俺の青春ラブコメは農家っている   作:パトラッシュS

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作り手の想いを伝えたい

 

 

 僕の名は比企谷八幡。

 

 とあるアイドル(農家)のリーダーをやっとるそれ以外は普通の高校生やで。

 

 そんな僕は今、現在進行系で先生に呼び出されてるんやけどね?

 

 

「比企谷…。なんだこれは」

「何って…。先生、将来の夢ですやん」

 

 

 生徒指導にあってる。

 

 いやまぁ、ことの経緯を話すとなると恐らくは僕がどういった人物かまず語らないけへんね?

 

 僕はみんなからリーダーって呼ばれてます。なんでリーダーなん? って? そりゃあれやで、風格って奴やないかな?

 

 ついでに友達は居ません、はい。盟友ならいるんだけども、まぁ、アイドル間だから友達と数えていいものか…。

 

 すると、生徒指導に入っている僕の担任の平塚静先生は顔を引きつらせたままこんな話をしはじめた。

 

 

「うん…。まぁ、なんていうか…ちゃんとした夢があるのはいいんだが、君は入る学校を間違えてはいないだろうか…」

「僕もそう思います」

「うん、だろうね…。将来の夢が第一次産業を網羅したアイドルってなんていうか…その…とりあえずその文章を読み上げてみろ」

「はい、 ほんじゃ読んでみますね」

 

 

 僕はそう言って平塚先生の言葉通り自分の書いた文章を生き生きとして読み上げはじめる。

 

 結構、頑張って農家についての経験やアイドルとして学んだ波乱万丈な人生を詰めに詰め込んでみた文章なんやけど、なんか問題でもあったんかな?

 

 一応、新聞の一面も飾った文章なんやけど。

 

 

「題名、作り手の誇りを伝えたい」

「……………」

 

 

 そこから、僕は農家や農業で働く為の心構えから建築の有り難さ、そして、アイドルとしての在り方を文章にした作文を長々と読み上げた。

 

 数々の重機に憧れ、そして、匠と仲間達と過ごした中学でのアイドル(農家)としての毎日。

 

 僕の中で蘇る数々の思い出、そして、その話を聞いていた平塚先生はまたも表情を引きつらせながら苦笑いを浮かべていた。

 

 レポートの文章を一通り読み上げたのち、平塚先生は僕にこう一言だけ告げてきた。

 

 

「以上ですね」

「…あれだな、比企谷…。正直すまんかった」

「えぇ!? どないしたんですかっ!?」

 

 

 僕に頭を下げる平塚先生に恐縮してしまう。

 

 いや、なんでそこで頭下げるんですか? 生徒指導受けてるの僕ですよね?

 

 突っ込みどころ満載なんやけどどないしよ…。

 

 

「あ、頭を上げてくださいよー。先生が別に謝る事は無いんやで?」

「…鉄腕ダッシュは毎週見ていたよ…! けどね、なんていうか…君のスキルが高すぎて私の女子力が負けた気がしてね…」

「いや…女子力って…」

「私は…貝になりたい」

「先生それちゃう、違うグループのメンバーの主演映画や」

 

 

 とりあえず僕はこの後、平塚先生を慰める羽目になってもうた。

 

 いや、確かに作り手の想いは伝わったみたいやけどなんていうか、思いの外ダメージがでかいみたいやね?

 

 こんな時は僕らの歌で励ましてあげるのが一番なんやけど…。

 

 すると生徒指導室の扉からコンコンとノック音が聞こえてくる。

 

 

「リーダー、話まだー? パンが出来上がるんだけどさー」

「待て待て! 葉山! 今生徒指導中やから!」

「うっそ! マジで! リーダー生徒指導受けてんの!」

「っべーな。早くしないと! 手作りで作ったパン工房で焼いた小麦から作り上げたパンが完成しちまうべ!」

「戸部っち! とりあえず僕らは工房行こう!」

「おう!とつっちゃん!」

「あ、パン。僕の分残しといてな?」

「えー、リーダーの分も〜」

「まぁ、人数分は焼いてあるから問題なかろう」

「さすが木材屋!」

「我は材木座だから…」

 

 

 そう言いながら生徒指導室の前で話しているメンバー達に声をかける僕。

 

 やっぱり、あの人数を纏めるのは大変やね? リーダーの役目やから仕方ないんやろうけど。

 

 そして、僕は話を途中で区切った平塚先生の方に再び振り返る。

 

 

「ほんで、話ってなんでしたっけ?」

「お前らー!! また学校で自家生産やってたのかー!!」

「えぇ!? 」

 

