グリモア〜私立グリモワール魔法学園〜龍と指輪の魔法使い   作:ゆーふぉにあ

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第2話です
前話を読んでくれた方、お気に入り登録をしていただいた方ありがとうございます。
もし書き方なので読みにくいところやもっと長目がいい、短めがいいなどがあればご指摘ください。
それではどうぞ


1-2 風紀委員室でのできごと

俺たちが、まだ小学生だった頃

 

 

「待ってよー!怜お姉ちゃん!晴お兄ちゃん!」

 

「コヨミー、こっちだぞー!」

 

「お、おい晴夜、あまり先に行くな、迷子になるぞ」

 

俺と怜とコヨミ、3人はいつも一緒だった。

 

「はっはっは!晴夜くんは相変わらず元気がいいな」

 

「元気すぎるのも困りものだけどな、怜ちゃんみたいに落ち着いてくれればいいんだがな」

 

俺と怜それにコヨミは父親同士が友人同士だったこともありよく一緒に遊んでいた。

 

「ついたー!」

 

暗い雑木林を抜けると、満天の星空が広がって見える。

そして

 

「あ、始まったみたい!」

 

俺の後をついてきたコヨミが指を指す。

すると、星空に鮮やかな色が広がる。

 

「うわぁ……!」

 

「綺麗だな」

 

コヨミと怜は感嘆の声をあげ花火を見つめている。

 

「花火に間に合ってよかったな」

 

「あ、父さんまたビール飲んでる」

 

さらに後から歩いてきた父さんは缶ビールを片手に座り込む。

雑木林を抜けたソコは風飛のお祭りの花火を眺めるには絶好の穴場スポットだった。

 

「いいだろ?今日くらい。ほら、また上がったぞ」

 

父さんが指さすと幾つかの花火が並行して打ち上がる。

 

「……晴お兄ちゃん」

 

俺の左手に何かが触れる。

コヨミの手だった。

どこか不安そうな顔をしているように見えた。

 

「怜お姉ちゃんも」

 

コヨミが空いていた自分の左手で怜の右手を取る。

 

「コヨミ、どうしたんだ?」

 

怜が優しく尋ねるが、コヨミはブンブンと首を横に振る。

 

「ずっと3人で一緒にいたいな!」

 

「……あぁ、そうだな」

 

「俺たちはずっと一緒さ。俺が2人を守るからな!」

 

「はっはっは!いいこと言うな晴夜!そう言うんだからちゃんと守れよ?」

 

親父に笑い飛ばされたがその時俺たちは本当に信じていた。

きっと3人、これからもずっと一緒だって

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

「久しぶりだな、晴夜」

 

そう言う怜の表情、それは晴夜の記憶の中にいる怜と同じだった。

 

「この学園にいるのはわかってたからいつかは会えると思ってたが、こんなに早く会えるなんて思ってなかったぜ」

 

「2人はお知り合いなのですか?」

 

1人状況を理解できていない紗妃がそう尋ねると2人は頷く。

 

「俺たち父親がこの学園の同期なんだ」

 

「そう言うこともあって小さい頃はウチに晴夜を連れて晴夜の父親が来ていたからな、幼なじみだ。わたしが魔法使いに覚醒してから会えていなかったから、5年ぶりか?」

 

「そうだな、元気だったか?」

 

「あぁ、変わりはない。お前も変わりなさそうだな。そうだ、コヨミは」

 

「……ッ」

 

コヨミ、その名前が出ると一瞬晴夜の顔が曇る。

 

「どうした?」

 

怜も5年離れていたとはいえ幼なじみのその表情を見逃さない。

しかし晴夜は何かを聞き取れないほど小さく呟くと元の笑顔に戻って話だす。

 

「コヨミは……京都のおじいさんの家に家族で移ったよ。コヨミの両親の仕事が忙しくてコヨミの世話をできなくなりかねないからって。3年くらい前だったかな」

 

「そうか……残念だな。魔法使いになって以来それまでの知り合いとの連絡は疎かになってしまっていたからな。いつかは会いに行きたいものだ」

 

「あぁ、いつかはな」

 

晴夜はそう言うと窓の外を眺める。

 

「お茶がはいりましたよ。どうぞ、神凪さんも」

 

怜と晴夜が2人で話し始めてしまったあたりからお茶を入れに行っていた紗妃が2人の前に湯呑みを置く。

 

「うむ、氷川、ありがとう」

 

「ありがとう氷川さん。……アツっ!」

 

「淹れたてですから」

 

しばらく談笑をしていると、風紀委員室に2人の女性が入ってくる。

 

「ふぅ、巡回終わりっす〜ってアレ、そっちの方は」

 

「お疲れ様です。おや、見慣れねー顔がありますね。アンタが今日くるてんこーせーさんですか?」

 

「委員長、服部さん、お疲れ様です。こちら本日転校してきた神北さんです」

 

