グリモア〜私立グリモワール魔法学園〜龍と指輪の魔法使い   作:ゆーふぉにあ

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グリモア本編で言うところの第3話、開始です
一応予定では本編上のクエスト全てに参加させる予定はありません
特に理由もなく常に転校生について回るのもおかしな感じですからね


怜、推して参る
初出撃


翌朝

 

「ふわ〜あ、眠い」

 

「晴夜くん、昨日はちゃんと眠れた?」

 

「そりゃもうグッスリ、けどそれでも朝は眠いよ、なっ!と」

 

晴夜は言葉を発しながら伸びをしてみせる。

 

逆に守は既にスッキリと目覚めているようでその様子を笑いながら見ている。

 

「あ、転校生さん、神北さん、おはようございます!」

 

「おはよー」

 

 

「2人ともおはよう、晴夜はよく眠れたか?」

 

声をかけてきたのは守はもうすっかり見慣れた3人組、智花、夏海、怜。

 

「おはよう、みんな」

 

「おっす。怜、それはもう転校生にも聞かれたぞ」

 

「そうだったか。悪いな。というか転校生のことを後から転校してきたお前がそう呼ぶのはおかしくないか?」

 

「いいのいいの、みんなそう呼んでるならその方がわかりやすいし、なんか呼びやすいし」

 

「僕は全然構わないよ。むしろなんでみんなが僕のことを転校生って呼ぶのかが謎なくらいなんだけど」

 

「そこは突っ込んだら負けよ、アンタが転校生!って顔してるのよ」

 

「「どんな顔だ」」

 

晴夜と守は思わず声をそろえてツッコミを入れる。

 

「んでさ、俺のクラスがサンフラワー?っていうらしいけどこれ、どういう基準で分けてるんだ?」

 

「ほとんど意味ないわよ。ただ、ホームルームとか全員参加の行事の説明を受ける時には一つの教室に全生徒入らないから分けてるってだけ」

 

「授業は原則学年ごとだからな。魔法学以外の通常授業などは普通の学校で勉強をしていた晴夜の方が得意なんじゃないか?」

 

「なるほどねぇ、まぁ俺が勉強できるかはともかく、授業中もみんなで一緒に居られるわけだ」

 

「私語は厳禁だぞ」

 

「わかってるって。ただ休み時間にわざわざ遠くのクラスまで行かなくていいってのは大きいメリットだな」

 

「……なるほど、それは思いつかなかったな」

 

智花たち3人は驚いたような表情で顔を見合わせる。

 

「私たち、中学生になる前に魔法学校に入ったから、結構そういう一般の学生の感覚抜けてるんですよ」

 

そう自嘲気味に智花は笑う。

魔法学園と普通の学校、魔法を除けばその差はごくわずかだが、その小さな違いも多感な10代の少女たちからすれば大きな問題だ。

 

「なーに、朝から辛気臭い顔してるのよ!」

 

「そうだ。この学園に入学したからこそ、私たちはこの学園のみんなと知り合えたんだ」

 

「夏海ちゃん、怜ちゃん…」

 

「おーい!お前ら!遅刻になるぞー!」

 

遠くから兎ノ助がまだ校門の外にいる生徒に呼びかけている。

 

「よーし!今日も頑張って行きましょう!」

 

「ちょっ、智花待ってよ!」

 

 

智花が走りだし、夏海がそれを追いかける。

 

怜はいつも見ている光景を微笑ましくも思いながら、新たな光景に目をやる。

 

「おいおい、初日から遅刻はさすがに勘弁だぜ、行くぞ、怜、転校生!」

 

「うん!」

 

智花と夏海を晴夜、そして守が追いかける。

 

「おい、校舎の中に入ったら走るなよ?」

 

そんな4人を見て怜は微笑み、自分も追いかける。

きっとこれからも楽しい学園生活は続いていく。そんな漠然とした希望を胸に抱きながら。

 

 

 

 

〜〜〜

「え〜、つまり、植物型の魔物にも動物型や人型の魔物と同じように【核】となる部分が存在しています。具体的には、花や実についていることが多いですね」

 

授業中、今は霧の魔物に関する知識の授業だ。

と言っても、霧の魔物はわからないことが多すぎて◯◯と言われている、だったり◯◯という例が多い、というような不確かな情報がどうしても多くなっていた。

 

それでも必死に情報をノートに書き写すもの、寝始めるもの、小声で話し出すものと生徒の反応は様々だ。

晴夜は、さすがに初日ということもあり真面目にノートを書き写していた。

彼自身、勉強することは嫌いではなかった。

 

「そして実や花をつけない植物は主に栄養を吸収する根を核にすることが多い……っと時間ですね。今日はこのくらいにしておきましょう」

 

そう言うと教師はそそくさと外へ出て行ってしまう。

すると教室の中はすぐにざわつき始める。

 

