紅 -kurenai- 武神の住む地   作:ヨツバ

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こんにちわ。
紅-kurenai-と真剣で私に恋しなさい!のクロスオーバーです。
世界感の融合や力関係のバランスが難しいですが頑張って書こうと思います。

違和感が無いようにしますが、あっても生暖かい目で読んでってください。(ここ大事)

では、始まります!!


武人の地
交換留学


001

 

 

とある週末の夜。真九郎は夕乃たちから迫られていた。迫られていたというのはあることに関して詳しく説明を求められているのだ。

今の状況を説明するならば五月雨荘の真九郎の部屋にて夕乃、紫、銀子、環、闇絵が夕食を食べている。

 

「真九郎よ転校ってどーいうことなのだ!!」

「違うよ紫。転校じゃなくて留学。交換留学だよ」

「何が違うのだ!!」

 

転校は違う学園に移籍すること。交換留学は短期だが違う学園で学ぶことだ。

 

「同じではないか!!」

「違うよ紫」

「だが真九郎と会えなくなるのは同じではないか!!」

 

それは否定できない。転校だろうが留学であろうが遠くに行くのは同じである。

なぜ真九郎が留学するはめになったのかは3日前の話となるのだ。

 

「もしかして、星領学園にきた交換留学の話ですね真九郎さん」

「うんそうだよ夕乃さん」

 

 

3日前の星領学園にて真九郎は生活指導の先生に職員室に呼び出されていたのだ。

真九郎が無事に二学年へと進級し、去年の濃すぎる1年間を思い出していたら生活指導の先生に出会ったのだ。

実は星領学園にある学園への交換留学がきており、その交換留学に行かせようとのことだ。なぜ選ばれたかというと単位を取らせるためである。

真九郎は生活態度は良いのだが、いかんせん成績が低いのと、欠席の多さが目立つ。一学年から二学年に上がれたのは先生としても喜ばしいのだか、去年と同じようなことを繰り返されると次回が危ないのだ。

だから交換留学を体験させて単位を取らせようと先生は考えたのだ。余計なお世話かもしれないが先生として心配してくれたということである。

 

「交換留学ですか・・・」

「ああ。3ヶ月間の交換留学だ。これを成し遂げれば単位は完璧だ」

 

交換留学と言われてもあまり実感はしない。興味が無いからだ。だから断ろうとすぐに決めた。

しかし先生はなんとか留学してもらおうと説得してくるのであった。

 

(交換留学する気は無いんだよな。でも単位は必要だ・・・)

 

揉め事処理屋として働いている真九郎には学園の単位が欲しいのは確かである。仕事は日にちを選んでくれない。

そのせいで授業に出られない事が度々あるのである。だから断ろうと最初は考えていたが、説得させられているうちに迷い始める。

師匠である法泉は「若いうちは何でも経験した方が良い」と言っている。これもその1つである。それに揉め事処理屋として他の町でパイプを作るのも良い手だ。

作れるかどうか別であるが。

 

「先生としては行ってもらいたい。しかし最終的に決めるのは紅だ。1週間待とう。よく考えてみてくれ」

 

なかなか長い説得を聞き終えて、渡された交換留学の資料を読む。

留学先は川神市にある川神学園である。

 

 

「かわかみ学園?」

「ああー聞いたことあるある!!」

「環よ。どんな学校なのだ」

「武術がとっても盛んな学園なのよ。実は私さ川神学園のOBの空手家と試合したことがあるのよ。いや~強かったよ。勝ったのは私だけどね」

 

川神学園は武術が盛んな学園として有名である。さらに武術だけでなく学力も高いのだ。とても有名な学園だ。

 

「で、真九郎はその川神学園に留学すると」

「そうだよ銀子。単位を取りつつ向こうで揉め事処理屋としてのパイプを作ってみようかなって思ってさ」

「無理よ」

 

ズバリと否定してくる。それには苦笑いで返すしかなかった。だが何事も経験である。師匠である言葉だ。

 

「本当に行くのか真九郎」

「うん。大丈夫だって紫。もう会えないわけじゃないんだ。それに川神市って案外近いよ」

「そうなのか?」

「うん」

 

案外近いものだと携帯電話の画面に地図を現す。電車でも車でも行こうと思えば行ける距離である。

休みの日に戻ってこれるし、真九郎に会いに行ける距離だ。それに少しは納得する紫であった。それでも顔は不満の膨れっ面だ。

 

「むう。真九郎が決めたことだからな・・・ワガママを言ったら迷惑をかける」

「あーん紫ちゃんは偉い!! 私なんて真九郎くんが居ないと夜が寂しいよ~」

 

酒を飲みながら環は真九郎に抱きつく。この光景もいつものことであり、「酒臭い」と言うのもいつものセリフであった。

そんな中、夕乃はブツブツと呟いており、銀子は何かを考える。

 

