一瞬だったけどまさかのランキング1位に超ビックリ。
二度見ならぬ五度見しましたよ。そして気がつけばお気に入り500件以上も・・・嬉しいです!!
勢いのままで書いてしまいました!!
では、始まります!!
009
決闘が終わった後、真九郎は倒れているクリスを起こし上げる。
「大丈夫クリスさん?」
「ああ大丈夫だ。真九郎殿は強いな!!」
クリスは真九郎の強さを認めた。そして川神学園の学生たちも認めたのであった。
その中で真九郎の強さに興味を抱くのも複数いるのであった。
少しは戦ってみようかと考える者。
(まあまあの強さだな。少しは楽しませてくれるか・・・な?)
彼の強さを知る者。
「やっぱり真九郎は強いな。これはスカウトせねばな!!」
「あの赤子め・・・前に会った時よりも強くなっているな。若者はそうではなくてはな」
「そうですね。しかしどんな修羅場を潜ったんでしょうか?」
密かに観察する者。
「ふーん・・紅真九郎くんか。ちょっと強いかも」
他にも複数いる彼らは一癖も二癖もある学生たちであった。しかし癖のある人間には慣れている。
「お疲れ様です真九郎さん」
夕乃がタオルと水を持ってきた。もちろん2人分だ。
「ありがとうございます夕乃さん」
「あ、ありがとうございます。えっと崩月先輩」
この優しい差し入れを見て夕乃のファンは「大和撫子!!」と聞こえてきた。やはり星領学園でのファンたちと違う。
こちらの方が勢いがある。変な方向でだ。
「お嬢様ぁぁ!!」
マルギッテが走ってクリスの下に参上する。ケガが無いかと心配している。安心させるために「大丈夫だ」と返事するのであった。
「そうですか。良かったですお嬢様」
安心したマルギッテは真九郎に顔を向ける
「今度は私の番です。お嬢様の汚名は私が払拭します!!」
「うええ!?」
これには「また!?」とこぼす。
「駄目ですよ。真九郎さんは疲れているんですから」
ニコリと微笑んで庇う。
(む・・・この女は?)
一瞬の圧を感じる。それを追求しようとしたが武神の介入によりウヤムヤとなるのであった。
「大和撫子の夕乃ちゃーーん!!」
「え?」
凄い勢いで百代は夕乃に近づく。それは大和撫子と言われる夕乃を可愛がるつもりでいるからだ。武神である彼女の悪い趣味だ。
ファンの女の子は嬉しい発狂ものなのだが。
「遊ぼうぜ子猫ちゃん。NE・WA・ZAで!!」
悪ふざけをしながら絡みつこうとするが、フラリと避ける。
「お?」
今度は手首を掴もうとするが、ペシッと手を軽く叩かれる。
「駄目ですよ川神さん」
笑顔で避ける夕乃。まだ諦めない百代は絡み付こうと突きをするように手を連続で出す。
ペシペシと突き出される手を軽く叩いてまた避けるのであった。
「おお?」
「駄目ですよ川神さん。はしたないですよ」
「・・・・・へえ~」
百代の興味対象が増えた瞬間であった。
彼女は悪ふざけとは言え、相手が本気で嫌がっていたら止める。だから軽くからかって終わらせるつもりであった。
だが、ここで興味が出たのは自慢の突きにも勝る掴みの速さを軽く掃った夕乃だ。本気で無かったとは言え彼女は武神である自分の手を払った。そこが重要である。
並みの武術家ならば武神の手を掃うなんてことは出来ない。これだけで興味が出るのは当然であった。
百代は退屈していたがクローン組の参戦に松永燕の転入、そして真九郎たちの留学で楽しみがどんどん増えるのであった。
(これは面白くなってきたな。このまま夕乃ちゃんと戦ってみたいけどもう時間がなー・・・絶対ジジィに止められる)
まさにその通り。学長である鉄心が決闘を終了させてクラスに戻るように促している。
ここは学園で勉学に励むのは当然であった。学生たちは各クラスに戻る。
(ったくモモのことじゃから夕乃ちゃんの強さに気がついたのう・・・余計なことをせねばいいのじゃが)
孫の戦闘狂に悩む祖父であった。
010
午前の授業が終わり、昼休みに突入する。学園生活で1つの楽しみである。食堂には様々なメニューがあるらしい。
真九郎は風間翔一たちに誘われて食堂に向う。彼の活躍を翔一は気に入っていた。もちろん彼の実力を目の当たりにしたクリスも気に入っている。
基本的に学園生活での真九郎は大人しくてあまり目立たない存在であったが決闘したため、少しは目立つ存在になっている。