 

 何故か怒られてしまいました。

 

 可笑しいな? 学校に天然パン工房作ったらアカンなんて校則はなかったはずなんやけど…。

 

 この間は入学早々ラーメンを作るためにわざわざ休日返上してみんなで全国を回る旅に出かけて選りすぐりの食材を掻き集めて家庭科室借りて美味いラーメンを作ったら怒られてまうし、わけわからへんなホンマ。

 

 とりあえず、まだ他にも先生は僕に要件はあるらしいです。

 

 

「比企谷…。今回、貴様を生徒指導室に呼んだのは他でも無いある部活に入って貰うためだ」

「あ、部活ですか? 僕らは既にそんな感じや無いですか?」

「…あー、まぁ、そう言われてみればそうなんだが…。って違う違うそうじゃ無い」

「そうですか? それで部活ってのは…」

「百聞は一見にしかずだな…。とりあえずついてきてくれ」

 

 

 そう言われて僕は平塚先生に連れられて生徒指導室から廊下出る。

 

 平塚先生に先導されるまま廊下を歩く僕。ふと、他のメンバーはどないなってるか気になったので家庭科室の前を通りかかった時にふと覗いてみた。

 

 どうやら、メンバーの葉山達がパンを作って試食している最中のようやった。

 

 

「だからさぁ、発酵の時間がやっぱり問題なんだって」

「確かに」

「小麦の質は悪く無いね?」

「ふむ、ちょっと考えてみようか」

 

 

 どうやら完成したパンを試食してるみたいやね?

 

 うん、まぁ僕もパンを試食してみたかったんやけど生徒指導が入ってもうたからね? リーダーとしてそれをサボるわけにはいかないのよ。

 

 すると葉山達が僕に気がついたのかこちらに視線を向けてくる。

 

 

「あ、リーダーだ」

「連行されてるね」

「リーダーだからね、いつもの事でしょ?」

「てか、リーダーなんか落ち込んでね?」

「俺たちで励ましてやろうぜ!」

 

 

 そう言ってパンを試食したメンバーが家庭科室から僕に手を振ってくる。

 

 葉山が何やらビーアンビシャス! とか言って手を振って来るのがやたらうざかったんやけどあれなんのつもりなんやろ…。

 

 とりあえず、僕は平塚先生に連れられてある部屋の前までやって来た。

 

 平塚先生のハイヒールがピタリと止まり部屋の扉を開く。

 

 

「雪ノ下、入るぞ?」

「平塚先生、部屋に入る際はノックをしてくださいと言った筈ですが」

 

 

 扉が開き、部屋に入って行く平塚先生。

 

 いや、なんか物凄く不機嫌そうな声が聞こえたんやけど、ノックしようや平塚先生…。

 

 僕はその後に続くように足を進めた。目の前にいたのは椅子に座る1人の文学少女、誰やねん。

 

 部屋を見渡す限り空き部屋っぽい、アカン、めっちゃリフォームしたいんやけど…! こんな夢のような部屋があるとか思わんかったわ!

 

 後で葉山達に報告やな!

 

 そんでもって、そんな空き部屋に1人座り本を読んでいた少女がこちらに振り返ってきた。なんかえらいべっぴんさんなんやけど、やばい、僕、恐縮してしまいそうや。

 

 髪はロングヘアーの黒髪。そして、容姿は先ほど述べた様に綺麗な容姿。

 

 ま、まぁ、例えるならアイドルの僕とどっこいどっこいやね、え? それはちゃいますか?

 

 

「連れてきたぞ、雪ノ下。入部希望者だ」

「彼は…?」

「えーと…彼は…」

「あ、僕ですか? 僕は比企谷八幡って言います! アイドル(農家)のリーダーやってます!」

「は?」

「気にするな…」

 

 

 平塚先生はそう言って頭を抱えたままそう美人の少女に告げた。

 

 あれ? 可笑しいな? 僕はちゃんと自己紹介した筈なんやけど、まぁ、あれやね、アイドル言うても週一でやってるだけやし知名度が低いんかな? やっぱり。

 

 すると平塚先生は僕の事を捕捉するように説明をしはじめる。

 

 

「雪ノ下、毎週日曜の夜にテレビを付けてみろ、さすれば彼の事が大体理解できる」

「…えーと…まぁ、それは良いんですが…用件は…」

「あぁ、そうだったな、彼をこの部に入れようと思ってね?」

「…それは何故?」

 

 

 それは僕も思ってた事や!

