グリモア〜私立グリモワール魔法学園〜龍と指輪の魔法使い 作:ゆーふぉにあ
今回で入学当日編が終わります
そしてタイトル通り彼ももちろん一人のキャラクターとして動き回ってもらいます
食堂棟
「こっちこっち!」
怜に連れられ、晴夜は食堂で3人の生徒と落ち合うことになった。
そのうちの一人であろう少女がオレンジ色の髪をツインテールを揺らしながら怜を見つけ大きく手を振る。
「あ、アンタが転校生の神北晴夜?」
「あぁ、よろしくな。アンタは?」
「報道部ゴシップネタ班副班長、岸田夏海、よろしくっ!」
「岸田……あぁ、案内役をするはずだったのに風紀委員に捕まってたんだっけ?」
晴夜は顎に手を当て兎ノ助と紗妃のやり取りを思い出す。
ゴシップネタ班などという以上学内のトラブルメーカー的な立ち位置にいても納得できる。
「ウグッ……アンタ意外と毒舌ね……さすが怜の幼なじみなだけはあるわね」
「夏海?それはどういう意味なんだ……?」
怜は微笑みながら夏海の方を向く。
ーーあぁ、この微笑みながら怒る癖はいまだ健在か
昔のことをふと思い返しながら晴夜は怜の横顔を眺める。
正直、普通に怒っている時と違いどのくらい怒ってるのかわからないからより怖い。
「な、なんでもない!ほ、ほら智花と転校生も戻ってきたわよ!」
夏海が指差す方から1人の少年と少女がお盆を持ってやってくる。
「あ、怜ちゃん、風紀委員お疲れ様。えーっと、神北さんですか?」
「ご明察、神北晴夜だ。よろしくな」
「はい!私は南智花です。で、こちらが転校生さんです」
「初めまして、僕は央慈守(おうじ・まもる)みんなは転校生って呼んでるけど、よろしくね」
「ほう、アンタが噂の転校生か」
品定めするように晴夜は転校生、守を眺める。
「噂だなんて、周りが囃し立ててるだけだよ。僕には全然すごい実感なんてないし」
「何言ってるのよ、あたしも智花も、アンタの力でクエスト大助かりだったのよ?ねぇ、智花」
「はい!自分ひとりじゃ考えられないくらい魔法の威力も放てる数も上がってました!」
謙遜する守を余所に女子2人はキャッキャと盛り上がっている。
「へぇ、なら俺も組む機会があったらよろしく頼む」
「うん、よろしくね、晴夜くん」
「さーて、挨拶も済んだらあんたたちも食券取ってきたら?早くしないと混むわよ」
夏海の言葉通り、徐々にだが学食に人が増えている。
「あぁそうだな。晴夜、お前の分も取ってこようか?」
「いや、一応自分で使ってみたいから自分で行く。ちなみにオススメは?」
晴夜はチラッと守の方を見る。
守と智花の皿にはカレー、夏海の皿にはオムライスが載っている。
「うーん、昨日食べた天玉うどんは美味しかったよ」
「そっか、サンキュな」
「いくぞ晴夜、本当に混み始めた。智花たちは先に食べていてくれ」
「はいはい、っと」
「うん、いってらっしゃい」
そう言って晴夜は怜と並び食券機へと向かっていく。
「やっぱりあの2人……スクープの匂いがするわね」
「夏海ちゃん?」
夏海はニヤリと微笑むとカメラに手をかけるのだった。
〜〜〜
「つまり3人は何の関係もなくほぼ同時期に覚醒したわけか」
「そ、だからこそ珍しくて最初は3人して戸惑うことばっかりだったから仲良くなったってわけ」
晴夜は夏海の返答を聞きながらうどんをすする。
先に食べ始めていた智花たちはもうほとんど食べ終えており、晴夜と怜は2人してうどんを食べていた。
「それにしても、怜に幼馴染がいたなんてね。全然知らなかった」
「聞かれなかったからな。それに夏海、お前にそういうことを言うとまた面白がるだろう?」
「ちょっ、怜の中で私はどんなイメージなのよ!」
