『美少女ハンター凍土で大奮闘です!』改め『ティガレックス討伐譚:吹雪の前触れ』 作:fuki
のちの調査で、復活した“モンスター”の群れは、飛行できないタイプの大多数は割れた氷塊と共に海に落下して、死んだか泳いで逃げた。一部の大型を含む“モンスター”は、凍土を含めた方々に散らばり、一部は居を構えて定着した。
それら“モンスター”に対して、古生物書士隊は驚喜して調査を行い、絶滅種の保護と調査が最優先と声高に叫ぶことになる。“食物連鎖上不適切”として討伐クエストが発注しようとするギルドに対しては、水面下で様々なやりとりをしているらしい。
ハンターズギルドは、ティガの真の行動理由を掴んだものの、一〇〇〇年の旅人であるウカムとあの獣竜種を公表することもできず、結局『ティガの子供の墓参り』と発表した。カバーストーリーの概要は、ティガが討伐されたことを除けば『月刊 狩りに生きる』に連載された『美少女ハンター凍土で大奮闘です!』の通りと考えていい。
とはいえ、ハンターズギルドやその出資者は大わらわだ。心労で倒れた父に代わってーカリオ家を継いだバニィさんとは、このクエスト以降会っていない。トン殿とも、今回の“完全版”について、実に一六年振りに数度のやりとりをしただけだ。
マーキさんは特殊なガノトトス発見の報に腕や腹を鳴らして東方を目指し、そのまま行方不明になっていた。あの大トロに出会って真にガノトトスになったのか、のたれ死んだのか、敢えて調べていなかったけど、つい去年に連絡をもらって再会した。相変わらずのヒゲだった。
ジュンさんは、あたしの姉に代わって“白き神”を討伐するために、“ハンター”の最高位、つまり“G級ハンター”を目指して研鑽を積み、ついにその域に達した。ポッケ村に現れた別個体のウカムルバス討伐にも参加したあとは一線を退き、もう快活に自分の年齢を言える性格になかったけど、まだまだあたしの師匠であり続けている。
あたしは――この本の奥付のプロフィールにでも見てほしい。まあこれを手に取った奇特な人はたぶん、分かってるような内容だと思うけど。
さて、そろそろ出発の時間だし、筆を置こう。
この本を見た誰かが、“ハンター”を目指してくれることを願って。または、むかし“ハンター”を目指していた人が、また夢に向かってくれることを願って。
この作品が遺作になるか、一六年振りに集合するあたしたちが極圏のウカムルバスを討伐する経緯を伝えられるか、それはまた別のお話だ。