受けらるんですが?

あっし自身も多少は齧ってるんで間違いないと思うんですよねぇ?」

 

「まぁ、そうだとは思うぞ?」

 

「謙遜は無しですか、そこもまた男らしくていいですねぇ……あぁ、話を戻しますが、先程あっしを見て腰を抜かしていたじゃないですか」

 

「……ソンナコトナイヨー」

 

「そんな明からさまな…まぁそれで思ったんですけど旦那ほどの達人が何をそんなに怖がっていたのかなぁと気になりましてねぇ」

 

はて、何を言っているんだろうこの幼女は?

 

「いやいや、リプトちゃん…でいいかな?

リプトちゃんが変な声出しながら俺たちの事を追っかけてきたんだろ?

もう止めてくれよ、俺もレミリア嬢も幽霊とか苦手なんだからよ」

 

「声?追いかける?なんの事を言ってるんで?あっしは最初からあの場所でお嬢と旦那を待ち伏せていただけですが?」

 

「……はい?」

 

「だからあっしは、そんな事までしていませんよ」

 

「てぇ事はつまり、リプトちゃんじゃない?」

 

「なんの事か分かんないですけど、多分そうですねぇ」

 

おみず……ちょうだい………

 

「「「………………」」(ジョバー)」

 

レミリアが携帯電話のように震え出す、恭介とリプトもそれと同じ様にガタガタと震えだした。

恭介は背筋が冷たくなるのと同時に腰の辺りが暖かくなるのを感じた。

普段の恭介ならそのご褒美の正体に、速攻気が付いてジュルジュルと吸い上げてもおかしくないのだが、今は恐怖でそれどころじゃないらしい。

 

なんで……みずを……くれないのぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

「「「いやぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

突然現れた白い影のような何かが、俊達に向かって匍匐前進のような体勢で迫ってくる。あまりの恐怖に俊達は脇目もふらず走り出した。

 

「恭介!トイレとかもうどうでも良くなったから全力で逃げなさい!」

 

「リプトちゃんの能力であいつを止めれねぇの!?」

 

「あっしの見ている視界の範囲にしか設置出来ないんです!」

 

「じゃあ振り向きなさいよ!」

 

「あっし人を怖がらせるのは好きですけど、あっしが怖い思いをするのは嫌ですから!」

 

「「なんじゃそりゃぁぁぁぁ!!」」

 

こうして結局、朝まで叫び声をあげながらのマラソンが続いた。

恭介はトイレを朝まで我慢したのだが、それでも怖かったので、トイレにはアトラスに同行してもらった。

アトラスに見てもらえると興奮していたら、殺されそうになったので、大人しくトイレの外で待っててもらった。

 

リプトは門番交代の為に紅魔館の中にいたのだが、マラソン大会に参加していた為、交代ができなかった事を美鈴やルーミアに怒られてしまったらしい。

 

レミリアは威厳と尊厳とカリスマを完全に失ったため、自室に引きこもった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「ふぅ、能力を無駄使いしてお嬢様を怖がらせるのは本当に面白いですわ…途中から追いかけるのを止めたのに走り続けてまぁ……ふふっ、本当に楽しい…」

 

それを見届けた一人のメイドは満足そうに

笑い、自分の仕事に戻って行った。

 

余談だが、その様子をアトラスに読み取られた咲夜は3日間部屋から出て来れなくなる何かをされたらしい。

 

 

 




はい、新キャラはリプト・ディーノッテという女の子でした。
一応オリキャラ全員、名前に意味が込めてあります。
……あ、恭介だけ気分で付けたわ…
リプト、アトラスの名前はちゃんと意味があるんですけどねw

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