「フフッ、でもそうでしょ?」
先ほどの夏海の発言を聞いていた智花と守は笑いが堪えられず手を口元に当てて震えている。
「智花と転校生まで!なんなのよー!」
「フッ、フフフ」
「クッ、アハハ!」
ついには怜と晴夜まで笑い出してしまう。
「くーっ!こうなったら絶対男転校生2人のスクープ撮ってやるんだから!」
「お、お手柔らかにね」
転校生は苦笑しながらそう答える。
「さて、話は尽きないがそろそろ出るか。あまり遅くまで学園に留まるのは風紀委員として推奨できない」
「あー、私は書き上げた記事部長のとこ持ってくから一回部室行かなきゃ」
そう言って夏海は立ち上がる。
「んじゃまた明日!」
「あぁ、また明日な」
「夏海ちゃん、おやすみ!」
「「おやすみー」」
そう言って夏海はトタトタとツインテールを揺らしながら人の波に消えていった。
「智花はどうする?」
「私は用もないから寮に戻るよ」
「俺も戻るかな、寮の部屋の場所ちゃんと覚えてたかな……」
「あ、それなら僕の部屋の隣だから大丈夫だよ。一緒に行こう」
「お、サンキュ。いやー、でも男の友達ができて助かったぜ。何かと同性の友達は心強いからな」
「そうだね。僕も晴夜くんが来てくれて心強いよ」
「へへっ、よろしく頼むぜ」
〜〜〜
「ふぃーっ」
晴夜は風呂から半裸のままベッドに倒れこむ。
「魔法学園、おもしろいところだな。怜にこんなに早く会えるとも思ってなかったし、他にも面白そうなやつはいっぱいいるし」
晴夜がそんな独り言を呟いているとぴょこんと可愛らしい音が鳴りデバイスが光る。
「ん?More@?あぁ、岸田に入れられたやつか」
デバイスに搭載されているチャットサービスのようなもので、電話機能も付いている優れものだ。
使用するかどうかは自由なようだが、晴夜が便利な機能を教えてほしい、と頼んだ際に智花と夏海にあれやこれやと色々なアプリをインストールさせられていた。
怜『晴夜であってるな?』
連絡をよこしたのは怜だった。
『あってるよ』晴夜
元々晴夜も普段使いのタブレットなどでSNSは使い慣れており、特に困ることもなく返信する。
怜『そうか、それでどうだった?』
怜『私の友人、智花と夏海、それと転校生』
怜『きっとお前なら仲良くなれると思うが』
何度かに分けてメッセージが飛んでくる。どうやらあまり長いメッセージは送れないようだ。
『あぁ、怜の言う通りだ。きっと仲良くなれる』晴夜
『また明日以降も話してみようと思う』晴夜
怜『そうか、それは何よりだ。』
怜『一緒にクエストに出ることもあるだろう』
怜『私も一緒に行けるならいいが毎回そうもいかない』
怜『だからこそ、心の許せる仲間は多いほうがいい』
少し固いあたりが怜らしい、と思い晴夜は思わず笑みを浮かべる。
『心配してくれてありがとう』晴夜
『俺も俺なりに頑張ってみる』晴夜
『だからこれから魔法使い同士、よろしくな』晴夜
怜『あぁ、それではまた明日』
『おやすみ、怜』晴夜
そして怜からの連絡はなくなる。
「……俺も寝るか。明日から本格的に魔法学園生活だ」
デバイスを充電器に繋ぐと晴夜は再びベッドに倒れこむ。
「……おやすみ」
8月18日
神北晴夜、入学
次回!
怜、推して参る
転校生くんの名前にそこまで深い意味はないです(語感で命名)
次回はグリモア本編でいう3話の内容が始まります
ようやくウィザード要素も増えますのでよろしくお願いします
この話を投稿するまでに12件のお気に入り登録をいただきました。
ありがとうございます。
感想などもいつでも受け付けておりますのでどうぞよろしくお願いします