『美少女ハンター凍土で大奮闘です!』改め『ティガレックス討伐譚:吹雪の前触れ』 作:fuki
ボルボロス。高低温化で乾燥した環境に順応するために、泥や雪などを身体に固着させ、自分自身を直接外部の環境と一体化させる方向に進化した獣竜種だ。土や氷をえぐり取る頭頂部が大きく上部に迫り出しており、対照的に細く短い尻尾のおかげで歪な直角三角形のような胴体だが、太く長い二本の脚は抜群のバランス感覚でもって、その頭部を攻撃のための武器に変える。
固着させるものの種類によって異名が違う。泥の“土砂竜”に、氷の“氷砕竜”だ。
あたしはこの“土砂竜”を討伐済みであり、このバックアタックにも平常心で対応できたのはそのおかげだったりする。
ちなみに両者の生態にも割りと差異があって、“土砂竜”は頭頂部の鼻孔を残して泥に埋まり、高温と乾燥から身を護るが、氷砕竜”はさすがに氷の中は入れないので、外殻こびりつかせた雪を圧縮して氷とし、環境から身を護っている。
どちらも主食は甲虫種で、生息地域によってオルタロスだったりブナハブラだったり、もっと小さなものだったりするが、大きな違いはない。
……そう、あたしが“自業自得”と言ったのはここだ。
凍土においてボルボロスは、ブナハブラを主食とする。当然、“エリア2”の巣を破壊したのはボルボロスだし、ブナハブラが大発生していたのも巣を補修するための周囲を警戒するためだ。
そしてあたしたちは、そのブナハブラを乱獲してしまった。
当然食事を終えたボルボロスは、自分の餌が破壊される匂いを嗅ぎつけ怒る。こちらにそのつもりがなくても、彼らは“奪われる”と考えるのだから。
そんなわけで、一頭が先陣を切って突撃し、四頭のボルボロスが追加でやってきて、あたしたちは十数匹のブナハブラに頭上を抑えられた状態で、五頭のボルボロスの集団に取り囲まれたのだった。