「少年よ。どこか旅に行くのは悪い事ではない。新たな地では新たな発見があるものだ」

 

闇絵がいつものように何かをアドバイスしてくれる。どんな内容にしても、そのアドバイスはいつも助かる。なぜなら覚悟ができるからだ。

去年の1年間はアドバイス通りに何かがいつも起こる。良くも悪くも。

 

「それとまた女難の相が出ているぞ少年」

「またですか」

 

このアドバイスには苦笑するしかない。女難の相は真九郎にいつも衝撃的な出会いをさせるからだ。もしかしたら今回も川神学園で衝撃的な出会いがあるかもしれない。

いや、あるだろう。前にニュースで見たことがある。九鳳院財閥と同じく大企業である九鬼財閥が過去の偉人を転生させたクローンがいるというニュースである。

これには世間を騒がせた。星領学園でもよく話しのネタとなっている。それでも世の中で気にする人と気にしない人もいた。

そして川神には武神と呼ばれる武術家がいる。噂を聞くに漫画であるようなビームも放てると言うのだ。なんとも規格外である。

今年もきっと濃すぎる1年が始まるのだろう。そう思いながら食事を続ける。

 

 

002

 

 

真九郎は交換留学をすることを決めて先生の元へと向う。その足取りは軽い。

職員室に入るとなぜか夕乃と銀子がいた。2人が職員室にいるのは珍しいことだ。先生に交換留学に行くことを話すと「そうかそうか。紅が行くことを決めてくれて嬉しいよ」と言ってくれる。

そして夕乃と銀子がこの職員室にいる理由も話してくれた。なんでも2人も同じく川神学園に交換留学するらしい。これには少し驚く。

銀子はこういう類に興味が無いはずである。なのに交換留学に参加するとは珍しいのだ。

 

「本当なのか銀子?」

「悪い?」

「いや、悪くない」

 

次に夕乃。彼女はもう3年であり、いろいろと忙しい時期である。そんな時期で交換留学に参加するというのだから大変だろう。

しかし夕乃は星領学園の成績は優秀である。このまま維持していけば問題は無い。先生も彼女の優秀さならば交換留学に行かせても問題ないと思っているのだ。

それに留学先の川神学園は有名な学園であり、学舎としても問題ない。3年生が行こうと申し出ても拒否することはない。

 

「真九郎さんが心配なんです。だから私もついて行きます」

「そうですか」

 

いつも心配されている。彼女からして見ればまだまだ半人前ということなのだろう。しかし実際は夕乃からしてみれば真九郎に余計な恋敵を増やしたくないからというものもある。

去年の1年間でそれを学習したのだ。今年はさらに目を光らせねばならないと思っているのだ。

 

(真九郎さんは何故かどこでも女性と縁がありますからね)

 

その女性の縁がいつも大変なのは運が良いのか悪いのか分からない。

 

「崩月先輩は3年で忙しいんじゃないですか。無理に交換留学に行かないほうが良いんじゃないですか?」

「あらあら村上さん私は大丈夫ですよ。私はうちの真九郎さんが心配で行くだけですから」

「うちの真九郎?」

「はい。うちの真九郎さんです」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

そんな後ろ文字が見えるのであった。

これで星領学園から川神学園に3人の交換留学が決まったのであった。

 

 

003

 

 

金曜の放課後。風間ファミリーと呼ばれるグループがある。彼らは金曜集会と呼ばれる集まりに全員集まっていた。

簡単に言うとただ集まって駄弁るだけであるが彼らはその時間をとても大切にしている。

そんな中で軍師と呼ばれる大和があることを言い出す。

 

「みんな知っているか。うちに交換留学生が来るって話」

「何、可愛い子ちゃんか!?」

「それは分からないよ姉さん」

 

百代が「可愛い子か!?」と反応したら岳人も反応する。そして彼の好みである「年上年上」と言うのであった。

 

「それにしてもうちの学園はどんどん人が増えるわね。義経たちや松永先輩でしょ」

「そうだね。いきなりの転校ラッシュだよ」

「今回は交換留学だけどな」

「ったく、うちのじじいは何も言わないからな」

 

過去の偉人であるクローンが転校してきたのだ。交換留学生がどんな人でも驚かない自信はあるかもしれない。

しかし、今回来る交換留学生は偉人のクローンとはまた違った濃い人物達であることをまだ知らない風間ファミリーであった。

 




読んでくれてありがとうございます。
感想などあればドンドンください。待っています。

最初はこんな感じです。(プロローグ)
マジ恋の時系列はsから始まりで、紅は歪空の戦いの後からですね。

この物語の紅勢は原作や漫画、アニメの設定をいくつか拝借しています。

次回もゆっくりとお待ちください。

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