『美少女ハンター凍土で大奮闘です!』改め『ティガレックス討伐譚:吹雪の前触れ』 作:fuki
● bull session
「しかし、液体を刃に浸透させ、攻撃する手段とするか。面白いな」
「あ、武器コンペに出すんです? ダメですよ、あれやったのあたしですからね!」
「ホットドリンクを投げたのは私だろう?」
「そりゃそうですけど……。でも、弓矢の矢尻をビンに浸すみたいにするのはまずいですよ。使い捨てじゃない刃の表面にぶっかけたら、びっちゃびちゃになりますよ?」
「刃の内部に液体を循環させるようにしたら?」
「循環って、どうやって動かし続けるんです? ガンランスの時もそうでしたけど、火薬を使った武器って承認されにくいじゃないですか」
「そうだな……。ああ、ビンの中に液体を貯める状態と、その貯めた液体を使用する状態を作ればどうだ? つまり――武器をひっくり返すんだ」
「なんですかその色物武器……。戦いの間にそんなコロコロできるわけないじゃないですか……」
「私も言っていて思ったがな……」
「…………」
「…………」
「あ、じゃあムチの中に充填しといて、振るうたびに液体がムチを伝うっていうのは?」
「なるほど。液体が通過する一瞬でムチに効果を浸透させることができれば――」
「――難しいですねそれ」
「そうだな……」
「…………」
「…………」
「おーい、なにダベってんだよ姐さん! エリ!」
「あ……ごめんなさい、なんかダラッとしちゃってました」
「力が抜けてしまってな……」
「ジュンまで……。まあ仕方ないか。じゃあ早いところベースキャンプに戻ろう」
「はーい」
「じゃあタンジアに戻ったら手配してみるか。ムチは使い勝手がよさそうだしな」
「えっ? ちょっと待って、なにムチって! なにに使うつもりなの!?」
「……なに言ってるんですかバニィさん」
「いやだって、ムチでしょ? ジュンが使うムチって言ったらもう――」
「――バニィ、お前まさか、求めてんのか?」
「え!? 違うよ求めてないよ!」
「トン殿がムチ使ってるのも知ってましたしね……」
「あれは昔のよしみってヤツ!」
「恥ずかしがらずに言ってみろ、バニィ。裸エプロンより恥ずかしいことなのか?」
「「えっ?」」
「ちょ! ジュン! なんで言っちゃうの!」
「そのリアクション……マジか?」
「へえ……そうだったんですね……」
「引かないで! あれは若気のいたりっていうかノリと勢いっていうか!」
「へえー……。じゃあまあ皆さん、帰りましょうか」
「そうだな」
「ウィーッス」
「ちょっとおー!」