 

 てか、巻き込まれるまま淡々と話が進んでるような気がするんやけど…。一応、僕、アイドルのリーダーやってるんやで? 今更部活って…。

 

 すると、僕の背後から声が聞こえてきた。その声を聞くに聞き覚えのある連中の声やった。

 

 あいつら来たんか…。

 

 

「話は聞かせてもらったぞ!」

「リーダーが部活やるんなら! 俺らも入んないとな!」

「俄然やる気が出るべ!」

「リーダー! 僕らも入るよ!」

 

 

 部活だよ全員集合!

 

 いや、呼んでへんのにどっから嗅ぎつけてきたんやろこいつら。てか、そもそもなんの部活かわからないのに躊躇なさすぎやないかな? 君ら。

 

 次々と入ってくるメンバーに目をまん丸くしている雪ノ下さん。まぁ、そうなるやろな。

 

 彼女は次々と入ってくるメンバーを含めた僕らにこう話をしはじめる。

 

 

「あの…いきなりこんなに押しかけられても困るのだけれど、貴方達はこの部活がなんなのか理解しているのかしら?」

「ホンマやで、平塚先生ここの部活ってなんなん?」

「ん? 言ってなかったか? 奉仕部だ」

「「奉仕部!?」」

 

 

 その平塚先生の言葉を聞いた途端、僕らの目が変わった。

 

 奉仕部、すなわちそれは僕らには甘美な響き、なんて良い部活動なんや! 奉仕部! まだ入ってへんけど!

 

 とりあえず概要を聞かないかんな!

 

 

「あの…彼等がこの部活動に入る理由は…目は生き生きと輝いていますし、何も問題はない気がするんですが…」

「むしろそれが一番の問題なんだよ!!」

「…何やら事情があるようですね」

 

 

 雪ノ下は頭を抱えたまま声を上げる平塚先生に顔を引きつらせながらそう告げる。

 

 どうやら海よりも深い理由があるらしく、彼女はこの連中が一筋縄ではいかないとすぐさま認識を改めた。

 

 見る限り全員良識人。それでいて生きる活力に満ち満ちている。

 

 しかも1人は雪ノ下が知ってる顔見知りらしい。

 

 

「ところで葉山くん、貴方何やってるのかしら?」

「俺? 今はアイドル(農家)だけど」

「あれ? 葉山っちゃん? 雪ノ下さんと知り合い?」

「一応、小学生と中学生の時な! 俺転校したからあれだけど! 奇遇だねー!」

「小学生の頃、んじゃ幼馴染ってやつべ?」

「まぁね、よくドラクエの話でよく盛り上がってて…。フローラ派かビアンカ派で話をした事があってそれっきりかな?」

「私はフローラ派だけどね」

「うっそだ!ビアンカだろ!」

「あー、これは未だに分かり合えてへん感じやね」

 

 

 僕はそんな2人のやり取りを見てなんとなく理解をしてしまった。どうやら彼女達が小学生の時からドラクエで分かり合えていないことに。

 

 どうやらドラクエのビアンカかフローラかで雪ノ下と葉山には見えない溝が出来ているようだった。

 

 そんな中、とりあえず僕らはフローラ派の雪ノ下ちゃんから奉仕部の概要を聞くことにしたんやけどね?

 

 者が持たざる者に慈悲の心を持ってこれを与える。ってのが部活動のスローガンらしいです。

 

 あれ? まんま僕らやん。ならあれやね! いつもどおりしたらええんか!

 

 要するに。

 

 

「困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部活動の方針よ」

「あー、なんだ、俺てっきり学校に奉仕する部活動かと思って身構えちゃったよ」

「体育館の増築とかなら全然大丈夫なんやけどね?」

「我ならいつも学校の部室の修理依頼されてるし」

「おいしい野菜や食べ物なんかを被災地に届けるなんてお手のもんだべ」

「天然100パーセント! 安全性100パーセントだからね!」

 

 

 雪ノ下は堂々とそう告げる彼等の言葉に目をまん丸くする。

 

 そう、彼等は何というか…、既に奉仕部でなくとも奉仕をしている。そんな連中ばかりだった。

 

 

「先生」

「なんだね? 雪ノ下」

「彼等がこの部に入る意味ありますかね?」

「わからん」

 

 

 こうして、僕が率いるアイドル(農家)達は奉仕部のメンバーとして新たに活動する事になりました。

 

 ザ! 鉄腕奉仕部!どのレベルから奉仕をするのか!

 

 

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