「ふぃー、疲れたっと」

 

晴夜は窓際へ向かうと窓の外を眺める。

今まで通っていた学校とは全く違う景色が広がっている。

当然だが、その新鮮さが晴夜にとっては楽しかった。

 

「へぇ〜なかなか絵になるじゃない」

 

シャッター音がした方を振り向くと夏海がカメラを構えていた。

 

「報道部として取材させてくれない?やっぱり転校生の情報ってみんな知りたがるのよ。特に男子のはね」

 

「謝礼は出るのか?」

 

晴夜は表情をほとんど崩さずにそう尋ねる。

 

「そうねぇ、怜の学園での恥ずかしい話10選とかどう?」

 

「……乗った」

 

そう答えた晴夜の顔は少し緩んでいた。

 

 

 

 

 

〜〜〜

「好きな食べ物!」

 

「ドーナッツ」

 

「お気に入りの場所!」

 

「学園外でいいなら風飛の喫茶店かな」

 

「ズバリ彼女は」

 

「いない」

 

夏海による晴夜への一問一答が続いている。

 

「うーん、なんかインパクトにかけるわね。なんかすごい秘密とかないの?」

 

「あったとして言うと思うか?」

 

「言ってもらわなきゃ困るのよ。こっちは取材したなら成果を持って帰らないとだから」

 

夏海にそう言われると晴夜は腕を組み、唸り始める。

 

「……あるぜ、とっておきなのが一つ」

 

「え!?なになに!?」

 

夏海は実を乗り出して晴夜に詰め寄る。

 

「……俺は身体の中に龍を飼っている」

 

「……ギャグセンスは0と」

 

夏海は乗り出していた身を元に戻すと冷静にメモをまとめる。

 

「うぉい!」

 

「とりあえずここまででいいわ。ありがと!怜の話はまた今度教えるわね」

 

「いい記事にしてくれよ」

 

「まっかせといて!」

 

そう言うと夏海は部屋を飛び出していく。

 

「ん?」

 

夏海が教室を出たのとほぼ同時に怜が教室を早足で出ていくのが見えた。

怜は左手で刀の鞘を強く握っている。

 

「怜……?」

 

「た、大変だよ晴夜くん!」

 

不審そうにそう呟く晴夜、すると直後に大慌てで守と転校生が晴夜の前まで駆けてきた。

 

「デバイス、見ましたか?」

 

「デバイス?いや、見てないけどなんか連絡でも……!?」

 

晴夜はデバイスにきていた連絡の内容を確認し、絶句する。

 

そこには、神凪神社、怜の家に魔物が発生したと情報が記されていた。

 

「神凪神社!」

 

「クエストが発生しているので多分怜ちゃんはもう受けてると思います。私たちも受けましょう!」

 

智花に促される。

晴夜には断る理由はない。当然クエストを受注し終わると3人で頷き、教室を出る。

 

「こんな早くクエストを受けることになるなんてな。しかも場所が親しんだ場所か」

 

「魔物との戦いで油断や焦りはとても危険です。知っている場所でも気を抜かず、怜ちゃんの家族が心配でも焦らず、です」

 

早足で廊下を進みながらも晴夜も智花も冷静そうに見える。

 

「夏海ちゃんもクエストを受けたみたいだね。僕たちと怜さんを含めて5人、うん、ちょうどいい人数じゃないかな」

 

守がデバイスに表示されたクエスト受注者の一覧を眺めながら呟く。

 

「智花と夏海ちゃんは一緒にクエストに出たし怜さんは一度訓練所で魔法を見てるからどんな魔法を使うかわかる。晴夜くん、今のうちに一つ聞いておきたいけどどんな魔法を使うの?」

 

「どんな……って言われても困るな。色々だ。基本的になんでもこなせるつもりだ。指輪のおかげだけどな」

 

「……だとしたら今回は基本的に怜さんの補助に当たってもらおうかな。知り合い同士なら連携も取りやすいと思うし」

 

「わかった。指示出しとかは任せる。よろしく頼む」

 

 

 

〜〜〜

校門前

 

「みんな、今回はクエストを受注してくれてありがとう。討伐対象は人面樹、比較的ポピュラーな魔物だが、だからと言って油断はできない、気を引き締めていくぞ!」

 

怜の言葉に、4人は頷き、神凪神社へと急ぎ向かうのだった。

 

 

 

次のストーリーを読みますか?

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転校生くんに名前をつけたのに誰も呼ばないという

一応今回のクエスト編が終わり次第色々なキャラを出して行きたいと考えているので、今出ていないキャラが特に好きな方はもう少しお待ちいただければ幸いです

転校生くんの周りの呼び方
智花→智花
夏海→夏海ちゃん
怜→怜さん
晴夜→晴夜くん
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