その影響か、歩くと揉め事があれば相談に乗ってほしいと言われる。これは嬉しい。本当に依頼がくるか分からないが多少は揉め事処理屋として名が川神学園に広まったと思えばまずまずだろう。
「・・・カレーでいっか」
メニューは豊富であったが多すぎで正直迷った。そのため無難なカレーを選ぶ。
「ならオレもカレー!!」
翔一も真似するのであった。
「ところで真九郎は揉め事処理屋をやっているんだよな。具体的にどんなことやっていたか聞きたいぞう!!」
「それは自分も聞いてみたい。同い年で仕事を傍らやっているとは気になる」
「俺も気になる」
翔一を筆頭にクリス、忠勝が仕事の活躍を聞きたいを言う。忠勝はある意味ライバルとも言える揉め事処理屋の仕事内容が気になっていた。
そして大和も気になっていた。人脈を広げる彼にとって揉め事処理屋とは知り合いになっていて損ではないと思っている。
「活躍かあ・・・」
真九郎の揉め事処理屋としての活躍は人に自慢できるほど凄くは無い。彼もまだまだ修行中だ。
そう自慢できるほど凄くは無いが、濃く深い事件に関わって解決したことはある。
九鳳院紫の護衛や斬島切彦との対決(未定)、星噛絶奈との激闘。そして歪空魅空との勝負。どれも普通に考えて一般学生が絶対に関わることのない事件だ。
さすがに翔一たちに説明できない。だから危険な裏の話を抜いて話すのであった。
「そうだな・・・いろいろ依頼を受けたよ。犬の世話をしたり、ストーカーを捕まえたり、要人を護衛したりね」
「ほう・・そうなのか」
「うん。依頼によっては海外にも行ったよ」
「何、海外まで行ったのか!!」
(揉め事処理屋ってのは海外まで・・・親父にも聞いてみるか)
ここで大和は気になることを聞いた。要人の護衛も依頼を受けたと言っていたのだ。どんな要人か気になる。それは翔一たちもであった。
「ごめん。さすがに言えないよ」
「そうか。まあ、そうだよな。さすがに要人のことは口に出せないか」
揉め事処理屋としてさすがに言えない。それは護衛をする身として当然である。最も真九郎が護衛をした要人に中には大和たちが知る人物がいるのだが。
「フハハハハハハハハハ。我、降臨!!」
英雄が降臨した。
「わっ九鬼君。いきなりの登場ね」
「うむ。一子殿は今日もお美しい」
「いきなりどうした英雄?」
英雄のいきなりの登場はいつも通りだがピンポイントに登場は驚く。
「あ、英雄君。久しぶり」
真九郎が手を振る。
「うむ。久しぶりだな我が友、真九郎!!」
笑いながら真九郎の肩をバンバン叩く。
「あずみさんも久しぶりです」
「はい。お久しぶりです!!」
スッとあずみは真九郎の後ろに立つ。
「本当に久しぶりだな揉め事処理屋の真九郎。まさか犬はいないだろうな」
ドスの聞いた声をかけられる。苦笑いをするしかなかった。
「もしかして紅君が護衛した要人ってまさか・・・」
「いや、我では無い」
「フハハハハハハハハ。我、顕現である!!」
今度は九鬼紋白が顕現した。そしてヒューム・ヘルシングが横に護衛としている。
「紋様ー!!」
「おや、これは大所帯ですね」
「たくさんー」
「・・・何やっているのよ」
今度は冬馬や銀子たちが食堂に訪れた。本当に大所帯である。
「話を戻すが真九郎が護衛をしたのは我ではなく、紋だ!!」
「久しぶりだな真九郎!!」
「うん。久しぶりだね紋白ちゃん」
「紋様だ」
「・・・うん。久しぶりだね紋様」
真九郎はヒュームに注意されて言い直す。
実は真九郎が護衛した要人の中に九鬼財閥からの依頼があったのだ。正確には柔沢紅香の手伝いとしてだが。
その時に英雄や紋白と出会い、知り合ったのだ。
「なるほど。だから英雄が友人と言っていたのですね。英雄の友人なら私の友人でもありますね」
冬馬が真九郎の手を絡ませて「よろしく」と挨拶する。これには「え・・・?」と引いてしまう。
説明するように井上準が「お前は若の射程圏内に入っているから」と言う。
「葵は男もイケる口だから気をつけろ」
「そ、そうなんだ」
冷や汗しか出ない。
話を置くが、銀子が冬馬のグループにいることに意外と思う。彼女の性格から誰かのグループに入るなんてことはしないからだ。
「意外だ」