紗妃の言葉に赤いストールをした少女が納得したようにポンと手を合わせる。

 

「なるほど!自分は服部梓っす!もしお困りのことがあればなんでも自分にお申し付けくださいっす!もちろん、依頼料はいただきますがね」

 

「水無月風子、風紀委員長です。以後お見知り置きを」

 

その挨拶だけからもこの2人の性格がよく表れてるな、と晴夜は思う。

案内で一緒に回った紗妃、そして幼なじみの怜、風紀委員だけでこれだけ個性豊かな人たちが集まっているのだから学園にはどれほど個性の強いメンバーがいるのかとの興味も尽きない。

 

「神北晴夜です。よろしくお願いします」

 

「敬語は別に外してくれても構いませんよ。ウチの方が年下ですし、この学園、その辺りは割と自由ですから」

 

「いろんなタイミングで色んな年齢の人が入ってくるから先輩後輩も曖昧っすからね。あ、自分はこの喋り方がデフォルトなんで」

 

「そっか、じゃあ改めてよろしく」

 

「えー、清く正しく過ごしてくだせー、そうすれば風紀委員はうるさく言いませんから」

 

ーーなんだか、適当そうな人だな…

 

「おっと、油断してますか?言っておきますがこれは演技ですよ。こうしておくとみんな油断するんです。ちゃーんと全員に言ってるんですけどね」

 

まるで晴夜の心を読んだかのように風子は釘をさす。

 

「な、なるほど、危うく騙されるところだった。まぁでも、誰がどんな態度でも違反しなければ関係ないか」

 

「えぇ、その通りです。風紀委員を煙たがる生徒もいますがね、校則は校則、破る方が悪いんです。キッチリ取り締まらせてもらいますよ。んで、アンタさんその指輪ですが」

 

やはり風紀委員的には見逃せないようで紗妃と同じく風子も晴夜の指輪を見つめる。

 

「……氷川が何も言わないってことは何か事情があるんでしょう。お咎めなしです。ですよね氷川」

 

「はい、また事情は聞かなければいけませんが彼はこの指輪を魔法に使うということで携行の許可、そして今小指にしている指輪は魔法で固められていて外れません」

 

先ほど説明されたことを手帳に書き留めていた紗妃はそう言うと晴夜も外れないことをアピールするように指輪を引っ張ってみせる。

 

「なるほど、まぁ指輪自体は本当は違反じゃないんですけどね。……親の形見をつけてるような生徒も多いですからね。リングだけのものとかなら気にしません。アンタさんのそのデカイ指輪は一応華美な服装に該当するんで聞きましたが、そういう事情なら仕方ねーです」

 

そう言って風子は微笑む。

 

「さて、じゃあウチはそろそろ行きますね」

 

「あ、自分も部長に呼び出されてるんで失礼するっす、晴夜先輩、これからよろしくっす!しからば、御免!」

 

「それじゃ、あとはてきとーにお願いします」

 

そうして梓と風子は部屋をあとにする。

 

「私もそろそろ巡回に向かいますが、神北さんはどうしますか?」

 

2人に続くように紗妃もデバイスで時刻を確認しながら立ち上がる。

 

「もう少し怜と話したいから残るよ。今日はありがとな」

 

「いえ、それでは、これから魔法使いとして、自覚と節度のある学園生活をお送りください」

 

最後にそう言って微笑むと紗妃も部屋をあとにする。

残されたのは晴夜と、窓から差し込む西日に照らされる少女の2人。

 

「晴夜、一也さんは元気か?」

 

「あぁ、元気も元気、今日もなんか発明品を作ってるんじゃないか?もし魔物対策になりそうな魔法道具が作れたら送って来るって言ってたしな」

 

「そうか、それは何よりだ」

 

「怜のとこの家族は?」

 

「みな息災だ。今度ウチに来るといい。みんな会いたがっているだろうからな」

 

「あぁ、近いうちに挨拶に行くよ。これからここで過ごすなら怜にも世話になるだろうしな」

 

「オイオイ、私ばかりをあてにされても困るぞ?兎ノ助も言っていただろうが多くの生徒と関わることも大切だ」

 

怜は肩をすくめてみせる。

 

「わかってるって」

 

「ならいいんだが、ん?」

 

怜はデバイスを取り出すと連絡が来たのか何やら返信を始める。

 

「ちょうどいい、晴夜、さっそくだが私以外の生徒と関わってみるか?」

 

「え?」

 

 

 

 

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ギャルゲーならここでOPが入りますね(リトバス感)
次回ようやく風紀委員以外のキャラが登場します(ももは既に登場しましたが)

余談ですが、晴夜が小指につけている指輪はウィザード本編には登場しない指輪です。

Fateコラボもトラブルはあったようですが始まりましたね
ミナのサーヴァントネタは拾われそうですね(これ書いてる時点でまだイベント一切走ってません)
それでは次回もお楽しみに
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