「面倒だけど一応、交換留学生だからね。私だって少しはコミュニケーションくらいとるわ」
「なるほど。でも意外」
話しかけやすい準に銀子の評判を聞く。彼女は2Sに順応しているらしい。
そもそも2Sのクラスは基本的に自分のことが好きな人種が多いので新しく入ってきた銀子を歓迎はするが、そこから先は深く関わろうとはしない。
だから彼女にとって馴れ合いをしてこないクラスは助かるのであった。もちろん例外はいるのだが。
「若が口説いたけどキッパリ断ったクールさはあるね」
「そうなんだ。てか、口説かれたんだ」
「面倒だったのよ」
「これはこれは手厳しい」
本当に予想外だが銀子が他学園で順応しているなら文句は無いと思う真九郎であった。
次の真九郎の視線は紋白に移る。
「真九郎!! 九鬼財閥に就職しないか!!」
紋白はすぐさま真九郎をスカウトした。理由は簡単だ。紋白は真九郎の実力をよく知っているからだ。
さらに追撃で英雄もスカウトを援護する。これには真九郎は悩む。でも今は揉め事処理屋としてやっていくつもりなのだ。
「ありがとう。でも今は揉め事処理屋として進むつもりだからごめんね」
「・・・うむ。そうか。では考えが変わったらいつでも来い。九鬼はいつでも真九郎を歓迎するぞ!!」
「ありがとう紋様」
笑う真九郎を見ながら銀子は思う。揉め事処理屋よりも九鬼財閥に就職したほうが良いと。それは彼女の気持ちであり、望みの1つである。
やはりまだ揉め事処理屋をやめてほしい気持ちがあるのであった。
「それにしても紅君って紋白ちゃんの護衛をしていたんだ」
「うむ。そうなのだ!! 真九郎は有能だぞ!!」
紋白はその時のことを思い出す。真九郎もまた思い出す。九鬼との仕事は深く関わってしまったという他ない。
「あの時の真九郎のいくつかの言葉は我の心に深く突き刺さったのを思い出すぞ」
「彼は何と言ったのです英雄?」
「ちょっと待って英雄君。それは無しで」
真九郎は止める。真九郎のいくつかの言葉はある意味で九鬼財閥を敵にまわす言葉である。
紫を助けるために九鳳院の当主に放った言葉に似ているからだ。冷静に考えるとよく言ったと思う。でも後悔は無いと断言できる。
「どんな言葉を言ったのか気になるぞ。言ってくれ。頼む」
「クリスさん・・・言ったらヒュームさんに殺されます」
ヒュームを見る。いつ見ても恐いと思うのであった。戦っても勝てないだろう。
「ふん。言っても平気だ。英雄様や紋様の許しを得ているからな」
「では大丈夫ではないか」
「・・・えーと」
頬をポリポリしながら口よどむ。なかなか言わない真九郎に代わって紋白が言う。
「真九郎はな、偉大な父上に向って九鬼なんて滅びろって言ったのだぞ!!」
「「「なっ!?」」」
みんなが驚く。それはそうだろう。世界で有名な財閥に向って、当主に向って「滅びろ」なんてとんでもない。
「それは確かにある意味驚きですが・・・何があったんですか英雄?」
その言葉だけを聞いたら不敬でしかない。だが、続きがあるのだ。そのおかげで九鬼の家族関係が修復し、絆が大きくなったのだ。
「イロイロあったのだ。詳しくは言えないが九鬼の絆が一層強化されたのだ」
「うむ。真九郎のおかげだ!!」
次は真九郎が九鬼で何をしたのか気になるのであった。しかし、そこから先は家族の問題。教えられないのであった。
(紋ちゃんを見ていると紫を思い浮かべる)
今頃何をしているか気になるのであった。
(紫のことだから前みたいに川神学園にも侵入してきそう)
その予想は数日後に起こる。しかも裏十三家付きで。
読んでくれてありがとうございます。
勢いのまま書いたので、もしかしたら少し違和感があるかもです。
真九郎と九鬼の関係は気が向けば書いていきます。
もしくは物語に少しずつ部分的な話を書くかもです。
でもさすがに九鬼帝に「滅びろ」は言い過ぎたかなぁ・・・。
でも真九郎は九鳳院の当主に「滅びろ」と堂々と言い張ったから男だから大丈夫かな?
一応、九鬼帝になぜ「滅びろ」と言ったかの補足。
マジ恋の原作でもあった紋白の家族問題についてから起こったことです。
家族問題も解決してない者が絆や結束力を信条にしている財閥を維持できるはずが無いって形です。
では、次回もゆっくりお待ちください。